Dynabeads®プロテインA およびDynabeads®プロテインGは抗体(スモールスケール)のワンチューブ精製が行える、懸濁できる固体担体です。ビーズはスモールスケール免疫沈降法としても広く使われています。以下に、IP用Dynabeads®磁気ビーズの使用についてよくある質問を挙げます。
免疫沈降法製品:
全般的なFAQ:
架橋/共有結合的カップリングFAQ:
非特異的結合& ブロッキングFAQ:
他の免疫沈降法オプション:
Dynabeads®プロテインGとDynabeads®プロテインAの違いは何ですか?
- Dynabeads®プロテインGとDynabeads®プロテインAは2.8 ミクロンのビーズで、それぞれプロテインGと組換えプロテインAに共有結合的にカップリングしています。
- プロテインGとプロテインAは違う種やサブクラスからの免疫グロブリンとの結合の強さが異なります。
- Igの種類やサブクラスのDynabeads®への特異性については、選択ガイドをご覧ください。
今選んでいる抗体は結合が弱いようなんです。 結合を強くするにはどうしたらよいですか?
- 抗原の結合/特異性を確認してください。例)ELISAで。
- 抗体とビーズの結合をチェックしてください。抗体が捕捉されておらず、ビーズに結合しているのであれば、免疫沈降法の実験はできません。
- 間接的な方法を試したのであれば、直接的な方法を試してください。反対に、直接的な方法を試したのであれば、間接的な方法を試してください。
- ビーズの量とサンプル量をチェックしてください。パッケージの挿入物にある異なるビーズの能力に関して、ビーズの量を増やすかカップリングの間の抗体濃度を上げてください。
- インキュベーションの時間を長くしてください。
- 他の抗体を試してください。
以前はDynabeads®を使ってタンパク質の免疫沈降法ができましたが、ビーズに抗体を架橋してから、ゲルでタンパク質のバンドが見えなくなりました。
- 抗体の結合部位が架橋で変わってしまったかもしれません。
- これが起こったときは、抗体はターゲット抗原に親和性が低くなるか、全く示さなくなります。
- これはいつも架橋での高いリスクとなり、共有結合による抗体カップリングという別の方法を選ぶことで容易に回避できます。
- 他の架橋の影響としては、意図しない(非特異)ターゲットへの親和性が高まる可能性もあります。
- Dynabeads® Antibody Couplingキットをお試しください
- このキットはDynabeads® への共有結合による抗体カップリングにはずっと優れたソリューションです(Dynabeads®プロテインAまたはGへの架橋に比較して)。
- 抗体カップリングキットはほとんどどんな抗体にも対応しています。
- カップリングキットは共有結合によるDynabeads®への抗体カップリングのために作られました。
- 架橋と異なり、Dynabeads® Antibody Couplingキットは抗体の特異性や親和性を変えません。
Dynabeads®に抗体を架橋しましたが、しかし抗体は溶出の間にビーズからまだ外れています。
- 架橋は決して100%になりません。抗体の一部は架橋されておらず、溶出で外れてしまいます。
- 架橋されていない抗体を取り除くには、架橋したすぐ後に、低いpHで直接洗浄するステップを行ってください。
- IPの前にpHを元に戻すのを忘れないでください。
免疫沈降法ステップの前に架橋していない抗体を取り除きましたが、まだゲルにバンドがあって、Dynabeads®から抗体が外れ続けていることが示されていました。
- もしゲルの泳動前、サンプルバッファに還元剤をお使いなら、サンプルバッファに還元剤を入れないで試してみてください。
- DTTまたはβ-メルカプトエタノールのような還元剤は抗体内のジスルフィド架橋を壊し、軽鎖と重鎖の抗体を放出することになります。
- 他の選択肢はタンパク質をpHを下げて溶出させることで、これはビーズに結合した抗体はそのまま残します。
自分の免疫沈降法の実験で非特異的結合が起きています。
- もっと厳しい洗浄バッファで洗浄してください。
- 非イオン性界面活性剤(Tween-20またはTriton X-100)を0.01–0.1%の濃度で洗浄バッファに加えます。
- ビーズが沈降前にブロックされたら、同じブロッカーを洗浄バッファに加えてください。
- 洗浄ステップの数を増やしてください。
- 洗浄ステップを延ばしてください。
- インキュベーションの時間を減らしてください(ビーズとサンプル)。
- 間接的な方法を試してみてください。
- 抗体の濃度を下げてみてください。
- 除去前のステップを行う必要があるかもしれず、プロテインA/プロテインGに非特異的結合をした分子またはビーズそのものを除去します。
Dynabeads®プロテインA とDynabeads®プロテインGはBSAでブロックされていますか?
- いいえ、Dynabeads®プロテインA とDynabeads®プロテインGはBSAで前もってブロックされていません。
Dynabeads®プロテインAとプロテインGをどうやってBSAでブロックしますか?
- BSAでのブロッキングは疎水性の表面でもっともよく働き、 表面吸収がブロッカーを正しい位置に保ちます。
- Dynabeads®プロテインAとプロテインGは親水性の表面を持ちます。
- ゆえに、BSAブロッキングはあまり成功しない可能性がありますが、それは表面吸収が親水性ビーズ表面と疎水性BSAの間で行われるからです。
- その代わり、さらに厳しい洗浄を行うことで、またTween-20(濃度0.01~0.1%)を洗浄バッファに加えることで非特異的結合を減らします。
ネガティブコントロールとして、自分のサンプルを抗体でコートしていないDynabeads®プロテインGとインキュベートしました。 これを行うと、ビーズへの非特異的結合が起こります。
- 抗体でコートされていないDynabeads®プロテインG(またはDynabeads®プロテインA)をIPサンプルと用いるのは、あまりよいコントロールとは言えません。
- サンプル中の異なる分子は、様々な相互作用を通して、プロテインGまたはビーズそのものに結合します。
- より良いネガティブコントロールとは、関連のないIgGに結合したDynabeads®を使用することです。
- できるだけバックグラウンドレベルが低い結合をお求めの場合は、Dynabeads® Antibody Couplingキットをお使いください。
- 本キットのビーズは極めて低いレベルのバックグラウンド結合をします。
- そして抗体が共有結合的にビーズ表面とカップリングするので、純粋なターゲットタンパク質を溶出しても抗体はビーズ表面から外れません。ターゲットタンパク質に対して非常に純粋な溶出液が得られます。
ビオチン化された抗体をIPのためDynabeads® Streptavidin に結合させました。 ビーズからの抗体の溶出なしで、どのようにビオチン化抗体からターゲットタンパク質を溶出できますか?
- マイルドな溶出条件を使用し、例えば高塩濃度の低pHバッファなどです。
- ビーズをSDSバッファ中95°Cで5分間加熱してはいけません。これはターゲットタンパク質と一緒に抗体を溶出してしまいます。
免疫沈降法に他のDynabeads®は使えますか?
- はい、選択ガイドをご覧ください。
- IPに使用できるDynabeads®は:
免疫沈降法により大きい(4.5ミクロン)Dynabeads®は使えますか?