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抗体によるタンパク質の中和、またはその機能のブロッキングは、細胞の表面に発現しているタンパク質によって伝達される生物学的機能を研究するために頻繁に使用されます。例えば、細胞のシグナル伝達や他の生物学的効果における特定のサイトカインの影響を調べるために、受容体に結合し得るフリーのサイトカインに特異的に結合し、量を減らすことでその影響をダウンレギュレートする抗体が使用されます。中和実験による検証方法は、研究用の Invitrogen 抗体の検証のための戦略の 1 つです。
中和または機能的ブロッキングは、抗体の特異性を調べるツールとしても利用できます。この方法は、抗体が機能的なブロッキング効果を示すことでその抗体が目的のターゲットに結合していること明らかにし、そのターゲットに特異的であることを証明できる、という論理が背景にあります。
中和または機能的ブロッキングのアプローチを特異性の検証に応用する場合は、ブロッキングの効果を定量できる測定可能なアウトプットと定義されたシステムが必要になります。こういったシステムには、運動能アッセイや生物活性アッセイなどの活性測定法が挙げられます。
下に示した例では、リコンビナントの赤色ホタルルシフェラーゼは、ルシフェラーゼ基質存在下で(生物)発光します(左パネル)。赤色ホタルルシフェラーゼ抗体は、用量依存的にルシフェラーゼ活性をブロックし、生物発光の減少を伴う活性低下を引き起こします。
可能であれば、ブロッキング実験にウェスタンブロッティングのような他のサポートデータを組み合わせ、想定分子量で抗体が目的タンパク質を認識しているということを確認します(右パネル)。例では、赤色ホタル(RFF)ルシフェラーゼ、緑色ウミシイタケ(GR)ルシフェラーゼ、または非トランスフェクトの 293 の細胞の全細胞ライセートを、ウェスタンブロッティングにより分析しました。予想通り、赤色ホタルルシフェラーゼ抗体は、目的タンパク質を発現している細胞のみからバンドを検出しました。このように、赤色ホタルルシフェラーゼ抗体が期待通り機能していることを検証できます。
赤色ホタルルシフェラーゼ(日本ホタル(ゲンジボタル)由来)のウェスタンブロッティング解析。非トランスフェクション(UT)および赤色ホタル(RFF Luc)または緑色ウミシイタケ(GR Luc)ルシフェラーゼトランスフェクトされた 293 の 細胞株の全細胞ライセート 10 µg と 10 µL の PageRuler 染色済みタンパク質ラダー(Cat.No. 26619)を 4 ~ 20% Tris-HCl ポリアクリルアミドゲルにローディングし、電気泳動しました。タンパク質は PVDF メンブレンに転写し、5% BSA/TBST 溶液で 1 時間ブロッキングしました。PVDF メンブレンを 1:4,000 に希釈した RFF ルシフェラーゼポリクローナル抗体(Cat.No. PA1-179)と4 °C にて一晩、振とう下で反応させた後、TBS/0.1% Tween-20 溶液で洗浄し、1:500(20 ng/mL)に希釈した HRP 標識ヤギ抗ウサギ IgG 二次抗体(Cat.No. 32460)と、1時間反応させました。PVDF メンブレンを洗浄後、SuperSignal West Pico substrate(Cat.No. 34080)を使用して、化学発光検出を行いました。
抗体の特異性検証には、生物学的活性の中和に加えて、異なる方法によるブロッキング実験も使用できます。この場合、量の豊富な免疫化用ペプチドが、抗体の特異性検証方法として使用できます。当社は、ウェスタンブロッティングにおいてこのコントロールを、特に特定のリン酸化部位に対する抗体の特異性検証において、日常的に使用します。
中和/ブロッキング実験によって検証された Invitrogen 抗体は、検索結果や製品ページにおいて「特異性検証済み」の記号で示されています。検証済みを証明するデータが、それぞれの製品ページにて提供されています。