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Illumina システム用 Collibri Library Prep Kits は、より高品質のシーケンスと迅速なプロトコルにより次世代シーケンス(NGS)ベースのウイルス調査を強化します。
疾病の伝染経路を理解するためには政府組織と民間組織の協業が必要です。世界保健機関(WHO)が後援しているグローバルインフルエンザプログラム(Global Influenza Programme;GIP) [1] などの政府支援プログラムは基準を確立したり、トレーニングを提供します。
米国の疾病管理予防センター(CDC)とパートナーを組んでいる学術ラボなどの官民共同体は、SARS-CoV-2(COVID-19)などのパンデミックのウイルス調査に関して協同し、世界中のウイルスサンプルを収集して解析します。これにより、サイエンスコミュニティはウイルス伝染の世界的および地域的傾向をモニターしたり、ワクチン生産のための株選定をサポートできます。ウイルス感染率のデータは、輸送、ヘルススクリーニングチェック、および隔離実施ポリシーの可能性に関する政府の決定を知らせる場合があります。
Nextstrain.org などの非政府グループは、公共のデータベースを集積したりウイルス伝染の傾向を視覚化することにより、ウイルス調査を支援します。NGS 調査は、病原体が非 NGS 調査プログラムで検出されない不可解な伝染パターンを明らかにすることができます。米国とスイスの Hodcroft 氏および同僚は、2020 年 3 月中旬以前にワシントン州で採取されたた 346 の SARS-CoV-2 ウイルスを、シアトルインフルエンザ研究で取得されたサンプルを含めてシーケンスすることにより、ワシントン州において 2020 年 1 月および 2 月中に検出されなかったウイルス感染があったと推定しました [2]。
図 1.ウイルス伝染の可視化。オープンソース病原体ゲノムプロジェクト Nextstrain.org が、公開されている SARS-CoV-2 ゲノムのデータを可視化しています [3]。
NGS により作成された全ゲノムの数は迅速に増加できますが、歴史的にデータセットはシーケンスの質に関する課題に直面してきました。疫病の追跡、集団内の潜在的な新興ウイルスのモニター、潜在性のある抗ウイルス治療の開発、ワクチン開発のためのターゲット同定、および宿主-ウイルス相互作用の理解には、高品質のシーケンスが必要です。
シーケンスの質を向上させる一つのオプションは、さまざまなサンプルの質やゲノムサイズに対応する、一貫した全ゲノムカバレッジを作成するようデザインされたライブラリ調製キットを使用することです。Illumina システム用 Invitrogen Collibri DNA Library Prep Kits はトランスポソームのメソッドと比較して、病原体と宿主のゲノムの全カバレッジを一貫して提供します。Collibri DNA キットはすべてのサイズのゲノムに最適で、病原体と宿主の両方のシーケンシングに使用できるため、宿主-病原体研究を実施できます。
図 2.全ゲノムカバレッジを取得して全ウイルスゲノムをシーケンス。Collibri DNA ライブラリ調製キットは、1.5 時間のワークフローで、全ゲノムを Illumina プラットフォームですぐにシーケンスできるライブラリに変換します。他のライブラリ調製メソッド、たとえばゲノム全体でトランスポソーム複合体のほぼランダムな挿入に依存しているトランスポソームメソッドは、フラグメント末端をカバーしません。
* PCR を行うためにさらに 1 時間かかります。
RNA ウイルスやその他のサンプルの RNA シーケンシング結果の質を向上させるために、Illumina システム用 Invitrogen Collibri Stranded RNA Library Prep Kits は、ヘルパーアダプターが RNA に直接添加された独自プロトコルを使用しています。ヘルパーアダプターは、ワーフフローの最終ステップの PCR 中に Illumina NGS システム用に全長アダプターに拡張されます。アダプター添加の前に RNA を cDNA に転換するライブラリ調製キットとは異なり、Collibri ライブラリ調製キットにより RNA 転写物の多様性は維持されます。cDNA プライミングが GC 量に左右されないためです。 さらに、ヘルパーアダプターの RNA への直接的なライゲーションでは、ランダムなオリゴヌクレオチドシーケンスは cDNA に取り込まれないため NGS 結果の精度を向上させ、誤った SNP や点変異を防ぎます。
Collibri Stranded RNA プロトコルは迅速(1.5 時間)で、高度なら旋構造結果を提供するため、オーバーラップする遺伝子の検出を可能にします。プロトコルはすべてのサイズのゲノムの RNA シーケンスングに適合しており、ウイルスゲノム、宿主の遺伝子発現、および宿主-病原体相互作用の研究に最適です。
図 3.4.5 時間の迅速プロトコルは、ヘルパーアダプターを RNA に直接ライゲーションして精度を向上。 ヘルパーアダプターとしても知られる部分アダプターは、cDNA 作成前に単鎖 RNA に直接ライゲーションされます。全長インデックス付きアダプターが PCR 中に作成されます。
NGS 3′ mRNA 遺伝子発現解析は、人々が病原体に対してさまざまな反応を示す理由を調査するためのパワフルで仮設フリーのツールで、ジカウイルス感染の影響を研究するのに使用されてきました。
同じウイルス(キャリア)に感染した際に、重症になった人の遺伝子発現プロファイルを、症状を示さない人の遺伝子発現プロファイルと比較できます。3′ mRNA シーケンシングは、シンプルな情報科学を用いて多くのサンプルの遺伝子発現プロファイルを迅速に比較できる技術です。このメソッドは、必要な NGS リード数をサンプル当たり 30 ~ 60 M から 2 ~ 5 M に低減することにより、シンプルさとコスト節約を実現します。必要なリード数の低減は、Illumina NGS システムとシーケンシング部位の選択における柔軟性を提供します。
Illumina システム用 Invitrogen 3′ mRNA Library Prep Kits による遺伝子発現プロファイルは、Genialis, Inc. などの企業からの事前構成情報科学プロファイルを使用して、サンプルのソースに近いところで作成できます。
図 4.急性ジカウイルス感染の遺伝子発現プロファイル。チューレーン大学の Nicholas Maness 博士は Illumina システム用 Collibri 3ʹ mRNA Library Prep Kit を使用して、急性ジカウイルス感染中の遺伝子発現パターン(A)と抑制された白血球の可動性(B)を明らかにしました。結果のプレゼンを見る.
Collibri DNA Library Prep kits | Collibri Stranded RNA Library Prep kits** | Collibri 3ʹ mRNA Library Prep kits | |
NGS メソッド | 全ゲノムシーケンシング | mRNA シーケンシング | 3ʹ mRNA シーケンシング |
ウイルスに関する洞察 |
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分解 RNA に対する適合性 | 逆転写後に適合* | 適合 | 適合 |
ワークフロー時間 | 1.5 時間 | 4.5 時間 | 4.5 時間 |
すべての Illumina NGS システムとの互換性 | あり | あり | あり |
シーケンシング前のライブラリの正確な定量のために、当社は Collibri Library Quantification Kit または Qubit assays の使用を推奨します。
* 逆転写の実施には SuperScript IV Reverse Transcriptase が推奨されます。
** ライブラリ調製前の mRNA 濃縮には Dynabeads mRNA DIRECT Purification Kit が推奨されます。
*** オプションの PCR を行うためにさらに 1 時間かかります。
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.