質問

  1. トランスフェクション試薬の選択に推奨はありますか?
  2. トランスフェクション試薬の安定性はどうですか?
  3. 細胞密度(%コンフルエンス)と継代数は考慮すべき重要な点ですか?
  4. 任意のトランスフェクション試薬を異なる細胞株に同じ量で使用できますか?
  5. プロトコールに記載されたサイズとは異なるウェルサイズを使用しています。トランスフェクションのスケールアップまたはスケールダウンをどのように行えばよろしいでしょうか?
  6. 細胞株別のトランスフェクションプロトコルはどこにありますか?
  7. 貴社の試薬を使用した他の研究者の文献を見られるところはありますか?
  8. 貴社の試薬を使用した他の研究者の文献を見られるところはありますか?
  9. トランスフェクションの際に、抗生物質を培地に添加できますか?
  10. Invitrogen トランスフェクション試薬を用いてどのような種類の分子を導入できますか?
  11. トランスフェクション試薬をプラスミドの同時トランスフェクションに使用できますか?プラスミドと siRNA を同時導入することができますか?
  12. RNAi アプリケーションにはどのトランスフェクション試薬がお勧めですか?
  13. 一過性トランスフェクタントの細胞内での遺伝子発現レベルが、安定した抗生物質耐性トランスフェクタントで観察される発現レベルよりも高くなるのはなぜですか?
  14. トランスフェクション用のエンドトキシンフリーDNAに関する推奨事項は何ですか?
  15. A 260 の測定値を使用して DNA 量をどのように推定できますか?A260/A280 は何を意味しますか?
  16. トランスフェクション試薬: DNA 複合体を細胞に添加すると時々、細胞に(顕微鏡下で)小さな顆粒状の沈殿物が見られます。これはどうして起こるのですか、またトランスフェクション効率は低下するのでしょうか?
  17. Lipofectamine 2000 は Lipofectamine と同じですか?Lipofectamine PLUS と Lipofectin についてはどうですか?
  18. トランスフェクション効率が低くなるのはどうしてですか?
  19. トランスフェクションを行った後、細胞毒性が観察されるのはどうしてですか?
  20. トランスフェクションの再現性が得られないのはなぜですか?

答え

  1. トランスフェクション試薬の選択に推奨はありますか?

  2. トランスフェクション試薬の安定性はどうですか?
    Invitrogen トランスフェクション試薬はブルーアイスに入れて輸送され、4℃で保管する必要があります。適切に保管、取り扱われた場合、購入後 6 カ月まで品質を保証します。一般にトランスフェクション効率が低下するため、トランスフェクション試薬を凍結しないでください。チューブすべてに使用期限(製造後 2 年間)のラベルが貼られています。
  3. 細胞密度(%コンフルエンス)と継代数は考慮すべき重要な点ですか?
    はい。細胞密度はトランスフェクション効率に影響します。例えば、Lipofectamine 2000 はコンフルエンス 90%以上で優れたトランスフェクション効率を示しますが、90%よりも低いコンフルエンスではいくらか毒性が観察される場合があります。Lipofectamine LTX では、細胞密度 70%コンフルエンス未満で使用することを推奨します。

    継代数がトランスフェクション実験に影響する可能性があります。細胞を一貫して分割し、播種することを推奨します。継代数が多すぎるとトランスフェクション効率が落ちる可能性があります。トランスフェクション効率が落ちて、細胞が長期間培養されている、あるいは過剰/不適切に継代されている場合、液体窒素で保存していた新たな細胞バイアルで培養を再開することを推奨します。
  4. 任意のトランスフェクション試薬を異なる細胞株に同じ量で使用できますか?
    いいえ。トランスフェクション効率は各ウェルに加える試薬の量に大きく依存するため、試薬によって異なる場合があります。最適な使用ができるようトランスフェクション試薬に添付される製品情報をよくお読みください。

    製品に添付されているプロトコールに、各ウェルに加えるトランスフェクション試薬の最適範囲を記載しています。製品開発中にこの範囲はさまざまな種類の細胞株に適用できることが確認されています。まだ目的の細胞株で求めているような結果が得られない場合、さらなる最適化が必要かもしれません。お客さまのプロトコルの最適化に関してはテクニカルサポートにお問い合わせください。
  5. プロトコルに記載されたサイズとは異なるウェルサイズを使用しています。トランスフェクションのスケールアップまたはスケールダウンをどのように行えばよろしいでしょうか?
    各トランスフェクション試薬のプロトコルに、トランスフェクションのスケールアップまたはスケールダウンに関する表を提供しています。Lipofectamine 2000 のプロトコルの例を下記に示します。
  6. 細胞株別のトランスフェクションプロトコルはどこにありますか?
    細胞別トランスフェクションプロトコルセクションの情報をご覧ください。RNAi トランスフェクション用のプロトコルはこちらです。
  7. 貴社の試薬を使用した他の研究者の文献を見られるところはありますか?
    細胞別プロトコルに見つからない場合、またはプロトコルが予想通りに機能しない場合、製品に添付されているプロトコールに記載の条件で検証して最適なプロトコールを検討することをお勧めします。トランスフェクションの成功は、細胞タイプ、脂質量、細胞の健全性、またはトランスフェクション時の継代数と細胞密度に左右されます。これらの各要因はラボごとに若干異なる可能性があるため、同じ結果を得るにはプロトコルをさらに最適化する必要があります。
  8. 貴社の試薬を使用した他の研究者の文献を見られるところはありますか?
    当社の Cell Lines Database は、研究結果を発表し、Invitrogen トランスフェクション試薬について記載した研究者の論文が含まれるように更新されています。この情報は、オンラインカタログページ(「Tech. Docs」の下の青い本のアイコンをクリック)、またはCell Line Database で見ることができます。また当社 R&D は、Invitrogen のトランスフェクション製品を使用した多数の最新論文の検索エンジンとして www.highwire.org を勧めています。「Lipofectamine 2000」(または他の Invitrogen 製品)と、目的とする細胞株/アプリケーションを検索条件に入れるだけです。
  9. トランスフェクションの際に、抗生物質を培地に添加できますか?
    はい。複数の細胞株を対象に抗生物質を添加した培地と添加しない培地中での細胞へのトランスフェクションを比較し、トランスフェクション効率と毒性について評価しましたが、差がありませんでした。安定したトランスフェクションのために、トランスフェクション後、少なくとも 72時間待ってから選択用抗生物質を添加してください。

    Geneticin Advantage に関する情報の詳細はこちら。

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  10. Invitrogen トランスフェクション試薬を用いてどのような種類の分子を導入できますか?
    Invitrogen カチオン性脂質トランスフェクション試薬を使用すると、DNA、siRNA、Stealth™ RNAi、Dicer 産生siRNA のプール、または shRNA カセットを含むプラスミドをトランスフェクトできます。オリゴヌクレオチド、タンパク質、RNA もトランスフェクトできます。プラスミド、コスミド、さらに 600 kb までの YAC クローンなどの DNA も使用できます。
  11. トランスフェクション試薬をプラスミドの同時トランスフェクションに使用できますか?プラスミドと siRNA を同時導入することができますか?
    Lipofectamine 2000 を使用して、プラスミドの同時トランスフェクションも、プラスミドと siRNA の同時トランスフェクションも可能です。プロトコル情報はこちらをクリックしてください。
  12. RNAi アプリケーションにはどのトランスフェクション試薬がお勧めですか?
    ほとんどの細胞タイプで、Stealth™ RNAi、siRNA、Dicer 産生 siRNA のプール、または shRNA カセットを含むプラスミドの一過性導入にLipofectamine 2000 をお勧めします(下図)。siRNA を HeLa 細胞にトランスフェクトする場合は、Oligofectamine™ のご使用をお勧めします。

    Lipofectamine 2000 の迅速な手順
  13.  一過性トランスフェクタントの細胞内での遺伝子発現レベルが、安定した抗生物質耐性トランスフェクタントで観察される発現レベルよりも高くなるのはなぜですか?
    一過性にトランスフェクトされた細胞は高コピー数の遺伝子(1 細胞当たり数百)があるため、より高い発現レベルをもたらします。安定的にトランフェクトされた細胞の発現レベルは導入されたコピー数(通常 1 細胞当たり 1 ~ 2 程度)によって決まります。
  14. トランスフェクション用のエンドトキシンフリー DNA に関する推奨事項は何ですか?
    特にエンドトキシンに対する感受性の高い細胞を扱う場合、一部の研究者はトランスフェクション実験にエンドトキシンフリーの DNA を好んで用います。エンドトキシンフリー DNA の調製用に「PureLink™ HiPure Purification Kit(核酸精製キット)」をミニ、ミディ、マキシ、メガ、ギガサイズでご用意しております。詳細情報は、こちらをクリックしてください。
  15. A 260 の測定値を使用して DNA 量をどのように推定しますか?A260/A280 は何を意味しますか?
    1 A260 ユニット(プラスミド DNA H2O 液)= 50 ug/mL

    プラスミド DNA を H2O 以外のバッファで希釈した場合は、吸光係数が変わります。そのため、上記の値が変わります。

    計算例:

    プラスミド DNA サンプル量 = 100 uL

    希釈(1/20)= 25 uL(H2O 475 uL に溶解したサンプル)

    希釈サンプルの A260 = 0.65

    注:最適な結果を得るには、OD 値が 0.1 ~ 1.0 の範囲内であることを確認してください。

    プラスミド DNA サンプルの濃度 = 0.65 x 50 ug/mL x 20(希釈係数)= 650 ug/mL

    サンプル中のプラスミド DNA 量 = 650 ug/mL x 0.1mL(サンプル量)= 65 ug

    A260/A280 値が 1.8 以上の場合、プラスミド DNA は純粋であることを意味します。A260/A280 値が 1.8 未満の場合、サンプルに芳香族生成物(フェノールなど)やタンパク質が混入している可能性があります。2.0 を超える読み取り値は、サンプルに RNA が混入していることを示しています。
  16. トランスフェクション試薬: DNA 複合体を細胞に添加すると時々、細胞に(顕微鏡下で)小さな顆粒状の沈殿物が見られます。これはどうして起こるのですか、またトランスフェクション効率は低下するのでしょうか?
    トランスフェクション後の細胞に沈殿物が見られる主な理由は、過剰な EDTA が存在する場合です。DNA を水で希釈する、または TEが望ましい場合、0.3 mM 未満の EDTA 濃度を用いることをお勧めします。この沈殿物の有無はトランスフェクション結果とは関係ありません。
  17. Lipofectamine 2000 は Lipofectamine と同じですか?Lipofectamine PLUS と Lipofectin についてはどうですか?
    いいえ。カチオン性脂質の配合がすべて異なります。Lipofectamine 2000 では、幅広い細胞タイプでプラスミド DNA と RNAi 導入の双方で最良のトランスフェクション効率が得られます。  Lipofectamine は当社が初期に発売した汎用試薬です。Lipofectamine PLUS は販売を中止したトランスフェクション試薬ですが、PLUS™ 試薬は入手でき、別売りとなっております(カタログ番号 11514-015)。1980年代後期に発売された Lipofectin は当社初のトランスフェクション試薬です(下表参照)。従来の配合を好むお客さま向けに、本品の販売を続けておりますが、新規のお客さまには、最適な効率を得るために、最初に Lipofectamine 2000 を試してみられることをお勧めしています。

    15 年間のトランスフェクションの開発
  18. トランスフェクション効率が低くなるのはどうしてですか?
    低いトランスフェクション効率のトラブルシューティングに関する詳細はこちら

  19. トランスフェクションを行った後、細胞毒性が観察されるのはどうしてですか?
    トランスフェクション後の細胞毒性に関する詳細はこちら

  20. トランスフェクションの再現性が得られないのはなぜですか?
    再現性のあるトランスフェクションに関する詳細はこちら

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.