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固定および透過処理の基礎細胞を固定および透過処理すると、通常細胞がその場所にロックされ、抗体などのより大きな分子が細胞内にアクセスできるようになるので、目的のタンパク質または状態をより効率よくターゲティングできます。しかし固定および透過処理をすると細胞は死んでしまい、動的な生物学的プロセスは観察できなくなります。 |
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図 1. ホルムアルデヒド固定は、本質的に細胞構造をその場にロックします。 | 細胞の固定後に、蛍光染色がシグナルを保持する能力は、染色の種類によって異なります。一部の染色試薬では、細胞が生きている間に蛍光標識を行い、その後固定を行ってもシグナルは消失しません。しかし、より一般的な手法としては、細胞を固定、透過処理、ブロッキングした後に、蛍光色素および/または抗体コンジュゲートで染色を行います。 ホルムアルデヒドは最もよく使われる固定剤であり、タンパク質など、隣接する巨大分子同士を化学的に結合させる働きがあります。この過程は架橋として知られています。最も入手しやすいホルムアルデヒド剤は、実際には水またはバッファーに溶解されているパラホルムアルデヒド(PFA、重合ホルムアルデヒド)です。ホルムアルデヒド溶液中の遊離メタンジオールはタンパク質のアミン基および窒素を含む細胞構造と反応します。PFAはまた、細胞膜に存在する脂質の一部を可溶化します。PFAは一般的に3.7~5% v/vに希釈されており、細胞の処理は10~15分間行います。 |
ホルムアルデヒドは主要なタンパク質、ペプチド、酵素と幅広い反応性を持ち、最もよく使われている固定剤である一方、ターゲットによってホルムアルデヒドでは固定されない場合は他の手法を用いることができます。グルタルアルデヒドは単剤でより強力な架橋固定剤として使用できるほか、ホルムアルデヒドとの併用も可能ですが、グルタルアルデヒド処理したサンプルは、抗体で標識する前にさらなる処理が必要になります。細胞膜表面抗原には冷アルコール固定が推奨されるケースもあります。
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図 3. タンパク質をベースとしたブロッキング剤を使用することで、非特異的染色を抑えられます。 | 固定および透過処理を行った細胞で、抗体による標識を行う場合には、一次抗体の前にブロッキング溶液を使用すると良い結果を得られることがあります。通常、ブロッキングを行う溶液は過剰なタンパク質を含んでおり、これによってサンプルにおける非特異的な結合を低減させます。お使いの一次抗体または二次抗体が、サンプルにおいてターゲットでない分子と結合しやすい傾向がある場合、ブロッキングが重要になります。非特異的な「バックグラウンド」染色は多くの場合、抗体と非ターゲット分子間の疎水的相互作用によるものですが、これを抑えることで陽性のシグナルを同定しやすくなり、より明瞭な結果を得られます。 ICCで最もよく使用されるブロッキング溶液は3% (w/v) ウシ血清アルブミンPBS溶液および/または二次抗体の生物種と同じ動物由来の10% (v/v)非働化的血清PBS溶液です。例えばマウス抗ウサギIgG二次抗体を使用する場合は、非働化したマウス正常血清を用いてブロッキング溶液を作ります。 |
図 4. タンパク質をベースとしたブロッキング剤の使用は、非特異染色を低減させる効果があります。 抗体は、ブロッキング剤のタンパク質と置き換わって、エピトープとより高親和性の結合を形成できる一方、ブロッキング剤のタンパク質はサンプルの他の部分において低親和性の抗体相互作用を防ぎます。
少なくとも60分間はサンプルをブロッキング溶液でインキュベートしたほうがよいですが、室温または冷蔵庫内で一晩インキュベートすることもできます。ブロッキングのステップが終了した後に、抗体による標識を行わない場合は、PBSで洗浄し過剰のブロッキング溶液を取り除くことが重要です。
複数のステップがある実験では、どこが上手くいかなかったのか見つけるのが難しい場合がありますが、免疫蛍光法も例外ではありません。好ましくない結果が得られた場合、原因として最も可能性が高いのは一次抗体(抗体の種類および/または濃度)または二次抗体(濃度)です。抗体の標識で、最良の結果を得るための実験管理についてご覧ください。
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.