活性酸素種(reactive oxygen species;ROS)の産生は好気性生物において不可避の現象であり、健康な細胞ではその発生がコントロールされています。しかし酸化ストレス条件下では、ROSの産生が劇的に増加し、その結果、膜脂質、タンパク質、および核酸に変化が起こります。このような生体分子の酸化ダメージは、老化のみならず、アテローム性動脈硬化、発がん、虚血再灌流障害、および神経変性疾患などの様々な病理現象に関わっています。

Molecular Probes®では酸化ストレスにおける種々のパラメーターを追跡するための蛍光ツール を数多く提供しています:

上記のツールは、蛍光顕微鏡、フローサイトメトリー、マイクロプレート解析といったプラットフォームで使用できます。

酸化ストレス検出用製品を選択する

U2OS細胞でのCellROX® Green による酸化ストレスの検出。

全般的な酸化ストレス

CellROX® Reagents は細胞の全般的な酸化ストレスを測定するための蛍光性プローブであり、従来型の蛍光顕微鏡、ハイコンテンツスクリーニング、マイクロプレートフルオロメトリー、またはフローサイトメトリーで使用できます。本色素は還元状態では非蛍光性ですが、酸化されると緑色、オレンジ色、または深赤色の明るい蛍光を発します。一部の色素はホルマリンによる固定が可能であり、抗体を含む他の蛍光試薬とのマルチプレックス化が可能です。アッセイはシンプルかつ信頼性が高く、高感度かつ安定なリードアウトで、試薬は完全成長培地中の細胞に使用することができます。Molecular Probes®では、酸化ストレス測定用にCellROX®色素や従来の蛍光プローブを提供しています。

Oxidative stress detection with CellROX® Green Reagent
U2OS細胞における CellROX® Green Reagent を用いた全般的酸化ストレスの検出。

脂質の過酸化

脂質の過酸化とは脂質の酸化分解です。 ROSは脂質過酸化の主要なイニシエーターであり、アラキドン酸およびリノール酸などの膜結合型多価不飽和脂肪酸が主なターゲットになります。脂質過酸化の副産物は細胞膜への直接損傷をもたらします。またタンパク質付加体を形成し、細胞および組織を損傷します。脂質過酸化は、糖尿病および循環器疾患を含む様々なヒト疾患に関連があるとされています。Molecular Probes®では、生細胞および固定細胞向けのツールを提供しており、レシオメトリック測定または1波長リードアウトをお選びいただけます。

Detection of lipid peroxidation with the Image-iT® Lipid Peroxidation Kit
Image-iT® Lipid Peroxidation Kitによる脂質過酸化の検出。

選択的なROS検出

スーパーオキシド、ペルオキシルラジカル、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、およびペルオキシナイトライトは、細胞内の核酸、タンパク質、および脂質と反応し組織に損傷を与えるROSです。特定のROSは、がん、循環器疾患、神経変性疾患を含む様々なヒト疾患および加齢に関わりがあるとされています。Life Technologiesは、細胞質またはミトコンドリアをターゲットとする様々な活性酸素種をイメージング、フローサイトメトリー、またはマイクロプレート解析によって検出するための選択的Molecular Probes®試薬を提供しています。

Detection of ROS with MitoSOX™ Red Superoxide Indicator
MitoSOX™ Red Superoxide Indicatorを用いた生細胞におけるスーパーオキシドの検出。

グルタチオン

還元型グルタチオン、別名GSHは、タンパク質に結合する主要なチオールです。GSHを含め、タンパク質チオールは細胞において酸化還元状態の決定に重要な役割を果たしています。したがって、GSHレベルを検出することで、酸化還元電位および細胞の酸化ストレス予防能力の良い指標を得られます。Molecular Probes®は、チオールの高感度な検出および局在性確認用の細胞内プローブを提供しています。

Detection of glutathione with ThiolTracker™ Violet dye
U2OS細胞における ThiolTracker™ Violet 色素を用いたGSHの検出。

酸化ストレス検出製品の選択ガイド

酸化ストレスは、活性酸素種(ROS)の産生と、細胞がそれらを除去する能力の不均衡により起こります。ROSは核酸、タンパク質、脂質と反応し、細胞および組織を損傷しますが、選択的または全般的なインジケーターを利用して測定することができます。

 
リードアウトこれらの色素は膜透過性であり、生細胞への導入が容易です非蛍光性の色素が酸化されることで緑色になります
一般的なフィルターセットCy®5RFPFITCFITC
レポーターCellROX® Deep Red ReagentCellROX® Orange ReagentCellROX® Green ReagentH2-DCFDA
Ex/Em (nm)640/665545/565485/520495/527
生細胞への適用
完全培地中でのラベリング不可
ホルムアルデヒドによる固定不可不可
界面活性剤耐性不可不可不可
光安定性
SN比
参考文献引用文献   引用文献
イメージング
HCS
マイクロプレート
フローサイトメトリーC10491(キット)C10493(キット)C10492(キット)
フォーマット5 x 50 uL5 x 50 uL5 x 50 uL20 x 50 ug
カタログ番号C10422C10443C10444C6827

脂質過酸化は脂質の酸化分解です。ROSは脂質過酸化の主要なイニシエーターであり、アラキドン酸およびリノール酸などの膜結合型多価不飽和脂肪酸が主なターゲットになります。脂質過酸化の副産物は細胞膜への直接損傷をもたらします。またタンパク質付加体を形成し、細胞および組織を損傷します。脂質過酸化は、糖尿病および循環器疾患を含む様々なヒト疾患に関連があるとされています。

 
Image-iT® Lipid Peroxidation Kit,
生細胞解析用
リードアウト脂質過酸化の比率測定インジケーターが酸化によって赤色から緑色にシフトします固定細胞において、タンパク質修飾による脂質過酸化を1波長インジケーターで検出します
一般的なフィルターセットFITC および Texas Red®FITC
フルオロフォアBODIPY® 581/591 C11Alexa Fluor® 488
Ex/Em (nm)
495/519581/591495/519
生細胞への適用不可
固定細胞の検出不可
ホールセルイメージング
生細胞への適用不可
光安定性
SN比
参考文献引用文献引用文献
ホルムアルデヒドによる固定不可固定細胞の検出
抗体との併用/
界面活性剤耐性
不可
イメージング
HCS
マイクロプレート
フローサイトメトリー
フォーマット500 アッセイキット500 アッセイキット
カタログ番号C10445C10446

スーパーオキシド、ペルオキシルラジカル、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、およびペルオキシナイトライトは、細胞内の核酸、タンパク質、および脂質と反応し組織に損傷を与えるROSです。特定のROSは、がん、循環器疾患、神経変性疾患を含む様々なヒト疾患および加齢に関わりがあるとされています。

 DihydroethidiumPremo™ Cellular Hydrogen Peroxide (H2O2) Sensor
特異性スーパーオキシド (•O2)スーパーオキシド (•O2)一酸化窒素 (NO)Hydrogen peroxide (H2O2)
リードアウトミトコンドリアをターゲットとします青色の色素が酸化されると赤色になりますNOの蓄積により蛍光強度が増しますDetects H2O2 levels with ratio of excitation at 400 and 488 nm and single emission at 515 nm
一般的なフィルターセットTexas Red®RFP FITCnone
フルオロフォアMitoSOX™ RedDihydroethidium (DHE)DAF-FMroGFP
Ex/Em (nm)
510/580518/606495/515400 and 488/515
生細胞
固定可能不可不可不可
完全培地中でのラベリング不可 不可
光安定性
SN比
考文献引用文献引用文献引用文献 
イメージング
HCS
マイクロプレート 
フローサイトメトリー 
In vivo  不可
フォーマット10 x 50 ug10 x 1 mg10 x 50 ug5 mL
カタログ番号M36008D11347D23844P36243

還元型グルタチオン、別名GSHは、タンパク質に結合する主要なチオールです。GSHを含め、タンパク質チオールは細胞において酸化還元状態の決定に重要な役割を果たしています。したがって、GSHレベルを検出することで、酸化還元電位および細胞の酸化ストレス予防能力の良い指標を得られます。

 
リードアウトGSH用の細胞内プローブを使用し、細胞内での検出および局在性確認ならびにサブポピュレーションのモニタリングを行います数種の低分子チオールと反応し、蛍光性コンジュゲートを形成しますDetects redox potential with ratio of excitation wavelength and single emission
一般的なフィルターセットDAPI ロングパスDAPINone
Ex/Em (nm)
404/525394/490400 and 488/515
フルオロフォアThiolTracker™ VioletMonochlorobimane (mBCI)Monobromobimane (mBBr)roGFP
生細胞への適用性
ホルムアルデヒドによる固定不可不可
抗体とのマルチプレックス化不可不可
ホールセルイメージング
光安定性
SN比
参考文献引用文献引用文献引用文献 
イメージング  
HCS  
マイクロプレート 
フローサイトメトリー 
フォーマット180 アッセイキット500アッセイキット25 mg25 mg5 mL
カタログ番号T10095T10096M1381MPM1378P36424

酸化ストレスは、活性酸素種(ROS)の産生と、細胞がそれらを除去する能力の不均衡により起こります。ROSは核酸、タンパク質、脂質と反応し、細胞および組織を損傷しますが、選択的または全般的なインジケーターを利用して測定することができます。

 
リードアウトこれらの色素は膜透過性であり、生細胞への導入が容易です非蛍光性の色素が酸化されることで緑色になります
一般的なフィルターセットCy®5RFPFITCFITC
レポーターCellROX® Deep Red ReagentCellROX® Orange ReagentCellROX® Green ReagentH2-DCFDA
Ex/Em (nm)640/665545/565485/520495/527
生細胞への適用
完全培地中でのラベリング不可
ホルムアルデヒドによる固定不可不可
界面活性剤耐性不可不可不可
光安定性
SN比
参考文献引用文献   引用文献
イメージング
HCS
マイクロプレート
フローサイトメトリーC10491(キット)C10493(キット)C10492(キット)
フォーマット5 x 50 uL5 x 50 uL5 x 50 uL20 x 50 ug
カタログ番号C10422C10443C10444C6827

脂質過酸化は脂質の酸化分解です。ROSは脂質過酸化の主要なイニシエーターであり、アラキドン酸およびリノール酸などの膜結合型多価不飽和脂肪酸が主なターゲットになります。脂質過酸化の副産物は細胞膜への直接損傷をもたらします。またタンパク質付加体を形成し、細胞および組織を損傷します。脂質過酸化は、糖尿病および循環器疾患を含む様々なヒト疾患に関連があるとされています。

 
Image-iT® Lipid Peroxidation Kit,
生細胞解析用
リードアウト脂質過酸化の比率測定インジケーターが酸化によって赤色から緑色にシフトします固定細胞において、タンパク質修飾による脂質過酸化を1波長インジケーターで検出します
一般的なフィルターセットFITC および Texas Red®FITC
フルオロフォアBODIPY® 581/591 C11Alexa Fluor® 488
Ex/Em (nm)
495/519581/591495/519
生細胞への適用不可
固定細胞の検出不可
ホールセルイメージング
生細胞への適用不可
光安定性
SN比
参考文献引用文献引用文献
ホルムアルデヒドによる固定不可固定細胞の検出
抗体との併用/
界面活性剤耐性
不可
イメージング
HCS
マイクロプレート
フローサイトメトリー
フォーマット500 アッセイキット500 アッセイキット
カタログ番号C10445C10446

スーパーオキシド、ペルオキシルラジカル、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、およびペルオキシナイトライトは、細胞内の核酸、タンパク質、および脂質と反応し組織に損傷を与えるROSです。特定のROSは、がん、循環器疾患、神経変性疾患を含む様々なヒト疾患および加齢に関わりがあるとされています。

 DihydroethidiumPremo™ Cellular Hydrogen Peroxide (H2O2) Sensor
特異性スーパーオキシド (•O2)スーパーオキシド (•O2)一酸化窒素 (NO)Hydrogen peroxide (H2O2)
リードアウトミトコンドリアをターゲットとします青色の色素が酸化されると赤色になりますNOの蓄積により蛍光強度が増しますDetects H2O2 levels with ratio of excitation at 400 and 488 nm and single emission at 515 nm
一般的なフィルターセットTexas Red®RFP FITCnone
フルオロフォアMitoSOX™ RedDihydroethidium (DHE)DAF-FMroGFP
Ex/Em (nm)
510/580518/606495/515400 and 488/515
生細胞
固定可能不可不可不可
完全培地中でのラベリング不可 不可
光安定性
SN比
考文献引用文献引用文献引用文献 
イメージング
HCS
マイクロプレート 
フローサイトメトリー 
In vivo  不可
フォーマット10 x 50 ug10 x 1 mg10 x 50 ug5 mL
カタログ番号M36008D11347D23844P36243

還元型グルタチオン、別名GSHは、タンパク質に結合する主要なチオールです。GSHを含め、タンパク質チオールは細胞において酸化還元状態の決定に重要な役割を果たしています。したがって、GSHレベルを検出することで、酸化還元電位および細胞の酸化ストレス予防能力の良い指標を得られます。

 
リードアウトGSH用の細胞内プローブを使用し、細胞内での検出および局在性確認ならびにサブポピュレーションのモニタリングを行います数種の低分子チオールと反応し、蛍光性コンジュゲートを形成しますDetects redox potential with ratio of excitation wavelength and single emission
一般的なフィルターセットDAPI ロングパスDAPINone
Ex/Em (nm)
404/525394/490400 and 488/515
フルオロフォアThiolTracker™ VioletMonochlorobimane (mBCI)Monobromobimane (mBBr)roGFP
生細胞への適用性
ホルムアルデヒドによる固定不可不可
抗体とのマルチプレックス化不可不可
ホールセルイメージング
光安定性
SN比
参考文献引用文献引用文献引用文献 
イメージング  
HCS  
マイクロプレート 
フローサイトメトリー 
フォーマット180 アッセイキット500アッセイキット25 mg25 mg5 mL
カタログ番号T10095T10096M1381MPM1378P36424