試薬のコンタミネーションによるテンプレートなしのネガティブコントロールの増幅

テンプレートなしのコントロール(NTC)で増幅産物が生成した場合、これらの問題のうち1つが考えられます:

  1. DNA による反応のコンタミネーション

    反応のコンタミネーションは、2 タイプに分けられます(1 つを選択します):

  2. プライマーダイマーの形成(Applied Biosystems™ SYBR™ Green ケミストリのみ)

ランダムコンタミネーション

この状態では、DNA テンプレートを PCR プレートに添加する際に NTC コンタミネーションがランダムに生じます。 コンタミネーションの原因がプレートローディングである場合、NTC の反応において、さまざまな CT 値で、一部またはすべての NTC で増幅が見られます(下図参照)。

NTC コンタミネーション

ソリューション:

  • テンプレートのコンタミネーションを回避するために、清潔な作業スペースを使用します。
  • 以前に実施した PCR からのキャリーオーバーコンタミネーションを避けるため、Applied Biosystems™ AmpErase™ Uracil N-Glycosylase (UNG) または Uracil-DNA Glycosylase (UDG) を含むマスターミックスを使用し、以前の反応から混入した PCR 産物を分解除去します。
  • Applied Biosystems では、最適な PCR 結果を得るために、PCR ミックス調製、テンプレート添加、および PCR 実施を行う作業エリアをそれぞれ別にすることを推奨しています。

試薬のコンタミネーション

1つまたは複数の試薬がコンタミネーションします。 この状態では、下図に示されているように、NTC レプリケートの増幅がテンプレートの増幅に接近します。なぜなら、同量のテンプレートが PCR プレートに添加されたためです。

試薬がコンタミネーションした結果の増幅

リアルタイム PCR 反応に使用されるすべての試薬 (すなわち、マスターミックス、水、およびプライマー/プローブ) がテンプレートに混入する可能性があります。 これは、GLP(医薬品安全性試験実施基準)を満たしていないことにより起こる可能性があり、ランダムなテンプレートのコンタミネーションを引き起こします。 また、PCR 前とPCR 後の処理を同じエリアで行う場合、以前に実施した反応からキャリーオーバーされた PCR 産物が新しい PCR プレートに混入し、偽陽性結果が得られる可能性があります。

ソリューション :

  • テンプレートのコンタミネーションを回避するために、清潔な作業スペースを使用します。
  • 以前に実施した PCR からのキャリーオーバーコンタミネーションを避けるため、AmpErase Uracil N-Glycosylase (UNG) または Uracil-DNA Glycosylase (UDG) を含むマスターミックスを使用し、以前の反応から混入した PCR 産物を分解除去します。
  • Applied Biosystems では、最適な PCR 結果を得るために、PCR ミックス調製、テンプレート添加、および PCR 実施を行う作業エリアをそれぞれ別にすることを推奨しています。

プライマーダイマーの形成

Applied Biosystems™ SYBR™ Green 色素がリアルタイム PCR に使用される場合、あらゆるプライマーダイマーはバックグラウンドの上昇を招き、NTC サンプルにおいて Ct 値が 40 未満で形成される可能性があります。 融解プロファイル解析を実施しなければ、プライマーダイマーは通常検出されません。 バックグラウンドが高いため、多量にプライマーダイマーが存在すると実験サンプルの CT 値が変化し、発現レベルの解釈が歪められることになります。

     解離曲線解析に先立つ SYBR Green 増幅プロットの解析。 この表示からは、プライマーダイマーの存在について判断できません。
     SYBR Green リアルタイム反応後の解離曲線解析。 プライマーダイマーの存在は、解離曲線中の追加ピークとして簡単に同定できます。 プライマーダイマーピークは、通常低い融解温度で見られます。

ソリューション :

  1. 下記のプライマー濃度の組み合わせで最適化します:

    リバースプライマー(nM)フォワードプライマー(nM)
     100200400
    100100/100200/100400/100
    200100/200200/200400/200
    400100/400200/400400/400

  2. プライマーダイマーを生成せずに最適な増幅効率を与える量のプライマーを使用します。

 

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.