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iBright Imaging Systemの全モデルは解析ソフトウェアを内蔵しており、分子量の推定、デンシトメトリー、ノーマライゼーションなど、画像取得後の多数のルーチン解析ワークフローを実行可能です。すべての分析入力は、タッチスクリーンインターフェースから直接実行できます。
当社のスタンドアローン型のiBright Analysis Softwareは、iBright Imaging Systemsで取得したブロットおよびゲル画像を整理し、解析するためのフリーソフトウェアです。当社のiBright Analysis Softwareは、内臓の解析ワークフローをもとに構築するよう設計されており、より多くの機能と、好みやニーズに応じて複数のソフトウェアフォーマットを利用できる利便性を備えています。
標準のiBright Analysis Softwareには、デスクトップ版(PCとMac OSの両方に対応)と、当社のConnectプラットフォームを介してウェブブラウザからアクセスできるクラウドベース版の2種類のフォーマットがあります。また、デスクトップ版のソフトウェアをもとにデザインされたiBright Analysis Software—Secureという第3版のiBright Analysis Softwareも提供しています。これは、当社の21 CFR Part 11準拠サポートパッケージの一部として、21 CFR Part 11に準拠するように設計されています。
iBright Analysis Softwareのすべての版は、ギャラリー、調整、解析、およびアノテーションの4つの主要なワークスペースを使用しています。当社のソフトウェアは、発表用のシンプルな調整にも、重要なサンプル間の微妙な差異の比較にも対応します。当社はソフトウェアを定期的に更新して新しい機能を追加し、継続的にユーザーの利便性を向上させています。
ソフトウェアワークスペース | 機能 | 特徴 |
---|---|---|
ギャラリー | 画像の探索および整理 | ビュー、保存、並び替え、検索、選択、インポート、エクスポート、およびレポート作成 |
調整 | ミーティングやプレゼンテーションのための画像の微調整および改良 | 回転、傾き補正、反転、ズーム、切り抜き、白黒反転、コントラストおよびガンマレベルの調整、擬似カラーの適用 |
分析 | データのより深い理解 | 自動解析(レーンおよびバンドの自動検出)、手動解析(ユーザー定義)、定量(相対または絶対)、およびレーンの総タンパク質とハウスキーピングタンパク質を用いたノーマライゼーション |
アノテーション | 画像のラベル付け | データ表で解析対象(フレーム、レーン、バンド、および領域)にラベルを付ける、および/またはアノテーションツールを使用してテキスト、ボックス、および矢印を追加 |
すべてのiBright Imaging Systemでは、画像取得後のデータ解析用に別のコンピュータに移動する必要がなく、内蔵の解析ソフトウェアでルーチンの解析ワークフローを便利に行うことができます。内臓の解析ソフトウェアはレーンとバンドを自動的に識別し、しばしば面倒となるこの解析ステップを合理化します。分子量推定のための分子量マーカーのオーバーレイ、定量、デンシトメトリー、およびノーマライゼーション解析を機器で直接実行できます。最大4つのブロットまたはゲルを同時に解析可能なため、スループットが大幅に向上します。
Galleryワークスペースは、モード(アプリケーション)、日付、またはファイル名に基づいて並び替えできるため、データの呼び出しや管理を素早く行えます。画像プレビューは調整可能なため、各画像を個別に開かずに密接に関連するデータをスキャンできます。
画像解析は複雑で扱いが難しい場合がありますが、iBright Analysis SoftwareのImage Analysisワークスペースでは、わずか数クリックでシンプルに実行できます。1つの画像から1度に最大4つのミニブロットまたはミニゲルを自動的に解析し、スループットを向上させます。強力なアルゴリズムは、レーンとバンドの境界を一貫的かつ正確に選択および特定し、分子量の推定、デンシトメトリー、またはノーマライゼーションを行うことが可能です。バンド表示感度を調整することで、解析用に表示されるバンド数を微調整できます。また、必要に応じて手動で画像を解析することもできます。
Annotateワークスペースでは、画像にラベルを付けられます。すべてのアノテーションは、ビューポートにマゼンタ色で表示されます。アノテーションテーブルを使用して追加されたアノテーションおよびレーンラベルは、エクスポートした画像に含まれ、すべてのアノテーションは画像レポートに含まれます。
解析後、画像はデータレポートと並べて表示されます。データをフィルタリングして、目的のパラメーターのみを表示できます。レポートをPDFフォーマットにエクスポートすることが可能です。または、生データをExcelソフトウェアにエクスポートしてさらに解析できます。
iBright Analysis Softwareデスクトップ版は誰でもダウンロードでき、WindowsとMacの両方のオペレーティングシステムに対応しています。デスクトップ版ではインターネットを使用することなく作業でき、クラウドペースで提供しているすべての解析機能を利用できます。
デスクトップソフトウェアが最新のものであることをご確認ください。機器のファームウェアアップデートおよびパッチに加えて、最新バージョンをダウンロードしてください。
クラウド接続は生産性を向上。iBright Imaging Systemsで取得した画像を、当社のクラウドベースのプラットフォームであるConnectに直接エクスポートできます。インターネットに接続しているところならどこからでも、ウェブを介してアクセス可能です。また、Thermo Fisher Connect内のInstrument Connectで機器のステータス、ファームウェアエディション、および利用履歴を特定することができるため、遠隔モニタリングによるさらなる管理が可能です。
Connectのアカウント1つにつき1 TBのデータストレージを無料で利用できます。iBright Imaging SystemのユーザーアカウントをConnectアカウントにリンクさせると、Connectのパーソナルギャラリーにデータをアップロードできます。
FDAは、1997年8月に21 CFR Part 11として知られる電子記録および署名規則を発行しました。このルールは、紙の文書の代わりに電子文書を使用する際の要件を定義しています。この法律は、電子的に保存された記録の信頼性を確保するために必要なシステム要素、制御、および手順を規定しています。
21 CFR Part 11への準拠は、手順要件と技術要件の両方で構成されています。手順要件は、エンドユーザーが策定する標準操作手順で、技術要件は使用するコンプライアンス管理ソフトウェアの機能特性です。技術要件を満たすだけでは、21 CFR part 11への準拠は保証されません。コンプライアンスは、エンドユーザーの作業プロセスと使用するシステムによる結果です。
Invitrogen iBright SAE Software Solution for 21 CFR Part 11 Supportが、21 CFR part 11に準拠したワークフローをどのようにして実現するかについての技術的詳細は、技術仕様書をご確認ください。
21 CFR Part 11サポート用iBright SAE Software SolutionをiBright Imaging Systemsで実行するには、次のコンポーネントをインストールして有効化し、相互に通信させる必要があります(図1):
図1:iBright 21CFR11 Software Solution※は、(1)セキュリティ、監査、および電子署名(SAE)ソフトウェア(SAE Administrator Console、SAEサーバー、およびSAEアプリケーションプロファイル(iBright ImagerやAnalysis Softwareなど))、(2)iBright機器 – SAEモード(内蔵ソフトウェア)、(3)iBright Analysis Software—Secure(デスクトップ解析ソフトウェア)で構成されています。
※iBright SAEソフトウェアライセンスは、21 CFR Part 11サポートパッケージの有効化に必要です
SAE Administrator Consoleは、特定の機器および/または解析ソフトウェアのセキュリティ、監査、および電子署名に対するユーザー固有の要件を満たすために、セキュリティ、監査、および電子署名を設定するためのツールです。SAE設定を機器または解析ソフトウェアで使用するには、機器または解析ソフトウェアのアプリケーションプロファイル(iBright ImagerやAnalysis Softwareアプリケーションプロファイルなど)を、SAE Administrator Consoleにインストールする必要があります(図2)。アプリケーションプロファイルがSAE Administrator Consoleにインストールされると、SAEサーバーを使用して、機器や解析ソフトウェアがSAE Administrator Consoleに接続されます。デフォルトでは、SAEサーバーはSAE Administrator Consoleと同じコンピューターにインストールされます。このコンピューターは、固定IPアドレスで構成されたネットワークに接続されたコンピューターである必要があります。
図2:SAE Administrator Consoleのインターフェース表示
iBright Imaging SystemでSAEモードを有効にし、iBright Analysis Software—Secureデスクトップ解析ソフトウェアを有効にするには、21 CFR Part 11用iBright SAEソフトウェアライセンスが必要です。
SAEモードが有効になると、iBright機器はSAEサーバーを介してSAE Administrator Consoleに接続します。SAE Administrator Consoleで定義したセキュリティ、監査、および電子署名の設定がiBright機器で実行されます(図3)。機能には、権限のないユーザーのシステムへのアクセス制限、パスワードポリシーと有効期限、定義されたユーザー権限と役割、監査ログによるすべてのデータ変更の追跡、利用可能な監査レポート、および内蔵の電子署名ワークフローなどがあります。すべてのiBright Imaging Systemsは、iBright SAEソフトウェアライセンスを購入することで、SAEモードで動作します。
図3.SAEモードへのアクセス方法を示すiBright Imaging Systemのインターフェースの画面。
iBright Analysis Software—Secureは当社のiBright Analysis Softwareプラットフォームの別バージョンで、 SAEサーバーを介してSAE Administrator Consoleに接続することで、セキュリティ、監査、および電子署名に関する21 CFR Part 11 FDAガイドラインへの準拠をサポートします。iBright Analysis Software—Secureのデスクトップソフトウェアは、WindowsまたはMacオペレーティングシステムで動作するコンピューターで利用でき、以下の設定が可能です:
21 CFR Part 11サポート用Invitrogen iBright SAE Software Solutionの機能的特徴
機能 | 内容 |
---|---|
システムセキュリティ | ユーザーアカウントの作成、役割でのユーザー権限の定義、およびパスワードポリシーの定義により、ユーザーのアプリケーションへのアクセスを制御 |
監査 | ユーザーが実行したアクションの追跡、SAEモジュール設定の変更、監査レポートの作成 |
電子署名 | ユーザーが特定の機能を実行する前に、署名要件を満たす必要があるかどうかを判断 |
各機能のその他の設計機能は以下のとおりです:
1. アクセスは、ユーザーIDとパスワードで認証された人物に限定されます
図4:新規ユーザーのアカウント作成を示しているSAE Administrator Consoleのインターフェース。
2. パスワードとユーザーIDは、ユーザーが定義した日数(一般的に90日)が経過すると失効します。
3. ユーザーが定義した時間内に活動がないと自動的にログアウトします(図5)。
図5:ユーザー名とパスワードポリシー設定を示しているSAE Administrator Consoleのインターフェース。
4. 記録に署名または変更するには、IDとパスワードを再入力する必要があります。
5. 「偽造」の試みを記録し、自動的にレポートする方法が必要です(イベント通知)。
6. ソフトウェアのさまざまな機能へのアクセスや操作は、ユーザーの役割定義により制御されます。
7. ソフトウェアの特定の領域やオプションへのアクセスを制御します(図 6)。
図6:ユーザーの役割設定を示しているSAE Administrator Consoleのインターフェース。
ユーザーが実行した操作とSAE設定の変更を追跡します。SAE Administrator Consoleは、監査可能な操作(サインイン/サインアウト、画像取得、エクスポートされた画像、削除された画像、署名されたファイル、レポート作成、その他)を通知することなく自動的に追跡します(図7)。
図7:監査履歴タブを示しているSAE Administrator Consoleのインターフェース。(1)利用可能な監査履歴(操作記録、システム設定記録、アプリケーション対象記録)、(2)アプリケーション(SAE、iBright機器およびAnalysis Software、またはその他)、(3)操作、(4)日付とユーザー名、(5)読み取り/印刷可能な形式(PDFまたはtxt)でのエクスポート、(6)対象物ID。
監査機能で可能なこと:
監査可能なアクションは、iBright Imaging Systems機器、またはiBright Analysis Software—Secureソフトウェアで実行できます。変更を追跡するには、変更を実行して保存する必要があります。実行した変更は、ソフトウェアアプリケーションの監査タブで確認できます。実行ごとに新しいバージョンのメタデータが作成され、監査タブの監査サマリー表に記録されます。実行したすべてのアクションはSAE Administrator Consoleに送信され、監査アクション記録にログされます。
実行ワークフローで、表示される選択項目から実行理由を選択(または、その他/カスタム理由を選択)します。必要に応じてコメントを入力し、[Commit]をクリックします(図9および10)。
図9:実行理由ウィンドウおよび機能を示しているiBright Analysis Software—Secureデスクトップソフトウェア。(1)実行フィールド(2)カスタム理由を追加するためのオプション(3)コメント。
図10:実行理由ウィンドウと機能を示しているiBright Imager SAEモードの監査可能な変更の画。(1)理由フィールド、[Blank reason]ボックスをタッチして監査理由画面を開き、(2)オプションから選択するか、[Other]を選択してカスタム理由を追加し、(3)必要に応じてコメントを入力して[Save]をタッチすると、(4)実行した変更の確定が表示されます。
ユーザーが特定の機能を実行する前に、署名要件を満たす必要があるかどうかを判断します(図8)。
図8:SAE Administrator Consoleの電子署名設定のインターフェース。(1)電子署名の目的をカスタマイズする、(2)目的や役割ごとに必要な電子署名の数をカスタマイズする、(3)選択された特定の目的のために署名されたデータのタイプ。
電子署名機能で可能なこと:
すべての変更を完了して実行すると、SAE Administrator Consoleで設定したた署名ルールにしたがってファイルに署名できます。選択した目的に対する署名要件(必要な署名数および役割)が表にリストされます(図11Aおよび11B)。すべての署名が取得されると、監査タブにある対応するバージョン用の電子署名表で、署名ルールのステータスが未署名から署名済みに更新されます。署名ログが電子署名サマリー表に追加されます。
電子署名ワークフローで、適切な電子署名目的を選択します。必要な署名と役割がリストされます。適用する役割を選択し、認証情報を入力します。すべての署名が取得されると、ファイルは完全に署名されロックされます。
注:iBright Analysis Software—Secureでは、部分的に署名されたファイルを、部分的に署名された状態でユーザーのコンピューター間で共有できます。すべての署名が取得されると、ファイルはロックされます。iBright機器の電子署名ワークフローでは、電子署名ワークフローを終了する前にすべての署名を取得する必要があります。
パネルA
パネルB
図11:iBright Analysis Software—Secure(パネルA)およびiBright Imager SAEモード(パネルB)の署名ワークフロー。利用可能なドロップダウンメニューから署名の目的を選択します。iBright Analysis Software—Secureでは、必要な各役割がリストされ、割り当てられた役割に対する[Unsigned]ステータスリンクをクリックすると署名が提供されます。部分的に署名されたファイルは、iBright Analysis Software—Secureを使用して他のユーザーに送信でき、すべての署名要件を満たせます。iBright Imager SAEモードでは、指定された目的の署名要件がユーザーアイコンの下にリストされます。すべての署名は、iBrightで同時に取得する必要があります。
レポートは、iBright Imaging Systems機器から直接、またはiBright Analysis Software—Secureデスクトップソフトウェアから、未署名または署名済みとして作成できます。署名済みレポートを作成するには、ファイルは必要なすべての役割/署名によって完全に署名されている必要があります(図12)。
図12.iBright Analysis Software-Secureデスクトップソフトウェアからの画像解析レポートのエクスポート。