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ウイルス力価はTali®イメージベースサイトメーターで確実にチェック!
平井宏和 氏( 群馬大学大学院医学系研究科脳神経病態制御学講座神経生理学分野教授)、今野歩 氏( 助教)、松﨑泰教 氏( 大学院生)
小脳から脊髄にかけて神経細胞が徐々に消失し、運動失調をきたす脊髄小脳変性症。日 本の患者数は約25,000人。その約3分の1が遺伝性でありながら、治療法の確立されて いない難病です。「医学部の研究の本質は患者を救うこと。とにかく病気を治したい。私が この研究をしているというだけで励みになる、という患者さんもいるのです」と話すのは 群馬大学の平井宏和氏。脊髄小脳変性症の根治的な治療を見据え、遺伝子治療法の開発 に取り組んでいます。
疾患モデル動物をウイルスベクターで遺伝子治療
平井氏のグループは、2008年、脊髄小脳変性症モデルマウスの遺伝子治療に成功。レンチウイルスベクターでCRAGという遺伝子をマウスの小脳に導入し、運動失調を大幅に回復させました。「最近は、レンチウイルスではなくアデノ随伴ウイルスベクターを主に使っています。レンチウイルスより粒子が小さく、脳実質に拡散しやすいので、小脳で、より広範囲に、効率的に遺伝子導入できるようです」と平井氏。
ウイルス力価はTali™イメージベースサイトメーターでチェック!
平井研究室の松﨑泰教氏は、週に1 回のペースでTal i®イメージベースサイトメーターを用い、実験に用いるウイルスベクターの感染能力を確認しています。「Tal i®導入前は、蛍光顕微鏡で適当な視野を選び、目視で感染細胞数を出していたそうです。Tali®を使えば、ウイルスに組み込んだGFPの蛍光を定量して力価を評価できるので、測定者のバイアスがかかりません」と松﨑氏。また同じ研究室の今野歩氏は、「FACSより低価格で、共同利用の場合でも試料スライドが使い捨てなので、コンタミの心配がない」とTali®のメリットを話します。そして「新規導入を検討する方は、事前にデモなどでTali®の蛍光感度が自分の実験系で十分かどうかを確認するとよいかもしれません」とアドバイスします。
マウスからマーモセットへ、そして患者さんを救いたい
4年前にマーモセットの系を立ち上げた平井氏。マウスで成功した遺伝子治療の効果を疾患マーモセットで確かめるのが次の課題です。マウスから霊長類のマーモセット、そしてヒトへと、臨床応用を見据え基礎研究に地道に取り組む姿に、多くの期待が寄せられています。「群馬大学は地方の大学ですが、機器設備もそろった一流の環境です。ぜひ若い人に研究に加わってほしい」と、静かに熱い思いを語ります。
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