section of flow cytometry histogram showing two distinct fluorescence peaks 

死細胞は、様々な試薬と非特異的に結合しやすいため、偽陽性の原因となることが少なくありません。そこで、死細胞をフローサイトメトリーのデータから除くことは、確実に正確なデータと解析結果を得るために必要不可欠です。フローサイトメトリー用のMolecular Probes®固定不可の細胞生存率アッセイは、前方散乱および側方散乱データよりも正確な、生細胞と死細胞の集団を識別するための選択肢を提供します。

細胞非透過性SYTOX® DNA結合試薬を用いた生存率アッセイ

SYTOX® Dead Cell染色試薬は、正常な細胞膜を透過せず、dsDNAに結合すると強い蛍光を示すため、弊社の最も鮮やかな死細胞染色試薬となっています(図1)。使いやすいSYTOX®死細胞染色試薬は、水溶性培地中では非蛍光性であるため、追加の洗浄ステップなしで細胞に添加するだけで可視化することができます。これらの色素は、多くの単一カラーフォーマットにて利用可能であり、多くのレーザーと適合しているため、お客様が必要とする柔軟性をもたらします。また、こうした染色試薬は、蛍光顕微鏡法、フローサイトメトリー、およびマイクロプレートなど複数のプラットフォームで使用することができます。

細胞非透過性SYTOX® DNA結合色素の選択ガイド

flow cytometry histogram showing two distinct fluorescence intensity peaks for live and dead cells along with an additional scatter plot showing subpopulations within the live-cell group 

 

図 1. SYTOX® Dead Cell染色試薬を透過させない生細胞 熱処理済みおよび無処理のヒト末梢血白血球の混合物を、Alexa Fluor® 488標識抗ヒトCD3抗体、R-PE標識抗ヒトCD8抗体、および5 nMのSYTOX® Red Dead CellStainで染色した後、フローサイトメトリーを使用して励起波長488 nmおよび635 nmで解析しました。 (A) 2種の細胞集団の蛍光強度分布を示すヒストグラム--死細胞は強いSYTOX® Redの蛍光シグナルを示していますが、生細胞は示していません。 (B)生細胞にゲートオンした後のCD8およびCD3染色のデュアルパラメータープロット。


従来の細胞非透過性DNA結合色素を用いた生存率アッセイ

細胞非透過性の従来のDNA結合色素には、propidium iodideおよび7-AADなどがあります(図2)。これら色素のいずれもが、488または532 nmのレーザーで励起されて610 nm超の蛍光を発するため、フローサイトメトリーでの生存率アッセイに広く使用されてきました。

従来の細胞非透過性DNA結合色素の選択ガイド

flow cytometry scatter plot showing three populations: viable, apoptotic, and necrotic 
図 2. propidium iodideを用いた死細胞染色。 Jurkat細胞を、10 μMのカンプトテシンで4時間処理した後、 Alexa Fluor® 488標識Annexin V & propidium iodideが入っている死細胞アポトーシスキットを用いて染色しました。 細胞は、フローサイトメトリーを用いて励起波長488 nmで解析し、530/30と575/24のバンドパスフィルターを装着したAttune® Acoustic Focusing Cytometerにて、標準的な100 μL/minのflow rateで回収しました。 死(壊死)細胞では、アポトーシス細胞や生細胞に比べ、強いpropidium iodide染色が示されました。 A=アポトーシス細胞、V = 生細胞、N = 壊死細胞。

エステラーゼ基質を用いた生存率アッセイ

CellTrace™カルセインAM色素は、接着細胞および非接着細胞内に受動的にロードすることができます。こうした細胞透過性エステラーゼ基質は、蛍光の活性化に必要な酵素活性、およびそれら蛍光産物の細胞内保持に必要な細胞膜完全性を測定する生存率プローブとして役に立ちます。青色、紫色、および緑色の蛍光として利用可能なこれらの色素は、生細胞の短期間染色に理想的であり、マルチプレックス化したフローサイトメトリー実験で使用することができます(図3)

エステラーゼ基質の選択ガイド

flow cytometry scatter plot showing two distinct populations: dead cells (red fluorescent) and live cells (green fluorescent) 
図 3. 生細胞のCellTrace™ Calcein Green AM染色。 ヒトB細胞とエタノール固定した(死んだ)ヒトB細胞の1:1混合物を、calcein green AMおよびethidium homodimer-1で染色しました。 5分後、フローサイトメトリー解析を励起波長488 nmで行いました。 得られた二変量の度数分布は、緑色蛍光(530 nm)の生細胞集団が、赤色蛍光(585 nm)の死細胞集団から明瞭に分離していることを示しています。

エステラーゼ基質およびアミン反応性色素を用いた生存率アッセイ

LIVE/DEAD® Violet Viability/Vitalityキット

LIVE/DEAD® Violet Viability/Vitalityキットを使用すれば、細胞の健康状態の有効なパラメーターを測定する2種のプローブによる生細胞および死細胞の同時測定を基にした、2色蛍光での細胞生存率および活力アッセイを行うことができます。これらパラメーターは、細胞生存率の指標としての原形質膜の完全性、および細胞活性の指標としての細胞内エステラーゼ活性です(図4)。CellTrace™ Calcein Violet AMおよびLIVE/DEAD® Fixable Aqua fluorescent reactive色素は、このアプリケーションに最適です。いずれの色素もバイオレットレーザーを利用しているため、他のレーザーをより一般的なマーカー用に使用することが可能になります。

IVE/DEAD® Viability/Vitalityキットの詳細をご覧ください

flow cytometry scatter plot showing two distinct populations: live cells (stained with calcein) and dead cells (stained with aqua fluorescent dye) 
図 4. 加熱により死滅させた細胞と無処理のJurkat細胞の混合物の染色。 Jurkat細胞は、LIVE/DEAD® Violet Viability/Vitalityキットのプロトコルに従って染色されました。 calcein violetで標識した生細胞(L)は450/50 nmのバンドパスフィルターを使用し、auqa-dyeで標識された死細胞 (D)は525/50 nmバンドパスフィルターを使用して、405 nmレーザーを備えたフローサイトメーターで細胞を解析しました。
フローサイトメトリー用の固定不可の生存率解析用試薬の選択ガイド
 SYTOX® Blue Dead Cell染色試薬SYTOX® Green Dead Cell染色試薬SYTOX® Orange Dead Cell染色試薬SYTOX® Red Dead Cell染色試薬SYTOX® Dead Cell Stain Sampler Pack
アッセイの基礎SYTOX® Dead Cell染色試薬は、細胞膜の損傷した細胞の中に入り、dsDNA/RNAと結合します。色素は核酸に結合するまでほとんど無蛍光です。正常な細胞膜の通過することができず、固定不可な色素です。固定細胞のDNA含量細胞周期解析にも使用できますが、RNaseの添加が必要です。死細胞をフローサイトメトリー解析結果から除くことが可能です。
リードアウト死細胞は強い蛍光を発しますが、生細胞は染色されません
レーザー (nm)
450
488
488
532
633/635
様々
励起/蛍光 (nm)
444/480
504/523
547/570
640/658
様々
文献引用文献
マルチプレックス利用
組み合わせの出来ない色素Pacific Blue™色素、CellTrace™ Violet 染色試薬、FxCycle™ Violet染色試薬、LIVE/DEAD® Fixable Violet染色試薬、BV421またはeFluor® 450との併用不可FITC、Alexa Fluor® 488、GFP、CellTrace™ CSFE染色試薬またはLIVE/DEAD® Fixable Green染色試薬との併用不可R-PE、propidium iodide、SYTOX® AADvanced染色試薬、7-AAD、PE-Alexa Fluor® 610 and PE-Texas Red® tandem色素との併用不可APC、Alexa Fluor® 647、FxCycle™ Far Red、CellTrace™ Far Red染色試薬との併用不可
固定可能
不可
不可
不可
不可
不可
サンプルタイプ
生細胞
フォーマット
1000テスト
1000テスト
1000テスト
1000テスト
1種類あたり50テスト
カタログ 番号
 propidium iodide7-AAD (7-aminoactinomycin D)
アッセイの基礎従来のDNA結合性死細胞色素は、細胞膜の損傷した細胞の中に入り、dsDNA/RNAと結合します。正常な細胞膜を通過することができず、固定不可な色素です。固定細胞のDNA含量細胞周期解析にも使用できますが、RNaseの添加が必要です。死細胞をフローサイトメトリー解析結果から除くことが可能です。
リードアウト死細胞は強い蛍光を発しますが、生細胞は染色されません
レーザー (nm)
488
532
488
532
励起/蛍光 (nm)
535/617
546/647
文献
引用文献
引用文献
マルチプレックス利用
組み合わせの出来ない色素R-PE、SYTOX® Orange Dead cell染色試薬、SYTOX® AADvanced染色試薬、7-AAD、PE-Alexa Fluor® 610またはPE-Texas Red® tandem色素との併用不可R-PE、SYTOX® Orange Dead cell染色試薬、SYTOX® AADvanced染色試薬、7-AAD、PE-Alexa Fluor® 610またはPE-Texas Red® tandem色素との併用不可
固定可能
不可
不可
サンプルタイプ
生細胞
フォーマット
100 mg
100 mg
カタログ 番号
 CellTrace™ Calcein Blue, AMCellTrace™ Calcein Violet, AM AMCellTrace™ Calcein Green, AM
アッセイの基礎CellTrace™ calcein AM色素は、AMエステルが正常な場合は無蛍光であり、すべての細胞の膜を透過します。いったん生細胞の中に入ると、活性のあるエステラーゼはAM(アセトキシメチル)基を切断し、これにより色素は蛍光を発します。死細胞中では、AM基が切断されないため、色素は蛍光を発しません。この色素の使用上の特長は短い標識時間であり、いったんAM群が切断されると、数時間以内に活発に細胞から搬出されます。
リードアウト生細胞は強い蛍光を発しますが、死細胞はわずかな蛍光を示します
レーザー (nm)
UV
405
488
励起/蛍光 (nm)
322/425
400/452
495/515
文献
引用文献
引用文献
引用文献
マルチプレックス利用
組み合わせの出来ない色素Indo-1 (Blue)、DAPIまたはHoechst 33342との併用不可Pacific Blue™色素、CellTrace™ Violet染色試薬、FxCycle™ Violet染色試薬、LIVE/DEAD® Fixable Violet染色試薬、BV421またはeFluor® 450との併用不可FITC、Alexa Fluor® 488、GFPまたはCellTrace™ CSFE染色剤との併用不可
固定可能
不可
不可
不可
サンプルタイプ
生細胞
フォーマット
20 x 50 µg
20 x 50 µg
20 x 50 µg
カタログ 番号
 
アッセイの基礎LIVE/DEAD® Violet Viability/Vitalityキットを使用すれば、細胞の健康状態の有効なパラメーターを測定する2種のプローブによる生細胞および死細胞の同時測定を基にした、2色蛍光での細胞生存率および活力アッセイを行うことができます。これらパラメーターは、細胞生存率の指標としての原形質膜の完全性、および細胞活性の指標としての細胞内エステラーゼ活性です。
蛍光標識Calcein Violet, AMLIVE/DEAD® Aqua stain
リードアウト生細胞は強い蛍光を発しますが、死細胞は非常に薄暗いものとなります生細胞はわずかな蛍光を示しますが、死細胞は強い蛍光を発します
レーザー (nm)
405
405
励起/蛍光 (nm)
400/452
367/526
マルチプレックス利用
組み合わせの出来ない色素Pacific Blue™色素、CellTrace™ Violet染色試薬、FxCycle™ Violet染色試薬、LIVE/DEAD® Fixable Violet染色試薬、BV421またはeFluor® 450との併用不可Pacific Green™色素、F2N12SアポトーシスアッセイAmCyanまたはBV510との併用不可
固定可能
不可
サンプルタイプ
生細胞
フォーマット
20テスト
カタログ 番号
 SYTOX® Blue Dead Cell染色試薬SYTOX® Green Dead Cell染色試薬SYTOX® Orange Dead Cell染色試薬SYTOX® Red Dead Cell染色試薬SYTOX® Dead Cell Stain Sampler Pack
アッセイの基礎SYTOX® Dead Cell染色試薬は、細胞膜の損傷した細胞の中に入り、dsDNA/RNAと結合します。色素は核酸に結合するまでほとんど無蛍光です。正常な細胞膜の通過することができず、固定不可な色素です。固定細胞のDNA含量細胞周期解析にも使用できますが、RNaseの添加が必要です。死細胞をフローサイトメトリー解析結果から除くことが可能です。
リードアウト死細胞は強い蛍光を発しますが、生細胞は染色されません
レーザー (nm)
450
488
488
532
633/635
様々
励起/蛍光 (nm)
444/480
504/523
547/570
640/658
様々
文献引用文献
マルチプレックス利用
組み合わせの出来ない色素Pacific Blue™色素、CellTrace™ Violet 染色試薬、FxCycle™ Violet染色試薬、LIVE/DEAD® Fixable Violet染色試薬、BV421またはeFluor® 450との併用不可FITC、Alexa Fluor® 488、GFP、CellTrace™ CSFE染色試薬またはLIVE/DEAD® Fixable Green染色試薬との併用不可R-PE、propidium iodide、SYTOX® AADvanced染色試薬、7-AAD、PE-Alexa Fluor® 610 and PE-Texas Red® tandem色素との併用不可APC、Alexa Fluor® 647、FxCycle™ Far Red、CellTrace™ Far Red染色試薬との併用不可
固定可能
不可
不可
不可
不可
不可
サンプルタイプ
生細胞
フォーマット
1000テスト
1000テスト
1000テスト
1000テスト
1種類あたり50テスト
カタログ 番号
 propidium iodide7-AAD (7-aminoactinomycin D)
アッセイの基礎従来のDNA結合性死細胞色素は、細胞膜の損傷した細胞の中に入り、dsDNA/RNAと結合します。正常な細胞膜を通過することができず、固定不可な色素です。固定細胞のDNA含量細胞周期解析にも使用できますが、RNaseの添加が必要です。死細胞をフローサイトメトリー解析結果から除くことが可能です。
リードアウト死細胞は強い蛍光を発しますが、生細胞は染色されません
レーザー (nm)
488
532
488
532
励起/蛍光 (nm)
535/617
546/647
文献
引用文献
引用文献
マルチプレックス利用
組み合わせの出来ない色素R-PE、SYTOX® Orange Dead cell染色試薬、SYTOX® AADvanced染色試薬、7-AAD、PE-Alexa Fluor® 610またはPE-Texas Red® tandem色素との併用不可R-PE、SYTOX® Orange Dead cell染色試薬、SYTOX® AADvanced染色試薬、7-AAD、PE-Alexa Fluor® 610またはPE-Texas Red® tandem色素との併用不可
固定可能
不可
不可
サンプルタイプ
生細胞
フォーマット
100 mg
100 mg
カタログ 番号
 CellTrace™ Calcein Blue, AMCellTrace™ Calcein Violet, AM AMCellTrace™ Calcein Green, AM
アッセイの基礎CellTrace™ calcein AM色素は、AMエステルが正常な場合は無蛍光であり、すべての細胞の膜を透過します。いったん生細胞の中に入ると、活性のあるエステラーゼはAM(アセトキシメチル)基を切断し、これにより色素は蛍光を発します。死細胞中では、AM基が切断されないため、色素は蛍光を発しません。この色素の使用上の特長は短い標識時間であり、いったんAM群が切断されると、数時間以内に活発に細胞から搬出されます。
リードアウト生細胞は強い蛍光を発しますが、死細胞はわずかな蛍光を示します
レーザー (nm)
UV
405
488
励起/蛍光 (nm)
322/425
400/452
495/515
文献
引用文献
引用文献
引用文献
マルチプレックス利用
組み合わせの出来ない色素Indo-1 (Blue)、DAPIまたはHoechst 33342との併用不可Pacific Blue™色素、CellTrace™ Violet染色試薬、FxCycle™ Violet染色試薬、LIVE/DEAD® Fixable Violet染色試薬、BV421またはeFluor® 450との併用不可FITC、Alexa Fluor® 488、GFPまたはCellTrace™ CSFE染色剤との併用不可
固定可能
不可
不可
不可
サンプルタイプ
生細胞
フォーマット
20 x 50 µg
20 x 50 µg
20 x 50 µg
カタログ 番号
 
アッセイの基礎LIVE/DEAD® Violet Viability/Vitalityキットを使用すれば、細胞の健康状態の有効なパラメーターを測定する2種のプローブによる生細胞および死細胞の同時測定を基にした、2色蛍光での細胞生存率および活力アッセイを行うことができます。これらパラメーターは、細胞生存率の指標としての原形質膜の完全性、および細胞活性の指標としての細胞内エステラーゼ活性です。
蛍光標識Calcein Violet, AMLIVE/DEAD® Aqua stain
リードアウト生細胞は強い蛍光を発しますが、死細胞は非常に薄暗いものとなります生細胞はわずかな蛍光を示しますが、死細胞は強い蛍光を発します
レーザー (nm)
405
405
励起/蛍光 (nm)
400/452
367/526
マルチプレックス利用
組み合わせの出来ない色素Pacific Blue™色素、CellTrace™ Violet染色試薬、FxCycle™ Violet染色試薬、LIVE/DEAD® Fixable Violet染色試薬、BV421またはeFluor® 450との併用不可Pacific Green™色素、F2N12SアポトーシスアッセイAmCyanまたはBV510との併用不可
固定可能
不可
サンプルタイプ
生細胞
フォーマット
20テスト
カタログ 番号

Resources

Fluorophore and reagent selection guide for flow cytometry

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Spectral Flow Cytometry Fundamentals

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Intracellular Staining for Flow Cytometry How-To Video—for detecting cytokines and intranuclear markers.

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