溶離液再生と組み合わせた Reagent-Free イオンクロマトグラフィー(RFIC)

最長 4 週間の連続動作

溶離液の調製、キャリブレーション、平衡により、オペレータと機器の分析時間が奪われています。溶離液生成と組み合わせた Dionex Reagent-Free IC(RFIC-ER)は、自動的に溶離液を再生することにより、溶離液 1 バッチで最長 4 週間も連続稼働するため、時間と手間を節約できします。溶離液 1 バッチ(4 L)を最長 4 週間使えます。


溶離液再生とは

溶離液再生を組み合わせたイオンクロマトグラフィー(IC)では、これまで廃棄していた溶離液を電解装置に還流して再生し、新しい溶離液として再利用できるようにします。

RFIC-ER では電解サプレッサーを利用して、還流された溶離液を再生します。この閉ループシステムでは、元の溶離液 1 バッチ分で、最長 4 週間連続動作します。さらに、この閉ループシステムは、溶離液調製に伴うエラーを排除し、安定した環境を維持するため、再キャリブレーションは不要で、次回の分析に「いつでも準備が整った」状態になります。


溶離液生成と溶離液再生の違い

  • RFIC-ER を備えたシステムでは、溶離液再生に電解サプレッサーを採用しています。RFIC-ER システムは通常、アイソクラティック分離専用で、低濃度から中濃度のサンプルマトリクスから炭酸塩またはメタンスルホン酸(MSA)を使って陰イオンまたは陽イオンを分離します。
  • 試薬フリー溶離液生成(RFIC-EG)システムは、脱イオン化水と溶離液ジェネレーターカートリッジ(EGC)を使って、溶離液を電離生成します。RFIC-EG システムは、水酸化物溶離液またはグラジエント分離が必要なアプリケーションにお勧めします。
  • RFIC-ER は、RFIC-EG に代わる低コストのソリューションです。

RFIC-ER に適したアプリケーション

RFIC-ER は以下の目的で開発されました。

  • 炭酸塩、炭酸塩/重炭酸塩、または MSA 溶離液を使ったアイソクラティック分離での使用
  • 飲料水、地下水、表層水分析用のサンプルなど、低濃度から中濃度のマトリクスからサンプルをハイスループットで分析するシステム

注入量が多い場合、または作業負荷が高い場合には、トラップ、精製カラム、溶離液を頻繁に交換または再生する必要があります。水酸化物溶離液または溶離液グラジエントが必要なアプリケーションには、RFIC-EG システムをお勧めします。


RFIC-ER の動作原理

  1. 通常の方法で溶離液 4 L を調製します。
  2. 検出後、抑制した溶離液は分析物トラップカラムを通過して、分析物のイオンを除去します。
  3. 抑制した溶離液は次にサプレッサーに還流し、水を加えて電解抑制します。サプレッサーを通過した溶離液には、溶離液イオンと H2 および O2 ガスが含まれています。
  4. 触媒カラムで酸素と水素を再結合して、水を生成します。電解ガスが化学量論的に再結合されるため、システム内で水が失われず、溶離液の濃度を一定に保ちます。
  5. サプレッサーの溶離液は次に溶離液リザーバーに還流して、再利用されます。
  6. 精製カラムはポンプ下流に接続され、溶離液の純度を確保します。

Thermo Scientific サプレッサーを使った溶離液の再生

Thermo Scientific™ サプレッサーを使った溶離液の再生

溶離液再生のメリット

  • 手間と時間、材料、有害廃棄物処理にかかるコストの節約
  • システムが「常時使用可能な」状態
    • 閉ループ内でシステムが連続動作するため、システム内で平衡でキャリブレーションされた状態を維持。ルーチンのキャリブレーションチェック基準で十分に正確性を確保
    • 手作業による頻繁な溶離液調製に比べて、再現性が向上し、ピーク保持時間またはエリアのばらつきをほぼ抑制
    • ポンプ保守の必要性が低減。溶離液流によりポンプ表面での結晶化なし
  • 高い処理能力
    • 溶離液調製のばらつきを排除
    • サンプルスループットの向上
  • 自動化
    • Deionex Chromeleon クロマトグラフィーデータシステム(CDS)ソフトウェアの健全機能により、溶離液、トラップ、カラムの使用状況をモニターして、交換や再生が必要な際に警告

RFIC の再現性

日常的に高い再現性を実現します。このデータは、再生された炭酸塩/重炭酸塩溶離液を使って Dionex ICS-1500 RFIC-ER システムで分離された 7 種類の日常キャリブレーションチェック基準をオーバーレイ表示したものです。

日常的な再現性基準

日常的な再現性基準

再生された炭酸塩/重炭酸塩溶離液を使って Dionex ICS-1500 RFIC-ER システムで分離された 7 種類の日常キャリブレーションチェック基準のオーバーレイ表示

28 日間のピーク領域(%)変化

28 日間のピーク領域(%)変化

再生された炭酸塩/重炭酸塩溶離液により Dionex ICS-1500 RFIC-ER システムで 4mm Dionex IonPac AS22 カラムを使って分離した 7 種類の陰イオンキャリブレーションチェック基準の 28 日間のピーク領域(%)変化。このシステムは全月にわたって日常的なキャリブレーションチェックに合格しており、溶離液 4L ボトルのみで動作しました。


RFIC-ER 技術に対応するシステム

RFIC-ER は、Dionex Integrion および ICS-5000+ HPIC システムのオプション構成またはアップグレードです。


利用できる溶離液再生消耗品

以下にアクセスしてください:IC 溶離液再生(ER)消耗品


Style Sheet for Global Design System
Style Sheet for Komodo Tabs