アクシオへリックス株式会社
ライフサイエンス・ヘルスケア事業部

下山 紗代子

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「貴社は国内でも有数のバイオインフォマティクス企業ですね。その中でどのような研究をされているのでしょうか?」
SOLiD™ システムにおけるデータ管理手法の開発とde novo解析におけるアセンブリ精度向上に関する研究を行っています。de novo解析において、Quality Value (QV) でフィルタリングを行うことでアセンブリ精度が向上し、より正確な配列が得られることが予想できますが、具体的にどのようにQVでフィルタリングするとより長いcontigが得られるのかについて、十分な知見がありませんでした。そこで系統立てて解析し、多くの研究者の方のヒントになる情報を提供したいと考え、QV評価手法の開発を行いました。また、統計解析手法を応用することで、より高性能なフィルタリング手法の確立を目指しています。

「どうしてこのような研究を始められたのですか?」
沖縄県の先端バイオ研究基盤高度化事業に参画し、本事業のSOLiDのデータ管理手法の開発を担当していました。その過程でQVに注目し、QVを活用して再解析を行うことで、同じシーケンスデータからでもより良い解析結果を得ることができないかと考えました。また、配列精度が特に重要なde novoの解析では有効だと考えて今回の解析の対象としました。

「なるほど。このような研究が生まれたのも下山さんをはじめとする貴社の研究者が確かな技術力をお持ちだからだと思います。次世代シーケンサのデータ解析という分野で、今後どのような形で貢献していきたいと考えていますか?」
データ解析リソースが不十分な場合に、解析のサポートを行うことで研究を推進するパートナーとして貢献できればと考えています。餅は餅屋と言って頂けるように、私たちが得意とするITの分野で多くの貢献をしていきたいと考えています。

「では、SOLiDデータ解析についてはどのようにお考えでしょうか?」
SOLiDデータの特徴であるカラースペースの扱いには最初は戸惑いましたが、原理を理解してからは精度の信頼性が高いことに納得して解析ができています。5500シリーズSOLiDシステムから導入されるECCモジュールにより、さらに精度が向上される点に期待をしています。

「SOLiDシステムのデータ解析において苦労されたことはありますか?」
データ量が非常に膨大だということがあり、初期の段階で情報管理をするインフラの整備には大変苦労しました。ただ、今後は設定完了済みのクラスターを購入することや、あるいは、クラウドリソースを活用していくことで負担を減らしていくことができると考えています。 また、ソフトウェアコミュニティのツールの統合や安定性の向上などに力を入れてくださるとありがたいです。

「今後次世代シーケンサの導入を検討されているお客様にアドバイスやメッセージはございますか?」
実験担当者とデータ解析担当者の密なコミュニケーションは次世代シーケンサを用いた解析に不可欠だと考えており、私たちもそれを意識してデータ解析を進めています。
一部の役割を企業に依頼することも研究を推進するための一つに形であり、お困りの点があればぜひご相談をして頂ければと思います。私たちとしてはマニュアル化された受託ではなく、お客様としっかりと話し合い、研究面でのサポートもより多くできることを目指しています。

本日はどうもありがとうございました。
(インタビュアー:バイオインフォマティクスサイエンティスト 戸崎 浩和)

研究のより詳しい内容はアクシオへリックスのHPにてご覧ください。

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