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オリゴDNAに関するFAQ
合成オリゴDNAの最大長や、オリゴの溶解方法など、カスタム合成されたオリゴDNAに関するFAQ(よくある質問)とそれらに対する回答をご覧いただけます。また、オンラインでの検索が可能なInvitrogen Technical Support Databaseへのリンクもございます。
プロトコール
定量から精製、沈殿からアダプター生成まで、カスタム合成されたオリゴDNAの使用方法に関連するプロトコールをご覧いただけます。
品質
オリゴDNAの合成方法やお客様の研究のニーズを満たす品質を確保するための工程に関する情報が掲載されています。
S-Q1. カスタムDNA(合成DNA)はどのように合成されますか?
当社のカスタムDNA合成はβ-Cyanoethyl Phoshoramidite法により合成されています。
この方法は過去30年間に渡り最も信頼の置ける合成法で、当社の行程では塩基の縮合収率は99%以上と高効率で目的鎖長のものを得ることができます。
当社の合成行程は目的鎖長まで一塩基ずつ縮合するStepwise合成です。
この方法では目的鎖長までに余分な塩基が挿入されることが無く、また、未反応の不完全長オリゴヌクレオチドもキャッピング(capping)という処理を施され、次の工程で塩基の延長ができないように処理されます。
これらの工程により、塩基挿入や塩基欠損のものの混入がない目的のオリゴヌクレオチドを提供することが可能となります。
合成工程図
1. Deblocking
固相担体上にあるヌクレオシドの5'-末端のジメトキシトリチル(DMTr)基を酸処理で脱離させ、5'-水酸基遊離の状態にします。脱保護されたジメトキシトリチル基はジメトキシトリチルカチオンとなり、このカチオンをモニターすることで合成の良否を判断します。
2. Coupling
遊離の5'-末端水酸基にNucleoside-3'-phosphoramidite unitを縮合します。
3. Capping
未反応の5'-末端水酸基をアセチル化することにより保護(キャップ化)をします。
アセチル基は塩基性条件下でのみ脱離しますので、次回以降の合成サイクルでは酸処理においてアセチル基は脱離せず、このキャッピング化されたDNA鎖は伸張しません。
4. Oxidation
三価のリン酸結合を安定な五価の正リン酸結合にします。
5. Deblocking
伸張したDNAの5'-末端からDMTr基を除去します。
このサイクルを繰り返すことにより目的鎖長までDNA鎖を伸張します。
S-Q2. 合成効率とは何ですか?
合成効率はDNA合成機のCPG担体上で、伸張するDNA鎖に新たな塩基を付加する効率を示す値です。
当社で採用しておりますβ-Cyanoethyl phosphoramidite法は、効率が良く縮合収率は光学的定量法で測定をすると100%~98%となりますが、一般に化学反応で収率が100%となる反応はごく稀であり、この点を考慮すると実際の合成効率は99%が上限となります。
このため、各縮合段階において、1%の未反応物が産生することになり、不完全鎖長DNAが合成物に含まれる要因となります。
合成の際に不完全鎖長DNAの産生を如何にして抑えるか、精製操作により不完全鎖長DNAを除去するかが課題となります。
S-Q3. 合成効率とはそんなに重要なのですか?
表に合成効率が99%の場合と98%の場合を示しました。
初期の段階では最終鎖長DNAの理論的収率の差は僅かですが、鎖長が長くなるに従い理論的収率に大きな差が認められます。
最終産物量を多く得るために合成効率の管理が重要となります。
99% coupling | 98% coupling | |
Length | Main Products (%) | Main Products (%) |
1 | 99 | 98 |
10 | 91.35 | 83.37 |
20 | 82.62 | 68.12 |
50 | 61.11 | 37.16 |
70 | 49.98 | 24.81 |
80 | 45.20 | 20.27 |
90 | 40.88 | 16.56 |
S-Q4. どれ位の量が得られますか?
カスタムDNAの鎖長と収量の相関関係を示しました。
条件は50 nmoleスケール合成/脱塩精製で、合成効率98%、回収率100%、GC含量50%を想定しています。
カスタムDNAの鎖長と収量
合成鎖長 | 予想される O.D.値 | 予想される nmole 数 |
10~20 | 4~7 | 32~40 |
20~30 | 7~9 | 27~32 |
30~40 | 9~10 | 22~27 |
40~50 | 10 | 18~22 |
50~60 | 10 | 15~18 |
S-Q5. どれくらいの長さのDNAまで注文できますか?
一般に合成効率の安定性は合成スタート時の合成スケールと関係があり、目的鎖長の上限により合成スケールの変更が必要な場合が生じます。上限の目安としては、100merまでとなります。
101mer 以上の合成も下記の条件でのみ受注可能です。
Web注文には対応しておりませんのでご注文はメールにて承ります。
S-Q6. PCRアプリケーション用の合成スケールについて教えてください。
PCRアプリケーション用のカスタムDNAをご注文する際には、合成スケールにより提供される反応数が決まります。以下の表ではPCR反応スケール100 μL、最終オリゴ濃度0.1~0.5 μMと仮定しています。
PCRアプリケーション用のオリゴ合成スケール
O.D. Units | Number of Reactions | Quantity of DNA | Scale of Synthesis |
PCR primers~ Maximum length= 100 bases | |||
5 | 1,000~5,000 PCR Reactions | 165 μg of DNA | 50 nmoles |
20 | 4,000~20,000 PCR Reactions | 660 μg of DNA | 200 nmole |
50 | 20,000~100,000 PCR Reactions | 1.65 mg of DNA | 1 μmole |
PCR primers(RP)~ Maximum length= 100 bases | |||
2 | 400~2,000 PCR Reactions | 66 μg of DNA | 50 nmole |
10 | 2,000~10,000 PCR Reactions | 330 μg of DNA | 200 nmole |
25 | 5,000~25,000 PCR Reactions | 1.65 mg of DNA | 1 μmole |
Cloning Primers(HPLC)~ Maximum length= 65bases | |||
3 | 600~3,000 PCR Reactions | 99 μg of DNA | 200 nmole |
15 | 3,000~15,000 PCR Reactions | 495 μg of DNA | 1 μmole |
P-Q1. なぜ、精製は必要なのですか?
合成後の産物には不完全鎖長DNAがある割合で混入しています。
この不完全鎖長DNAが競合する場合があるので、用途によりましては精製操作により不完全鎖長DNAを除去する必要があります。
P-Q2. 精製には具体的にはどのような種類がありますか?
使用する用途、目的により実験に用いるカスタムDNAの純度は異なってきます。当社では4種の精製グレードを取り揃えています。
脱塩精製
多くのアプリケーションで使用可能な汎用性の高い精製グレードです。
カートリッジ精製
脱塩精製では除去が出来ていない不完全鎖長DNAを逆相クロマトグラフィーカートリッジで簡易精製する方法です。
HPLC精製
HPLC精製は紫外吸光でモニタリングを行いながら、精密にクロマトグラフィーで精製する方法です。カートリッジ精製では分離が難しい溶出特性が近似した微量混合物(不完全鎖長DNAなど)の除去が可能です。溶出プログラムは完全長DNAを分離するために最適化されたものを用い、高純度のカスタムDNAを提供します。
PAGE精製
HPLC精製は鎖長が65mer以下では純度が高く、また高収率で目的とする鎖長のDNAを分取することが可能ですが、長鎖になると分解能が低下し不完全鎖長DNAの分離が困難となってきます。66mer以上の高純度DNA精製にはPAGE精製をお薦めします。(PAGE精製は海外品となります。)
精製ガイド
用途 | 推奨の精製グレード及び説明・解説 |
一般的なPCR | 脱塩精製を推奨します。 |
制限エンドヌクレアーゼ部位、RNAポリメラーゼプロモータなどの重要な配列を含むプライマーを用いるPCR | カートリッジ精製、または、HPLC精製、PAGE精製が適しています。カスタムDNAは3'→5'方向に合成されますが、5'-配列のn-xプライマー(不完全長DNA)が全て、または一部失われることがあります。PCR前に組み込みたい配列を失ったPCR産物が生成される可能性を抑えるために、完全長DNAの純度が高いプライマーを用いる事をお奨めします。 |
蛍光シークエンシング | この用途にはすべてのグレードのカスタムプライマーを使用できます。 (但し、未標識の不完全長DNAが除去されるようにカートリッジ精製以上のグレードをお奨めします。) |
サイクルシークエンシング | この用途には脱塩精製が適しています。 |
アイソサーマルシークエンシング | この用途にはすべてのグレードのカスタムプライマーが使用できます。 |
部位特異的突然変異誘導 | 特に意図する突然変異がプライマーの5'-末端に接近している場合、カートリッジ精製以上(カートリッジ精製、HPLC精製、PAGE精製のいずれか)において高効率で突然変異クローンが得られる傾向があります。脱塩精製ではお望みの突然変異が見られても、一部の野生型の親クローンがキャリーオーバーする傾向があります。 |
RT-PCR用の一本鎖cDNA合成 | 一般にライブラリー構築のための一本鎖 cDNA合成用プライマーは、5'-末端に制限エンドヌクレアーゼクローニング部位を含む配列を有しています。カートリッジ精製以上(カートリッジ精製、HPLC精製、PAGE精製のいずれか)の精製グレードをお奨めします。 |
クローニングアダプターの生成 | クローニングを効率的に行うためには完全長DNAの純度が高いプライマーを用いる事をお奨めします。HPLC精製またはPAGE精製をお奨めいたします。アダプターが短い場合はカートリッジ精製の使用も可能です。 |
ゲルシフト解析 | ゲルシフト解析ではDNAフラグメントの均質的な集団が得られることから、カートリッジ精製以上(カートリッジ精製、HPLC精製、PAGE精製のいずれか)を使用することをお奨めします。 |
AFLP解析 | Amplification Restriction Fragment Polymorphism (AFLP)解析にはすべてのグレードのカスタムプライマーが使用できます。 |
アンチセンス | アンチセンスの用途には一般的にHPLC精製が最も多く使用されています。 |
P-Q3. HPLC精製時のチャートについて
複数の機種を使用しているため、HPLCチャートのフォーマットが使用した機種により異なります。
各機種において同一条件で精製を実施していますが、機種により検出時間が異なる場合があります。
M-Q1. WebやカタログにCy™5やCy™3などの蛍光標識サービスが見当たりません。
Cy系色素と同じ目的のアプリケーションに使用可能な下記の蛍光標識をご用意しています。
【光学特性】
<Alexa™647 / Alexa555> Cy5/Cy3と類似(近接)。安定性が高い。
選択可能な精製方法 | 標識可能部位 | 標識方法 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
色素名 | 脱塩 | 簡易カラム | HPLC | 5'末端 | 3'末端 | 内部 | ||
<Cy5 代替色素> | Alexa™ 647 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | アミノ誘導体 | ||
<Cy3 代替色素> | Alexa 555 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | アミノ誘導体 |
詳細情報は、「価格表」や「修飾DNAと標識DNA(波長情報)」をご参照ください。
M-Q2. TaqMan Probeは受注しないのですか? また、Dark Quencher®は取り扱わないのですか?
TaqMan Probeは当社Applied Biosystems® カスタム プライマー&TaqMan® プローブにて受注をしています。 弊社はDark Quencher®、Blackhole Quencher®のライセンス許諾は受けておりません。また、TaqMan® Probeにおきましては過去から現在に至るApplied Biosystems®で販売されましたReal-Time PCR機器にOptimizeされており、安定した結果を提供します。
M-Q3. チオール修飾オリゴに関して
5’または3’-チオール修飾サービスではご希望の精製方法に応じて、二種の形態で製品を出荷しています。
(1)-S-S- (提供精製グレード:脱塩、カートリッジ精製、HPLC)→ ご使用時に還元処理が必要です。
(2) –SH (提供精製グレード:HPLC精製のみ)→ 還元処理された状態です。
※精製グレードがHPLCの場合は還元処理の有無をご選択できますので、ご注文時にご指示ください。
(1)の場合、お客様にて-S-S-結合を切断する還元処理(DTTなどを用いる)をご実施いただく必要があります。 下記に還元処理方法をご紹介します。
(2)の場合、還元処理後に精製操作を実施し乾燥状態でご提供します。
還元処理されたチオール修飾オリゴは、水溶液中で容易に2量体を形成しますので、還元処理後はすぐにご使用いただくか、または溶液の濃縮操作をご実施ください。
保管する場合は乾燥状態で-20℃にて保管してください。製品の到着後、早めのご使用をお勧めします。
M-Q4. 蛍光標識オリゴの取り扱い方法
蛍光標識オリゴは、凍結・融解を繰り返すと標識された蛍光色素とDNAリン酸残基を結ぶリンカー部分が加水分解される場合があります。蛍光標識オリゴを溶解後は分注するなどして、凍結融解の頻度を少なくするようにしてください。また、凍結時は氷上に静置し徐々に融解させるなど、急な融解を避けるようにしてください。
保管する場合は-20℃にて保管してください。製品の到着後、早めのご使用をお勧めします。
M-Q5. 修飾基とDNAを繋げているリンカーの長さを教えてください。
一般に標識などの修飾DNAは直接、核酸と標識が結合しておらず、炭素鎖長6のリンカーなどを介して結合しています。(但し、リン酸修飾を除く)。また、標識の種類により、リンカー長が異なる場合もあります。下記に示す表にそれぞれの標識に対するリンカー長を表記しますのでご参照ください。
5’-modification | 炭素鎖長 |
Amino(Amine) | 6 |
Biotin | 6 |
FAM | 6 |
HEX | 6 |
TET | 6 |
Fluorescein | 6 |
Thiol | 6 |
3’-modification | 炭素鎖長 |
Biotin | 14* |
Thiol | 3 |
Amino | 6 |
M-Q6. FAM, Flourescein, FITCに違いについて教えてください
FAM, Flourescein, FITCは全てFlourescein環を有しており、違いは異性体を含む(6-FAMまたは5-FAM、6-FAM混合物)またはリンカーの構造(アミド結合またはイソチオシアネート結合)が異なる点です。イソチオシアネート結合はアミド結合に比較して加水分解されやすいという特性があります。そのため、当社では安定して実験にご使用いただけますようにFITC修飾の代わりとして、Flouorescein修飾を提供しています。お客様の実験の用途に応じまして、それぞれをご注文ください。
また、6-FAM修飾原料はFluorescein修飾原料の6-位異性体のみを用いたものとなります。Flouorescein環は5-位、6-位誘導体とも同じもので、リンカーの結合部位のみが異なります。5-位、6-位誘導体ともほぼ同じ光学特性となります。 Fluorescein、5-FAM、6-FAMとそれぞれ該当の光学特性を添付の表に記しましたのでのご参照ください。 当社のラインナップのFluorescein誘導体で異性体混合物のご使用を望まない場合は、6-FAM標識系(FAM、HEX、TET)をお選びください。
ABS (nm) | モル吸光度係数 | Em (nm) | Solvent | |
Fluorescein | 495 | 74000 | 519 | pH 9 |
5-FAM | 494 | 78000 | 520 | pH 9 |
6-FAM | 496 | 83000 | 516 | pH 9 |
M-Q7. Dideoxy法または関連方法に用意されている修飾を教えてください
Dideoxy法に用いる際に、3’-末端に使用できるDideoxynucleosideはC-baseのみが用意されています。また、DNAポリメラーゼによる伸張反応が継続されないようにするために用意されているヌクレオシド担体として3’-deoxy nucleoside (A, C, G, T)があります。さらに別の手法として通常ヌクレオチド3’-末端にC3リンカーを修飾する例もあります。
M-Q8. カスタムDNA、RNA製品の5’-位はリン酸残基が付いていますか?
カスタムDNAは化学的に3’-位方向から5’-位方向へ合成されます。この手法では5’-位にリン酸残基は存在せず、5’-位は水酸基(OH基)となります。もし、お客様がライゲーションなどDNAに5’-位にリン酸残基を必要とする場合には、5’-リン酸修飾をご注文ください。
M-Q9. Biotin標識の形式と標識化率について教えてください。
当社のBiotin標識につきましてはPhosphoramidite法を用いて合成を実施しています。この手法におきましての標識化率は99%となります。(FAM、HEX、TET、Fluorescein標識も同様です。)
また、アミノ修飾DNAにSE体を用いた標識化法はphosphoramidite法と比較し標識化率が落ちますが、HPLC精製などにより未反応のアミノ修飾DNAを除去後に出荷しています。このため、Phoshoramidite法による修飾と同等の標識化されたものを出荷しています。
M-Q10. Webやカタログに載っていない特殊な製品も注文できますか?
Webやカタログにない修飾品についてもご提供できる場合もございますので、お気軽にご相談ください。ミックス塩基やS-オリゴ(Phosphorothioate)の合成も承っております。下記をご参照の上ご注文ください。
IUB code
BASE | IUB code |
Deoxyadenine | A |
Deoxycytosine | C |
Deoxyguanidine | G |
Thymidine | T |
Deoxyuracil | U |
Deoxyinosine | I |
dA-Phosphorothioate | F |
dC-Phosphorothioate | O |
dG-Phosphorothioate | E |
T-Phosphorothioate | Z |
dA+dC+dG | V |
dA+dC+dG+T | N |
dA+T+dG | D |
T+dC+dG | B |
dA+T+dC | H |
dA+T | W |
dC+dG | S |
T+dG | K |
dA+dC | M |
dC+T | Y |
dA+dG | R |
M-Q11.Q-dotの標識は可能ですか?
当社ではカスタムDNAへのQ-dotの標識サービスは行っておりません。
M-Q12.蛍光標識の方法と種類について
一般に核酸誘導体の蛍光標識にはPhosphoramidite法によるものとアミノ標識核酸にN-Hydroxy Succinimidyl誘導体を用いて標識を行います。
N-Hydroxy Succinimidyl誘導体を用いる標識ではアミノ誘導体に反応させるので異なるN-Hydroxy Succinimidyl誘導体を同一の核酸誘導体に標識させることはできません。(例:1本のオリゴDNAにAlexa Flour 647とAlexa Flour 555の標識など)
Phosphoramidite誘導体(例:FAM、HEX、TET、Fluoresceinなど)とN-Hydroxy Succinimidyl誘導体を用いる場合は、標識が可能です。
なお、蛍光標識後のDNAは有機溶解性が高くなるため、同一の核酸誘導体に複数の標識を行うと精製が困難となる傾向があります。
D-Q1. 配送状況を確認したいのですが?
上記操作でご確認いただけない場合は、当社オーダーサポート(03-6832-6980/ガイダンス1→2)までご連絡ください。
また、直接日本通運株式会社のWebサイトからもご確認いただけます。
http://www20.nittsu.co.jp/sora/tracetop.htm
D-Q2. 研究室まで配送して欲しいのですが?
ご登録アカウントのプロフィールに、配送先研究室名/部屋番号等をご登録ください。
D-Q3. 配送は常温でしたが、保存はどうすればいいですか?
当社のカスタムプライマーは常温での配送となります。
保存に関しましては「Z-Q7」をご参照ください。
D-Q4. 土・日・祝日に受け取りたいのですが?
ご希望の場合は、ご注文の際に「特記事項」にご希望内容をご入力ください。
特記事項にコメントを入力される場合は、19:00までにご注文ください。
当社で内容の確認をするため、19:00以降のご注文は納期が遅れる場合がございますので予めご了承ください。
D-Q5. 配送希望日や受け取りが出来ない日がある場合はどうすればいいですか?
ご希望の場合は、ご注文の際に「特記事項」へご入力ください。
特記事項にコメントを入力される場合は、19:00までにご注文ください。
当社で内容の確認をするため、19:00以降のご注文は納期が遅れる場合がございますので予めご了承ください。
D-Q6. 配送時間を指定できますか?
ご希望時間帯への配送は確約が出来かねますが、可能な範囲でご希望に沿えますよう対応させていただいています。
ご希望の場合は、ご注文の際に「特記事項」へご希望の配送時間帯をご入力ください。
特記事項にコメントを入力される場合は、19:00までにご注文ください。
当社で内容の確認をするため、19:00以降のご注文は納期が遅れる場合がございますので予めご了承ください。
Z-Q1. 分析書(Certificate of Analysis)について
分析表の見方例
Z-Q2.分析書に書かれたモル吸光度係数などを求める計算式を教えてください。
一般に合成DNAは、分光光度計などを用いて吸光度より定量を行います。合成DNAのモル吸光度(E260)とモル濃度、Tm値などの物性値は以下の式により求めることができます。
合成DNAのモル吸光度係数
E260 = (A x 15.3)+(C x 7.4)+(G x 11.8)+(T x 9.3)+(U x 10.1)+(I x 12.25)+(N x 10.95)+(B x 9.5)+(D x 12.1)+(H x 10.7)
+(K x 10.6)+(M x 11.4)+(R x 13.6)+(S x 9.6)+(V x 11.5)+(W x 12.3)+(X x 11.0)+(Y x 8.35)
合成DNAの分子量
Mw =[{(A x 313.2)+(C x 289.2)+(G x 329.2)+(T x 304.2)+(U x 290.2)+(I x 315)+(N x 309)+(B x307.5) +(D x 315.5)+(H x 302.2)+(K x 316.7)+(M x 301.2)+(R x 321.2)+(S x 309.2)+(V x 310.5)+(W x 308.7)+(X x 309.0)
+(Yx 296.7)} - 62]+1
GC%
%GC =[G+C+S+0.5(N+X+M+Y+K+R)+0.67(B+V)+0.33(H+D)]/ Total Number of Bases
1OD当たりの量
g/ O.D.= Mw/ E260
Z-Q3. 2種類のTm値の記載が試験成績書にあるのですが、どちらのTm値を採用すれば良いのですか?
2種類のTm値はアプリケーションに応じて使い分けください。アニーリングにはTm(1M Na+)の値をご参考ください。PCRにはTm (50mM Na+)の値をご参考ください。
Tm値の算出方法として、Nearest Neighbor法、Wallace法、GC%法などいくつか知られていますが、算出結果は方法により異なります。試験成績書に記載の各Tm値の計算式は下記になります。
(1) 10 bases 以上の場合
基本式:
Tm (Salt concentration) (> 10 bases)=81.5+16.6(Log [Molar Na+]+41(%GC)-675/ DNA Length
塩濃度が1 M (Annealing) の場合:
Tm (1M Salt Solution for Annealing) (> 10 bases)= 81.5+41(%GC)-[675/ DNA Length]
塩濃度が 0.05 M (PCR) の場合:
Tm (0.05M Salt Solution for Annealing) (> 10 bases)= 59.9+41(%GC)-[675/ DNA Length]
(2) 10 bases 以下の場合:
Tm(≦10 bases)= [{%GC x all bases} x4]-[{(1.00-%GC)x DNA Lengthx2}
(E260:DNA鎖のモル吸光度係数;Mw:DNA鎖の分子量;%GC: GC含量;Tm: Tm値)
ホルムアミド含有Bufferを使用する場合は式より65x(%form amide)を差し引いて補正してください。
Tm値とは二本鎖DNA分子の50%が解離して一本鎖DNAになる温度のことで、Primerの塩基配列、塩濃度、Buffer組成など様々な実験条件に依存して変化します。PCRを行う際、Tm値を元にアニーリング温度を決めますが、各Primerに最適なアニーリング温度を決めるためには、いくつか条件検討が必要です。Tm値の計算方法にもよりますが、一般的にはTm値±5℃程度の範囲で条件検討を行って頂くのが適当です。
Z-Q4.出荷形態についてはどのような種類がありますか?
当社では、乾燥品または液体品*1で出荷しています。容器の指定*2、濃度*3や溶解する溶液*4の指定等がございましたら、ご注文の際にお申し付けください。
*1: 通常、10mM TE Buffer (pH 8)に溶解しています。
*2: 2mLチューブまたは96穴ディープウェルプレートの2種の容器をご用意していますが、お客様ご指定の容器による出荷も可能ですのでご相談ください。
*3: 濃度は100μM (50 nmoleスケール)、500μM (200nmoleスケール)、2500μM (1μmoleスケール)となります。ご希望の濃度にも調製が可能ですのでご相談ください。(別途、調製料金が必要となります。)
*4: TE bufferの他にH2Oにも対応が可能ですのでご相談ください。
Z-Q5. 注文した合成DNAを溶解する溶液について教えてください。
合成DNAをTE[10 mM Tris-HCl(pH 8.0)、1 mM EDTA]に溶解します。水のpHは多くの場合弱酸性で、合成DNAの加水分解を引き起こす可能性があるため、脱イオン水よりもTEに溶解することが推奨されます。
H2Oによる溶解をご希望された場合には、Thermo Fisher Scientific 社の超純水製造装置GenPureを用いて作られた超純水(DNase/RNase フリー)を使用して溶解いたします。
Z-Q6. 濃度調製の仕方がわかりません。
液体でご注文されている場合には、すでに調整済みです。ご注文スケールによって濃度が異なりますが、下記のように調整されています。
合成スケールと液体調整濃度
合成スケール (nmole) | 液体調整濃度 |
バリューオリゴ(40 nmol) | 100 μM |
25 nmole | 100 μM |
50 nmole | 100 μM |
200 nmole | 500 μM |
1 μmole | 2500 μM |
乾燥品につきましては添付のカスタムプライマー使用説明書 の溶解例をご参照ください。
こちらには1 mM(1 nmole/μL)と100 μM(100 pmole/μL)への調整方法例が記されています。
Z-Q7. 届いたカスタムDNAはどれ位保存できますか?
カスタムDNAの保存期間の指標として下記の表を参考にしてください。特に蛍光標識されたものは繰り返しの凍結融解を避けて必要に応じて凍結前に分注することをお奨めします。乾燥品のカスタムDNAは-20℃で1年間安定です。TEに溶解したカスタムDNAは-20℃または4℃で一週間程度安定です。凍結下のカスタムDNAはヌクレアーゼの非存在下であれば、-20℃で6ヵ月間以上安定です。リン酸の加水分解を避けるため、必ず中性の水をご使用ください。水に溶解したカスタムDNAを4℃で保存しないでください。
カスタムDNAの保存期間
保存温度 | 保存期間 | |
乾燥品 | -20℃ | 1年 |
液体品 | -20℃ | 6ヶ月* |
液体品 | 4℃ | 1週間以内** |
Z-Q8. PCR用プライマーの設計のためのガイドラインを教えてください。
理想的なPCRプライマー対は、ターゲット配列にまたがる固有配列にアニーリングし、サンプル中の他の配列にはアニーリングしません。プライマーの設計が悪ければ、ターゲット以外の配列が増幅される可能性があります。以下のガイドラインでは、望ましいプライマー配列の特徴について述べています。
Z-Q9. PCRプライマーのアニーリング温度についてアドバイスをいただけませんか?
融解温度Tmはプライマーにとって重要なパラメータです。これは、プライマーおよびその相補配列の50%が二本鎖DNA分子として存在する温度です。Tmは、PCRのアニーリング温度を決定するために必要です。アニーリング温度は55~70℃が妥当です。一般に、アニーリング温度はプライマーのTmよりも約5℃低く設定します。大部分の合成プライマーにはTm推定値が記載されているため、アニーリング温度は単なる出発点に過ぎません。アニーリング温度をさらに高くして行った複数の反応を解析することにより、PCRの特異性を向上させることができます。
Z-Q10. 品質検査はどのように行っていますか?
合成工程では全製品の工程をモニターすることにより管理をしています。また、合成・精製工程を終了後、LC-MS による品質の検定を行いプライマーの完全鎖長の確認を行っています。
Z-Q11. 実験がうまくいかないのですが?
当社では厳正な品質管理の下にお客様に製品をお届けしています。しかしながらお客様の実験の性質上、より純度の高い製品が適す場合もあります。実際の結果が思わしくない場合には精製グレードを上げてお試しいただけますと好転する場合があります。また実験方法に関する技術的なお問い合わせに関しましては、弊社テクニカルサービス(Tel:0120-477-392)までお問い合わせください。
Z-Q12. アニーリングサービスは行っておりますか?
当社カスタムプライマーサービスにおきましてはカスタムDNAのアニーリングサービスは行っておりません。
Z-Q13. 再合成になり遅延するとの連絡を受けました。理由を説明してください!
当社ではお客様に高い品質の製品をお届けするために厳密な品質検査を実施し、出荷基準を満たしたもののみ出荷しています。一部の製品に関しましては品質検査の結果、基準に満たないものが生じることがあり、再合成または検証に時間を要する場合があります。その際に納期遅延が発生して、お客様に多大なる迷惑をおかけすることを深くお詫び申し上げます。
Z-Q14. 再合成されて届いた製品の収量が、先に届いた同等品の収量と大きな差があるのですが?
再合成に使用するDNA/RNA合成機に依存して合成スケールが変更されることがあります。そのため収量に違いが出ることがあります。製品品質に影響はございません。
Z-Q15. 受け取ったプライマーが着色していました。不良品ですか??
1μmole合成品などの乾燥品では濃縮物が着色している場合がありますが、これは合成DNAが高濃度の場合に塩基などの組成によりに起きる現象です。製品の品質に問題はありません。当社ではお客様に製品を出荷する前に必ず品質検査を行い、弊社の出荷基準を満たしたもののみ出荷しています。
また、合成スケールが1μmoleなどのスケールになりますとチューブの体積の制約上、乾燥した製品がフィルム状にならず、粘稠なシロップ状になることもあります。
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