ステップ1—PCR産物の調製
Taqポリメラーゼを使用し、お客様ご自身のプロトコールにてPCR産物を調製してください。 PCR
の最後に、伸張反応を7〜30分間行ってください。
ステップ2—TOPO®クローニング反応の実施
1. 以下のTOPO®クローニング反応液のどちらかを調製します。記載された
順番通りに試薬を加えてください。 エレクトロポレーションの場合、Salt Solutionを4倍に希釈してDilute
Salt Solutionを調製します。
試薬 | ケミカル形質転換 | エレクトロポレーション |
---|
フレッシュなPCR産物 | 0.5~4 µl | 0.5~4 µl |
Salt Solution | 1 µl | -- |
希釈Salt Solution | -- | 1 µl |
Sterile Water | 最終容量5 µl とする | 最終容量5 µl とする |
TOPO®ベクター | 1 µl | 1 µl |
全体量 | 6µl | 6µl |
2. 穏やかに混和した後、室温で5分間インキュベートします。
3. 氷上に置き、以下に従ってOne Shot®ケミカルコンピテントセルを形質転換します
ステップ3—One Shot®ケミカルコンピテントセルの形質転換
1. 1回の形質転換につき、1バイアルのOne Shot®大腸菌細胞を氷上で融解します。
2. 2 µLのTOPO®クローニング反応液を1バイアルのOne Shot®ケミカル
コンピテントセルに加え、穏やかに混合します。
3. 氷上で5〜30分間インキュベートします。
4. 振盪せずに42℃で30秒間、細胞に熱ショックを加えます。 ただちに
チューブを氷上へ移します。
5. 室温に暖めたS.O.C.培地250 µLを加えます。
6. 振盪しながら37℃で1時間インキュベートします。
7. あらかじめ暖めておいた、100 µg/mLのスペクチノマイシンを含むLB寒天プレート
に10〜50 µLの大腸菌溶液を塗り広げ、37℃で一晩インキュベートします。
BP反応
attB配列を両端に持つPCR産物を用いて、Gateway®エントリークローンを1時間で簡単に作成できます。 操作の概要については以下をご覧ください。 もっと詳しい情報はマニュアルをご覧ください。
- 室温で次の成分を1.5 mlのチューブに加え、混合します:
attB-PCR産物(=10 ng/µL;最終量約15〜150 ng)1〜7 µL
ドナーベクター(150 ng/µL)1 µL
TEバッファー、pH 8.0にて最終容量8 µLに調節 - BP Clonase™ II酵素ミックスを、氷上で約2間保持することにより解凍します。 BP Clonase™ II酵素ミックスを、手早く2回(各回2秒)ボルテックスにかけます。
- 各サンプル(上記ステップ1)について、その反応に2 µlのBP Clonase™ II酵素ミックスを加え、手早く2回ボルテックスにかけてよく混ぜます。 軽く遠心処理をします。
- BP Clonase™ II酵素ミックスを-20°Cまたは-80°Cの保存場所に戻します。
- 25°Cで1時間インキュベーションして反応させます。
- 1 µlのProteinase K溶液を各サンプルに加え、 ボルテックスを用いて攪拌します。 37°Cで10分間サンプルをインキュベーションすることにより、反応を停止させます。
Transformation
- 各BP反応液 1 µLを用いて50 µLのOne Shot ® OmniMAX ™ 2 T1 Phage-Resistant Cell(カタログ番号C8540-03)を形質転換します。 氷上に30分間インキュベーションします。 42°Cで30秒間、大腸菌にヒートショックをを与えます。 250 µlのS.O.C. Mediumを加え、37°Cで攪拌しながら1時間インキュベーションします。 20 µlおよび100 µlのそれぞれの形質転換した菌をセレクション用プレートに撒きます。 注: 形質転換効率が >1.0 × 10 8形質転換体/µgであるコンピテント細胞は、使用に適すると考えられます。
- 上記の説明どおり、1 µlのpUC19 DNA(10 ng/ml)を50 µlのOne Shot ® OmniMAX ™ 2 T1 Phage-Resistant Cellsに形質転換します。 20 µlおよび100 µlを、100 µg/mlのカナマイシンまたはドナーベクターのセレクションに適したセレクション用LBプレートに撒きます。
期待される結果
BP反応、形質転換効率が十分な場合、BP組換え反応液全量を形質転換に使用し、プレートにまくと、1500以上のコロニーが出現します。
LR反応
目的遺伝子のGateway®エントリークローンからデスティネーションベクターへの載せ変えは1時間の反応で簡単に行えます。 操作の概要については以下をご覧ください。 もっと詳しい情報はマニュアルをご覧ください。
- 室温で次の成分を1.5 mlのチューブに加え、混合します:
エントリークローン(50〜150 ng) 1〜7 µL
デスティネーションベクター(150 ng/µL) 1 µL
TEバッファー、pH 8.0にて最終容量8 µLに調節 - LR Clonase™ II酵素ミックスを、氷上で約2分間解凍します。 LR Clonase™ II酵素ミックスを、手早く2回(各回2秒)ボルテックスにかけます。
- 各サンプル(上記ステップ1)について、反応液に2µlのLR Clonase™ II酵素ミックスを加え、手早く2回ボルテックスにかけてよく混ぜ、その後 軽く遠心処理をします。
- LR Clonase™ II酵素ミックスを-20°Cまたは-80°Cの保存場所に戻します。
- 25°Cで1時間インキュベーションして反応させます。
- 1 µlのProteinase K溶液を各サンプルに加え、 ボルテックスを用いて攪拌します。 37°Cで10分間サンプルをインキュベーションすることにより、反応を停止させます。
形質転換
BP反応の項に示したプロトコールに従って行ってください。ただし、LBプレート用の選択マーカーはお客様のデスティネーションベクターに合ったものを使用してください(通常、アンピシリン100 µg/mL)。
期待される結果
LR反応、形質転換効率が十分な場合、LR組換え反応液全量を形質転換に使用し、プレートにまくと、5000以上のコロニーが出現します。
ワンチューブフォーマット
両端にattB配列を持つPCR産物からダイレクトに発現クローンを作製したい場合は、以下のプロトコールを用いて容易にBP反応とLR反応を組み合わせられます。 これによりGateway®エントリークローンの形質転換とDNA単離を削減することが可能になります。
- 1.5 mlの微量遠心用チューブの中で、以下の15 µlのBP反応液を調製します。
attB DNA(50〜100 ng)1.0〜5.0 µL
attP DNA(pDONR™ベクター、150 ng/µL)1.3 µL
BP Clonase™ II酵素ミックス3.0 µL
TEバッファー、pH 8.0 にて最終容量15 µLに調節 - ボルテックスで短時間撹拌して十分に混合し、25°Cで4時間インキュベートします。
註: 必要に応じて、組換え反応時間を20時間まで延ばすことができます。 一般的に一晩インキュベーションを行うことにより、1時間インキュベーションを行った場合よりコロニーの数が5倍になります。 大きなプラスミド(=10 kb)およびPCR産物(=5 kb)の場合には、長時間インキュベーションすることを推奨します。 - この反応液5 µlを別のチューブに取り分け、この溶液を用いてBP反応の効率を確認します(下記参照)。
- 残りの10 µlの反応液に、以下のものを加えます。
デスティネーションベクター(150 ng/µL)2.0 µL
LR Clonase™ II酵素ミックス3.0 µL
最終容量15 µL - ボルテックスで短時間撹拌して十分に混合し、25°Cで2時間インキュベートします。
註: 必要に応じて、組換え反応時間を18時間まで延ばすことができます。 - proteinaseK溶液2 µlを加えます。 37°Cで10分間インキュベートします。
- 適切な大腸菌コンピテントセル50 µlを、反応液1 µlを用いて形質転換します。
- 適切な抗生物質を含有するLBプレートにまき、発現クローンを選択します。
BP反応効率の評価
- 上記ステップ3で「1本のチューブ」に取り分けた5 µl溶液にproteinaseK溶液0.5 µlを加えます。 37°Cで10分間インキュベートします。
- 適切な大腸菌コンピテントセル50 µlを、反応液1 µlを用いて形質転換します。 適切な抗生物質を含有するLBプレートにまき、エントリークローンを選択します。
ベクターのGateway®化
比較的簡単なプロトコールで、現在お使いのベクターをGateway®テクノロジー用に変換でき、最終的にはクローニングおよび発現の実験を効率化できます。
ご使用のベクターをGateway®デスティネーションベクターに変換するためには:
- お客様の用途に合わせて適切なリーディング・フレーム・カセットを選択します。
- 選択した制限酵素を使用して組み換えを行うベクターをリニアライズします。 オーバーハングになる制限酵素を使用する場合は、末端を平滑化する必要があります。
- 仔牛腸管アルカリホスファターゼ(CIAP)を使用して、ベクターから5'末端リン酸基を除去します。
- T4 DNAリガーゼを用いて、リーディング・フレーム・カセットをベクターにライゲーションします。
- ライゲーション産物を用いてOne Shot® ccdB Survival™ 2 T1R Chemically Competent Cellsを形質転換し、形質転換体をセレクションします。
- 形質転換体を解析します。