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観察中の蛍光シグナルにおける光退色は、様々な蛍光色素で見られます。蛍光色素の光化学的破壊は、観察中に蛍光シグナルの褪色として観察されます。
発光強度が低いまたは存在量が少ないターゲットを観察したい場合、または定量的な解析を行おうとする場合には、褪色が問題になることがあります。どのような手法でも観察による定量を行おうとする際には、光退色による蛍光の消失を考慮に入れておくことが重要です。光退色によって定量データにずれが生じ、誤った結果を得る可能性があるからです。
図 1. HeLa細胞を固定した後、FITC-コンジュゲート ファロイジンで標識しました。 カバースリップは50%グリセロール(PBSによる希釈)でマウントしました。 パネル(A)は蛍光色素の初期輝度を、パネル(B)は36秒間の連続照明後に起こった光退色を示しています。
色素の中には、照明中の光退色に抵抗性を持つよう作られているものもあります。ご使用になった色素で大幅な光退色が見られた場合、同じ実験条件下で他の色素がより良い性能を発揮するか検討すると良いでしょう。
減光フィルターを使用してサンプルに照射される光子を減らす(ただしシグナルも減少します)、または顕微鏡のゲイン設定を変更して照明の光量を落とすこともできます。サンプル間の比較を行いたい場合は、観察する全てのサンプルに対して同じ設定を使用するように気をつけてください。
光退色を抑制する最も簡単な方法は、サンプルへの励起光の露光を最小限に抑えることです。そのためには以下のような方法があります:
蛍光色素の中には、非常に安定しており光退色をそれほど恐れる必要がないものもあります。しかし、中には安定でない蛍光色素も存在します。また、蛍光強度の微小な変化を見たい場合もあるかもしれません。そのような場合は、光褪色曲線が必要になることがあります。光褪色曲線を利用し、実験条件(薬剤処理)に起因するものではなく、光退色による蛍光強度の減少をノーマライズすることができます。
固定した細胞のイメージングを行う際の光退色を防止したい場合には、褪色を防止する封入剤が市販されています。褪色防止剤の効果は、お使いの蛍光色素によって異なります。効果を得るためには、複数の封入剤を検討する必要があるかもしれません。封入剤のセクションをご覧ください。
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.