Invitrogen Platinum SuperFi DNA Polymerase

Invitrogen Platinum SuperFi II DNA Polymerase は、ホットスタートのプルーフリーディング活性を持つ合成 DNA ポリメラーゼであり、お客様の PCR に高いフィデリティおよび特異性を提供します。Taq ポリメラーゼの 300 倍を超える高いフィデリティを達成でき、60°C でのプライマーアニーリング用に特別に調製されたバッファを含む Platinum SuperFi II DNA Polymerase は、クローニングシーケンシングおよび突然変異誘発など、高い PCR 精度を必要とする PCR アプリケーションを効率的かつ容易にします。

特長

  • 比類のない精度Taq ポリメラーゼの 300 倍を超えるフィデリティを達成できることが次世代シーケンシングにより示されています
  • ワークフローの簡略化—バッファは 60°C でのアニーリング用に調製されています(Tm 計算の必要はありません)
  • PCR 成功率の向上—GC リッチ標的、純度の低い DNA およびロングシーケンスでも頑健な増幅が可能です
  • 自動化の改善—Invitrogen Platinum ホットスタート技術が、高い特異性ならびに反応設定から 24 時間のベンチトップ安定性を提供します
  • ピペット操作の低減—直接ゲルへ充填可能な色素を含むまたは含まないマスターミックスを選択できます

Platinum SuperFi II DNA Polymeraseの利点

Taq ポリメラーゼの 300 倍を超えるフィデリティ

Platinum SuperFi II DNA Polymerase は、極めて低いエラー率で DNA シーケンスの精度を保ち、高いの信頼性を実現します。次世代シーケンシングを使用して計算した Platinum SuperFi II DNA Polymeraseの相対的 フィデリティ は、 Taq DNA ポリメラーゼのフィデリティの 300 倍を超えていました。

Platinum SuperFi II 酵素が Taq 酵素の 350 倍を超えるフィデリティを達成することを示す、市販の Taq 酵素の相対的フィデリティのグラフ。

図 1市販酵素の Taq に対する相対的フィデリティの比較市販のDNA ポリメラーゼを使用して 3.9 kb の配列の PCR 増幅を行い、得られた PCR アンプリコンに関して MuA トランスポーゼースによるフラグメント化を行いました。12 のヌクレオチドのランダム配列から成る Unique Molecular Identifier(UMI)を断片化において導入し、各産物に個別のタグを付加しました。次世代シーケンシング後、リードを正しい配列にアラインして UMI でグループ分けし、エラーを計算しました。エラーは UMI グループ内のすべてのリードに存在する場合にのみ同定され、それ以外はシーケンシングエラーとして除外しました。各ポリメラーゼのフィデリティは Taq DNA ポリメラーゼを基準とした相対値として示してあります。

動画:ハイフィデリティ PCR とは?

ハイフィデリティ PCR の原理とお客様の PCR アプリケーションにもたらす利点をご紹介します。ハイフィデリティ PCR 酵素の使用が可能にする増幅エラーの低減をご覧ください。

60°C でのプライマーアニーリング

特別に調製された Platinum SuperFi II バッファは、PCR における面倒な最適化ステップの低減に役立ちます。Platinum SuperFi II DNA Polymeraseでは、アニーリングステップのためのプライマーの融点の測定は必要ありません。革新的なバッファは、一般的なプライマー設計のルールに従うプライマーであればその配列に関わらず 60°C におけるアニーリングが可能です(図 2)。さらにバッファは、算出した Tm をアニーリングステップに使用した場合にも増幅を成功させます。

Platinum SuperFi II 酵素および市販の Taq 酵素の相対的フィデリティのグラフ。

図 2Platinum SuperFi II DNA Polymeraseは、60°C のユニバーサルアニーリング温度において高い特異性および収量で PCR 産物を生成します。さまざまなアニーリング温度のプライマーセットを使用して、50 ng のヒトゲノム DNA 由来の 12 の標的を 60°C のアニーリング温度で増幅しました。分子量マーカーには Invitrogen TrackIt 1 Kb Plus DNA Ladder を使用しました。図に示すアニーリング温度は、Platinum SuperFi DNA Polymerase 用の Tm calculator を使用して算出しました。

PCR におけるアニーリングステップの重要性、特別に調製された PCR バッファの使用により最適化ステップをなくし、さらにユニバーサルなアニーリング温度使用の利点をご覧ください。

ユニバーサルなプロトコル

革新的な反応バッファで、Platinum SuperFi II DNA Polymerase ではユニバーサルなアニーリング温度およびフレキシブルな伸長時間により、複数のアッセイの同時サイクリングが可能です。

三つの異なる PCR ターゲットの、ユニバーサルなプロトコルによる 1 ~ 2 時間での同時増幅を示す図。
図 3ユニバーサルな PCR プロトコルにより時間短縮および複数アッセイの同時サイクリングが実現従来の PCR 試薬を使用する PCR アッセイでは、プライマーのアニーリング温度および伸長ステップの違いのために各 DNA フラグメントの増幅にはそれぞれ特異的なプロトコルが必要でした。Platinum SuperFi II DNA Polymerase を使用すれば、ユニバーサルなプライマーアニーリング温度と最も長い断片に合わせた伸長ステップにより、異なる PCR アッセイのサイクリングを一つのプロトコルで同時に実施することができます(図 4)。
Platinum SuperFi II DNA ポリメラーゼにより、同一のプロトコルを使用して増幅させたサイズの異なる五つの PCR フラグメントのゲル電気泳動分析

図 4Platinum SuperFi II DNA Polymeraseは、短いアンプリコンと長いアンプリコンを同時に増幅できます。  100 ng のヒトゲノム DNA から、0.7 kb、2.0 kb、4.8 kb および 14 kb のフラグメントを、四つのすべてのターゲットに関して同一のプロトコルを使用して増幅させました。98°C での 10 秒間の変性、60°C での 10 秒間のアニーリング、72°C での 7 分間の伸長を行いました。伸長時間は、最長の標的の長さに基づいた時間を使用しました。

直接ゲル充填

Platinum SuperFi II Green PCR Master Mix は、グリーンの色素入りで、PCR 産物を直接電気泳動に添加できるため、ピペット操作によるエラーを低減します。グリーンバッファーは、DNA シーケンシングライゲーション、制限酵素消化を含むダウンストリームアプリケーションに使用できます。(影響しません)

図には、Platinum SuperFi II Green PCR Master Mix による PCR 産物の増幅およびグリーンの反応ミックスが青色と黄色のマーカーに分離されるステップが示してあります。
図 5PCR 産物を直接ゲルに添加して解析できるグリーンマスターミックスフォーマット。Platinum SuperFi II DNA Polymerase のグリーンバッファーフォーマットのマスターミックスには、濃度試薬および 2 種類のトラッキング色素が含まれます。DNA の移動は、電気泳動中に容易に目視確認できる 2 種類の色素(青色および黄色)により容易にトラッキングできます(右端の図に 5 分および 15 分のレーンが示されています)。

Taq ポリメラーゼの 300 倍を超えるフィデリティ

Platinum SuperFi II DNA Polymerase は、極めて低いエラー率で DNA シーケンスの精度を保ち、高いの信頼性を実現します。次世代シーケンシングを使用して計算した Platinum SuperFi II DNA Polymeraseの相対的 フィデリティ は、 Taq DNA ポリメラーゼのフィデリティの 300 倍を超えていました。

Platinum SuperFi II 酵素が Taq 酵素の 350 倍を超えるフィデリティを達成することを示す、市販の Taq 酵素の相対的フィデリティのグラフ。

図 1市販酵素の Taq に対する相対的フィデリティの比較市販のDNA ポリメラーゼを使用して 3.9 kb の配列の PCR 増幅を行い、得られた PCR アンプリコンに関して MuA トランスポーゼースによるフラグメント化を行いました。12 のヌクレオチドのランダム配列から成る Unique Molecular Identifier(UMI)を断片化において導入し、各産物に個別のタグを付加しました。次世代シーケンシング後、リードを正しい配列にアラインして UMI でグループ分けし、エラーを計算しました。エラーは UMI グループ内のすべてのリードに存在する場合にのみ同定され、それ以外はシーケンシングエラーとして除外しました。各ポリメラーゼのフィデリティは Taq DNA ポリメラーゼを基準とした相対値として示してあります。

動画:ハイフィデリティ PCR とは?

ハイフィデリティ PCR の原理とお客様の PCR アプリケーションにもたらす利点をご紹介します。ハイフィデリティ PCR 酵素の使用が可能にする増幅エラーの低減をご覧ください。

60°C でのプライマーアニーリング

特別に調製された Platinum SuperFi II バッファは、PCR における面倒な最適化ステップの低減に役立ちます。Platinum SuperFi II DNA Polymeraseでは、アニーリングステップのためのプライマーの融点の測定は必要ありません。革新的なバッファは、一般的なプライマー設計のルールに従うプライマーであればその配列に関わらず 60°C におけるアニーリングが可能です(図 2)。さらにバッファは、算出した Tm をアニーリングステップに使用した場合にも増幅を成功させます。

Platinum SuperFi II 酵素および市販の Taq 酵素の相対的フィデリティのグラフ。

図 2Platinum SuperFi II DNA Polymeraseは、60°C のユニバーサルアニーリング温度において高い特異性および収量で PCR 産物を生成します。さまざまなアニーリング温度のプライマーセットを使用して、50 ng のヒトゲノム DNA 由来の 12 の標的を 60°C のアニーリング温度で増幅しました。分子量マーカーには Invitrogen TrackIt 1 Kb Plus DNA Ladder を使用しました。図に示すアニーリング温度は、Platinum SuperFi DNA Polymerase 用の Tm calculator を使用して算出しました。

PCR におけるアニーリングステップの重要性、特別に調製された PCR バッファの使用により最適化ステップをなくし、さらにユニバーサルなアニーリング温度使用の利点をご覧ください。

ユニバーサルなプロトコル

革新的な反応バッファで、Platinum SuperFi II DNA Polymerase ではユニバーサルなアニーリング温度およびフレキシブルな伸長時間により、複数のアッセイの同時サイクリングが可能です。

三つの異なる PCR ターゲットの、ユニバーサルなプロトコルによる 1 ~ 2 時間での同時増幅を示す図。
図 3ユニバーサルな PCR プロトコルにより時間短縮および複数アッセイの同時サイクリングが実現従来の PCR 試薬を使用する PCR アッセイでは、プライマーのアニーリング温度および伸長ステップの違いのために各 DNA フラグメントの増幅にはそれぞれ特異的なプロトコルが必要でした。Platinum SuperFi II DNA Polymerase を使用すれば、ユニバーサルなプライマーアニーリング温度と最も長い断片に合わせた伸長ステップにより、異なる PCR アッセイのサイクリングを一つのプロトコルで同時に実施することができます(図 4)。
Platinum SuperFi II DNA ポリメラーゼにより、同一のプロトコルを使用して増幅させたサイズの異なる五つの PCR フラグメントのゲル電気泳動分析

図 4Platinum SuperFi II DNA Polymeraseは、短いアンプリコンと長いアンプリコンを同時に増幅できます。  100 ng のヒトゲノム DNA から、0.7 kb、2.0 kb、4.8 kb および 14 kb のフラグメントを、四つのすべてのターゲットに関して同一のプロトコルを使用して増幅させました。98°C での 10 秒間の変性、60°C での 10 秒間のアニーリング、72°C での 7 分間の伸長を行いました。伸長時間は、最長の標的の長さに基づいた時間を使用しました。

直接ゲル充填

Platinum SuperFi II Green PCR Master Mix は、グリーンの色素入りで、PCR 産物を直接電気泳動に添加できるため、ピペット操作によるエラーを低減します。グリーンバッファーは、DNA シーケンシングライゲーション、制限酵素消化を含むダウンストリームアプリケーションに使用できます。(影響しません)

図には、Platinum SuperFi II Green PCR Master Mix による PCR 産物の増幅およびグリーンの反応ミックスが青色と黄色のマーカーに分離されるステップが示してあります。
図 5PCR 産物を直接ゲルに添加して解析できるグリーンマスターミックスフォーマット。Platinum SuperFi II DNA Polymerase のグリーンバッファーフォーマットのマスターミックスには、濃度試薬および 2 種類のトラッキング色素が含まれます。DNA の移動は、電気泳動中に容易に目視確認できる 2 種類の色素(青色および黄色)により容易にトラッキングできます(右端の図に 5 分および 15 分のレーンが示されています)。

Platinum SuperFi II DNA ポリメラーゼが提供する頑健性

Platinum SuperFi II DNA Polymerase が、広範囲のターゲット長において高い特異性と収量で増幅を実現できるのは、酵素の頑健性と優れたホットスタート技術のおかげです。抗体ベースの Platinum ホットスタート技術が最初の PCR 変性ステップまで酵素活性を阻害するため、非特異的な増幅およびプライマーの分解が抑えられ、標的アンプリコンの収量が向上します。

Platinum SuperFi II 酵素および市販の 3 種類の DNA ポリメラーゼの、0.3 ~ 14 kb の範囲の DNA フラグメント増幅能を比較したゲル電気泳動分析

図 6幅広いアンプリコン長にわたる汎用性。Platinum SuperFi II DNA Polymerase(左端パネル)は、100 ng のヒトゲノム DNA 由来の 0.3 kb ~ 14 kb の範囲の DNA フラグメントにおいて高い特異性および収量を提供しています。同一の標的を他社の DNA ポリメラーゼでも増幅しました。A—Merck KOD Hot Start、 B—KAPA HiFi HotStart PCR Kit、 C—PrimeSTAR GXL。分子量マーカーには TrackIt 1 Kb Plus DNA Ladder を使用しました。

高感度のPlatinum SuperFi II DNA Polymerase を使うと、少量の DNA テンプレートを正確に検出できます。出発物質の量が少ない、またはサンプル中のターゲット DNA の濃度が低い実験では、高感度が役立ちます。

図には、Platinum SuperFi II Green PCR Master MixによるPCR 産物の増幅およびグリーンの反応ミックスが青色と黄色のマーカーに分離されるステップが示してあります。

図 7少量のインプット DNA で、高感度かつ信頼性の高い増幅を実現。Platinum SuperFi II DNA Polymerase(左端パネル)は、0.4 ng、2 ng、10 ng、50 ng および 250 ng のヒトゲノム DNA 由来の 2 kb の DNA フラグメントの信頼性の高い増幅を提供します(テンプレート量が各レーンの上部に示してあります)。同一の標的を他社の DNA ポリメラーゼを使用して増幅しました。A—PfuUltra II Fusion Hot Start、 B—HotStar HiFidelity DNA Polymerase Kit、 C—Expand HiFiPLUS Enzyme Blend。推定コピー数は、0.4 ng のヒトゲノム DNA あたり、約 100 コピーです。分子量マーカーには TrackIt 1 Kb Plus DNA Ladder を使用しました。

Platinum SuperFi II DNA Polymeraseは DNA 結合ドメインを含むデザインとなっているため、 高い前進性およびヘミン(赤血球成分)、キシラン(植物バイオポリマー)およびフミン酸(土壌中に存在)などの一般的な PCR 阻害物質に対するより高い耐性を示します。

フミン酸、ヘミンおよび胆汁塩を添加した 50 ng のヒトゲノム DNA から増幅した 2 kb のフラグメントの PCR ゲル

図 8Platinum SuperFi II DNA Polymerase は一般的な PCR 阻害物質に対して高い耐性を示します。2 kb のヒトゲノム DNA フラグメントを Platinum SuperFi II DNA Polymerase または他社の高フィデリティ DNA ポリメラーゼを使用して 50 ng のヒトゲノム DNA から増幅しました。A—Q5 Hot Start High-Fidelity、 B—PrimeSTAR GXL、 C—Merck KOD Hot Start および D—KAPA HiFi HotStart の各 PCR Kit を 1—阻害物質不含、 2—フミン酸含有(4 µg/mL)、 3—ヘミン含有(20 µM)または 4—胆汁塩含有(1 mg/mL)反応物質中で使用しました。分子量マーカーには TrackIt 1 Kb Plus DNA Ladder を使用しました。

Platinum SuperFi II DNA Polymerase酵素の室温における安定性向上により、ハイスループットのアプリケーションが可能となります。優れた Platinum ホットスタート技術により酵素のベンチトップ安定性および高い特異性が得られます。

室温で 24 時間放置した後に 50 ng のヒトゲノム DNA から増幅した 0.5 kb のフラグメントの PCR ゲル

図 9Platinum SuperFi II DNA Polymerase を使用した反応液は室温で安定です。0.5 kb のフラグメントを 50 ng のヒトゲノム DNA から増幅しました。PCR 反応液を調製し、0 時間 および 24 時間室温で放置した後 Applied Biosystems ProFlex サーマルサイクラーに設置しました。室温で 24 時間放置した場合でも、Platinum SuperFi II DNA Polymerase(レーン P)では高い特異性および収量が得られました。同一の実験を他社の DNA ポリメラーゼを使用して繰り返しました。A—Q5 Hot Start High-Fidelity、 B—KAPA HiFi HotStart PCR Kit、 C—PrimeSTAR GXL。分子量マーカーには TrackIt 1 Kb Plus DNA Ladder を使用しました。

Platinum SuperFi II DNA ポリメラーゼを使用した多様なテンプレートの PCR

Platinum SuperFi II DNA Polymerase は、酵素の頑健性と特別に調製されたバッファにより、幅広い含量範囲のシーケンスを高い特異性で増幅します。Platinum SuperFi II バッファーは GC リッチ標的の、DNA 融解添加物を必要としない増幅を可能にします。

50 ng のヒトゲノム DNA から増幅した AT リッチ標的および GC リッチ標的の PCR ゲル

図 10AT リッチ標的および GC リッチ標的の Platinum SuperFi II DNA ポリメラーゼによる頑健な増幅。GC 含量の異なる 15 種類の標的を、DNA 変性を促進するバッファ添加物を使用せずに、50 ng のヒトゲノム DNA から増幅しました。分子量マーカーには TrackIt 1 Kb Plus DNA Ladder を使用しました。

50 ng のヒトゲノム DNA から増幅した GC リッチ標的(73% ~ 77%)の PCR ゲル

図 11GC リッチ標的の増幅強化Platinum SuperFi II DNA Polymerase は、DNA 融解添加物を全く必要とせずに、困難な GC リッチ標的に高い特異性および収量を提供します(左端パネル)。4 種類の GC リッチフラグメント(0.74 kb、0.58 kb、0.71 kb および 0.72 kb の長さ;GC 含量上部記載)を 50 ng のヒトゲノム DNA から増幅しました。同一の標的を、他社の DNA ポリメラーゼを使用して、各メーカーが推奨する GC リッチ標的用 PCR プロトコルに従って増幅しました。A—PrimeSTAR GXL DNA Polymerase、 B—KAPA HiFi HotStart PCR Kit(GC リッチフラグメント用の特別な反応バッファー中)、 C—Merck KOD Hot Start DNA Polymerase 10% DMSO 添加。分子量マーカーには TrackIt 1 Kb Plus DNA Ladder を使用しました。

Platinum SuperFi II DNA ポリメラーゼは、 高い前進性と非常に低いエラー率で、長い断片(最長 20 kb)を正確に増幅し高い収量と特異性を得るために最適です。さらに長い(最長 40 kb)標的の増幅も可能ですが、高品質テンプレート(高純度、新鮮かつインタクト)および新鮮なプライマー溶液の使用など、最適化の追加が必要となる可能性があります。プライマー溶液の濃度を 0.2 μM に低減することで結果が向上する場合もあります。

200 ng のヒトゲノム DNA から増幅した二つの 20 kb の標的の PCR ゲル

図 12長い断片用の増幅。Platinum SuperFi II DNA Polymerase では、200 ng のヒトゲノム DNAからの 20 kb の標的の増幅に成功しています(レーンP)。同一のプライマーセットを使用して、他社の DNA ポリメラーゼの試験を行いました。—Q5 Hot Start High-Fidelity、 B—KAPA HiFi HotStart PCR Kit、 C—Merck KOD Hot Start、 D—PrimeSTAR GXL および E—PfuUltra II Fusion HotStart。分子量マーカーには TrackIt 1 Kb Plus DNA Ladder を使用しました。

50 ng の E. coli ゲノム DNA から増幅した長い断片(30 kb および 40 kb)の PCR ゲル
図 1320 kb 超の 標的の増幅。Platinum SuperFi II DNA Polymerase(レーンP)では、50 ng の E. coli ゲノム DNA からの 30 kb および 40 kb の標的の増幅に成功しています。同一のプライマーセットを使用して、他社の DNA ポリメラーゼの試験を行いました。—Q5 Hot Start High-Fidelity、B—KAPA HiFi HotStart PCR Kit、C—Merck KOD Hot Start、 D—PrimeSTAR GXL およびE—PfuUltra II Fusion HotStart。分子量マーカーには TrackIt 1 Kb Plus DNA Ladder を使用しました。

高い特異性および前進性を有する Platinum SuperFi II DNAPolymerase は、顕著な最適化を必要としない既存のバッファ中での幅広い濃度範囲のテンプレートのマルチプレックス化を可能にします。

2.5 ng、25 ng および 250 ng のヒトゲノム DNA から同一の反応で増幅した 199 bp ~ 1.6 kbp の範囲の 15 のフラグメントの PCR ゲル
図 14Platinum SuperFi II DNA Polymerase を使用した幅広い濃度範囲のテンプレートのマルチプレックス PCR。15 の標的(99 bp、131 bp、160 bp、199 bp、251 bp、300 bp、345 bp、400 bp、516 bp、613 bp、735 bp、908 bp、1,005 bp、1,190 bp および 1,606 bp)を 2.5 ng、25 ng および 250 ng のヒトゲノム DNA から増幅しました(テンプレートの量は各レーン上部に記載)。分子量マーカーには TrackIt 100 bp DNA Ladder を使用しました。

特異性および阻害物質耐性の高い Platinum SuperFi II DNA Polymerase は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルなどの最適とはいえない品質の DNA の効率的な増幅を可能とします。

FFPE ブロックから抽出した 10 g のマウス DNA から増幅した、0.2 kb、0.3 kb および 0.4 kb のフラグメントの PCR ゲル

図 15FFPE 抽出 DNA の増幅。Platinum SuperFi II DNA Polymeraseは10 ng のマウス FFPE DNA 抽出物からの Invitrogen RecoverAll Total Nucleic Acid Isolation Kit for FFPE を使用した最高 0.4 kb の ターゲットの増幅に成功しています。分子量マーカーには TrackIt 100 bp DNA Ladder を使用しました。

Platinum SuperFi II DNA Polymerase と Platinum SuperFi DNA Polymerase の違い

Platinum SuperFi II DNA Polymerase には、イソ安定化成分を組み込んだ特別な処方の反応バッファが含まれます。この独自のバッファ処方により以下を含むいくつかの利点が提供されます。すなわち、プライマーのための Tm 計算の必要がなく、GC 含量の高い標的のより頑健な増幅が可能となり、長いシーケンスの増幅が向上すると同時に、ハイスループット PCR のためにユニバーサルな PCR プロトコルが使用できます(表 1)。

表 1Platinum SuperFi II DNA Polymerase と Platinum SuperFi DNA Polymerase の比較。

 Platinum SuperFi II
DNA Polymerase
Platinum SuperFi
DNA Polymerase
フィデリティ(vs. Taq300 倍超300 倍超
ホットスタート修飾ありあり
Tm 計算必要性なし(60°C でのプライマーアニーリング)あり
ユニバーサルな PCR プロトコルあり不可
GC リッチな増幅可(GC エンハンサー不要)可(GC エンハンサー推奨)
ロングレンジ増幅最高 20 kb(性能向上)最長 20 kb
ベンチトップ安定性最長 24 時間最長 24 時間
阻害物質耐性
3′ 末端アンプリコン平滑平滑
低レベル残渣 DNA 認定(50 μL 反応あたり)1 コピー以下の細菌 DNA
0.3 コピー以下のヒト DNA  
1 コピー以下の細菌 DNA
0.2 コピー以下のヒト DNA

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お客様の特定要件に合わせてカスタマイズ可能な製造ソリューション、製品ラベリング、梱包性能についてご覧ください。

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