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ProcartaPlex マルチプレックスイムノアッセイパネルで炎症のバイオマーカーを測定できます。一つのサンプルから最高 65 の溶解性免疫バイオマーカーを同時に定量できます。事前構成されたケモカインおよびサイトカインパネルを使用するか、シングルターゲットから選択してカスタムパネルを作成し、炎症反応を検出および定量できます。
炎症は免疫反応の一部として、ウイルス、細菌、真菌、その他の寄生生物などの病原体から体を守る上で重要な役割を果たします。しかし、炎症プロセスの不適切な活性化は多くの一般的病状の潜在的な原因になります。たとえば自己免疫症状は、私たちの免疫系が自身の細胞または組織を病原体として誤認し、それらを攻撃する際に起こります。さらに、がんの増殖や転移は、炎症性サイトカインが、がんの進行を導くようなマイクロ環境を作り出す際に起こることが研究によって示されています。
急性の炎症は短期間の反応で、白血球、赤血球、および血しょう成分が傷害組織へ溢出することが特徴です。急性の炎症で対処できなかった場合、そのプロセスは慢性の炎症に進行する場合があります。慢性炎症は急性炎症とは異なり、リンパ球やマクロファージによる組織浸潤が特徴です。慢性炎症はアレルギー、アテローム性動脈硬化症、がん、関節炎、およびアルツハイマー病、その他自動免疫疾患と密接に関係しています。急性炎症のプロセスは解明されていますが、慢性炎症の原因や関連する分子経路および細胞経路はまだ完全には理解されていません。
炎症反応の全体的な影響は、炎症性および抗炎症性仲介物質のバランスに影響されます。炎症性サイトカイン、たとえば IL-1β、IL-6、および TNFα は初期応答に関わっており、炎症反応を増幅させます。一方、IL-4、IL-10、IL-13 を含む抗炎症性サイトカインは、炎症反応を抑制するという点で反対の影響を与えます。炎症性および抗炎症性サイトカインおよびケモカインのネットワークは非常に複雑であるため、個別に調べるより、関連する機能グループの中で調べることが重要です。
通常の免疫反応には、排除される病原体の種類によってリンパ球の分化を調整するサイトカインの産生が関与します。感染が解消すると、最終的に免疫系は自己調整し、停止します。しかし、免疫反応が停止せず、宿主細胞に体系的な傷害を引き起こす免疫性サイトカインの過剰産生が起こる場合があります。
いわゆるサイトカインストーム、またはサイトカイン放出症候群(cytokine release syndrome;CRS)は、攻撃的な炎症反応とともに不十分な抗炎症反応により特徴付けられ、免疫反応の恒常性喪失につながります。サイトカインストームの経過で特定されている重要な要因には TNFα、インターフェロン、IL-1β、MCP-1(CCL2)、そしてもっとも重要な IL-6 があります1。
主に T 細胞の活性化や免疫性細胞の分解は IFNγまたは TNFα の放出を誘導します。これは、マクロファージ、樹状細胞、その他の免疫性細胞、および内皮細胞の活性化につながります。活性化後、これらの細胞はさらに亢炎症性サイトカインを放出します。大量のインターロイキン 6(IL-6)が)がマクロファージおよび上皮細胞により産生され、T 細胞や他の免疫細胞を活性化し、サイトカインストームを引き起こす正のフィードバックループを作り出します。これにより、さらに多くのサイトカインやケモカインを放出するだけでなく、急性期のタンパク質を上方調整します。その結果起こるサイトカインストーム症候群は不均一ですが、一般的に上述のような免疫異常調整があり、過剰炎症、熱、血球減少、脾腫、肝炎、凝血を引き起こし、致命的な多臓器機能不全につながる可能性があります。
過剰反応免疫系に関連した感染症は、さまざまな病原体、たとえば細菌(毒素性ショック症候群(TSS))やウイルス(インフルエンザ、エプスタイン・バーウイルス、SARS および SARS COV-2)などにより起こります。さらに、サイトカインストームは、がんの免疫療法や CAR-T 細胞療法などの治療環境でも観察されています。治療用モノクローナル抗体による患者の治療は大量のサイトカイン放出を刺激し、免疫療法の致命的副作用を引き起こす可能性があります2。有機性汚染物質への曝露は過剰な免疫反応を引き起こす可能性があることが、最近 Cheng らにより観察されました。多環芳香族炭化水素への曝露が、サイトカインストームと関係している血清サイトカインレベルの増加と関連付けられました3。
標的 | タイプ | サイトカイン放出症候群(RS)に関連した役割 |
---|---|---|
G-CSF(CSF-3) | サイトカイン(コロニー刺激因子) | CRS、sHLH および重症 COVID-19 に関連するサイトカインプロファイル |
GM-CSF | サイトカイン(コロニー刺激因子) | CRS 中に放出される炎症性サイトカイン、4、IL-6 を刺激5 |
IFNα | サイトカイン(インテーフェロン)、炎症性 | CRS における重要因子、ウイルスに対する先天免疫 |
IFNγ | サイトカイン(インテーフェロン)、炎症性 | CRS の重要な仲介物質、SARS 患者で観察6、COVID-19 の影響を予測するためのマーカー候補、治療ターゲット候補7 |
IL-1β | サイトカイン、炎症性 | CRS で中心的な役割、COVID-19 の潜在的なターゲットと考えられる7 |
IL-2 | サイトカイン、炎症性 | CRS 中に放出4、IL-6 を刺激5 |
IL-4 | サイトカイン、抗炎症性 | 免疫反応の恒常性に重要、IL-6 を刺激5 |
IL-5 | サイトカイン | 敗血症の主なバイオマーカー、CRS に関与し、インフルエンザ誘導性 CRS で役割8 |
IL-6 | サイトカイン、炎症性 | CRS の重要な仲介物質、治療のターゲット候補、CRS による肺の重症炎症患者にとって利点となる可能性のある IL-6 の阻害、COVID-19 の ICU vs 非 ICU 患者の血しょう中レベルの増加9 |
IL-8(CXCL8) | サイトカイン(CXC タイプ)、炎症性 | SARS 患者の CRS6、さまざまな免疫細胞の化学誘引物質 |
IL-10 | サイトカイン、抗炎症性 | 免疫反応の恒常性に重要、IL-6 を刺激5 |
IL-12p70 | サイトカイン、炎症性 | CRS で役割 |
IL-13 | サイトカイン、免疫調節 | NK 細胞により分泌、MAS で役割10 |
IL-17A(CTLA-8) | サイトカイン、炎症性 | TSS により誘発される CRS で役割11、PAH 曝露に関連したサイトカインストームで増加3 |
IL-18 | サイトカイン、炎症性 | SARS 患者の CRS に関与6 |
IP-10(CXCL10) | ケモカイン(CXC タイプ) | sHLH および COVID-19 の重症度に関連した CRS12、ICU vs 非 ICU 患者の血しょう中レベルの増加9 |
MCP-1(CCL2) | ケモカイン( CC タイプ) | CRS で中心的な役割、sHLH と関連;SARS 患者9の CRS および COVID-19 の重症度12、ICU vs 非 ICU 患者の血しょう中レベルの増加9 |
MIP-1α(CCL3) | ケモカイン( CC タイプ) | sHLH および COVID-19 の重症度に関連したサイトカインプロファイル12;ICU vs 非 ICU 患者の血しょう中レベルの増加9、COVID-19 の疾患重症度/影響を予測するためのマーカー候補 |
MIP-1β(CCL4) | ケモカイン( CC タイプ) | 敗血症および CRS の全般的なバイオマーカー |
TNFα | 腫瘍壊死因子 | CRS で中心的役割、CRS による肺の重症炎症患者にとって利点となる可能性のある TNFα の阻害、ICU vs 非 ICU 患者の血しょう中レベルの増加9 |
TNFβ | 腫瘍壊死因子 | SARS 患者の CRS6、STSS につながる超抗原への TNF 優位的反応で役割13 |
略語–COVID-19:コロナウイルス 2019、ICU:集中治療室、MAS:マクロファージ活性化症候群、PAH:多環式芳香族炭化水素、sHLH:二次性血球貪食性リンパ組織症、SARS:重症急性呼吸器症候群、STSS:連鎖球菌毒素性ショック症候群 |
サイトカインストームの誘導には多くの異なる要因や病因条件があり、サイトカイン放出に関与しているすべての症候群が同じ病原性サイトカインプロファイルになるわけではないため、より広域パネルの免疫調整マーカーレベルを解析し、患者の免疫状態の全容を得ることが非常に有益です。より広いバイオマーカーセットを研究する際には、当社は以下の ProcartaPlex 事前構成パネルを推奨します:
パネル名 | 製品番号 | 分析対象 |
---|---|---|
ヒトサイトカインアッセイ | ||
Immune Monitoring 65-Plex Human ProcartaPlex Panel | EPX650-10065-901 | APRIL、BAFF、BLC(CXCL13)、CD30、CD40L、ENA-78(CXCL5)、Eotaxin(CCL11)、Eotaxin-2(CCL24)、Eotaxin-3(CCL26)、FGF-2、Fractalkine(CX3CL1)、G-CSF(CSF-3)、GM-CSF、GROα(CXCL1)、HGF、IFNα、IFNγ、IL-10、IL-12p70、IL-13、IL-15、IL-16、IL-17A(CTLA-8)、IL-18、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-20、IL-21、IL-22、IL-23、IL-27、IL-2R、IL-3、IL-31、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8(CXCL8)、IL-9、IP-10(CXCL10)、I-TAC(CXCL11)、LIF、MCP-1(CCL2)、MCP-2(CCL8)、MCP-3(CCL7)、M-CSF、MDC、MIF、MIG(CXCL9)、MIP-1α(CCL3)、MIP-1β(CCL4)、MIP-3α(CCL20)、MMP-1,NGFβ、SCF、SDF-1α、TNFβ、TNFα、TNF-RII、TRAIL、TSLP、TWEAK、VEGF-A |
Cytokine/Chemokine/Growth Factor Convenience 45-Plex Human ProcartaPlex Panel 1 | EPXR450-12171-901 | BDNF、EGF、Eotaxin(CCL11)、FGF-2、GM-CSF、GROα(CXCL1)、HGF、IFNγ、IFNα、IL-1RA、IL-1β、IL-1α、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8(CXCL8)、IL-9、IL-10、IL-12p70、IL-13、IL-15、IL-17A(CTLA-8)、IL-18、IL-21、IL-22、IL-23、IL-27、IL-31、IP-10(CXCL10)、LIF、MCP-1(CCL2)、MIP-1α(CCL3)、MIP-1β(CCL4)、NGFβ、PDGF-BB、PlGF-1、RANTES(CCL5)、SCF、SDF-1α、TNFα、TNFβ、VEGF-A、VEGF-D |
Cytokine & Chemokine Convenience 34-Plex Human ProcartaPlex Panel 1A | EPXR340-12167-901 | Eotaxin(CCL11)、GM-CSF、GROα(CXCL1)、IFNα、IFNγ、IL-1β、IL-1α、IL-1RA、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8(CXCL8)、IL-9、IL-10、IL-12p70、IL-13、IL-15、IL-17A(CTLA-8)、IL-18、IL-21、IL-22、IL-23、IL-27、IL-31、IP-10(CXCL10)、MCP-1(CCL2)、MIP-1α(CCL3)、MIP-1β(CCL4)、RANTES(CCL5)、SDF-1α、TNFα、TNFβ |
Inflammation 20-Plex Human ProcartaPlex Panel | EPX200-12185-901 | E-selectin(CD62E)、GM-CSF、ICAM-1、IFNα、IFNγ、IL-1α、IL-1β、IL-4、IL-6、IL-8(CXCL8)、IL-10、IL-12p70、IL-13、IL-17A(CTLA-8)、IP-10(CXCL10)、MCP-1(CCL2)、MIP-1α(CCL3)、MIP-1β(CCL4)、P-Selectin、TNFα |
マウスサイトカインアッセイ | ||
Immune Monitoring 48-Plex Mouse ProcartaPlex Panel | EPX480-20834-901 | BAFF、BTC、ENA-78、Eotaxin(CCL11)、G-CSF、GM-CSF、GROα(CXCL1)、IFNα、IFNγ、IL-10、IL-12p70、IL-13、IL-15、IL-17A、IL-18、IL-19、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-22、IL-23、IL-25(IL-17E)、IL-27、IL-28、IL-2Ra、IL-3、IL-31、IL-33、IL-33R、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-7Ra、IL-9、IP-10(CXCL10)、Leptin、LIF、MCP-1(CCL2)、MCP-3(CCL7)、M-CSF、MIP-1α(CCL3)、MIP-1β(CCL4)、MIP-2α(CXCL2)、RANKL、RANTES、TNFα、VEGF-A |
Cytokine & Chemokine Convenience 36-Plex Mouse ProcartaPlex Panel 1A | EPXR360-26092-901 | BAFF、BTC、ENA-78、Eotaxin(CCL11)、G-CSF、GM-CSF、GROα(CXCL1)、IFNα、IFNγ、IL-10、IL-12p70、IL-13、IL-15、IL-17A、IL-18、IL-19、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-22、IL-23、IL-25(IL-17E)、IL-27、IL-28、IL-2Ra、IL-3、IL-31、IL-33、IL-33R、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-7Ra、IL-9、IP-10(CXCL10)、Leptin、LIF、MCP-1(CCL2)、MCP-3(CCL7)、M-CSF、MIP-1α(CCL3)、MIP-1β(CCL4)、MIP-2α(CXCL2)、RANKL、RANTES、TNFα、VEGF-A |
一つの生物学的サンプルから最高80 の RNA ターゲットをマルチプレクッス可能
さまざまな Luminex 機器をご覧くさい:Invitrogen Luminex Assays と互換性のある MAGPIX、Luminex 200、および FLEXMAP3D モデル。
わずか 1 ~ 5 のサンプルを使用して超低量のタンパク質を検出。
高度に検証された Invitrogen ELISA キットで確実に一つの分析対象を定量。