問題

サンプルを正しくないフィルターセットで観察してしまいます。

解析対象のチャネルに隣接するチャネルからの蛍光が観察される場合に、漏れ込みが発生します。この漏れ込みは、複数の蛍光色素を同時に使用した標識を含む実験において発生する可能性があります。

Signals from two different fluorophores can appear in the same channel if the emission/excitation of the fluorophores are not both carefully matched to filters. 図 1. 蛍光色素の発光および励起を注意深くフィルターとマッチさせないと、2種類の異なる蛍光色素からのシグナルが同一のチャネルに現れる可能性があります。 ここに示す、漏れ込みの例では、TRITCフィルターで検出された蛍光色素由来のシグナルが、FITCフィルターにおいても検出されています。

これらのHUVECはReadyProbes® ActinRed™試薬で染色され、ペルオキシソームに対する一次抗体でペルオキシソームを標識した後、蛍光標識した二次抗体(Alexa Fluor® 488二次抗体)で検出されました。本実験においては、アクチン標識はTRITCフィルターを使用して観察され、ペルオキシソーム標識は FITC フィルターを使用して観察されました。上記の画像はFITCフィルターにより取得されました。期待される、ペルオキシソームラベリング由来の蛍光シグナルは、容易に観察することが可能ですが、アクチン標識由来の漏れ込みも同時に観察されています。この場合、アクチン染色由来の蛍光シグナルが、FITC チャネルに漏れ込みんでいます。したがって、これらの2種類の蛍光色素は本実験において同時に使用されるべきではありません。

漏れ込みを最小限に抑えるための方法

  • 蛍光色素とフィルターの選択を適切に行ってください。観察を行いたい各蛍光色素用に、最も適切なフィルターを使用するように心がけてください。
  • 発光スペクトルの狭い蛍光色素を使用することで、漏れ込みを最小限に抑えることも可能です。
  • 複数の蛍光色素を使用する実験をデザインする場合には、スペクトルがお互いにオーバーラップしない蛍光色素を選択してください。例えば、3色を使用して標識を行いたい場合には、DAPI、FITCおよびTexas Red®フィルターセットに適合する色素を使用するように心がけてください。 

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