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Bigfoot Cell Sorter(以下Bigfootセルソーター)は今日のもっとも困難なセルソーティングアプリケーション用にセルソーティング専門家によって設計され、性能、安全性、および使いやすさを組み合わせており、研究室レベルから中核施設までの幅広いワークフローにシームレスに適合します。Bigfootでは、スペクトル分解または従来の補正を使用したスタンダードな蛍光検出も行える柔軟性の高いセルソーターです。
非常に高速で、ソーティング速度は7万イベント/秒(eps)を超え、分析速度は100,000 eps超を誇ります。本セルソーターでは、チューブへの6wayソーティング、96ウェルおよび384ウェルプレートへのマルチwayソーティング、または1,536ウェルプレートへのダイレクトソーティングが可能です。さらに、バーチャル18wayソーティングでは、1つのサンプルから複数の細胞集団を分離したり、6つの細胞集団のセットにおいて異なるサンプルを分離したりすることができます。ハイスループットのマイクロタイタープレートソーティングには、InfiniSort機能を使用して複数のプレートを連続ソーティングできます。
Bigfootセルソーターは、96ウェルプレートを11秒未満で、384ウェルプレートを20秒未満でソーティングできます。
プレートソーティングは高速なだけでなく、非常に正確です。HRP法を使用して、TMB基質の比色変換により液滴の沈降を視覚的に確認し、1つの液滴を96ウェルおよび384ウェルのPCRプレートの両方に少量ずつ、100%の標的精度でソーティングできることを示しました。当社のホワイトペーパーで、迅速で正確なソーティングを実現するために当社が開発した技術革新について説明しています。
Bigfootセルソーターは生物学的封じ込めエンクロージャを備えており、人員と産物に対してクラスIIバイオセーフティキャビネットと同様の保護を提供します。
NSF49およびEN12469で規定されている検査手順および基準を使用して、性能を実証できます。カスタムデザインのバイオセーフティキャビネットは、ハイパラメーターソーターの性能を損なったりやワークフローに影響を与えることなく、エアロゾルからオペレーターとサンプルを保護します。独立したエアロゾル管理システムはセルソーターのISACガイドラインに適合しています。
入念な設計により、バイオセーフティキャビネットは追加するのではなく、Bigfootセルソーターおよびユーザーワークフローに統合された一部となりました。調整可能なサッシは容易に上げ下げできるため、サンプルエリアやソーティングノズルに安全にアクセスできます。サンプルエリアの内部コントロールパネルにより、オペレーターがキャビネット内に入ったり手を伸ばしたりする必要が減ります。HEPAろ過されキャビネットを通過する空気は、外部排気システムによりラボ内、またはオプションのキャノピー接続を介して排気されます。
本セルソーターの構成は、ある蛍光色素分子(色)から別の蛍光色素分子の検出器へのスペクトルスピルオーバーを考慮するため補正を適用し、従来のセルソーターと同じようにも使用できます。Sasquatchソフトウエアは、ハイカラー実験用に(60個の検出器すべてを使用して)最大60 x 60の補正マトリックスを構築し、適用します。これにより、プロトコルや解析方法を変更することなく、既存の従来型フローサイトメトリー実験をBigfoot装置に容易に移行できます。生物学的封じ込めにより、ハイスループットかつ高性能で使いやすいセルソーティングの利点を得られます。
さらに、ほとんどのBigfoot構成はスペクトルフローサイトメトリーに対応しているため、スペクトル分解または従来の補正のどちらかを利用してさまざまな蛍光色素からシグナルを分離できます。スペクトル分解は、実験で使用するすべての蛍光色素からのシグナルの全スペクトルを解析することにより、同一実験内で類似したシグナルの蛍光色素の使用を可能にするため、解析できるパラメーターの数を増大させます。これは、大規模の免疫表現型決定、バイオマーカースクリーニング、およびその他のアプリケーションに特に有用です。
Bigfootのスペクトル設定を使用して、従来の実験とスペクトル実験の両方を同じソーターで実行でき、より多くのパラメーターが必要な場合に、実験を従来の補正からスペクトル分解に転換できます。
スペクトル光学および解析の重要な利点の1つは、1回の実験で検出できるパラメーター(蛍光色素)の数が飛躍的に増加することです。Bigfootセルソーターは最大9つのレーザーと60の検出器で構成できるため、広範囲なパネルの細胞集団のスペクトルソーティングと解析に対応します。また上記蛍光チャンネルに加えて、2つの前方散乱および側方散乱チャンネルを使用可能です。たとえば、図は56の蛍光色素のスペクトル特徴を合成したグラフを示しており、各蛍光色素の特性がいかに独特であるかだけでなく、どこに蛍光色素を追加できるかをも示しています。また上記蛍光チャンネルに加えて、2つの前方散乱および側方散乱チャンネルを使用可能です。複数の散乱オプションを使用することが可能で、標準的な粒子と微粒子の同時検出、さらにマルチレーザーによる散乱光の検出および偏光散乱光の検出が可能です。
スペクトルの分解と解析の2つ目の利点は、自己蛍光を、その独自のスペクトル特徴を有する他の蛍光色素分子として処理できることです。従来のフローサイトメトリーとは異なり、自己蛍光では色素のオプションに制限がなく、実験のニーズに応じて評価または除去できます。
スペクトルフローサイトメトリーのハードウェア、光学系、解析、利点、および欠点に関する詳細は、当社のフローサイトメトリーラーニングセンターの記事スペクトルフローサイトメトリーの基礎をご確認ください。
スペクトルセルアナライザーのなかには、すべての細胞を取得した後に分離するものがありますが、細胞を取得して処理している間に細胞がソーティングされるため、細胞ソーティングには適していません。Bigfootセルソーターはリアルタイムで分離した結果をソーティングに適用し、測定と同時に細胞情報を収集できます。超並列・パイプライン化されたデータ処理アーキテクチャーは、高速の分離イベントの損失につながる可能性のあるハードの中断を回避します。分離アルゴリズムの高分解能はソーティングゲートの正確な設定を可能にし、ソーティングされた細胞集団の純度を維持します。
Bigfootセルソーターは、多数のパラメーターやハイスループットが必要なソーティングアプリケーションに特に適しています。
高度な自動化およびソフトウエアウィザードにより、あらゆる知識レベルのオペレーターが確実にシステムを使用および制御できます。たとえば、適切な細胞を適切なチューブにソーティングするには、細胞を含有する液滴の形成とタイミング、すなわち細胞の解析とソーティングされるストリームからの分離の間に発生するドロップディレイが重要です。統合された制御システムは、長時間にわたり最適な液滴形成の持続と位置の安定性を自動的に確保し、一日を通して正確で安定したドロップディレイを維持します。
ワークフローを合理化し、ユーザーによるエラーを低減するため、自動スタートアップ、ストリームキャリブレーション、品質管理、およびドロップディレイなどの機能がソーティングのセットアップを簡素化し、必要なときにシステムを使用できる状態にできるようプログラムできます。電子機器は、さまざまなノズルサイズと圧力に合わせて最適なレーザー遅延を自動的に設定します。気泡が検出された場合、システムはオペレーターに通知し、ソーティングを停止して貴重なサンプルを保護します。温度制御(4~37℃)と撹拌機能が統合されているため、インプットしたサンプルの完全性を維持し、アウトプットの温度制御はソーティングされたサンプルの生存率を維持します。
Sasquatch(SQ)ソフトウエアは、直感的に操作できるワークフローを備えたクリーンなユーザーインターフェースを提供し、取得、解析、およびソーティングを簡素化します。高度な蛍光色素セレクターは、標準実験とスペクトル実験の両方のデザインに役立ち、潜在的な矛盾を警告します。実験ウィザードは、コントロールの実行、潜在的な問題の特定、および分離アルゴリズムの適用をサポートします。
解析機能にはオーバーレイ、カラーゲーティング、バックゲーティング、インデックスソーティング、比率プロットなどがあります。ソフトウエアは他の解析ソフトウエアパッケージと互換性のあるFCS(flow cytometry standard;フローサイトメトリー標準)ファイルを作成します。ソフトウエアはまた、システムの使用状況、品質管理、傾向、およびソーティングサマリーに関する明瞭なレポートも作成します。
Bigfootシステムでは、6つの投入ポジションからのサンプリングが可能で、使用するアダプターにもとづいてチューブサイズ(1.5、5、または15 mL)を自動的に検出します。また、振盪および温度制御が統合されています。マルチサンプルローダーを採用しているため、5~10色の実験用コントロールを1セットまたは2セットだけでロードできます。マルチチューブローディング機能は、フローサイトメトリーでより一般的になっている20以上の蛍光パラメーターの研究に特に有効です。マルチサンプルローダーを含むすべてのサンプル関連サブシステムは、完全に統合されたバイオセーフティキャビネット内に収納されており、最適な安全性、効率性、および性能を実現します。
サンプル投入位置の1つがキャリブレーションビーズ用に用意されているため、毎日のセットアップでビーズを冷蔵庫から取り出して希釈したり、チューブを調整したりする必要はありません。オンボード洗浄ステーションは完全な洗浄およびバックフラッシュサイクルを8秒で完了するため、サンプル間のキャリーオーバーをきわめて低いレベルに抑えます。サンプル量が少なくなると、サンプル終了気泡検出器が50ミリ秒以内に反応してサンプリングを停止し、ユーザーが操作することなくプローブを洗浄して次のチューブに移動します。
ソーティング回収側では、Bigfootセルソーターのjet-in-air感知は繊細な細胞に優しく、高いソーティング速度でも収率を低下させることなく、生存率を最大化します。正確なシングル液滴標的は、シングルセルソーティングまで、類を見ない精度、回収率、および速度を確保します。設定可能なソーティング回収ホルダーには1.5、5、15、および50 mLチューブ、最大1,536ウェルのマイクロウェルプレート、顕微鏡スライド、および10x Genomicsチップが含まれます。チップ交換ウィザードにより、70、100、120、および150 μmのノズルチップのセットアップが簡単になりました。
Bigfootセルソーターは、シンプルなものから複雑なものまで幅広いセルソーティングアプリケーションを満たすよう設計されており、柔軟性や性能を向上させ、ワークフローを合理化させる思慮に富んだ設計上の特長を備えています。たとえば、キャリブレーションビーズはオンボードサンプルローダーで使用できる状態に保たれるため、毎日新しいキャリブレーション溶液を調製する必要はありません。(月に1回程度、使用済みのバイアルを新しいものに交換するだけです。)バイオセーフティ領域内には、サンプルラックやプレートを置くための十分なデッキスペースがあり、また、内蔵のサンプルボルテックスミキサー、チューブラック、およびバイオハザードバッグを利用できます。これにより、オペレーターはセーフティ領域を越えることなく、多くのルーチン作業を遂行できます。
システム全体に搭載された複数のカメラとセンサーにより、システムの健全性をモニターして、すべてのサブシステムに関するフィードバックを提供し、状態をログして予防的にトラブルシューティングを行います。内蔵の気泡検出機能は、サンプルチューブがほぼ空になると自動的にサンプリングを停止し、オペレーターに通知することで、デッドボリュームを低減します。システムはソーティング済みサンプルの量を追跡し、回収チューブが満杯になった時に自動的に交換します。
Bigfootセルソーターは個々のラボのワークフローに対応できるように設計されていますが、フローサイトメトリーの中核施設におけるセルソーティング主力装置としても適しています。
ご覧になればお分かりいただけます。こちらのビデオでは、当社の製品テストプログラムに参加された3名の中核施設管理者が、Bigfoot セルソーターをラボに導入した際の経験を議論しています。Bigfootシステムが、その性能、自動化、使いやすさ、省スペース性、低ノイズレベル、および柔軟性により、彼らが管理するセルソーターの中でどのような位置づけとなったかについての知見を共有してくれました。「私はこれをサイトメーターのスイスアーミーナイフと呼んでいます」と、英国ケンブリッジ郊外のBabraham InstituteのRachael Walker氏は述べています。
フロー中核施設はセルソーターをラボ内で独自に使用する流れに移行してきていますが、ハイエンドのセルソーターをエンドユーザー操作へ転換するのは簡単ではありません。「競合他社のハイエンド機器を使用するのに必要な時間と専門知識は、当施設の多くのユーザーのレベルを超えています」と、マサチューセッツ州ケンブリッジにあるBroad InstituteのPatricia Rogers氏は述べています。「彼らは、私たちのようにレーザーアライメントや垂直性調整の方法を学ぶのに6カ月もかけられないのです。」Bigfootセルソーターは迅速な起動、自動化、ソフトウエアウィザード、そして容易なトレーニングを取り入れることで、研究者はハイエンドのセルソーターをうまく操作でき、スタッフは新技術やアッセイの開発に専念できることを証明したとRogersは付け加えています。
研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。