設置環境/緊急時の装置停止方法

緊急時にプラズマを消す方法は?

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プラズマの緊急停止方法

ハンドルを180度時計方向に回してください。

PCとの通信エラー等でプラズマを消灯した場合は、2分経過後に装置の左側面のメインスイッチをOFF、30秒後にON、PCを再起動したのちに再開してください。

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停電が予定されています。装置のシャットダウンの方法は?

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停電が予定されている場合、事前に装置のシャットダウンを行います。

  1. プラズマが消灯して装置がスタンバイ状態であることを確認します。
  2. アルゴンガスの元栓を開けて、装置にガス圧(0.6MPa)がかかる状態にします。
  3. 装置左側面のメインパワースイッチをOFFの位置にします。
  4. アルゴンガスの元栓を閉めます。
  5. 装置上部排気を停止します。
停電が予定されています。装置のシャットダウンの方法は?

上記シャットダウンの状態からの起動方法

  1. 装置上部のダクトが排気していることを確認してください。
  2. アルゴンガスの元栓を開けて、装置にガス圧(0.6MPa)がかかる状態にします。
  3. 装置左側面のメインパワースイッチをONの位置にします。
  4. 装置コントロールでペニング圧が5×10-7mbarに到達後、測定可能です。

※真空度が悪い状態で測定を行うと検出器の寿命が短くなる恐れがあります ので、十分に真空が引けた状態でご使用ください。

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Arガスなどの消費量について教えてください。

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プラズマ点火時のアルゴンガス消費量は約16l/minです。
装置コントロールのコントロールパネル上のネブライザーガス、冷却ガス、補助ガスの合計がアルゴンガス の流量です。
ヘリウムの消費量は、KEDモードでの測定時に約5ml/minです。
装置コントロール のコントロールパネル上のコリジョンガス1(または2)でご確認いただけます。

コントロールパネル

装置の発熱量を教えてください。

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 発熱量[W] 50Hz発熱量[W] 60Hz
iCAPQ/RQ本体350350
ロータリーポンプ9001100
冷却水循環装置27002700
モニター2525
コンピューター7575
合計40504250

※上記は実験室温度が23℃、冷却水温度が20℃の設定時の発熱量です。
室温が高い場合、また冷却水設定温度が低い場合は発熱量が増加します。

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ダクトに必要な排気量を教えてください。

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ダクトに必要な排気量を教えてください。

装置背面から見た上部排気口。

  1. 装置内部電子部品等から発せられる熱を排気します。
  2. プラズマによって生じる熱とオゾンなど有害なガスを排気します。

排気ポートの外径は直径60.3mmです。標準で付属する排気用フレキシブルホー スは内径63mmで長さが6mです。

排気の種類フレキシブルホース内径[mm]排気速度[m/s]排気流量[m3/h]
1.熱排気634 ~ 645 ~ 67
2.プラズマ排気634 ~ 667 ~ 90

装置に接続すると圧損が生じるため、ダンパーが半開の状態で上記排気量が望ましいです。

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アプリケーション

導入可能な酸濃度、マトリックス濃度は?

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  < 1%< 5%< 10%低流量ネブライザースプレーチャンバーインジェクターコーン
硝酸40%石英石英ニッケル
塩酸18%石英石英ニッケル
フッ酸30%PFAサファイアプラチナ
硫酸×10%石英石英プラチナ
リン酸××-石英石英プラチナ
王水×10%石英石英ニッケル
アルカリTMAH20%PFA石英ニッケル
アンモニア20%PFA石英ニッケル
有機溶媒 -----内径1mmプラチナ

備考

  • 塩酸:V, Asには干渉がありますが、KEDモードにおいてある程度抑えることができます。
  • 硫酸:Ti, V, Znに干渉があります。47Ti, 68Znでの測定が一般的です。
  • リン酸:プラズマ中で分解されにくく、腐食性が高いため、装置内部のダメージを考慮する必要があります。

アルカリ

  • TMAH:Tune solutionでの装置調整後、しばらく超純水で置換してからアルカリを導入してください。
  • アンモニア:Tune solutionでの装置調整後、しばらく超純水で置換してからアルカリを導入してください。

有機溶媒:酸素導入のマスフローコントローラーが必要です。ネブライザーは20μl/minが標準です。

  推奨濃度ガス希釈
試料マトリックス金属0.2%以下2%以下
海水(塩)0.2%以下2%以下

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標準添加法の測定方法は?

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Qtegraにおける標準添加法の測定方法

  1. 標準添加法 希釈やマトリックスマッチングでもマトリックス干渉の除去が困難な場合に用いられます。
  2. Labbook の作成

    標準添加法専用の aQuant がありますが、作成された検量線を用いて未知試料を定量する場合はeQuant で Labbook を作成します。
    メソッドパラメーターの入力方法につきましては付属のソフトウェアマニュアル等をご参照ください。

  3. 試料リスト入力例

    操作ブランクを差し引く場合は最初に Blank を測定してください。
    また、検量線無添加試料(サンプル)は 試料タイプに ZERO STD を選択してください。

    1. 操作 Blank(試料タイプ:BLK)
    2. 検量線無添加試料(試料タイプ:ZERO STD)
    3. 標準添加 STD(試料タイプ:STD)
      の順に測定すると操作ブランクが差し引かれます。
       
  4. 測定結果例

    青枠内の数値が濃度になります。青枠の下行の数値とずれが生じているのは、検量線プロパティでの 強制が「なし」になっているためです。
    また、標準添加検量線以降の Unknown 試料は標準添加検量線 の傾きを適用して求めた濃度になります(緑枠)。


ソフトウエア


Qtegraを英語表記にすることはできますか?

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Qtegraの言語設定の変更方法

  1. Qtegraのソフトウェアをすべて閉じます。
  2. Windowsスタートメニュー内の設定ボタンをクリックします。

  3. Windowsの設定画面から、システム→詳細情報→システムの詳細設定を選択します。
  4. システムのプロパティで「環境変数」をクリックします。

  5. システム環境変数内のQTEGRA_CULTUREを選択し、「編集」をクリックします。

  6. 変数値で「ja-JP」(日本語)、または「en-US」(英語)を入力して、「OK」をクリックします。


測定結果をクエリで出力するには?

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Qtegra クエリによる測定結果の表示方法例

  1. クエリを選択します
  2. 濃度平均にチェックを入れます
  3. 元素にチェックを入れます
  4. ラベルにチェックを入れます
  5. リフレッシュボタンをクリックします
  6. 単位を表示/非表示できます
  7. エクスポートボタンでExcelファイルやCSVファイルにエクスポートします

検量線のY軸ラベルをレシオに変更するには?

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Qtegra Labbookの検量線Y軸ラベルの変更方法

表示設定の検量線ビュー表示フォーマットにある内標準レシオを「True」にするとレシオに変更されます。


検量線のY軸ラベルをデフォルト設定でレシオに変更するには?

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Qtegra Y軸ラベルのデフォルト表示変更方法

Labbookの検量線Y軸ラベル表示の「強度[cps]」と「レシオ」をデフォルト設定で変更します。
スタートメニューのThermo Qtegraフォルダ内にあるConfigulatorで設定を行います。

  1. エクスペリメントコンフィギュレーターを選択します。
  2. 評価を選択します。
  3. eQuant 外部検量線による定量化を右クリックし、デフォルト設定を選択します。
  4. 内標準レシオの項目で、強度[cps]の場合はFalse、レシオの場合は[Ture]を選択します。

有効数字桁数のデフォルト設定を変更するには?

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Qtegra 有効数字桁数のデフォルト値変更方法

スタートメニューのThermo Qtegraフォルダ内にあるConfigulatorで設定を行います。

  1. エクスペリメントコンフィギュレーターを選択します。
  2. 評価を選択します。
  3. eQuant 外部検量線による定量化を右クリックし、デフォルト設定を選択します。
  4. 表示された設定ウィンドウで各有効数字の桁数を変更します。

データのバックアップ方法は?

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注) こちらの方法では、アクセス権限等の復旧はできません。PCの故障などで情報が失われた場合は、再度アクセス権限の設定が必要になります。

バックアップするデータ

Qtegraのソフトウェアをすべて終了したのちに、以下フォルダのバックアップを実施してください。

1C:\ProgramData\Thermo\Qtegra\_Application Data\PluginData\BrigidMSマスキャリブレーションおよびチューニング
2C:\ProgramData\Thermo\Qtegra\_Application Data\Persistent Data検出器の設定
3C:\ProgramData\Thermo\Qtegra\_Application Data\Workspace測定結果(LabBook)
4C:\Users\****\AppData\Local\Thermo_Fisher_Scientific (****はユーザー名)装置コントロールのレイアウト

※同じHDD内にコピーした場合、HDD故障の際はバックアップしたデータが失われてしまう可能性があります。DVD-ROMや外付けHDDへの定期的なバックアップをお勧めします。

バックアップデータからの復旧方法

上記4種類のフォルダを同じパスの箇所に上書き保存してください。
PCの故障などで再インストールする場合は、使用されていたQtegraのバージョンを合わせる必要があります。
またPCのマザーボードを交換した場合、ソフトウェアライセンスは再度取り直す必要がありますので、下記フリーダイヤルまでご連絡ください。

サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社
フリーダイヤル: 0120-753-670
FAX: 0120-753-671

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メンテナンス

コーンの洗浄方法

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サンプルマトリックスの導入はコーンのコンディショニングになり、シグナルの長時間安定性を向上させる効果があります。しかし、コーン表面にマトリックスが析出し、穴径(オリフィス)の縮小にともなう感度低下が発生した場合は洗浄が必要です。スキマーコーンを洗浄する際は、インサートを外した状態で実施してください。

  1. 超純水を入れたビーカー等にコーンを沈めて、超音波洗浄機に5分間かけてください。
  2. 超音波洗浄を終えたコーンを超純水ですすいでください。
  3. リントフリーのワイプで残った水を拭くか、アルゴンガスなどを吹き付けて水分を飛ばしてください。

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グラスウェア(トーチ、スプレーチャンバ、インジェクター)の洗浄方法

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注意:酸溶液を扱われる際は保護具を着用してください。

  1. 5%硝酸+2%塩酸の混酸溶液にトーチ、スプレーチャンバ、インジェクターを浸けてください。
    最短でも20分以上、1日以上つけていただいても大丈夫です。
    グラスウェアは2セットお持ちいただくことをお勧めします。
    超音波洗浄は使用しないでください。
  2. 混酸溶液で洗浄したグラスウェアは最低でも3回以上超純水ですすいでください。
  3. 装置に使用しているアルゴンガスなどを吹き付けて水分を飛ばすか、クリーンベンチで乾燥させてください。グラスウェアを保管する際は、完全に乾燥させたのちに、金属が触れないようにプラスチック製の容器か袋に入れてください。

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検出器交換の目安

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装置コントロールの検出器の項目で検出器電圧を確認します。
検出器電圧(アナログ)[V]が-3500Vを超えた時、または、検出器電圧(カウンティング)[V]が2500Vを超えた時が検出器の交換時期となります。
これらの電圧は、検出器セットアップにおいて”検出器HVセットアップおよびクロスキャリブレーション”を実行された際に、自動的に調整されます。

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トーチ破損を予防する方法を教えてください。

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トーチ破損防止のための装置チェック 導入系編

プラズマ点灯時のトーチ破損(溶融)は点灯時に起きる異常放電がその主な原因です。
試料導入系からの空気混入やアルゴンガスのリークなどによって正常なプラズマを生成することができなくなり異常放電の発生につながります。
プラズマを点灯する前に以下の項目のチェックをお願いします。

  1. ネブライザーの取り付けチェック
    • ネブライザーを固定するナットに緩みが無いか確認します。(Fig 1の青矢印)
    • アルゴンガスチューブやジョイントに傷、劣化、ガス漏れが無いか確認します。(Fig 1の赤矢印)
      ・・・アルゴンガスチューブの先端に著しい傷がついている場合、先端をカットして使用します。
Fig 1. ネブライザーの取り付け
Fig 1. ネブライザーの取り付け
  1. スプレーチャンバーの取り付けチェック
    • スプレーチャンバーのエルボーがインジェクターにしっかり圧入されているか確認します。(Fig 2の赤矢印)
    •  添加ガスポートのナットに緩みが無いことを確認します。(Fig 2の青矢印)
    • 下部のドレンポートにチューブが正しく接続されていることを確認します。
Fig 2. スプレーチャンバーの取り付け
Fig 2. スプレーチャンバーの取り付け
  1. ポンプチューブの取り付けチェック
    • ポンプチューブが正しく取り付けられていることを確認してください
      ・・・ソフトウェアでポンプを回してサンプル送液と排液が正しく行われることを確認することができます。
    • ポンプチューブが劣化している場合は新しいチューブに交換します

トーチ破損防止のための装置チェック トーチ部編

プラズマ点灯時のトーチ破損(溶融)は点灯時に起きる異常放電がその主な原因です。トーチやコイルの汚れなどが異常放電の発生につながります。プラズマを点灯する前に以下の項目のチェックをお願いします。

  1. トーチに汚れや水分の付着がないか?
    トーチ部のドアを開きトーチを目視確認します。
    • トーチの先端部や石英管に著しい汚れ、水分の付着がないか確認します。
      ・・・異常がある場合、トーチを取り外してクリーニングするかトーチを交換してください。
    • トーチにひび割れや欠けがある場合、新しいトーチに交換してください。
  2. RFコイルに汚れや水分の付着はないか?
    トーチ部のドアを開きRFコイルを目視確認します。
    • RFコイルに著しい汚れ、水分の付着がないか確認します。
      ・・・異常がある場合、トーチを取り外してからRFコイルをクリーニングしてください。
Fig 1. 汚れた状態のRFコイルとトーチ
Fig 1. 汚れた状態のRFコイルとトーチ
  1. トーチの取り付けチェック
    • トーチやインジェクターがトーチホルダーに正しく取り付けられているか確認します。
    • トーチホルダーのOリングにひび割れなど劣化がないか確認します。
Fig 2. トーチの構成(左からインジェクター・トーチ・トーチホルダー)
Fig 2. トーチの構成(左からインジェクター・トーチ・トーチホルダー)
  1. トーチとRFコイルの位置チェック
    • 付属のアライメントツールを使用してトーチとRFコイルの位置が適正か確認します。
      ・・・RFコイルとトーチの間にツールを差し込むことができれば適正位置にセットされています。
Fig 3. トーチアライメントツール
Fig 3. トーチアライメントツール
  1. その他

    排気の確認
    装置コントロールのプラズマの画面でプラズマ排気の表示が適正か確認します。
    0.1mbar を下回るとインターロックが動作します。(適正値 0.4~0.6 [mbar] )

Fig 4. 装置コントロール ― プラズマ排気の確認
Fig 4. 装置コントロール ― プラズマ排気の確認

トーチ破損防止のための装置チェック コーン編

プラズマ点灯時のトーチ破損(溶融)は点灯時に起きる異常放電がその主な原因です。コーンの汚れなどが異常放電の発生につながります。プラズマを点灯する前に以下の項目のチェックをお願いします。

Fig 1. サンプルコーンとスキマーコーン
Fig 1. サンプルコーンとスキマーコーン
  1. コーンに極端な汚れや水分の付着がないか?
    • コーンの表面にサンプル由来の析出物や極端な汚れが無いことを確認します。
    • コーンの表面に水分の付着が無いか確認します。
      ・・・極端な汚れや水分の付着がある場合、コーンをクリーニングするか交換してください。
  2. コーンの取り付けチェック
    • コーンが緩みなく取り付けられていることを確認します。
      ・・・緩みがある場合、専用のツールを用いて正しく締めつけます。
    • サンプルコーンガスケットが劣化している場合は交換します。
  3. コーン周辺に汚れや水分の付着はないか?
    • コーンの周辺に汚れや水分の付着が無いことを確認します。
      ・・・極端な汚れや水分の付着がある場合、クリーニングします。