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導電率メーターおよびプローブを使用して、さまざまな関連パラメーターの一貫した測定値を得ることができます。Thermo Scientific Orionベンチトップ導電率メーター、ポータブル導電率メーター、および導電率プローブは、廃水、飲料水、超純水または脱イオン水を必要とする水質ラボアプリケーション、定置洗浄(CIP)、産業洗浄水およびすすぎ水、発電、鉱業用などの製造工程、注射用の水などの医療用、水産養殖や食品および飲料などのその他の用途に適しています。
導電率はイオンの濃度と温度によって異なります。
コンダクタンスは抵抗の逆数と定義され、ジーメンス(S)単位で測定されます。以前はmho(オームの逆さ綴り)と呼ばれていました。導電率は、どのような溶液にも固有の特性です。測定により、サンプルのコンダクタンスを得て、これを導電率に変換します。これは、既知の導電率の標準液を使用して、各セットアップのセル定数(K)を決定することで行います。
導電率=(セルコンダクタンスxセル定数)
セル定数は、測定セルの物理的特性に関連しています。2つの並列した平らな測定電極で構成されるセルの場合、Kは電極分離距離(d)を電極面積(A)で割った値として定義されます。
実際の使用では、測定されたセル定数が(直接またはユーザーによる校正により)メーターに入力され、メーターで、コンダクタンスから導電率への変換が計算されて表示されます。
導電率メーターは、電流が流れるための水溶液中のイオンの量を測定します。水溶液の測定範囲は通常小さいため、測定の基本単位はミリジーメンス/cm(mS/cm)およびマイクロジーメンス/cm(μS/cm)です。導電率は、家庭用消費、廃水、水質検査、産業用など、水の供給に含まれる不純物のレベルを測定するために広く使用されています。この方法を採用している業界には、化学、半導体、発電、病院、繊維、鉄鋼、食品および飲料、鉱業、電気めっき、パルプおよび製紙、石油および海洋産業などがあります。具体的なアプリケーションには、化学ストリーム、脱塩装置出力、逆浸透、ストリームボイラー、凝縮水の戻り、廃液ストリーム、ボイラーブローダウン、冷却塔、脱塩、ラボ分析、果物の皮むき、および海洋学における塩分濃度の検出などがあります。下の表は、溶液の例とその既知の導電率を示しています。
溶液 | 導電率 |
超純水 | 0.055 μS/cm |
発電所ボイラー水 | 1.0 μS/cm |
良質な上水道 | 50 μS/cm |
海水 | 53 mS/cm |
蒸留水 | 0.5 μS/cm |
脱イオン水 | 0.1~10 μS/cm |
脱塩水 | 0~80 μS/cm |
飲料水 | 0.5~1 mS/cm |
廃水 | 0.9~9 mS/cm |
海水 | 53 mS/cm |
10% HCI | 700,000 μS/cm |
32% HCI | 700,000 μS/cm |
31% HNO3 | 865 mS/cm |
※mS/cm = センチメートルあたりミリジーメンス μS/cm = センチメートルあたりマイクロジーメンス |
溶液の抵抗率は、電流に対する抵抗の強さを示します。つまり、導電率の逆です。抵抗率を測定するもう1つの一般的なアプリケーションは、超純水の製造時です。超純水は、抵抗率が高く(25℃で>18.18 MΩ∙cm)、したがって導電率が非常に低い(25℃で0.055 µS/cm)ことがしめされます。導電率測定は導電率プローブとメーターを用いてのみ正確に測定でき、これにより電気を伝導できないという信頼性が得られます。
抵抗率は、脱イオン水、蒸留水、または逆浸透水などの精製水で作業する際や製造する際に測定する重要なパラメーターです。アプリケーションに応じて、精製水は、試薬水、試薬グレード水、臨床ラボ試薬水、またはタイプI水とも呼ばれることがあります。純度によっては、その他の用語が適用される場合もあります。超純水は、抵抗率が高く(25℃で>18.18 MΩ∙cm)、したがって導電率が非常に低くなっています(25℃で0.055 μS/cm)。超純水は、ラボ、製薬、半導体、ボイラーなどのアプリケーションによく使用されます。
次のWebセミナーを視聴して、導電率が超純水の製造にどのように影響するかをご覧ください:俗説と真実:超純水のpHと導電率。
有機化合物 | 導電率、µS/cm | 温度(℃) |
ギ酸(4.94%) | 5,500 | 18 |
酢酸(50%) | 740 | 18 |
ラテックス塗料 | 700 | 25 |
水、ニューヨーク市 | 72 | 25 |
コーンシロップ | 16 | 32 |
アセトニトリル | 7 | 20 |
ウォッカ、100プルーフ | 4 | 25 |
イソプロパノール | 3.5 | 25 |
糖溶液、純粋 | 3 | 10 |
ベンジルアルコール | 1.8 | 25 |
メタノール | 0.44 | 18 |
グリコール | 0.30 | 25 |
グリセロール | 0.064 | 25 |
酢酸(99.7%) | 0.040 | 18 |
エタノール | <0.010 | 25 |
オイル:植物、燃料、100%バイオディーゼル | <0.010 | 25 |
塗装、エナメル | <0.010 | 25 |
「総溶解固形物(TDS)」とは、水中に溶解した鉱物、塩類、金属の総量を指します。
飲料水のTDS濃度が高いと、不快な味がします。そのため、多くの国では、飲料水中のTDSに対して推奨最大濃度を設定しています。TDSはまた、河川、湖、池などの流域水源の水質モニタリングにも使用されます。TDSが高い場合は、硬水、汽水または塩水、および/または水の栄養塩負荷を示している可能性があります。硬水は、産業、水槽、温泉施設、プール、逆浸透水処理システムには適していない可能性があります。汽水や塩水は、農業、水栽培、水産養殖には適していない可能性があります。栄養塩負荷は、水域の健全性を損ない、飲料水源としての使用に影響を与える可能性があります。
TDSは通常、重量測定、化学分析、または導電率によって決定されます。
3つの一般的なTDS測定プロトコルのうち、導電率のみが現場試験や連続モニタリングに適しています。さらに、測定がより迅速かつ簡単で、良好な結果を得るためにトレーニングはほとんど必要ありません。
Orion Starポータブル導電率メーター、Versa Star ProまたはOrion Star AベンチメーターをOrion導電率プローブと組み合わせることで、サンプルの推定TDS値をmg/L単位で簡単に測定できます。メーターは自動的に導電率を読み取り、選択したTDS係数を掛けます。データは、メーターのメモリーに自動または手動で保存して、後でダウンロードできます。
ミリジーメンス/cm | マイクロジーメンス/cm | ||||
---|---|---|---|---|---|
温度 (℃) | 111.9 mS/cm導電率標準液(mS/cm) | 12.9 mS/cm導電率標準液(mS/cm) | 1,413 µS/cm導電率標準液(µS/cm) | 147 µS/cm導電率標準液(µS/cm) | 100 µS/cm導電率標準液(µS/cm) |
0 | 65.10 | 7.135 | 776 | 81 | 54 |
1 | 66.84 | 7.344 | 799 | 83 | 56 |
2 | 68.59 | 7.555 | 822 | 86 | 58 |
3 | 70.35 | 7.768 | 846 | 88 | 59 |
4 | 72.12 | 7.983 | 870 | 91 | 61 |
5 | 73.91 | 8.200 | 894 | 93 | 63 |
6 | 75.70 | 8.418 | 918 | 96 | 64 |
7 | 77.50 | 8.638 | 943 | 98 | 66 |
8 | 79.32 | 8.860 | 968 | 101 | 68 |
9 | 81.15 | 9.084 | 992 | 103 | 70 |
10 | 82.98 | 9.309 | 1,017 | 106 | 72 |
11 | 84.83 | 9.535 | 1,043 | 108 | 73 |
12 | 86.69 | 9.763 | 1,068 | 111 | 75 |
13 | 88.56 | 9.993 | 1,094 | 114 | 77 |
14 | 90.45 | 10.22 | 1,119 | 116 | 79 |
15 | 92.34 | 10.46 | 1,145 | 119 | 81 |
16 | 94.24 | 10.69 | 1,171 | 122 | 83 |
17 | 96.15 | 10.93 | 1,198 | 125 | 85 |
18 | 98.08 | 11.16 | 1,224 | 127 | 87 |
19 | 100.0 | 11.40 | 1,251 | 130 | 88 |
20 | 102.0 | 11.64 | 1,277 | 133 | 90 |
21 | 103.9 | 11.88 | 1,304 | 136 | 92 |
22 | 105.9 | 12.12 | 1,331 | 138 | 94 |
23 | 107.9 | 12.36 | 1,358 | 141 | 96 |
24 | 109.9 | 12.61 | 1,386 | 144 | 98 |
25 | 111.9 | 12.85 | 1,413 | 147 | 100 |
26 | 113.9 | 13.10 | 1,441 | 150 | 102 |
27 | 115.9 | 13.35 | 1,468 | 153 | 104 |
28 | 117.9 | 13.59 | 1,496 | 156 | 106 |
29 | 120.0 | 13.84 | 1,524 | 159 | 108 |
30 | 122.0 | 14.09 | 1,552 | 161 | 110 |
31 | 124.1 | 14.34 | 1,580 | 164 | 112 |
32 | 126.2 | 14.59 | 1,608 | 167 | 114 |
33 | 128.3 | 14.85 | 1,636 | 170 | 117 |
34 | 130.4 | 15.10 | 1,665 | 173 | 119 |
35 | 132.5 | 15.35 | 1,693 | 176 | 121 |
36 | 134.6 | 15.61 | 1,722 | 179 | 123 |
37 | 136.7 | 15.86 | 1,751 | 182 | 125 |
38 | 138.9 | 16.12 | 1,780 | 185 | 127 |
39 | 141.0 | 16.37 | 1,808 | 188 | 129 |
40 | 143.2 | 16.63 | 1,837 | 191 | 131 |
41 | 145.4 | 16.89 | 1,866 | 194 | 134 |
42 | 147.6 | 17.15 | 1,896 | 197 | 136 |
43 | 149.8 | 17.40 | 1,925 | 200 | 138 |
44 | 152.0 | 17.66 | 1,954 | 203 | 140 |
45 | 154.2 | 17.92 | 1,983 | 206 | 142 |
46 | 156.4 | 18.18 | 2,013 | 209 | 145 |
47 | 158.7 | 18.44 | 2,042 | 212 | 147 |
48 | 160.9 | 18.70 | 2,071 | 215 | 149 |
49 | 163.2 | 18.96 | 2,101 | 219 | 151 |
50 | 165.4 | 19.22 | 2,130 | 222 | 154 |
導電率は、感度が高く測定が容易なため、海水の塩分濃度を測定するためにもっとも一般的に使用される方法と言われています。実用塩分スケールが海洋学者らに採用された際、彼らは塩分濃度を次のように定義しました:塩分濃度35の海水(S = 35)は、15℃および1気圧において、1 kgの溶液中に塩化カリウム32.4356グラムを含む溶液と、導電率比が1である。この塩分濃度の値は、海水サンプルの広範な測定によって求められました。したがって、実用塩分濃度の測定値は、標準的な塩化カリウム(KCl)溶液に基づく相対値です。
塩分濃度は比率であるため、測定値は無次元で、単位はありません。ただし、塩分濃度は一般的に、「実用塩分単位」または「psu(practical salinity unit)」として知られる単位、または従来の「千分率」または「ppt(parts per thousand)」単位で報告されます。
適切に校正されている場合、導電率プローブとメーターを使用して、海水や汽水域水中の塩分濃度を測定できます。塩水や灌漑用水などの塩分を含む溶液は、TDSモードを使用することでより良好に測定できます。Orion導電率メーターは、一般に認められている規則に従って15℃に補正された海洋方程式を使用して、自動的に塩分濃度を計算します。温度センサーが内蔵されたOrion導電率プローブと、Orion Star AポータブルメーターやOrion Versa Star Proベンチメーターなどの導電率メーターを使用する場合、塩分濃度は、ユーザーの好みに応じて、実用塩分単位(psu)または千分率(ppt)として報告されます。
導電率測定は、一般的に単純で簡単に行えるものですが、ミスによって生成されるデータの妥当性に影響を与える可能性があります。もっとも一般的な測定ミスを理解して回避することで、正確で再現性のある測定値へと導くのに役立ちます。
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