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エピジェネティクスとは、DNAの一次配列の変化を伴うことなく、DNA複製、RNA転写、タンパク質合成を経た形質発現を変更する、遺伝子発現における遺伝的変化を扱う研究分野です。翻訳後修飾(PTM)は、エピジェネティックな状態を制御するための最も一般的な方法の一つです。多くのタイプのタンパク質がPTMを受けますが、最も高度な修飾を受けやすいタンパク質の一つはヒストンです。
ヒストンは、ゲノムDNA をヌクレオソームにパッケージングすることにより、約2 m の DNA を細胞の核に収納しています。ヌクレオソームは、H2A、H2B、H3、およびH4 のコアとなるヒストン各種1つずつからなるサブユニット2つに加え、一般にリンカーヒストンと呼ばれる、ヒストン H1 を含む構造を持ちます。ヒストンにおいて最も一般的な PTM は、メチル化、アセチル化、リン酸化、およびユビキチン化です。
弊社では、大部分のヒストン修飾に特異的な抗体を提供しています。他のエピジェネティック因子および転写因子を検出するための抗体も数百種類 取り揃えています。エピジェネティック研究用に増加している当社の抗体は Invitrogen Abfinity 抗体技術を使って開発されており、組換えウサギモノクローナルおよびオリゴクローナル抗体を作製しています。ABfinity 抗体は、細胞株ドリフトやロット間変動の恐れがないため、極めて高い特異性および性能を示します。
ページ上部にある検索ツールを使用して目的の抗体をお探しください。このツールでは、標的または宿主種、モノクローナルまたはポリクローナルの抗体タイプ、およびその他の基準で検索結果をフィルターできます。
弊社の拡大を続ける、従来の抗体および組換え抗体のポートフォリオは、特定の翻訳後修飾に対する並外れた特異性およびロット間の一貫性による再現性をもって、エピジェネティックターゲットの検出およびキャラクタリゼーションを可能とするように設計されています。
H3K9me3 抗体の 3 つのロット間で変動なし。検出用に固定および透過処理した HeLa 細胞に、三つの異なるロットのヒストン H3K9me3 Abfinity™ 組換えウサギオリゴクローナル抗体(製品番号 710816、0.5 mg/mL)、続いてヤギ抗ウサギ IgG (H+L) Superclonal™ 二次抗体、Alexa Fluor™ 488 コンジュゲート(製品番号 A27034、0.4 µg/mL、希釈 1:2,500)を使用して免疫蛍光分析を行いました。左のパネルは、抗体標識したヒストンH3K9me3 タンパク質の核の局在(緑色)を示します。中央のパネルは、SlowFade™ Gold Antifade Mountant with DAPI(製品番号 S36938, 1:50 希釈)による核染色(青色)を示します。右のパネルは、Alexa Fluor™ 594 Phalloidin(製品番号 A12381, 1:200 希釈)を用いた細胞骨格 F-アクチン染色(赤色)をプラスした重ね合わせ画像を示します。これらのデータは、この ABfinity 抗体によるヒストン H3K9me3 の検出における優れたロット間一貫性を示しています。
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC) 阻害剤で処理した細胞における H3K18ac の検出。ブロット結果の一番下に示すように、細胞を酪酸ナトリウム(5 mM 24 時間)または SAHA(0.5 µM 24 時間)で処理し、H3K18ac のウェスタンブロット解析を実施しました。HeLa、HCT116、Jurkat、および K562 細胞由来の核濃縮された細胞抽出物を指示通りに処理して調製し、抽出物の 30 µg をXCell SureLock™ Electrophoresis System(製品番号 EI0002)上の NuPAGE™ 4–12% Bis-Tris Gel(製品番号 NP0321BOX)で、Novex™ Sharp Pre-Stained Protein Standard(製造番号 LC5800)とともにランしました。その後、分離したタンパク質を iBlot™ Dry Blotting System(製品番号 IB21001)を使用して、ニトロセルロースメンブレンへ転写しました。このブロットは、抗ヒストン H3K18ac ウサギポリクローナル抗体(製品番号 720095)をプローブとし、ヤギ抗ウサギ IgG (H+L) Superclonal™ 二次抗体、HRP コンジュゲート(製品番号 A27036)を使用した後に化学発光法で検出しました。各種細胞株において、17 kDa に相当する位置に、ヒストン H3K18ac に対応する明瞭なバンドが観察されました。ブロットは、ローディングコントロールとして β-チューブリン抗体(製品番号 32-2600)で再プローブしました。
ヒストン上のメチル化、アセチル化、リン酸化およびユビキチン化のマークは、遺伝子発現における重要なプレイヤーです。これらのマークは、クロマチンの開口およびコンパクションのためのシグナル、ならびに転写を促進および拮抗する動員因子として機能します。
エピジェネティクスに関与する、ヒストン翻訳後修飾の重要な部位
各修飾が遺伝子発現のための独自のシグナルを示すため、それぞれのヒストン修飾に特異的な抗体を使用することは必要不可欠です。例えば、H3 上の Lys9 はアセチル化またはメチル化される可能性があります。アセチル化は活性化のマークです。また、メチル化はメチル基の数によって異なるシグナルを持ちます。H3K9me1 は転写開始部位に多くみられるのに対し、H3K9me2 と H3K9me3 は遺伝子抑制に関与します。さらに、H3K9me2 はX染色体の不活性化に特異的に関与しています。そのため、H3K9 上のそれぞれの修飾は細胞に対し異なる影響を持ち、修飾の独自性について知ることは発現について正確に特性決定するために重要です。
H3K9me2 抗体は、Lys9 のジメチル化を特異的に認識。ジメチルヒストン H3 Lys9(ヒストン H3K9me2)に対する特異性を示す交差反応 ELISA を、ヒストン H3K9me2 Abfinity™ 組換えウサギモノクローナル抗体(製品番号 701783)を使用して行いました。抗原(H3K9me1、H3K9me2、H3K9me3、およびH3K9 Nme)は 0.004 µg/mL でコーティングしました。抗体は 10、2.5、0.625、および0.156 µg/mL で添加し、ヤギ抗ウサギ IgG (H+L) 二次抗体、HRP コンジュゲート(製品番号 G-21234、希釈 1:5,000)を使用して信号を検出しました。プレートは、Stabilized Chromogen、TMB(製品番号 Sb02)を用いて発色させ、488 nm の吸光度を検出しました。
ヒストン修飾に対する抗体は、特異的かつ高感度である必要があります。H3K4me1 を例に取ると、H3K4me1 抗体はH3 の Lys4 上の単一メチル基のみを認識し、ジメチル化やトリメチル化には関与しないものである必要があります。弊社の ChIP-validated H3K4me1 抗体は、単一修飾に対し高い特異性を持ち、ペプチドアレイでの試験において全般的に2つの競合他社製品の抗体よりも高いシグナルが得られました(図を参照)。この抗体の特異性については、生物学的環境でも試験されています。SETD7 は、H3 を Lys4 でメチル化します。PFI-2 は、SETD7 の強力な阻害剤です。弊社では、この抗体を使用して、PFI-2 で処理した細胞の核ライセートにおける H3K4me1 の減少を検出することができました(図を参照)。この組換えオリゴクローナル抗体は、WB、フローサイトメトリー、IHC、IF、およびChIPなどの多くのアプリケーションで機能することが示されています。
優れたペプチド特異性を用いたヒストン H3K4me1 検出。ペプチドアレイは、ABfinity™ 組換えウサギオリゴクローナル抗体(製品番号 710795)および H3K4me1 をターゲットとする 2 種類の他社抗体を用いて行いました。アレイは、1:2,000 希釈した一次抗体とともに一晩インキュベーションしました。洗浄後、それらのアレイを 1:5,000 で希釈したヤギ抗ウサギ IgG (H+L) Superclonal™ 二次抗体(製品番号 A27036)で 1 時間インキュベーションしました。アレイは、 SuperSignal™ West Pico substrate(製品番号 34078)とともにインキュベーションした後、myECL™ Imager(製品番号 62236)を用いて可視化しました。
H3K4me1 オリゴクローナル抗体(製品番号 710795 を用いた、PFI-2 処理した細胞における H3K4me1 減少の同定。HeLa 細胞は、図に示しているように、さまざまな濃度の SETD7 阻害剤 (PFI-2) で2時間処理しました。細胞を回収し、クロマチン-結合核抽出物を調製しました。H3K4me1 のウェスタンブロット解析(上のパネル)は、還元サンプルバッファー(製品番号 39000)中の 10 µg の酸クロマチン-結合核抽出物とタンパク質ラダー(製品番号 26619)を 4–20% Tris-glycine polyacrylamide gel(製品番号 WT4201BX10)にロードし実施しました。タンパク質は、セミドライ式ブロッタ(製品番号 6228)を使用し、Pierce™ 1-Step Transfer Buffer(製品番号 84731)でニトロセルロースメンブレン(製品番号 88018)に転写しました。メンブレンは、StartingBlock™ T20(製品番号 37543)にて、室温で 30 分、ブロッキングしました。
(図のキャプションの続き)メンブレンを、StartingBlock T20 で 1:2,000 で希釈したヒストン H3K4me1 Abfinity™ 組換えウサギオリゴクローナル抗体(製品番号 710795)を用いてロッキングプラットフォーム上で 4 °C で一晩プローブした後、1:5,000 で希釈したヤギ抗ウサギ Superclonal™ IgG-HRP 二次抗体(製品番号 A27036)で 1 時間反応させ、約 17 kDa で検出されました。化学発光検出は、SuperSignal™ West Pico substrate(製品番号 34078)および myECL Imager(製品番号 62236)を用いて実施しました。ローディングコントロール(下のパネル)については、ブロットを Restore™ PLUS Western Blot Stripping Buffer(製品番号 46430)でストリッピングした後、ロッキングプラットフォーム上で、StartingBlock T20 で 1:2,000 で希釈したヒストン H3 Abfinity™ オリゴクローナル抗体(製品番号 711055)で 4 °C で一晩再プローブし、1:5,000 で希釈したヤギ抗ウサギ Superclonal™ IgG-HRP 二次抗体(製品番号 A27036)で 1 時間反応させて行いました。
エピジェネティック制御は動的で、ライター、イレイサ―、およびリーダーと呼ばれるタンパク質が関わっています。ライターは、ヒストンや他のタンパク質上の特定のアミノ酸に修飾を付加します。これには、ヒストンアシルトランスフェラーゼ(HAT)、ヒストンメチルトランスフェラーゼ(HMT)、タンパク質アルギンメチルトランスフェラーゼ(PRMT)、およびキナーゼが含まれます。イレイサ―は、付加された修飾を除去します。これには、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)、リジン脱メチル化酵素(KDMs)、およびホスファターゼが含まれます。リーダーは、エピジェネティックマークに結合します。これには、ブロモドメイン、クロモドメイン、および Tudor ドメインが含まれます。これらの翻訳後マークの書き込み、読み取り、および消去は、クロマチン構造の変化をもたらし、それにより遺伝子発現が促進あるいは抑制されます。この高度に動的なプロセスは、転写、DNA 複製、および DNA 修飾を制御します。これらのタンパク質をコードする遺伝子の変異は、疾患に関与します。
弊社では、これらのライター、リーダー、およびイレイサ―のターゲットの大部分を検出する抗体を提供しています。これらの抗体は、ウェスタンブロット IF、IHC、IP、フローサイトメトリー、および ChIP などの多くのアプリケーションで機能することが示されています。
ライター、リーダー、およびイレイサ―は、クロマチン構造に動的に関与し、遺伝子発現を制御。MacMillan Publishers Ltd の許可を得て、Nature Reviews Drug Discovery 13, 673–691 (2014) より転載。Http://www.nature.com/nrd/index.html をご覧ください。
パラフィン包埋したマウス脳組織(右)の核における CBX5 の免疫組織化学染色の、一次抗体不使用の陰性対照(左)との比較。標的タンパク質を露出させるため、10 mM のクエン酸ナトリウム(pH 6.0)を使用し、電子レンジで 8 ~ 15 分加熱して抗原を回復しました。抗原回復後、組織を 3 % H2O2-メタノール中で 15 分間室温でブロッキングし、ddH2O および PBS で洗浄した後、3% BSA-PBS で 1:100 で希釈した CBX5 モノクローナル抗体(製品番号 730019)で 4 °C で一晩、加湿チャンバーにてプローブしました。組織を PBST でしっかり洗浄し、HRP 標識二次抗体に続いて、DAB キットを使用し比色検出しました。組織は、ヘマトキシリンで対比染色し、エタノール脱水およびキシレン処理を行い、マウント用に調製しました。
70% コンフルエントの対数期の MCF-7 細胞における PRMT5 の免疫蛍光分析。細胞は、4% パラホルムアルデヒドで 10 分間固定し、0.1% Triton™ X-100 で 10 分間透過処理した後、1% BSA で室温で1時間ブロッキングしました。細胞は、2 µg/mL の 0.1% BSA で PRMT5 マウスモノクローナル抗体(製品番号 730054)で標識し、室温で 3 時間インキュベーションした後、1:2,000 で希釈したヤギ抗マウス IgG (H+L) Superclonal™ 二次抗体、Alexa Fluor™ 488コンジュゲート(製品No. A28175)で室温で 45 分間標識しました(緑色、パネル A)。核(青色、パネルB)は、SlowFade™ Gold Antifade Mountant with DAPI(製品番号 S36938)で染色しました。F-アクチン(赤色、パネルC)は、 Alexa Fluor™ 555 Rhodamine Phalloidin(製品番号 R415, 1:300 希釈)で染色しました。パネル D は、細胞質内局在の重ね合わせ画像です。パネル E は、一次抗体不使用のコントロールです。画像は、60 倍の倍率で撮影しました。
HDAC3 のクロマチン免疫沈降解析実験は、0、15、30 分間血清で処理した 1 x 106 個の HCT116 結腸がん細胞由来の架橋クロマチンを用いて実施しました。免疫沈降は、マルチプレックスマイクロプレート Matrix ChIP アッセイ(Matrix ChIP プロトコル参照: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22098709)を、100 µL のウェルボリュームあたり 1.0µL の HDAC3 ポリクローナル抗体(製品番号 PA1-862)で行いました。ChIP プルダウンにつき ~ 1 x 105 個の細胞からのクロマチン分割量が使用されました。定量 PCR データは、Egr1 遺伝子ならびに、Egr1 のエクソン 1 およびエクソン 2 の 15 kb 上流を増幅させるためのプライマーを用いた、2 µL の SYBR リアルタイム PCR 反応における 1 µL の溶出 DNA を用いて、4 通り取得しました。剪断した全ゲノム DNA の希釈系列を用いて、各プライマーペア用のPCR 検量線を作成しました。免疫沈降したクロマチンの定量は、インプットクロマチンの全量に対し相対的なシグナルとして示されます。3 つの実験の結果を平均 ± SEM で表しています。Egr-1 遺伝子座の模式図を左上に示しました。ここで、ボックスはエクソン(ブラックボックス = 翻訳領域、ホワイトボックス = 非翻訳領域)、波線はイントロンを示し、直線は上流配列を示します。Egr-1 プライマーによって増幅された領域は、黒線で示されています。データ提供: Antibody Data Exchange Program。
ヒストン | 修飾部位 | 修飾基 | ライター | イレイサ― | リーダー |
---|---|---|---|---|---|
H1 | K26 | me | EZH2 | L3MBTL1 | |
H1 | S27 | ph | |||
H2A | S1 | ph | MSK1, PKC | ||
H2A | R3 | me | PRMT6 | ||
H2A | K5 | ac | Tip60, p300, CBP, KAT1, KAT5 | ||
H2A | R11 | me | PRMT1, PRMT6 | ||
H2A | R29 | me | PRMT1, PRMT6 | ||
H2A | K119 | ub | Ring2, Ring1A | ||
H2A | T120 | ph | Bub1, VprBP, NHK-1 | ||
H2A.X | S139 | ph | ATM, ATR, DNA-PK | PP4 | MDC1, MDC1, NBS1, 53BP1, TDRr, BRCA1 |
H2A.X | T142 | ph | WSTF | EYA1/3 | APBB1 |
H2B | K5 | ac | p300, ATF2 | ||
H2B | K12 | ac | p300, CBP, ATF2 | ||
H2B | S14 | ph | Mst1 | ||
H2B | K15 | ac | p300, CBP, ATF2 | ||
H2B | K20 | ac | p300 | ||
H2B | S33 | ph | TAF1 | ||
H2B | S36 | ph | AMPK | ||
H2B | K120 | ub | UBE2E1, RNF20, RNF40, UBE2A, UBE2B | ||
H3 | R2 | me | PRMT4, PRMT6 | JMJD6 | |
H3 | T3 | ph | Haspin, Vrk1 | Survivin | |
H3 | K4 | ac | SIRT1, SIRT2, SIRT3, HDAC1, HDAC2, HDAC3 | ||
H3 | K4 | me | MLL1, MLL2, MLL3, MLL4, MLL5, SETD1A, SETD1B, ASH1, SETD7, NSD3 | LSD1, LSD2, KDM2B, JARID1A, JARID1B, JARID1C, JARID1D, PHF8, NO66 | CHD1, MRG15, PHF20L1, TAF3, ING1, ING2, ING3, ING4, ING5, BPTF, RAG2, ATRX |
H3 | T6 | ph | PKC beta | ||
H3 | R8 | me | PRMT5 | ||
H3 | K9 | ac | GCN5, PCAF, ELP3 | SIRT6, SIRT1 | BRD4, BAZ1B |
H3 | K9 | me | Suv39H1, SUV39H2, G9a, SETDB1, Ash1, KMT1D, CLL8, RIZ1 | LSD1, KMD3A, KMD3B, KMD4A, KMD4B, KMD4C, KMD4D, TRIP8, PHF8 | L3MBTL1, Tip60, SFMBT, HP1, CDY1, PC1, MPP8, CBX1, CBX2, CBX3, CBX4, CBX5, CBX6, CBX7, CBX8, Np95, JARID1C, ATRX |
H3 | S10 | ph | Aurora-B, MSK1, IKK-alpha, Snf1, MSK2, Pim1 | PPF | 14-3-3 |
H3 | T11 | ph | Dlk/Zip | ||
H3 | K14 | ac | GCN5, PCAF, CBP, p300, Tip60, SRC-1, Elp3, KAT12, TAF1, MOZ, MORF | BRD4, BAZ1B, BRG1 | |
H3 | R17 | me | PRMT4 | TDRD3 | |
H3 | K18 | ac | GCN5, p300, CBP, PCAF, KAT12 | ||
H3 | K23 | ac | GCN5, Sas3, p300, CBP, KAT3A, KAT3B | ||
H3 | R26 | me | PRMT4 | ||
H3 | K27 | ac | GCN5, p300, CBP | ||
H3 | K27 | me | EZH2, G9a, EZH1, NSD3 | UTX, JMJD3, PHF8 | PC1, CBX2, CBX4, CBX6, CBX7, CBX8, EED |
H3 | S28 | ph | Aurora-B, MSK1, MSK2 | 14-3-3 | |
H3 | K36 | ac | GCN5, PCAF | ||
H3 | K36 | me | SETD2, NSD1, SMYD2, NSD2, ASH1, SETMAR | KDM2A, KDM2B, KDM4A, KDM4B, KDM4C, NO66 | MSL3, MRG15, BRPF1, PHF19, PHF1 |
H3 | Y41 | ph | JAK2 | ||
H3 | R42 | me | CARM1 | ||
H3 | Y45 | ph | PKC-delta | ||
H3 | K56 | ac | GCN5, CBP, p300 | HDAC1, HDAC2, SIRT2, SIRT6 | |
H3 | K79 | me | Dot1 | ||
H4 | S1 | ph | CKII | ||
H4 | R3 | me | PRMT 1, PRMT5, PRMT6 | JMJD6 | TDRD3 |
H4 | K5 | ac | Hat1, Tip60, ATF2, p300, CBP, HBO1 | BRD4 | |
H4 | K8 | ac | GCN5, Tip60, ATF2, Elp3, p300, CBP, HBO1 | BRD2, BRD4 | |
H4 | K12 | ac | Hat1, Tip60, p300, CBP | BRD2, BRD4 | |
H4 | K16 | ac | Gcn15, MOF, Tip60, ATF2 | SIRT2, SIRT1 | |
H4 | K20 | me | PR-SET7, SUV4-20H1, SUV20-H2, ASH1, NSD1, SETD8 | PHF20L1, L3MBTL1, SFMBT, MBTD1, 53BP1 | |
H4 | K91 | ac | HAT4, GCN5 | ||
H4 | K91 | ub | DTXL3 |
ポリコーム群(PcG)タンパク質は、ポリコーム抑制複合体(PRC1 および PRC2)として機能します。PRC 複合体は、ヒストンや他のタンパク質を修飾し、一般的に遺伝子発現のサイレンシングに関与しています。これらの複合体は、転写のエピジェネティック制御だけでなく、幹細胞の同定、分化、および疾患においても重要な役割を果たします。PRC1 と PRC2 の相互作用は動的です。すなわち、PRC2 はクロマチンに動員され、その構成要素の一つである EZH2 は H3 上のLys27 をトリメチル化し、転写を抑制化します。CBX タンパク質は、PRC1 を形成する構成要素で、H3K27me3 を修飾するために動員されます。PRC1 における RING タンパク質は、E3 ユビキチンリガーゼとして機能し、発生中の重要なサイレンシングマークである H2A 上の Lys119 をユビキチン化します。
ポリコーム抑制複合体(PRC1 および PRC2)の機能
抗ヒストン H2A-Ub ウサギポリクローナル抗体を用いた、内在性ヒストン H2A-Ub タンパク質の濃縮クロマチン免疫沈降(ChIP)は、抗ヒストン H2A-Ub ウサギポリクローナル抗体(製品番号 720148、3 µg)を 2 x 106 個の HeLa 細胞の剪断したクロマチンに対し、MAGnify™ クロマチン免疫沈降システム(製品番号 49-2024)を用いて実施しました。正常ウサギ IgG(1 µg)をネガティブ IP コントロールとして使用しました。精製 DNA は Applied Biosystems™ 7500 Fast Real-Time PCR System (製品番号 4351106) を用いて、ポジティブコントロールターゲットとして用いた不活性な SAT2 サテライト反復領域用に最適化された PCR プライマーペアと、陰性対照ターゲットとしての活性のある cFOS(FOS)β-アクチン(ACTB)領域のプロモーターを使用して解析しました。比較 Ct 法を用いて陰性対照 IgG と比較した抗体シグナルの fold enrichment として結果を示しています。
HCT 116 細胞上の EZH2 のフローサイトメトリー解析。細胞は、70% エタノールで 10 分固定し、0.25% Triton™ X-100 で 20 分透過処理した後、5% BSA で室温で 30 分間ブロッキングしました。細胞は、EZH2 ウサギポリクローナル抗体(製品番号 36-6300、赤いヒストグラム)またはウサギ同位体コントロール(ピンクのヒストグラム)を使って 2.5% BSA 中の 106 個の細胞当たり 3 ~ 5 µg で標識されました。室温で 2 時間インキュベーションした後、細胞を 1:400 で希釈したヤギ抗ウサギ二次抗体、Alexa Fluor™ 488コンジュゲート(製品番号 A-11008)と室温で 30 分間標識しました。代表的な10,000 細胞を取得し、各サンプルを Applied Biosystems™ Attune™ Acoustic Focusing Cytometer を用いて解析しました。紫色のヒストグラムは未染色のコントロール細胞、緑色のヒストグラムは一次抗体処理なしのコントロールを示しています。
転写因子は、DNA 上の特異的な配列を認識し、結合します。転写因子は、RNA ポリメラーゼの動員の変化によって、遺伝子発現を活性化または抑制します。そのような因子は、単独で機能するか、複合体として結合します。非修飾タンパク質に結合する因子もあれば、結合するためにリン酸化などの修飾を必要とする因子もあります。基本的な転写因子もあれば、環境シグナルや細胞内シグナルに反応する転写因子もあります。発生や分化の間、必要不可欠な因子もあります。転写因子は発病にも関与し、このタイプの転写因子には がん遺伝子と腫瘍抑制因子が含まれます。
NF-κ-B(p65)のウェスタンブロット解析本実験は、20 µg の HeLa、A549、A431、K562、Jurkat、HEK-293、および MDA-MB-231 細胞ライセートを、XCell SureLock™ 電気泳動装置(製品番号 EI0002)を用いて、NuPAGE™ 4–12 % Bis-Tris gel(製品番号 NP0321BOX)上で Novex™ Sharp Pre-stained タンパク質基準(製品番号 LC5800)とともにランし、iBlot™ Dry Blotting System(製品番号 IB21001)を用いて、タンパク質をブロットすることにより、実施しました。タンパク質はニトロセルロースメンブレンに転写し、5%スキムミルクで室温で1時間、ブロッキングしました。NF-kappa-B(p65)は、NF-kappa-B(p65)マウスオリゴクローナル抗体(製品番号 710048)を用いて、ロッキングプラットフォーム上で 4 °Cで一晩、0.5 ~1 µg/mL の 2.5%スキムミルクを使用して約 65 kDa で検出されました。1:5,000 で希釈したヤギ抗ウサギ IgG HRP 二次抗体(製品番号 G-21234)を使用し、Novex™ ECL 化学発光基板試薬キット(製品番号 WP20005)を用いて化学発光検出を実施しました。ブロットは、β-チューブリン(製品番号 32-2600)で再プローブしました。
特異的抗体を用いたNF-κ-B(p65)のChIP-qPCR 解析本実験は、3 µg/mL の NF-kappa-B p65 Abfinity™ オリゴクローナル抗体(製品番号 710048)を TNF-alpha(50 ng/mL で 1 時間)で処理した 2 x 106 個の HeLa 細胞の剪断したクロマチンに対し、MAGnify™ クロマチン免疫沈降システ(製品番号 49-2024)を用いて実施しました。正常ウサギ IgG(3 µg/mL)をネガティブ IP コントロールとして使用しました。各 ChIP サンプルから精製したDNA を、Applied Biosystems™ StepOnePlus™ Real-Time PCR System(製品番号 4376600)を用い、ポジティブコントロールターゲットとして用いた IL-8 および IL-6 遺伝子、ならびに陰性対照ターゲットとしての GAPDH 遺伝子のプロモーター用プライマーを使用して解析しました。 比較 Ct 法を用いて陰性対照 IgG と比較した抗体シグナルの fold enrichment として結果を示しています。
HeLa 細胞への siRNA 導入後に SMAD2 発現を検出。細胞には、50 nM Silencer™ SMAD2 siRNA(製品番号 115714)(レーン 3)、または 50 nM Silencer™ Negative Control siRNA(レーン 2)を導入するか、導入しないまま(レーン 1)としました。その後、細胞ライセート由来のタンパク質をゲル電気泳動により分離後、メンブレンに転写し、SMAD2 Abfinity™ モノクローナル抗体(製品番号700048、0.5 µg/mL)およびヤギ抗ウサギ IgG (H+L) Superclonal™ 二次抗体、HRP コンジュゲート(製品番号 A27034、0.4 µg/mL、希釈 1:2,500)を使用してウェスタンブロットで検出されました。ブロットは、ローディングコントロールとしてアクチン抗体(製品番号 PA5-16914)で再プローブしました。アクチンに対して標準化したバンドの相対密度から、SMAD2 発現のサイレンシングおよび ABfinity™ 抗体の特異性を確認します。
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