xMAP技術

Luminex xMAP(マルチアナライトプロファイリング)技術は、高度な流路、光学系、デジタル信号処理と独自のマイクロスフェア技術を組み合わせたマルチプレックスアッセイ機能を提供しています。xMAP技術は蛍光標識マイクロスフェアまたはビーズを使用しており、1回の反応で最大80種類のタンパク質アナライトまたは80種類の遺伝子が同時に捕捉できます。Invitrogen QuantiGene PlexアッセイおよびProcartaPlexアッセイは、xMAP技術を使用して、タンパク質ベースおよび核酸ベースの幅広いマルチプレックスアッセイを実行します。

 

ビーズは、INTELLIFLEX、Luminex 200(LX200)、FLEXMAP 3D、MAGPIXの4つのLuminex xMAP装置プラットフォームのいずれかを使用して個別に読み取られます。これらの装置は、蛍光フローサイトメトリーまたは定量的蛍光顕微鏡法の原理を採用した分析計を使用し、あらゆる規模のラボのニーズを満たすように設計されています。


LuminexプラットフォームでのProcartaPlexアッセイによるタンパク質検出

ProcartaPlexマルチプレックスイムノアッセイは、Luminex xMAP技術を使用したサンドイッチELISAの原理に基づくビーズベースのタンパク質定量用アッセイです。ProcartaPlexアッセイは、血清、血漿、細胞および組織のライセート、細胞培養上清に使用でき、他の体液にも適している場合があります。アッセイはヒト、マウス、ラット、ヒト以外の霊長類、ブタ、イヌの6種類すべてに対応する96-ウェルおよび384-ウェルをはじめとする複数のフォーマットが提供されています。

 

検出から特定のスクリーニングに至るまで、研究のあらゆる段階で設定済みパネルとカスタムパネルが利用できます。ビーズセットは、パネル間の一貫性を維持するために、単一アナライト用のシンプレックスキットとしてもお求めになれます。

ProcartaPlexアッセイはどのように機能するのですか?

(A)ProcartaPlexアッセイは、xMAP技術を使用して、ウェルあたり最大80種類の異なるタンパク質アナライトを同時に測定します。捕捉抗体は、内部染色されたLuminexビーズに結合します。特定の抗体を別個のビーズに結合させることで、1つのウェルで複数のアナライトが解析できます。たとえば、IL-9はビーズ領域#12を介して捕捉されます。(B)サンプルはビーズセットと混合されます。サンプル内の対象アナライトは、捕捉抗体によって結合されます。目的のアナライトに特異的な蛍光標識(フィコエリトリン)検出抗体を追加し、抗体-抗原サンドイッチを形成します。(C)完成したアッセイはLuminex装置で読み取ります。この装置では、1つのレーザーがビーズタイプを分類して検出対象のアナライトを特定し、2つめのレーザーが結合されたアナライトの大きさを決定します(PE由来のシグナル)。


1つのプラットフォームで遺伝子とタンパク質のマルチプレックス解析が実行できます

Luminexプラットフォームを使うと品質や感度を損なうことなく、定量的なタンパク質と遺伝子発現ワークフローが組み合わせられます。Invitrogen ProcartaPlexアッセイおよびInvitrogen QuantiGene Plexアッセイは、Luminex装置プラットフォームを利用した独自のハイスループットマルチオミクスアプローチを可能にします。Luminex装置はxMAP技術を使用し、1つの低容量サンプルから複数のアナライトを定量するために設計された、確立された装置ファミリーです。QuantiGene PlexアッセイおよびProcartaPlexアッセイでは、それぞれ最大80種類のRNAまたはタンパク質ターゲットが測定できます。どちらのアッセイプラットフォームも、定義済みとカスタムアッセイを提供しています。QuantiGene PlexアッセイおよびProcartaPlexアッセイ用の新しいパネルコンフィギュレーターツールを使用してカスタムアッセイを構築する方法をご覧ください。

Luminex装置を使用すると、タンパク質検出のためのマルチプレックスイムノアッセイが独自に設計できます。生物種とアッセイフォーマット、利用可能なターゲットの数を選択すると、お客様の仕様にしたがってカスタムアッセイが構築されます。

QuantiGene Plex遺伝子発現パネルコンフィギュレーターでは、Invitrogen QuantiGene Plexアッセイで使用するカスタムマルチプレックスRNAまたはDNAパネルの見積りが依頼できます。キーワード検索ツールを使用するか独自のテキストファイルをインポートしてパネルにターゲットが追加したり、パネルを保存またはエクスポートして後で参照したり、見積りを依頼することも可能です。


LuminexプラットフォームにおけるQuantiGene Plexアッセイによる遺伝子発現

Luminex装置およびビーズプラットフォームは、QuantiGene Plexアッセイと併用すると遺伝子発現の研究にも役立ちます。QuantiGene Plexアッセイはハイブリダイゼーションベースで、RNA転写物の直接測定にターゲット増幅ではなくシグナル増幅を使用する分岐DNA(bDNA)テクノロジーを採用しています。このアッセイは、ELISAと同様のワークフローで非常に簡単に使用できます。

 

QuantiGene Plexアッセイは、FFPE組織や血液中の分解されたRNAや架橋されたRNAなど、多くの困難なサンプルタイプに対応しています。RNA精製が不要のため、貴重なサンプルを無駄にしません。96-ウェルプレートまたは384-ウェルプレートの同じウェルで最大80個の遺伝子がスクリーニングでき、データ出力が最大化できます。

ライセートから直接遺伝子解析

1つのウェルで、ライセートから80種類のRNA遺伝子発現ターゲットを直接マルチプレックスできます。


Luminex装置の特長

Luminex装置の流路系

Luminexシステムは、フローサイトメトリーで個々のビーズを調べます。リーダーの流体工学システムは、ビーズがシース液の流れに入り、フローセルに入ると、ビーズを1列に並べます。ビーズがいったんフローセル内で一列に並ぶと、各ビーズはビーズカラー(分析物)とアッセイシグナル強度(PE蛍光強度)について個別に調べられます。この確立された技術は、すべてのデータを確実に捕捉するのに役立ちます。

高感度検出のためのレーザー

レーザーは、非常に少量のアナライトを検出する感度を備えています。リーダーは532 nmのグリーンレーザー(「アッセイ」レーザー)を使用し、アッセイで扱うPE色素を励起します(ストレプトアビジンPE)。635 nm固体レーザー(赤色の「識別」レーザー)はビーズ内の色素を励起し、その「色」または「範囲」を判定するのに使用しますが、光散乱によるダブレットの識別にも使用します。xMAP INTELLIFLEX DR-SEシステムは、2つめのバイオレットレポーターレーザー(405 nm)を備え、ビーズ領域ごとに最大2つのパラメーターが測定できます。

検出器

リーダーには複数、すなわち各光路に1つずつの検出器があります。検出器はアッセイの蛍光を測定し、ビーズを計数(1~500)して単体ビーズと凝集ビーズに識別するのに使用されます。結果はコンピューターで収集されます。

ハイスループット

384-ウェルプレート用に設計されたProcartaPlexアッセイおよびQuantiGene PlexアッセイにxMAP INTELLIFLEXおよびFLEXMAP 3Dシステムの機能を組み合わせることで、これらのプレートの読み取りが可能となり、ハイスループットアプリケーションが実現します。1つのウェルで最大65種類のタンパク質または遺伝子を測定し、多くのサンプルで完全なデータセットが取得できます。化合物のスクリーニング、免疫応答の測定などを行う際の1ウェル内の全経路を理解すると、豊富なデータセットを取得できます。


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