【Vol.6】臨床腫瘍組織をレーザーマイクロダイセクションと次世代シーケンサで攻略~腫瘍のHeterogeneity 攻略に向けて~

雨宮健司*1、弘津陽介*1、大滝真作*2、渡邉学*2、草野順子*2、石倉隆*2、林義治*2、小俣政男*1*1 山梨県立中央病院、*2ライフテクノロジーズジャパン株式会社

腫瘍の発生・進展はゲノム異常の蓄積であり、ゲノム不安定性によってその集団は均一な集団からより複雑で多様な細胞集団へ変化する。つまり、腫瘍組織はHeterogeneityな状態であり、多くの異質な細胞集団から抽出されたゲノム群の「平均値」を観察しているだけでは、正確な研究は困難である。このようなHeterogeneityな状態である腫瘍組織を攻略するためには、非常に少ない細胞集団から抽出された超微量ゲノム、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルなどから抽出された分解度の激しいサンプル、レーザーキャプチャーマイクロダイセクション法(LCM)を用いて採取されたサンプルなど、過酷な条件で抽出されたゲノムDNA を使用しなければならない解明が困難なケースも多く、品質の悪いサンプルを用いても、解析に耐えうる性能を持ち合わす次世代シーケンサ(NGS)でなければ、真の腫瘍解明と攻略のツールになり得ない。そこで地方独立行政法人山梨県立病院機構、小俣政男理事長(東京大学医学部 名誉教授)のご指導のもと、半導体シーケンサ Ion PGM™システムとレーザーキャプチャーマイクロダイセクション法(LCM)Applied Biosystems ArcturusXT™ を用いて解析を実施した。