酵素は、さまざまな産業で使用されています。これらは製造効率を高めるだけでなく、品質の向上、廃棄物の削減、歩留まりの改善をもたらすことで、コスト効率と収益性の向上を実現します。酵素と基質の関係は鍵と鍵穴に例えられるように、特定の酵素に、適切な形状の基質のみが反応します。個々の酵素の作用が特異的であるのは、こうした理由からです。

酵素は、化学反応を促進します。原材料を製品に加工する際に、化学反応を触媒したり(反応開始材)促進させる性質が利用されたりしており、たとえば、バイオ医薬品、燃料用エタノール、ワイン、ビールの生産で利用されています。酵素は、洗剤や飼料にも組み込まれています。反応の種類や最終生成物を問わず、望ましい結果を得るには、酵素の品質、活性、安定性が非常に重要です。

酵素活性

酵素活性とは酵素反応の速度に相当するもので、一般的には、時間単位あたりに変換された基質(または形成された生成物)の量で示されます。酵素活性に関係するファクターは多岐にわたります。そのため、酵素活性の測定は正確性を要する作業であり、技術に関する知識やスキルとテクニックだけではなく、最新の実験器具も必要とされます。

酵素アッセイ

酵素アッセイとは、酵素反応の速度(酵素活性)を実際に測定する、実験室的な手法のことです。これらのアッセイは、分析技術の開発や、酵素の触媒機構の研究にも役立ちます。酵素カイネティクスおよび酵素阻害の研究において、これらは不可欠です。通常こうしたアッセイは、添加した補酵素による活性化がある場合とない場合の酵素活性を測定することで実施されます。活性のモニタリングで行われるのは、反応過程での基質や生成物の濃度変化の測定です。

酵素カイネティクス

酵素カイネティクスとは、酵素によって触媒される化学反応の研究のことです。酵素カイネティクスで技術者が測定するのは反応の速度であり、さまざまな条件が反応にどう影響するかを調査します。酵素のカイネティクスの研究で解明されるのは、酵素の触媒機構であり、代謝においてどのような役割を果たしているのか、どのように制御されているのか、あるいは薬物やアゴニストによって酵素はどのように阻害される可能性があるのかが検討されます。

酵素アッセイは直接的または間接的な実施が可能で、あるいはカップリングすることもできます。ダイレクトアッセイは、基質をサンプルに添加し、最終生成物を特定して、基質またはアッセイ試薬を酵素によって直接修飾します。シグナルを生成するのは、他の試薬または別の反応との相互作用です。

6 step Method of Development

酵素アッセイおよび酵素活性用の信頼性の高い分析メソッドの開発には、多くの異なるステップが関係します。そうしたメソッド全体の開発は非常に複雑で、手間と時間がかかります。メソッド開発の出発点は、実験計画(DoE)を通じて主要な変数を特定することですが、多くのサンプルが必要になります。酵素の種類ごとのパラメーター(測定波長、ブランク測定、バッファーの追加、試薬の追加、基質の追加、酵素特異的なインキュベーション温度と時間、データ収集時間)のすべてが柔軟であると、酵素アッセイのメソッド開発とメソッド移行は、研究開発(R&D)からQA/QCラボに至るすべての工程において大幅に簡略化され、信頼性も向上します。

pH, Temperature, Buffer Type, Ionic Strength

酵素の種類と感度に応じて、多くの異なる分析メソッドが使用されます。大部分の酵素アッセイは分光法をベースとしたもので、もっとも広範に利用されているのは吸光光度法と蛍光吸光度法の2つです。

従来的な分光吸光度計を代替するハイスループットな手法としては、吸光度測定か蛍光度測定で96、384、あるいは最大1,536ウェルフォーマットのマイクロプレートをベースとした酵素アッセイが可能です。マイクロプレートフォーマットは、反応溶液量200 μLでのハイスループット分析を行う際に便利で、ライフサイエンス用途で一般的に使用されています。ただしマイクロプレート法には、温度安定化、吸収補正、エッジ現象の問題があります。

UV-VIS分光光度法を用いた酵素パラメーター測定は、往々にして時間がかかるものです。しかし、大幅な効率化をすでに実現しています。これはUV-VIS分光光度法で酵素アッセイに付随していた制限を解放するものです。Gallery Enzyme Masterシステムは、酵素アッセイ専用に設計された初の自動酵素分析装置であり、堅牢なハードウェアに新たにカスタム設計されたソフトウェアが組み合わされています。これらのクラス最高のソリューションは、酵素メソッドの開発や信頼性に優れたルーチン的酵素アッセイ/活性試験を合理化するもので、自動化により日常的な作業を簡単にできるよう効率化しています。試薬、インキュベーション、測定の完全な自動化によって、メソッドや結果をラボ間で簡単に移行、再現できます。時間と労力を大幅に節約しています。

Gallery Enzyme Master酵素分析装置が、どのようにしてワークフローを自動化し、至適pHの測定、完全なトレーサビリティ、高い信頼性をもってメソッド開発およびトランスファー能力の両方をご提供するかご覧ください。

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酵素分析の概要

堅牢かつ再現性のある酵素アッセイは、自動化されたGallery Enzyme Masterディスクリート方式分析装置で実現できます。多くの異なる酵素と多くの異なる測定条件のすべてをひとつの機器で効率的に管理するため、一貫した再現性のあるパフォーマンスが担保されます。


Galleryディスクリート方式分析装置、電気化学測定(ECM)モジュール搭載

電気化学測定(ECM)モジュールを組み込んだThermo Scientific Galleryディスクリート方式分析装置は、吸光度測定に加えて、同時並行して自動化された電気化学的測定によるpHと導電率の計測が可能です。

 

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