すべてのAttuneフローサイトメーターに共通の機能

Attune NxTおよびAttune CytPixフローサイトメーターは、同じ機能を多く共有しています。Attune CytPix フローサイトメーターは、Attune NxTと同じハードウエアと機能をすべて備えており、 さらに高速明視野カメラ自動画像解析ソフトウエアが追加されています。高感度と迅速な取得を可能にするアコースティックフォーカシング、柔軟性と信頼性を実現する光学設計、および目詰まり防止流路系など、両装置に.共通する機能を以下に示しています。Attune CytPixのイメージングおよび画像解析機能について、始めに学ぶことができます。  

 

当社の装置構成ツールを利用して、研究ニーズに適したシステムを構築できます。


高感度解析を実現するアコースティックフォーカシング

Attuneフローサイトメーターは、医療用画像処理に用いられるような超音波と流体力学的な力を組み合わせることによって、細胞をキャピラリーの中心軸に沿って一直線に整列させることができます。細胞をレーザー照射位置にしっかりと集束させることができると、システムはより多くの光子を収集できるため、サンプル対シース比に関係なくデータ品質を確保できます。

アコースティックフォーカシング

アコースティックフォーカシング(左)は、高いサンプルフローレートの場合でも細胞を正確に密接に配置できるため、シグナルのばらつきを低減し、データ品質を向上させます。従来のハイドロダイナミックフォーカシング(右)では、サンプルフローレートを上げるとサンプルストリームコアが広がり、シグナルがばらついたり、データ品質が低下します。

「結局のところ、この装置はアコースティックフォーカシングテクノロジーで1秒間に35,000個の細胞を解析できるという点で、性能が(他の装置を)上回ります。その精度は、100~1,000 µL/minという高速で分析を行っても低下せず、実験に要する時間が大幅に短縮されます。」

Dr. Takashi Satoh、

IFReC Assistant Professor

Osaka University, Japan

アコースティックフォーカシングはAttune CytPix装置での細胞イメージングに有用で、細胞を正確に配置して鮮明な画像を取得するのに役立ちます。これらの短い動画では、アコースティックフォーカシングなしで撮影した細胞はぼやけて位置がずれているのに対し、アコースティックフォーカシングされて撮影された細胞は明瞭で、視野の中央に位置していました。

アコースティックフォーカシングで細胞を配置して最適なイメージングを実現

アコースティックフォーカシングなしの場合(左)、 ビーズが中心を外れてしまい、ぼやけて見えることがよくあります。アコースティックフォーカシング(右)は、横方向の位置変動、時間的変動、および視野の限界を低減し、鮮明な画像を取得します。 


速いサンプル取得速度

アコースティックフォーカシングにより、ラボでは高品質のデータも迅速に取得可能になります。サンプルのスループットレートは12.5 µL/minまたは1,000 µL/minで、これは従来のハイドロダイナミックフォーカシングシステムより最大10倍高速であり、取得速度は35,000イベント/秒です。すなわち、低濃度サンプルや貴重なサンプルなど、すべてのサンプルをより迅速かつ正確に処理し、品質の低下を最小限に抑えられます。

Time to acquire 1 million events

迅速なデータ取得

 

3台の他社装置が最大サンプルレートで解析した場合に、1,000,000イベントを取得するのに必要な時間の比較。

アコースティックフォーカシングは、サンプルフローレートに関係なくばらつきを最小限に抑えるため、スループットと感度の間で妥協する必要はありません。これは、下の細胞周期解析の例で示されており、複数の細胞集団間の蛍光強度の違いを正確に検出することが重要です。

Consistent data collection independent of sample flow rates between 12.5 and 1000 microliters per minute

Minimal data variation

 

Consistent results were achieved at high sample rates using Jurkat cells fixed and stained with propidium iodide, treated with RNase and analyzed at a concentration of 1 x 106 cells/mL. The coefficient of variation (CV) of cells in the G0/G1 and G2/M phases remain consistent, even at the highest sample rate of 1,000 μL/min.

「従来の抗菌感受性検査は、細菌の増殖、単離、感受性検査の難しさによりますが、1~3日かかります。Attune NxTを使用すれば、1時間以内に、抗生物質が感染を有効に治療できるか否かを知ることができます。3時間以内に、細菌増殖を阻害する抗生物質の最低濃度を正確に分析できます。」

Kieran Mulroney、

Biomedical Sciences Researcher

Harry Perkins Medical Research Institute

University of Western Australia


目詰まり防止の流路系

目詰まりを防止し容量測定分析を実現するため、Attune フローサイトメーターは、容量シリンジポンプを使用して、サンプル容量を制御します。このシステムでは、既知の体積で細胞数を容量的にカウント可能で(ゲーティングまたは総イベント)、生細胞/死細胞解析においては死細胞を容易にゲートアウトして、生細胞だけをカウントできます。従来のサイトメーターが最大15PSIの圧力で動作するのとは異なり、Attune フローサイトメーターでは、75PSIの圧力で制御を行うため細胞間相互作用の可能性を低減し、その結果目詰まりを防止します。

 

「フローサイトメトリーを行っているすべての人にお馴染みの問題のひとつは目詰まりです。この装置の登場で、目詰まりは過去のものとなりました。解析すべき非常に多くのサンプルがあるので、サンプル間ですべてをクリアするのを待つことはできません。」

Bruno Sainz、

CLIP Investigator

Universidad Automa de Madrid

Madrid, Spain

容量測定でのサンプル取り込み

 

シリンジポンプは容量式で、ピペットのように機能します。プランジャーが押し下げられると張力がかかります(A)。プランジャーがサンプルとともに上昇すると、張力が解放されます(B)。圧が高く、制御された環境下では、目詰まりが起こりにくくなります。

「他の装置では目詰まりしやすい腫瘍サンプルを扱えるフローサイトメーターを必要としていました。そのため、Attune NxTはわれわれのアプリケーションにとって第一選択の装置です。Attune NxTには、われわれの研究プログラムにとってきわめて重要な多くの特性があります。サンプルスループットを高めることができるアコースティックフォーカシング機能があるだけではなく、フローセルが大きいため、腫瘍細胞を見たり、腫瘍から細胞を分離する際に目詰まりの心配がなく、装置の再稼働に多くのダウンタイムを費やす必要がありません。」

Charles Prussak、

PharmD, PhD

Director of the Cell Therapy Translational Laboratory (CTTL)

University of California San Diego


柔軟な光学設計

Attune フローサイトメーターは、最大4つの空間的に分離したレーザーと16のパラメーターで構成されます。空間的分離は、マルチカラーパネル設計を可能にする自由度を高め、補正を効率化できます。 このシステムは、最大35,000イベント/秒という卓越した速度と、高感度を提供するため、幅広い研究要件を満たします。

 

高い感度は暗いシグナルとバックグラウンドを区別できるため、ばらつきが低減され、シグナル分離が向上します。1つのピークの蛍光分解能係数の変動は3%未満であり、想定されるMESFは≤80(FITC)、≤30(PE)、≤70(APC)です。他社システムと比較した感度を下に示します。

フローレート全域にわたる高感度測定

蛍光ミクロスフェア(Spherotech Rainbow 3.2 μm)を、561 nmレーザーと、610/20(A)または610/15(BおよびC)蛍光フィルターを使用して、ハイエンドの従来型フローサイトメーター(A)およびAttune NxT フローサイトメーター(BおよびC)で測定しました。従来のサイトメーターは、最高の感度設定(~12.5 μL/min)で測定しました。Attune NxT フローサイトメーターは、従来のフローサイトメーターに相当する12.5 μL/min(B)と500 μL/min(C、40倍以上のサンプル)で測定しました。Attune NxT フローサイトメーターの結果は、最大のフローレートでも従来のフローサイトメーターの結果と同等またはそれ以上でした。

Attune フローサイトメーターのコンパクトなサイズは、バイオセーフティフード内での使用にも自由度を提供します。これにより、危険なサンプルや未知のサンプルを扱う際の汚染や感染を防止できます。


安定性を実現するよう設計されたレーザー

Attune フローサイトメーターは、長期的に見て、第一級の信頼性と優れた性能をもたらす新しい光学系を特徴としています。流路系や光学系には、不安定性やアライメントの問題、機器のダウンタイムにつながる可能性がある一方、固体レーザーでは、フラットトップのビームプロファイルのおかげで、こうした変化の影響は最小になります。

 

レーザーのアライメント不良は、従来のフローサイトメーターのユーザーにとって大きな懸念事項です。Attune フローサイトメーターに使用されるフラットトップレーザーは、従来システムのガウシアン分布のレーザーよりも、広いアライメント領域をもつプロファイルを備えています。 フラットトップレーザーはまた、アライメント不良に対する許容度が高いため、高い感度と低いCVを維持できます。

レーザーの発光プロファイル

 

アライメントが適切でない従来型のサイトメーター(左)で使用されるガウシアン分布のレーザー、およびAttune フローサイトメーター(右)で使用されるフラットトップレーザーは多少の光軸のずれがあっても適切なアライメントを示しています。


レアイベント検出

レアイベントを検出するには、信頼できる精度を得るため、多数の細胞を取得する必要があります。Attuneフローサイトメーターを使用すると、希釈サンプルを最大1 mL/minのサンプルフローレートで迅速に処理できるため、60~100 µL/minの最大サンプルフローレートをサポートする従来のサイトメーターよりはるかに高速です。このように、アコースティックフォーカシングは速度と品質の独自の組み合わせを提供し、長時間の取り込み時間の中で希少イベントを収集する時間を大幅に短縮します。

 

 

100万超の生細胞の収集し希少な樹状細胞を検出

 

形質細胞様樹状細胞(pDC)は、免疫表現型CD19–/B220high/CD317+を使用して特定されます。マウス脾細胞の4色染色には、CD19-Pacific Blue、CD317-Alexa Fluor 488、CD45R/B220-PE直接結合、およびSYTOX AAdvanced Dead Cell Stainがあります。SYTOX AAdvanced Dead Cell Stainを使用して生細胞上にゲートを作製し、続いてCD19–細胞上でゲーティングしました。CD45R/B220対CD317の2パラメータープロットを使用して、pDCを特定しました。合計130万個の細胞を7.5 x 10e7 cells/mLの細胞濃度で、回収速度500 μL/minで取得しました。形質細胞様樹状細胞は、デュアルB220+/CD317+(右上の四分円)として同定され、CD19–生細胞の0.851%を占めます。これは総脾細胞の0.194%です。

Attuneフローサイトメーターは、高速取得と高感度の両面をサポートし、希少細胞の簡単な検出と、表現型/機能の解析を実現します。当社のフローサイトメトリーラーニングセンターにある、希少イベント検出のためのステップ・バイ・ステップ戦略は、研究の事前分析、分析、およびデータ分析の各段階で最適なアプローチを考えるのに役立ちます。


Attune CytPix フローサイトメーターの機能

Attune CytPix フローサイトメーターの独自特長は、高速明視野カメラ形態測定データのための自動画像解析です。


高速カメラ

このカメラは、最大6,000枚/秒の速度でイベント画像を捕捉し、ユーザーは検出器によって記録されたイベントを視覚的に確認できます。ユーザーはイベント画像をリアルタイムで表示してサンプル品質を確認したり、プロトコルを最適化したり、解析用に同定した各細胞集団の形態を記録できます。これは細胞治療アプリケーションでは非常に重要ですが、あらゆるフローサイトメトリーサンプルに適用できます。

 

既存のフローサイトメトリーのプロトコルを変更したりスループットを低下させたりすることなく、イメージングを追加できます。Attune CytPix フローサイトメーターは標準的なフローサイトメトリーの取得速度を維持しながらも、明瞭な画像を補足できます。アコースティックフォーカシングのメリットはイメージングにも活かされており、シャープで中央に位置する画像が得られるよう細胞を配置するのに役立ちます。

高速フローレートでも一貫した画像品質

 

アコースティックフォーカシングと高速カメラの組み合わせで、低速または高速フローレートでも一貫して、これらのCAR T細胞を撮像できます。焦点とカメラの設定は、試験要件に合わせて簡単に調整できます。

画像ギャラリービューを使用すると、細胞集団を迅速にスキャンして異常値を検出できます。この図では、ざっと見ただけでもダブレットやその他の凝集塊が際立っています。Attune CytPixフローサイトメーターを使用すると、大きな細胞集団の構造的特徴を短時間でハイライトできます。これによりゲートを調整し、凝集塊、不要な細胞、およびデブリを除外しながら、目的細胞を含めることができます。

ハイレベルなイメージギャラリー表示

初期ログフェーズのJurkat細胞を、Attune CytPix フローサイトメーターにより、200 µL/min、>105細胞/mLのフィルトレーションなしで取得しました。イメージギャラリー表示を使用して、細胞イベントを迅速にスキャンしました。

画像から得られる形態学的情報によると、マルチプレックス染色だけのときと比べ、フローサイトメトリーデータの豊富さが高まります。たとえば、この図はアネキシンVとヨウ化プロピジウム(PI)を用いた従来のアポトーシスアッセイを示しており、細胞イメージングを追加することにより、各集団の細胞を形態的に異なる特徴を明らかにしています。これらの知見は、フローサイトメトリーデータ単独では得られないものでした。

アポトーシス細胞の形態学的特性。

Jurkat細胞を10 µMのカンプトセシンで37℃、4時間培養すると、アポトーシスが起こりました。サンプルをアネキシンVおよびPIで染色し、Attune CytPix Flow Cytometerにより100 µL/minでデータ取得しました。シングレット集団から、ゲーティング・ストラテジーにより3つの細胞サブ集団が同定されました。アポトーシス生細胞の約50%(アネキシンV⁺PI-、右下)は、ブレブなどのアポトーシス体の一種を示しました。アポトーシス死細胞(アネキシンV+PI+、右上)の約25%で細胞表面の顆粒が増加し、細胞の断片化が増加しました。健常細胞の約10%(アネキシンV-、左下)がアポトーシス体を示しました(ただし、アネキシンV⁺細胞間で観察されたほど深刻ではありません)。これらの健常細胞も形態学的には多様で、上流のシングレットゲーティングにもかかわらず、一部ダブレットを含んでいました。画像の形態学的特徴は黒色の矢印で示されています。


形態学の自動画像解析

The Attune Cytometric Software on the Attune CytPix Flow Cytometer analyzes and interprets cell features from images into morphometric parameters using models pre-trained on leukocytes and beads.  Combined with captured images and flow data, these parameters enable researchers to gain novel insights into their samples. Gates can be adjusted to exclude aggregates, coincident events, debris and unwanted cells.

 

The software automates image analysis at a rate of up to 1,000 images/second and can be managed by users in a processing queue that runs in the background of the software. These extended image-derived parameters provide data to confirm singlets with cell count (Particle Count) and morphology features such as roundness (Circularity), size (Area Square), shape (Eccentricity) and complexity (Entropy).  Gating on these extended parameters allows you to quickly and accurately identify populations of interest to confirm gating strategy with little or no manual review. You can use back-gating to scan the panel of full resolution images and correlate what you see with scatter, fluorescence or image-based parameters to any population on the dot plot. Enhance the quality of your data and feel confident when gating with powerful data-driven cell analysis.