本プロトコールでは、蛍光をベースにしたアッセイを実施し、機能しているミトコンドリアを検出するための基本的な注意事項を述べています。健全なミトコンドリア膜は、オルガネラの内外に存在する膜電位と呼ばれる電位の差を維持しています。テトラメチルローダミンメチルエステル(TMRM)は、膜電位に異常を認めない活動性のミトコンドリアに蓄積する細胞浸透性の蛍光色素です。細胞が健全な状態にあり、機能するミトコンドリアを有している場合、シグナルは明るくなります。ミトコンドリア膜電位が減少すると、TMRMの蓄積が止まり、シグナルは暗くなるか、または消失します。

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リマインダー
本アッセイは、 生細胞を対象にしています。

必要なもの

  • 生細胞
  • 完全培地(細胞を培養できるものなら何でも)
  • テトラメチルローダミンメチルエステル(TMRM)
  • リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、または生理食塩水をベースにしたあらゆる他のバッファー
  • 蛍光顕微鏡用のTRITCフィルターセット


機能性ミトコンドリア染色—基本的なラべリングのプロトコール

これは一読する必要があるプロトコール情報です:TMRMはしばしば粉末として提供されます。DMSOに溶かして保存溶液とし、-20℃に保存すると便利です(例えば、DMSO 5 mLをTMRM 25 mgに添加して10 mM保存溶液を作製します)。TMRMは低いワーキング濃度で使用するため、保存溶液を使用する段階になったら、中間濃度の希釈液を作製する必要があります。

  • 50 μM TMRM中間濃度の希釈液を作製するには→10 mM TMRM 1 μL + 完全培地200 μL
  • 250 nM TMRM染色溶液を作製するには→50 μM TMRM 5 μL + 完全培地 1 mL
  • 本プロトコールに示した容量は、6ウェルプレートの単一ウェルまたは単一の35 mmディッシュに適しています。

1完全培地に溶かした250 nM TMRM染色溶液 1 mLを調製します。色素濃度の最適化をする場合、テストしたい各濃度の染色溶液を調製する必要があります。
2生細胞の周りにある培地を除去します。
3TMRM染色溶液を添加します。
430分間37℃でインキュベートします。
5PBS(または、他の透明なバッファー)で3回洗浄します。
6TRITCフィルターを用いて観察を行います。

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For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.