Gibco StemScale PSC Suspension Medium

PSC培養の新たな次元

Gibco StemScale ™ PSC Suspension Mediumは、浮遊培養による大量のヒト多能性幹細胞(PSC)の生成を可能にし、PSCスフェロイド培養系の凝集に関する現在の技術的課題に対処するように開発された、スケーラブルで簡便な培地です。

  • 優れた増殖能力—1継代あたり5~10倍の高い増殖能を有し、他の浮遊培地と比較して3倍の増殖が可能です。
  • 簡素化されたワークフロー—培養または継代中にマイクロキャリアやセルストレーナーを使用する必要がなく、簡単に培地を交換できます。
  • 幅広い培養フォーマットに対応—マルチウェルプレート、振とうフラスコ、バイオリアクターなど、さまざまな容器タイプに対応しており、PSC培養のスケールアップが可能です。
  • PSC株間の一貫性—多能性と細胞生存率を維持しながら、信頼性の高い安定したスフェロイド形成を実現します

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「StemScaleは堅牢で、使用している細胞株にかかわらず結果を再現できます。」

– C. Miranda、リスボン大学

優れた増殖能力

Gibco StemScale PSC Suspension Mediumは、スフェロイドの自己組織化による浮遊培養中の多能性幹細胞の増殖をサポートし、高品質のPSCを大量に必要とするアプリケーションに最適です。

StemScale培地は、継代あたり5~10倍の増殖と、他の培地の3倍の増殖能を提供します(図1)。

StemScale Mediumによる優れた増殖能力

図1.StemScale培地による優れた増殖能力30回の 継代と20週間の培養後、StemScale培地は継代ごとに10倍以上の細胞増殖を実現しています(左図)。StemScale培地は、他社培地Mと比較すると、同一期間で最大3倍の増殖が得られています(右図)。

StemScale培地は、細胞の生存率と多能性の維持をサポート

図2.StemScale培地は、細胞の生存率と多能性の維持をサポートStemScale培地は、他の浮遊培養システムと比較して3継代で優れた細胞生存率を示し、30継代後でも高い多能性を維持します。

より多くの細胞を短時間で生成

StemScale培地を用いてPSCを自己凝集性のスフェロイドとして浮遊培養すると、接着培養と比較して、培地やプラスチック器具の消費量を減らしながら、より多くの細胞をより短時間で培養することができます(表1)。

ここでは、6ウェルプレートの単一ウェルからスタートして、接着培養と浮遊培養で増殖した細胞間の時間と細胞数の違いを示しています。

 浮遊培養によるスケールアップ接着培養によるスケールアップ
培養日数培養容器のフォーマット平均細胞収量 *培地の消費量培養容器のフォーマット平均細胞収量 *培地の消費量
3 days6-well plate (single well)1.5 x 106 cells6 mL6-well plate (single well)1.5 x 106 cells6 mL
7 days6-well plate (full plate)18 x 106 cells30 mL100 mm dish9 x 106 cells48 mL
11 days100 mL bioreactor150 x 106 cells200 mL150 mm dish22 x 106 cells72 mL
15 days500 mL bioreactor750 x 106 cells1,000 mLNunc TripleFlask Treated Cell Culture Flask78 x 106 cells800 mL
19 days3 L bioreactor4.5 x 109 cells6,000 mL2層Nunc Cell Factory System300 x 106 cells1,200 mL
23 days10-layer Nunc Cell Factory System1.5 x 109 cells6,000 mL
27 days30-layer Nunc Cell Factory System4.5 x 109 cells18,000 mL
* 値は、培養容器フォーマットごとの4日間の増殖に基づくデータから推定したものです。3 L bioreactorおよび30-layer Thermo Scientific Nunc Cell Factory Systemの値は、表に記載されている小型のバイオリアクターおよびNunc Cell Factory Systemのフォーマットから推定したものです。

表1.浮遊培養システムと接着培養システムのスケールアップStemScale PSC Suspension Mediumを使用した浮遊培養システムでのスケールアップと接着培養システムでのスケールアップの比較

StemScale PSC Suspension Mediumで培養した多能性幹細胞

図3.StemScale培地で培養した多能性幹細胞。StemScale PSC Suspension Mediumに播種した多能性幹細胞は、5日間にわたって最適なスフェロイドサイズと生存率を維持します。


「 StemScale培地は幹細胞の凝集体形成の効率を向上させます。」

– S. Rieck、 ViaCyte

簡素化されたワークフロー

StemScale培地を用いた多能性幹細胞培養維持のための簡素化されたワークフロー

図4.簡素化されたワークフロー(概略図)。StemScale培地を用いて、接着培養から浮遊培養への移行が容易にできます。StemScale培地は、必要に応じてフィード日をスキップできます。StemScale培地で培養を開始した後、50%培地交換を使用して、毎日または1日おきに定期的に行います。

Chart showing similar fold PSC expansion in StemScale medium with every day and every other day feeding.
Chart shows high percent pluripotency marker expression with flexible feeding in StemScale medium

図5.1日おきにフィードされた培養は、倍数変化(A)および多能性(B)において、毎日フィードされた培養と同様でした。

ハウツー動画:PSCを浮遊で培養するための3つのステップ

StemScale PSC Suspension Mediumを使用して、ヒト多能性幹細胞を浮遊培養する方法を動画でご紹介します。

ステップ1:StemScale培地でのPSCスフェロイド培養の開始
ステップ2:50%量の培地交換によるPSCスフェロイドの維持
ステップ3:浮遊培養におけるPSCスフェロイドの継代
ステップ1:StemScale培地でのPSCスフェロイド培養の開始
ステップ2:50%量の培地交換によるPSCスフェロイドの維持
ステップ3:浮遊培養におけるPSCスフェロイドの継代

複数の細胞株および容器フォーマットでの増殖

StemScale培地で培養した4種類の異なるPSC株で、1継代あたり6~11倍、15日間で18~28倍の増殖が達成されました。

StemScale PSC Suspension Mediumを用いた浮遊培養システムでのスケールアップと、接着培養システムでのスケールアップを比較しています。

図6.浮遊培養システムと接着培養システムの比較StemScale PSC Suspension Mediumを用いた浮遊培養システムでのスケールアップと、接着培養システムでのスケールアップを比較しています。

PSC スフェロイドから神経および心筋への分化

神経誘導は、StemScale PSC Suspension Mediumで培養された PSC スフェロイドから直接開始されます。

スフェロイドの神経誘導

図7.スフェロイドの神経誘導PSC Neural Induction Medium(製品番号A1647801)を使用すると、StemScale培地で培養されたPSCスフェロイドから直接多数の成熟神経幹細胞への分化が開始されます。

StemScale で培養したスフェロイドは、DAニューロン分化ワークフローにも適応できます。

ドーパミン作動性ニューロンは、StemScale培地で培養したPSCスフェロイドから直接分化が開始されます。

図8.ドーパミン作動性ニューロンは、StemScale培地で培養したPSCスフェロイドから直接分化が開始されます。PSC Dopaminergic Neuron (DA) Differentiation kit(製品番号A3147701)を使用してStemScale培地で分化したDAニューロンは、接着培養における35日間のプロトコルと比較して、浮遊培養で同量のFOXA2/Otx2を共発現しました(データは示していません)。

PSCスフェロイドから分化した心臓オルガノイド

StemScale培地で培養したPSCスフェロイドから浮遊液中で分化した心筋細胞

図9.StemScale 培地で培養したPSCスフェロイドから浮遊液中で分化した心筋細胞(A)StemScale培地で培養した未分化のhPSCスフェロイド(心筋誘導前)。(B)心筋誘導開始から12日後の培養中のスフェロイド。(C)心臓マーカーであるAlpha Sarcomeric actinin(緑色)およびCardiac Troponin T(赤色)で染色された心臓オルガノイド。核は、DAPI(青色)で対比染色しました。

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StemScale Medium関連情報

StemScale PSC Suspension Mediumを使用したPSC浮遊培養をサポートするために必要な技術的および教育的リソースをご覧いただけます。

その他の推奨試薬、消耗品、機器

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.