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友杉直久氏 (金沢医科大学 総合医学研究所 先端医療領域 教授)
石垣靖人氏 (金沢医科大学 総合医学研究所 生命科学研究領域 准教授)
「本当に驚きました。データを見た瞬間、遺伝子が丸裸になっていると感じたからです」と語るのは石垣氏( 写真右)。彼は共同研究者の友杉氏( 写真左)と共に、血液中のマイクロRNAを様々な疾患のバイオマーカーに利用する可能性を探っています。「これまでマイクロアレイで定量していましたが、結果にいま一つ確信が持てなかったんです。ところがIon PGM™シーケンサの結果は、すべての配列が一覧表としてでてくるので悩む必要がなくなりました」と続けます。マイクロアレイは、サンプル中のターゲット配列とのハイブリダイゼーションの強弱で間接的に定量します。これに対してシーケンサでの定量は、直接的。マイクロRNAの配列そのものを表示し、それを数えることで定量ができるのです。新しいアノテーション情報も実験後に追加して再解析できます。さらに、半導体シーケンサなので大量のシーケンス情報も難なく処理でき、サンプル数の増加にも対応できます。
臨床経験が豊富な友杉氏もこの研究に期待しています。「患者さんの状況は、病歴や治療方法や体調によって日々変化します。個人の体質に関わるゲノム配列の違いだけでなく、一人の患者さんの変化をモニターできるバイオマーカーは、臨床的に非常に重要です。マイクロRNAは遺伝子の発現制御に関わり、体の変化や変調をきたした臓器の状況をその時々に写し出す鏡となるかもしれません。これまでのマーカーは病因と関連性のないサロゲートマーカーが主流でしたが、マイクロRNAは単なるバイオマーカーの枠を越え、病因や治療法開発への発展性も秘めています」。患者への負担や治療へのフィードバックを第一に研究を進める友杉氏と、基礎研究に対する広い知識と技術に対する豊富な経験を持つ石垣氏。二人の研究に対する熱意に、半導体シーケンサという技術の進歩が応えることができることを信じています。
※この実験のアプリケーションノートを作成中です。完成後は、ホームページのNEXTフォーラムで公開します。またPGM VOICEのバックナンバーもNEXTフォーラムでご覧いただけます。
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