エントリークローン

エントリークローンには、対象遺伝子の両端にattL配列が配置されており、attR配列と組み換えることにより、目的の発現クローンを作成できます。 エントリークローンの作成には、次の3つの方法が使用できます: BPクローニング、制限酵素およびリガーゼによるクローニング、そしてGateway® EntryベクターへのTOPO®クローニングの3種類ですが、最も一般的な方法はTOPO®クローニングです。

エントリーベクターの選択ガイド

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Gateway®エントリーオプション

  • RNAi発現 - レンチウイルスまたはアデノウイルスGateway®ベクターの使用により、多くの哺乳類細胞において効率的なデリバリーが可能で、ステーブルまたは一過性のshRNA発現を行えます。
  • ウイルス発現 - 多くの哺乳類細胞型おいて、高レベルな、ステーブルまたは一過性遺伝子発現を行えます。
  • In Vitro タンパク質発現 - 特別な装置を使用せず、わずか2時間のうちに、単一反応チューブ内で組換えタンパク質を高収量で調製できます。 マイクログラムからミリグラムレベルのタンパク質合成を達成できるように、反応スケールを選択できます。
  • In Vivoビオチン化 - ビオチン化組換えタンパク質の発現、精製、および検出を行う、簡単で効率的な方法です。
  • Tag-On-Demand™ Technology - 1つのベクターを用いて、タグ無しタンパク質またはタグ付きタンパク質を生成します。

サポートノート

注1)レンチウイルス発現システム製品をご購入される方には「お客様登録用紙(Lentiviral)」へのご記入をお願いしております。またこのシステムはヒト免疫不全ウイルス(HIV)を改変したベクターを用いています。このシステムを用いて実験(ベクター、組換えウイルス、組換え哺乳類細胞、その他試薬類を扱う操作を含む)を行う際は、文部科学省の「組換えDNA実験指針」および各研究機関の安全委員会の判断に基づいた安全性レベルに従って下さい。実験に際しては「組換えDNA実験指針」を必ずご参照ください。

注2)Drosophila Expression System製品をご購入される方には、「お客様登録用紙(DES)」へのご記入をお願いしております。

注3)このベクターには、InsectSelectタンパク発現システムの技術が含まれています。ご購入される方は、「お客様登録用紙(InsectSelect)」へのご記入をお願いしております。

注4)これらのベクターにはBGHpA配列が含まれています。ご購入される方は、「お客様登録用紙(BGHpA)」へのご記入をお願いしております。

注5)Flp-In製品をご購入される方は、「お客様登録用紙(Flp-In)」へのご記入をお願いしております。

注6)Ultimate ORF Clonesのここのクローンはシークエンスし、GenBankに登録されているcDNA配列を翻訳したアミノ酸配列と同一であることを確かめています。しかし、塩基配列が完全に一致するということはありません。1塩基から数塩基は異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

エントリークローンの作製

エントリークローンを作製できる3つの方法を以下に示します: A. BPクローニング、B. TOPO®クローニング、C. 制限酵素とリガーゼによるクローニング。 赤い矢印は組み込まれる断片です。 Katzen, F. 2007) Expert Opin Drug Discov 2(4)の図を改変 571–589.

pENTR™/D-TOPO® Vector Kit

pENTR/D-TOPO®ベクターは、インサートを正しい方向に導入する迅速で効率的なDirectional TOPO®クローニングを採用しています。 これらのベクターにはあらゆるDestinationベクターへの組換えに必要なattL配列が含まれるほか、一部のベクターには発現後にネイティブタンパク質を調製するためのTEVプロテアーゼ切断部位が含まれます(図1)。

図1‐pENTR/D-TOPO

図1 Directional TOPO®クローニングに使用でき、多数のGateway®発現ベクターに直接クローニングできるpENTR™ベクターが数種類あります。

pCR®8/GW/TOPO® Vector Kit

pCR®8/GW/TOPO®ベクターは、TOPO®-TAクローニングを効率的に行えます。 これらのベクターは以下のような多目的使用を容易にします: 様々なGateway® Destinationベクターへの迅速な組換え、簡便な配列決定、スペクチノマイシン耐性による大腸菌のセレクション、および隣接したEcoRI部位によるインサートDNAの簡単な切断( 図2)。

pCR8/GW/TOPO


図 2 pCR®8/GW/TOPO®エントリーベクターを使用すれば、TOPO® TA Cloning®により複数のアプリケーションに対応できるGateway®エントリークローンを作成できます。

エントリーベクターの選択ガイド

評価 キット SKU 利点
Best: 効率の高いDirectional TOPO® Cloning Vector KitpENTR™/TEV/D-TOPO® Cloning KitK253520
  • Directional TOPO®クローニング
  • N末端タグ切断用の5'TEV配列
  • 短時間でミニプレップまで行えるように、成長の早いコンピテントセルを含みます。
 pENTR™/D-TOPO® Cloning KitK240020
  • Directional TOPO®クローニング
 pENTR™/SD/D-TOPO® Cloning KitK242020
  • Directional TOPO®クローニング
  • ベクターはShine-Dalgarno配列を含み、E. coli 発現用のエントリークローンになります。
 pENTR™/TEV/D-TOPO® Cloning KitK252520
  • Directional TOPO®クローニング
  • N末端タグ切断用の5'TEV配列
Very good: 効率の高いTOPO® TA Cloning Vector KitpCR®8/GW/TOPO® TA Cloning KitK252002
  • 効率的なTOPO® TA Cloning Kitには、増殖速度の速いコンピテントセルが含まれており、ミニプレップの時間が短縮されます。
  • 最大限の利便性を考え、プラスミド精製コンポーネントを含んでいます。
 pCR®8/GW/TOPO® TA Cloning KitK252020
  • 増殖速度の速いコンピテントセルを用い、かつ高効率的なTOPO® TAクローニングを行うことで時間が短縮されます。
  • 短時間でミニプレップまで行えるように、成長の早いコンピテントセルを含みます。
 pCR®8/GW/TOPO® TA Cloning KitK250020
  • 高効率のTOPO® TAクローニングにより、エントリークローンを簡単に作製できます
一般的な制限酵素によるクローニングベクターpENTR™ 1A Dual Selection VectorA10462
  • Shine-Dalgarno配列およびKozak配列を含み、インフレーム(rf=0) 発現用エントリークローンを作製するための制限酵素クローニングベクター。
 pENTR™ 2B Dual Selection VectorA10463
  • インフレーム(rf=)発現用のエントリークローンを作製するための制限酵素クローニングベクター
  • クロラムフェニコールおよびカナマイシンによる選択
 pENTR™ 3C Dual Selection VectorA10464
  • インフレーム(rf=2)発現用のエントリークローンを作製するための制限酵素クローニングベクター
  • クロラムフェニコールおよびカナマイシンによる選択
 pENTR™ 4 Dual Selection VectorA10465
  • MCSに Dra Iの代わりに0Nco Iが存在する点以外は、インフレーム(rf=)発現用のエントリークローンpENTR™ 1A Vectorと同様です。
  • クロラムフェニコールおよびカナマイシンによる選択
 pENTR™ 11 Dual Selection VectorA10467
  • MCSにDra Iの代わりにNsp Vが存在する点以外は、インフレーム(rf=)発現用のエントリークローンpENTR™ 1A Vectorと同様です。
  • クロラムフェニコールおよびカナマイシンによる選択