この細胞株の項では、実験に適切な細胞株の選択など、細胞培養の基礎に関する情報を提供します。  また、以下の点についても学ぶことができます。接着培養と浮遊培養

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実験に適切な細胞株の選択するために、以下の基準を考慮に入れてください。

  • 種 :  非ヒトおよび非霊長類細胞株はバイオセーフティーに関する制限が少なくて済みますが、種特異的な細胞培養を利用するかどうかは、最終的には実験の内容によって決まります。

  • 機能的特性: 実験の目的は何ですか?  たとえば、毒性試験には肝臓や腎臓に由来する細胞株がより適しているかもしれません。

  • 有限寿命細胞か不死化細胞か:  有限寿命細胞株を選択すると、正しい機能を発現させる選択肢が多くなる可能性がありますが、不死化細胞株を選択するとたいていの場合クローン化および維持が容易となります。

  • 正常細胞または形質転換細胞: 形質転換細胞株は、一般的に増殖速度が速く、播種効率が高く、持続性があり、培地中の必要な血清量が少なくて済みます。ただし、遺伝的形質転換により表現型は恒久的に変化します。

  • 成長条件および特性: 増殖速度、飽和密度、クローン効率および浮遊培養における増殖能に関する必要条件は何ですか?  たとえば、組み換えタンパク質を高収量で発現させるためには、増殖速度が速く、浮遊培養可能な細胞株を選択することが望ましいかもしれません。

  • その他の基準: 有限寿命細胞株をご使用の場合、十分なストックはありますか?  細胞株は十分に特性化されていますか?それともお客様自身による検証が必要ですか?  異常な細胞株を使用する場合、対照として使用可能な正常細胞株を用意していますか?  細胞株は安定していますか。  安定していない場合、クローン化し実験に十分な量の凍結ストックを調製することは容易ですか? 

細胞株の取得

初代細胞からお客様自身の培養を確立することが可能であり、あるいは確立された細胞培養を商業的企業または非営利団体(すなわち、細胞バンク)から購入することも可能です。  信頼できる供給者からは細胞株の完全性および細胞株が汚染されていないことを保証するために、注意深くしけんが実施されている高品質の細胞株を入手できます。  他の研究室から培養物を借用することは細胞培養汚染のリスクが高くなることから、お勧めしません。  いずれの供給者から入手された場合も、新しい細胞株を使用する前には必ずマイコプラズマ汚染に関する試験を実施してください。  

当社は細胞培養実験用に、さまざまな初代培養細胞および確立した細胞株、試薬、培地、血清および成長因子を提供しています。

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動画 3:細胞の継代

動画:継代 この動画では、接着培養および浮遊培養の両方で増殖させた細胞をなぜ、いつ、どのようにして継代するかを説明します。  これには細胞剥離、細胞カウント、最適な播種密度の決定、継代した細胞用の新しい培養容器の準備が含まれます。