RT-qPCR アプリケーションにおける優れた cDNA 合成性能

すべてのサインが RT-qPCR アプリケーションにおける cDNA 合成が優れていることを指しています

Invitrogen SuperScript IV VILO Master Mix は、2 ステップ RT-qPCR 用の first-strand cDNA 合成反応ミックスです。 このマスターミックスのフォーマットは、さらに最適化されたバッファー条件を処理能力と熱安定性が高い Invitrogen SuperScript IV 逆転写酵素(RT)と組み合わせることで、信頼ある VILO テクノロジー(広範囲なサンプル量に対し、リニアな結果が得られること)をレベルアップします。 このマスターミックスは高い性能特性を示すと同時に、RNA インプット量の最大範囲に渡り直線性を維持しています。

特長

  • 高効率ー他の RT 試薬と比べて、10 分間の反応で Ct値が平均 2 サイクル速い増幅を示します。
  • 高感度ー分解された RNA サンプルまたは阻害剤を含む RNA サンプルでも信頼性が高い結果が得られます。
  • 高信頼性ー単一チューブマスターミックスフォーマットにより、RT-qPCR データ再現性が改善されています。
  • 安全ー簡潔でRNA への影響が少ない、統合されたゲノム DNA(gDNA)除去。

研究者のコメント

Super Script IV VILO Master Mixはピペットエラーを減らしRNA調製からcDNAまでにかかる作業時間を短縮してくれます。

研究者(USA)

高速、高精度なうえにとても簡単。最終生成物の品質も最高です。

研究者(Spain)

3ng(cDNA/well)をRT-qPCRに使用し、高品質な結果が得られました。以前に、400ng という量のRNAを使いほかのcDNAキットで実施した場合とほぼ同じCt値でした。

Lrina Lazar-Contes
Zurich Brain Research Center, Switzerland

インプットRNAの濃度がとても低いサンプルがあり、高感度なRT酵素を必要としていました。いくつかのRT酵素を試しましたが、SuperScript IV VILOマスターミックスが一貫して高効率でした。

Meera Saxena, PhD
University of Basal, Switzerland

低濃度のRNAと阻害物質の残る肺切片のRT-qPCR実験を実施していました。SuperScript IV VILO Master Mixは安定したデータを得るために重要でした。

Mare Schnoebelen
Actelion Pharmaceuticals Ltd., Switzerland

SuperScript III cDNA synthesis KitとSuperScript VILOを使用していました。今は、簡単で反応時間が短く、似たようなまたはより良い結果が出るので、感度が重要なqPCRには、SuperScript IV VILOを使用しています。

研究者(USA)
SuperScript IV VILO Master Mix 製品を注文

SuperScript IV VILO Master Mix の利点

3 コントロールレベルで RT-qPCR データの再現性および正確性を高めます

1

SuperScript IV VILO Master Mix には、プレミックスですべての反応成分が含まれています。 RNA テンプレートと水を加えるだけで、反応ミックスが完了します。 このオールインワンフォーマットを採用することで、ピペット操作のステップが最小限となるため、RT-qPCR のデータ再現性を改善し混入の防止に役立ちます。

2

SuperScript IV VILO Master Mix No-RT コントロール(RT 酵素を除くマスターミックスの全成分)を使用することで、潜在的な gDNA の混入の程度をモニタリングでき、紛らわしい結果を避けることができます。

3

ezDNase は混入した gDNA を除去すると共に、RNA の品質を高く保ち、RT-qPCR データの正確さを保持します。

RNA インプット量の広範囲に渡り信頼性ある性能を示します

SuperScript IV VILO Master Mix には、優れた感度と RNA インプット量の広範囲における直線性が得られるように、SuperScript IV RT と RNA テンプレートとの相互作用を改善する独自のヘルパータンパク質が含まれています(図 1)

RT-qPCR の RT ステップにおける優れた直線性は、以下のことを意味します

  • RNA 量にかかわらず、合成した cDNA 中のターゲット RNA の相対的提示が同一になります
  • 対象と基準対象の出発物質の量が異なっていても、データ正規化が正確に行われます
  • この一般的なバイアスを低減することで、RT-qPCR データの正確さが改善されます
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図 1RNA インプット量が 10 桁の範囲に渡る優れた直線性 SuperScript IV VILO Master Mix を用いて HeLa 細胞から得た total RNA の段階希釈物を逆転写し、次に Invitrogen EXPRESS qPCR SuperMix Universal を用いて 18S rRNA 用ヒト TaqMan アッセイにより qPCR 反応を行いました。 RNA インプット量が 1 fg から 1 µg と広範囲でも、マスターミックスを用いることで相関係数は 0.999 となり、94.2%の高い効率が得られます。 増幅プロットから、SuperScript IV VILO Master Mix が RNA インプット量の広い線形範囲に渡って頑健性を示すことが分かります。 これは、RNA インプットレベルの違いによる RT 効率の潜在的変動を心配することなく、存在量が少ない遺伝子を参照遺伝子に対して正規化できるということを意味します。

他の RT 試薬に比べ、Ct 値が平均 2 サイクル低下します

初期の低い RNA インプット量を用いて広範囲のターゲット転写物に関する RT-qPCR 解析を行った場合、他の 8 通りの cDNA合成試薬と比べて、SuperScript IV VILO Master Mix は最も高い効率を示し、cDNA 収量の増加と Ct 値の低下を実現しました。(図 2)

RT-qPCR アプリケーションにおける高い cDNA 合成効率は、以下のことを意味します

  • cDNA を今後の研究のために保管できます
  • 低い RNA インプット量、低コピーターゲット、または分解された RNA を扱うときにも、良好な RT-qPCR 感度を達成できます
  • RT-qPCR のワークフローにおいて、低い RNA インプット量を使用できます
Highest efficiency across a broad range of targets
図 2 広範囲のターゲットにおいて最も高い効率を示します。 異なる種類のマスターミックスをメーカーの指示に従って用い、HeLa total RNA 1 ng をインプットとして cDNA 合成を行いました。Invitrogen EXPRESS qPCR SuperMix および Applied Biosystems TaqMan プライマーまたは提示した遺伝子ターゲットに対するプローブを用いて qPCR を行いました。 ΔCt値(∆Ct= Ct – CtSuperScript IV VILO)から、SuperScript IV VILO Master Mix は cDNA 収量が最も高く、Ct 値は他の試験した試薬に比べて平均 2 サイクル速いことが分かります。

難しい RNA における信頼性の高い性能 

qPCR 用の cDNA 合成製品の多くは、理想的な無傷の RNA でのみ最適に機能しますが、最適以下の RNA では十分に機能しません。 分解された RNA または阻害剤を含む RNA においても、頑健な SuperScript IV VILO Master Mix は優れた性能を示します(図 3A および 3B)

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図 3A 阻害剤を含む RNA サンプルで得られる優れた性能  HeLa total RNA 100 ng を使用して、さまざまな阻害剤を含む反応条件で cDNA 合成を行いました。qPCR は、 EXPRESS qPCR SuperMix を使用して、B2M 遺伝子ターゲットに対応する TaqMan プライマー/プローブを用いて行いました。 Δctt 値(∆Ct= Ct – CtSuperScript IV VILO)から、SuperScript IV VILO Master Mix を使用した場合に、すべての反応阻害剤の存在下で cDNA 収量が最も高く、Ct 値は最も低くなることが分かります。
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図 3B 分解された RNA で得られる優れた性能  凍結肺組織から得た分解された RNA(RIN<5) 50 ng を用いて cDNA 合成を行いました。qPCRは、EXPRESS qPCR SuperMix を使用し、さまざまな遺伝子ターゲットに対応する TaqMan プライマー/プローブで実行しました。 ΔCt値(∆Ct= Ct – CtSuperScript IV VILO)から、SuperScript IV VILO Master Mix を使用した場合に、分解された RNA からの cDNA 収量が最も高くなり、Ct 値が最も低くなることが分かります。

迅速かつ簡単で RNA への影響が少ない gDNA 除去 

カラム上 DNase 消化を用いたプロトコルを含む すべての RNA 精製法では、gDNA を完全に除去することはできません。 特に低発現遺伝子を検出する際には、gDNA の増幅により、Ct 値に変化が生じることがあります。 RNA から gDNA を除去するためには、DNase I 酵素が一般に使用されます。 しかし、DNase I はプライマーや cDNA などの 1 本鎖 DNA を分解できるため、cDNA 合成の前に不活性化するか除去する必要があります。 これには一般に、RNA を損傷させたり、RNA収量を低減させたりする可能性のある EDTA または他のプロセスが使用されます(図 4A)

2 本鎖 DNA 用の Invitrogen ezDNase 酵素と共に SuperScript IV VILO Master Mix を使用することで、効率的で迅速かつ簡単に gDNA を除去できます(37℃で 2 分間)。 ezDNase は熱不安定性であるため、標準的な SuperScript IV RT cDNA 合成温度(50℃)で不活性化され、活性化ステップを別に行う必要がなく、最も正確で信頼性が高い RT-qPCR の結果が得られます(図 4A および 4B)

図 4ADNase I および ezDNase による gDNA 除去が Ct 値に及ぼす影響 HeLa total RNA を ezDNase または DNase I 酵素で処理しました。 ezDNase 酵素で処理したサンプルについては直ちに RT-qPCR を行い、DNase I で処理したサンプルは標準プロトコルに従って、EDTA の存在下で DNase I 不活性化を行いました。 両方の RNA サンプルを段階希釈し、SuperScript IV VILO Master Mix および TaqMan 18S rRNA アッセイを用いて RT-qPCR 反応を 2 回行いました。 DNase I で処理した場合、Ct 値が増加したことから(平均 0.5 サイクルの増加)、DNase I による処理と不活性化は RNA の完全性または収量に影響した(低下させた)ことが示唆されます。

図 4BezDNase による完全な gDNA 除去 100 ng のヒト gDNA を HeLa total RNA 250 ng と混合しました。 SuperScript IV VILO Master Mix および gDNA ターゲットに特有な qPCR アッセイを用いて、次の3通りの反応を実施しました。 RT-qPCR、qPCR、および ezDNase による37℃、2 分間の処理を含む qPCR。ezDNase により gDNA が効率的に除去され、ターゲット増幅は生じませんでした。

劇的に単純化されたワークフロー

SuperScript IV VILO Master Mix 中の SuperScript IV RT は処理能力が高いため、cDNA 合成反応が従来の RT 酵素を用いた反応に比べ(60 分)大幅に速くなります(10 分)。 さらに、ezDNase を用いた gDNA 除去のプロトコルにかかる時間はわずか 2 分であり、酵素不活性化ステップを別に行う必要はありません。 したがって、SuperScript IV VILO Master Mix による cDNA 合成および gDNA 除去のワークフローにかかる時間は、従来のシステムに比べ大幅に短縮されます(図 5)

図 5 ezDNase 処理を含む SuperScript IV VILO Master Mix cDNA 合成ワークフロー (上)と従来のDNase I を用いた cDNA 合成ワークフロー(下)のタイムライン比較。

 

リソース

よくある質問

SuperScript IV RT および SuperScript IV VILO Master Mix の一般的な疑問に関するヒント、トラブルシューティングヘルプ、およびリソースの検索

逆転写に関する教育

逆転写の基礎、cDNA 合成、酵素の選択、トラブルシューティングヒント、および cDNA アプリケーションに関する教育用リソースの閲覧

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.