10 steps to improve pipetting accuracy

Step 1

正確なピペッティングのために、分注前に少なくとも3回、分注量でサンプルの吸排を行ってください。このプレウェットはチップ内のエアギャップでの蒸発を防ぎます。特に微量分注では効果的です。プレウェットはチップ内の湿度を高め、その結果蒸発を防ぐ効果があります。

Step 2

ピペッティングの前に、分注するサンプルと使用するピペットと機器を気温と平衡化させてください。空気置換方式ピペットでの分注量は、相対湿度とサンプルの蒸気圧により変化します。どちらも温度に影響を受けるためです。一定の温度でピペッティングすることが、分注量の誤差を最小限にとどめるコツとなります。

チップのエアギャップ内で温度変化が生じると、熱膨張や熱収縮が起こります。温度が平衡した後は、サンプルの粘度が分注量に影響を与えます。室温の液体に比べると、冷たい液体は粘性が高くなり、温かい液体は粘性が低くなります。

Step 3

液体を排出する前に、チップを容器のふちに軽く触れてチップの外側の余分な液体を除いてください。また、チップ開口部の毛細管現象を防ぐためにも、チップ先端はきれいな状態を心掛けてください。液体の排出後やプッシュボタンを放す前は、チップ内に残っている液体を容器のふちに触れて全て排出してください。チップの外側についた液体を除くには、表面張力を利用すると容易にできます。

Step 4

プッシュボタンを1段目まで押し下げ、チップを液体に浸し、プッシュボタンを放してサンプルを吸引します。ピペットを引き上げ、プッシュボタンを2段目まで押して分注します。このフォワード法は、リバース法よりも正確度、精密度のどちらにおいても精度よく分注でき、粘性の高い溶液や揮発性物質以外のほとんどの溶液に適しています。リバース法は分注量が多めになることがよく見受けられます。そのため、その影響がその実験で許容されうるものか、調整できるものか、必要に応じて評価しておくことをお勧めします。

これは、200μLの粘性の高い液体(グリセロール)を10回分注した時の、フォワード法とリバース法の実験結果です。ここでは、グリセロールをフォワード法で調整したピペットを使用しました。この図から、2つのテクニックの正確度と精密度の違いが読み取れます。

リバース法を使うと、各ポイント間の誤差が小さいことがわかります。すなわち、精密度が良い、ということです。

また、リバース法では、分注量においてフォワード法とやや差が出る傾向にあります。

Step 5

液体を吸引後、1秒待ってからチップを液体から引き上げてください。この一呼吸は、できるだけ同じタイミングで行ってください。プッシュボタンが上がっても、少しの間、液体はチップ内に流入しようとしています。同様に、チップ内では蒸発が起こり始めています。一呼吸を一定に保つことで、この二つのバランスを保ち、正確に吸引できるようになります。

Step 6

液体を吸引する時はピペットを垂直に保ち、ピペットを引き上げる時はリザーバーの中央から真っすぐ引き上げてください。この方法は特に50 µL以下の微量分注でとても重要です。ピペットを斜めに傾けて液体から引き上げると、吸引量に誤差が生じます。

Step 7

ピペットはフィンガーレストを使って軽く握ってください。ピペットを使用しない時は、スタンドにかけるようにします。作業中に手の熱が伝わるのを防ぐため、チップやリザーバーはグローブをはめた手で扱ってください。手の熱が温度平衡を崩すと分注量の誤差につながります。

Step 8

吸引前に、チップをメニスカスより深い位置まで確実に液体へ入れてください。この深さが十分でない場合、特に大容量ピペットでは空気を吸い込んでしまうことがあります。逆に、深すぎる場合はチップの外側に余分な液体がついてしまいます。また、チップの先端が容器の底につくと吸引の妨げになる可能性があります。

ステップ1:ピペットを垂直にし、液体にチップを正しい深さで入れました。

ステップ2:チップを深く入れた場合、正確度が2倍落ちました。

ステップ3:ピペットを30~40°傾けて、チップを深く入れた場合、正確度は3~5倍落ちました。

Step 10

プッシュボタンを押す時は、1段目に届くまで軽い力で一定にゆっくり操作してください。チップを液体に入れたら、一定の速さでプッシュボタンを放してください。同じ動作の繰り返しがデータの再現性向上につながります。

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