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STORMは最も広く使用されているSRM法であり、光スイッチ可能な蛍光色素を逐次活性化し、時間分解された位置情報から高解像度なイメージを構築します。高品質なマルチカラーイメージを得るためには、直接標識、タンパク質コンジュゲート、または抗体染色を用いた特殊な標識が必要になります。STORMに最適な蛍光色素には、非常に強い蛍光強度および高速な光スイッチサイクルが求められます。また、チオールを含むバッファー中での光退色が最小限でなくてはなりません。適切な色素とバッファーを組み合わせると、最適化されたSTORMシステムでは5 nmの分解能でイメージを構築することができます。多数の公表論文で、Molecular Probes®の色素が様々なターゲティングおよび標識法と組み合わされ、マルチプレックスSTORMイメージの構築に使用されています。
Molecular Probes®の蛍光色素は、STORMアプリケーションにおいて、抗体、タンパク質、デキストラン、および他の生体分子とのコンジュゲートとして十分に試験されています。下記の表をご覧になり、dSTORMまたはnSTORMでお使いのアプリケーションに最適な波長およびスイッチ速度を持つ蛍光色素をお選びください。各色素の引用文献リストもございます。リンクをたどると、目的の分子をターゲットするにあたり、現在利用可能な各蛍光色素のバイオコンジュゲート全てを見ることができます。リストは、抗体およびファロイジンから成長因子およびレクチンにまでおよびます。お探しのコンジュゲートがリストにない場合は、ご自分でバイオコンジュゲート プローブを作成するための反応性色素または最適な標識キットをリンク先でご紹介しています。 | Two-color STORM image of immunolabeled microtubules. Tyrosinated tubulin was stained with Alexa Fluor® 647 dye (magenta) and detyrosinated tubulin was stained with Alexa Fluor® 750 dye (green). Image courtesy of Joshua Vaughan et al., University of Washington, Seattle, WA. |
Alexa Fluor® 405 | Alexa Fluor® 488 | Alexa Fluor® 555 | Alexa Fluor® 647 | Alexa Fluor® 750 | |
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ターゲット | 標識/コンジュゲート | 標識/コンジュゲート | 標識/コンジュゲート | 標識/コンジュゲート | 標識/コンジュゲート |
STORMプローブタイプ | アクチベーター | アクチベーター | アクチベーター | レポーター | レポーター |
文献 | 引用文献 | 引用文献 | 引用文献 | 引用文献 | 引用文献 |
レーザー(nm) | 350/405 | 488 | 488 | 594/633 | 633 |
標準フィルターセット | DAPI | FITC | TRITC | Cy®5 | Cy®7 |
Ex/Em (nm) | 401/421 | 495/519 | 555/580 | 650/665 | 749/775 |
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Alexa Fluor® 405 | Alexa Fluor® 488 | Alexa Fluor® 555 | Alexa Fluor® 647 | Alexa Fluor® 750 | |
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ターゲット | 標識/コンジュゲート | 標識/コンジュゲート | 標識/コンジュゲート | 標識/コンジュゲート | 標識/コンジュゲート |
STORMプローブタイプ | アクチベーター | アクチベーター | アクチベーター | レポーター | レポーター |
文献 | 引用文献 | 引用文献 | 引用文献 | 引用文献 | 引用文献 |
レーザー(nm) | 350/405 | 488 | 488 | 594/633 | 633 |
標準フィルターセット | DAPI | FITC | TRITC | Cy®5 | Cy®7 |
Ex/Em (nm) | 401/421 | 495/519 | 555/580 | 650/665 | 749/775 |
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核酸の直接標識には、SYTO® 13およびYOYO®-1色素がSTORMアプリケーションで優れたパフォーマンスを発揮することが示されています。どちらの色素も緑色蛍光を発し、一般的なアプリケーション用のFITCフィルターを使用してイメージングできます。最もアフィニティーが高い核酸染色試薬の一つであり、 細胞不透過性のYOYO®-1染色試薬は、dsDNAに結合すると蛍光強度が1000倍以上に増強します。YOYO®-1染色は、DNAの1分子を解析するのに非常に有用であることが実証されています。SYTO® 13色素は細胞膜透過性であり、RNAまたはDNAに結合すると、蛍光特性(最大励起波長および最大蛍光波長)がわずかに変化します。下記の表をご覧になり、お客様のSTORM実験に適したDNA色素をお選びください。
STORMでは、様々なオルガネラの直接標識が利用され、優れた結果をもたらしています。ミトコンドリア標識には、MitoTracker® Red色素を使用した場合に最適なSTORMシグナルを得られますが、他のシグナルとマルチプレックス化を行っていてTexas Red®色素のチャンネルが既に使用されている場合は、MitoTracker® OrangeおよびMitoTracker® Deep Redでも優れたパフォーマンスを得られます。
リソソームおよび他の酸性オルガネラにはLysoTracker® Redを推奨いたします。また、ERTracker® Redは小胞体に高い特異性を示します。
STORM向けの細胞膜標識には様々な色素が使用可能で、橙色(DiI)、遠赤外(DiD)、または近赤外(DiR)蛍光がご利用いただけます。これらの色素は全てSTORMで優れたパフォーマンスを発揮しますが、遠赤外チャンネルが使用可能な場合、DiDが最も優れたパフォーマンスをもたらします。下記の表をご覧になり、お客様のSTORM実験に適したオルガネラ用プローブをお選びください。
MitoTracker® Orange色素 | MitoTracker® Red色素 | MitoTracker® Deep Red色素 | |
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ターゲット | ミトコンドリア | ミトコンドリア | ミトコンドリア |
STORMバッファー | BME/MEA | BME/MEA | BME/MEA |
文献 | 引用文献 | 引用文献 | 引用文献 |
レーザー(nm) | 488 | 561 | 594/633 |
標準フィルターセット | TRITC | Texas Red® 色素 | Cy®5 |
Ex/Em (nm) | 554/576 | 581/644 | 644/665 |
カタログ番号 | M7510 | M22425 | M22426 |
LysoTracker® Red色素 | ER-Tracker™ Red色素 | |
---|---|---|
ターゲット | リソソーム | ER |
STORMバッファー | BME/MEA | BME/MEA |
文献 | 引用文献 | 引用文献 |
レーザー(nm) | 561 | 561 |
標準フィルターセット | Texas Red® 色素 | Texas Red® 色素 |
Ex/Em (nm) | 577/590 | 587/615 |
カタログ番号 | L7528 | E34250 |
MitoTracker® Orange色素 | MitoTracker® Red色素 | MitoTracker® Deep Red色素 | |
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ターゲット | ミトコンドリア | ミトコンドリア | ミトコンドリア |
STORMバッファー | BME/MEA | BME/MEA | BME/MEA |
文献 | 引用文献 | 引用文献 | 引用文献 |
レーザー(nm) | 488 | 561 | 594/633 |
標準フィルターセット | TRITC | Texas Red® 色素 | Cy®5 |
Ex/Em (nm) | 554/576 | 581/644 | 644/665 |
カタログ番号 | M7510 | M22425 | M22426 |
LysoTracker® Red色素 | ER-Tracker™ Red色素 | |
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ターゲット | リソソーム | ER |
STORMバッファー | BME/MEA | BME/MEA |
文献 | 引用文献 | 引用文献 |
レーザー(nm) | 561 | 561 |
標準フィルターセット | Texas Red® 色素 | Texas Red® 色素 |
Ex/Em (nm) | 577/590 | 587/615 |
カタログ番号 | L7528 | E34250 |
効率的な光スイッチングを可能にするための蛍光色素は、適切なアクチベーター/レポーターの組み合わせ(nSTORM)または酸素除去バッファーシステム(dSTORM)を必要とします。標準的なバッファーシステムには、カタラーゼ、グルコース、およびグルコースオキシダーゼ(これらを合わせて一般的にGLOXと呼びます)と共に還元剤が含まれています。最も良く使用されるのはメルカプトエチルアミン(MEA)またはβ-メルカプトエタノール(BME)の2種です。キサンテンおよびシアニンをベースとした色素は両者ともどちらのバッファーシステムでも使用できますが、キサンテンベースの色素(Alexa Fluor® 488およびAlexa Fluor® 568)はMEAにおいてより良いパフォーマンスを示し、一方シアニンベースの色素(Cy®5、Alexa Fluor® 647、およびAlexa Fluor® 750)は、BMEおよびTCEPにおいてより良いパフォーマンスを示すという傾向があります。下記の表でバッファーの組成および関連文献をご覧ください。浸透圧的に安定なイメージングバッファーを出発点とし、様々な還元剤を使用して各色素に対する最適化を行ってください。
ベースとなるイメージングバッファー |
色素特異的バッファー
| ||
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MEA | BME | TCEP | |
| 10 mMになるようMEAを添加 | 140 mMになるようBMEを添加 | 10〜100 mMになるようTCEPを添加(1 mMアスコルビン酸およびメチルビオローゲンが必要 |
Dempsey et al. Nat Methods 8:1027–36 | Dempsey et al. Nat Methods 8:1027–36 | Dempsey et al. Nat Methods 8:1027–36 | Dempsey et al. 2013 J Am Chem Soc 135(4):1197–200 |
BioProbes®関連文献 | Molecular Probes® Handbook |
研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。