構造化照明顕微鏡（Structured Illumination Microscopy；SIM）

蛍光タンパク質による生細胞標識

SIMはより厚い切片およびライブセルイメージングに使用できるため、GFPまたはtagRFPを用いた蛍光タンパク質が多くの論文で高解像度解析に使用されています。Molecular Probes® CellLight®試薬はready-to-useの蛍光タンパク質コンストラクト（GFPまたはtagRFP）であり、特定の細胞下構造をターゲットとしています。これらの試薬は、生存細胞中の対象の細胞内小器官の標識をシンプルで効果的に行います。生細胞または固定後の細胞において、CellLight®試薬を用い、ミトコンドリア、リソソーム、膜、細胞骨格、および核といった特定のオルガネラを可視化することができます。CellLight®試薬は、生細胞において様々な蛍光色素とのマルチプレックス解析が可能なほか、固定した後に免疫蛍光法によるイメージングも可能です。

• 下記のSIM製品選択ガイドをご利用になり、生細胞標識製品を見つけてください。

抗体コンジュゲートおよび標識

Molecular Probes®の蛍光色素は、SIMアプリケーションにおいて、固定細胞アプリケーション用には抗体コンジュゲートとして、また固定細胞および生細胞用にはタンパク質、デキストラン、または他の生体分子とのコンジュゲートとして、十分に試験されています。下記の表をご覧になり、お使いのアプリケーションに最適な波長およびSIMレートの蛍光色素をお選びください。各色素の引用文献リストもございます。このアプリケーションでは複数のAlexa Fluor®プローブが非常に優れた性能を発揮します。リンクをたどると、目的の分子をターゲットするにあたり、現在利用可能な各蛍光色素のバイオコンジュゲート全てを見ることができます。リストは、抗体およびファロイジンから成長因子およびレクチンにまでおよびます。お探しのコンジュゲートがリストにない場合は、ご自分でバイオコンジュゲート プローブを作成するための反応性色素または最適な標識キットをリンク先でご紹介しています。

• 下記のSIM製品選択ガイドをご利用になり、抗体コンジュゲートおよび標識をお探しください。

DNA染色

DAPIは、DNAの染色に最も広く使われている試薬の一つであり、SIMアプリケーションでも高い評価を得ています。DNAへのアフィニティーが高いため、DAPIは細胞数計測、アポトーシス測定、およびハイコンテンツイメージング解析における核セグメンテーションツールによく使用されます。DNAは豊富に存在するため、DAPIの限られた蛍光強度でも十分なシグナルが得られ、また青色の蛍光はFITCチャンネルのシグナルとよく分離できます。DAPIは細胞膜非透過性であるため、一般的に固定した細胞の染色に用いられますが、高濃度で使用すると生細胞にも浸透します。

• 下記のSIM製品選択ガイドをご利用になり、DAPI DNA染色試薬をお探しください。

オルガネラ染色

有機蛍光色素は、生細胞または固定細胞の染色において蛍光タンパク質とのマルチプレックス化が容易であり、 一部のオルガネラ特異的なプローブは両方の用途に適しています。遠赤蛍光色素であるMitoTracker® Red色素は、生細胞においてミトコンドリアを染色し、その蓄積は膜電位に依存します。本色素は効率の良いSIMプローブとして働き、固定後も細胞内によく保持されます。

CellMask™ Orange Plasma Membrane Stainは、 迅速かつ均一に細胞膜を標識することができ、レクチンが示すような細胞タイプに対する差はありません。本染色試薬は、HCS（ハイコンテンツスクリーニング）においてセグメンテーション ツールとしてよく使用されているだけでなく、スタンダードな蛍光顕微鏡観察において細胞膜の染色に用いられており、SIMでもまた非常に高い評価を受けています。染色は固定後も保持されますが、透過処理には耐えられないため、同時に抗体を使って細胞内のターゲットも調べるような実験には適しません。

• 下記のSIM製品選択ガイドをご利用になり、オルガネラ染色試薬をお探しください。