装置の点検を行う必要はありますか?

普段装置をご使用頂いている中で、不具合が発生してから修理をご依頼頂くことが多いです。不具合が発生してからの修理ですと、様々な要因(訪問日程,部品の有無,予算など) から復旧までのダウンタイムが長くなってしまいます。定期的に点検を実施することで不具合発生を未然に防ぐことができ、急に装置が使用できなくなる状況を避けることができます。

点検及びメンテナンスの頻度は、1~2年に一度程度をお勧めしております。内容等ご不明な点はテクニカルサポートまでお問い合わせ下さい。

2016.10.11更新

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FT-IRの現在の装置性能を確認する良い方法はありますか?

Nicolet iS5、iS10、iS20、iS50 には標準サンプルが装置に内蔵されています。この標準サンプルを用いて、OMNICソフトウエアから性能検査を実行することができます。
性能検査の実施方法はOMNIC画面左上「装置の状態」を選択すると、下記の画面が表示されます。

この画面の 「性能検査」>「実施」を選択することにより装置のノイズ、波数精度などの確認を自動的に行います(iS5の場合には試料室からアクセサリを取り外して実行してください。iS10、iS20、iS50は透過測定のアクセサリを装着して実行してください)。性能検査の結果は、「性能検査」>「レポート」を選択することにより下記のような結果のレポートが表示されます。

その他の機種につきましては標準サンプル、バリデーションソフトウエアなどで対応が可能ですのでお問い合わせ下さい。

2022.03.31更新

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エアーダスターで埃を取り除いても問題ありませんか?

エアーダスターの種類によってはフロンガスを使用しているものもありがあります。装置内部および装置近傍の清掃に使用するとC-HやC-F等の不明なピークを検出することがあります。また、エアーダスターには可燃性のものもあり、赤外光源の熱によって稀に火災の原因になる場合もありますので、装置内部、近傍の清掃には絶対に使用しないでください。

2014.9.4更新

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長期休暇や停電時などにおけるFT-IR装置停止時の注意点を教えてください。

FT-IR内部にはKBr(臭化カリウム)等の潮解性の高い部品をビームスプリッタや検出器の素子の窓材として使用しています。結露等によりこの部品がダメージを受けると、性能の低下、動作不具合を起こすことがあります。 停電等で装置に電力が供給できない場合は、温度・湿度変化で結露を起こす可能性がありますので、装置内部の乾燥状態に注意が必要です。
装置停止前には乾燥剤の乾燥状態をチェックし、必要に応じて交換をします。長期間停止する際は乾燥剤を追加するのも有効です。
大型装置(iS50、Nicolet x700シリーズ、Nexus)では、ビームスプリッタを取り外すことが可能です。取り外したビームスプリッタを、デシケータ等に保管することができます。 装置立ち上げ時は、乾燥剤の乾燥状態をチェックし、装置の温度が充分室温に馴染んでから装置電源を投入します。大きな温度差がある状態で装置の電源を投入すると、結露を起こしビームスプリッタ等がダメージを受けることがあります。
*乾燥空気(露点-70℃以下)、または、窒素ガスを供給できる設備がある場合は、パージをお奨めします。

2020.5.29更新

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装置の最大消費電力を教えてください。

FT-IR・ラマン 機種別の最大消費電力を一覧表にまとめました。

FT-IR
Nicolet iS50500W
Nicolet iS20130W
Nicolet iS10130W
Nicolet Summit300W
Nicolet iS550W
Nicolet x700 シリーズ110W
Nicolet 38050W
Nexus シリーズ110W
Avatar シリーズ50W
Magna シリーズ165W
Protege シリーズ50W
Antaris Ⅰ&ⅡNIR110W
ECO-1000240W
ECO-2000300W
赤外顕微鏡
Nicolet iN53.5W
Nicolet iN10130W
Nicolet iN10 MX130W
Nicolet RaptIR900W
Continuum300W
Continuum XL250W
Centaurus65W
Nic-Plan200W
大型アクセサリ
iS50 Raman Module300W
FT-Raman (NXR) Module180W
TG Interface1650W
GC Interface1650W
PEM Module400W
ラマン
Almega570W*
AlmegaXR570W*
DXRxi Imaging Microscope460W*
DXR Microscope460W*
DXR Smart Raman130W
DXR Flex90W

*オートステージ・ランプハウス含む

卓上型NMR
picoSpin45150W
picoSpin80150W
その他
標準的なコンピュータとモニター460W
標準的なプリンター200W

2023.03.31更新

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赤外光源の寿命はどのくらいですか?

Ever-Glo光源は、初期状態からゆっくりと出力が減少する特性をもっています。お使いになられるアプリケーションにおいてそろそろ支障をきたす程度のノイズレベルになってきたと判断された時期に交換していただければ良いでしょう。また、解析されたいアプリケーションにもよりますが、3~5年程度を目安にしていただければ良いかと思います。実際には、日常点検でインターフェログラムの強度を見ておき半分ぐらいになった時点で交換をすれば問題は無いでしょう。

2012.4.23更新

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He-Neレーザーの寿命はどのくらいですか?

レーザーは、使用開始より3~5年程度で劣化してきます。劣化により干渉計のスキャン動作が不安定になり、測定時にバッドスキャンや、タイムアウトを起こすことがあります。レーザに関する不明な点は、テクニカルサポートまでお問い合わせください。

2012.4.23更新

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パージの圧力と流量を教えてください。

FT-IR装置の内部を乾燥空気(露点-70℃以下)や窒素ガスでパージする場合、装置の構成にもよりますが通常5L/min~15L/min程度の流量が必要となります。FT-IR本体に赤外顕微鏡や大型アクセサリを接続している場合は、赤外顕微鏡や大型アクセサリに5L/min~15L/min程度の流量のパージガスが必要です。納品時に付属している流量計は「SCFH」 (standard cubic foot per hour) という単位になっています。L/minに換算すると大体半分の値になります。例えば20L/min必要な場合は40SCFHに設定して下さい。流量が過多の場合、振動等によりノイズ増加の原因になりますのでご注意ください。

機種圧力 / 流量
Nicolet 6700/870020˜40psi / 25scfh(15L/min)
Nicolet iS5010psi / 20schf(10L/min)
Nicolet iS1010˜20psi  /  10scfh(5L/min)
Nicolet iS55 psi  /   1scfh(0.5L/min)
Nicolet iN10干渉計室20psi / 10scfh(5L/min)
装置側15psi / 10scfh(5L/min)

2012.5.24更新

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最近MCT検出器の液体窒素保持時間が短くなってきたのですが。

MCT検出器の液体窒素保持時間は、iS50、Nicolet*700シリーズ、Nexusシリーズ及び、赤外顕微鏡で、18時間を保証しています。 iS10シリーズ、Avatarシリーズで、3時間を保証しています。液体窒素保持時間が短くなる原因は、検出器デュワーの真空度が落ちてきていることが考えられます。テクニカルカスタマーサポートへご相談下さい。

2012.5.24更新

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装置を自分で移設をしたいのですが、可能ですか?

FT-IRの干渉計には移動鏡という測定時常に動いている部品があり、これを輸送時には固定する必要があります。また、赤外顕微鏡、顕微ラマンシステムは、µmオーダーの測定を行う為、光軸のずれが、性能の低下につながります。この為、お客様自身で移設を行うことはお奨めできません。移設のご予定がある際は、テクニカルサポートにご相談下さい。

2012.4.23更新

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最近、赤外スペクトルにノイズが乗るのですが、どこかおかしいのでしょうか?

光軸のズレあるいは赤外光源の劣化が原因と考えられます。サーモサイエンティフィックのFT-IRには、オートアライメント機能が搭載されています。通常はオートアライメント機能を実行することにより光軸のズレはほぼ解消されます。しかし、光学調整を行ってもノイズが低減されない場合は、初期データと照らし合わせてインターフェログラムの強度が極端に下がっていないかを確認してください。インターフェログラム強度が極端に下がっている場合は、光源の交換が必要となります。スペクトル ノイズやインターフェログラム強度の低下については、テクニカルサポートまでお問い合わせください。

2012.4.23更新

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赤外顕微鏡(Continuum)の電源が落ちてしまいました。原因は何でしょうか。

  1. 安全機構による電源の遮断
    可視観察用の照明やアパーチャ照明を長時間点灯させたまま放置をすると、安全対策としてContinuumの電源を落とす機構が備わっています。こちらの機構が作動したと考えられます。
    対処方法としては、Continuumの電源を6時間以上「OFF」のままにして、その後電源を入れて頂くと復旧します。
  2. 電力ヒューズの切断
    Continuum内には突発的な過電流による装置のダメージを防ぐために、ヒューズが設置されています。ヒューズエレメントの断線により、通電できない状態になったと考えられます。
    対処方法としては、ヒューズの交換により復旧します。交換方法は以下の通りです。
  1. Continuum左側面奥下(電源スイッチ部分横)のヒューズカバーからヒューズケースを取り出します。幅の狭いマイナスドライバーを隙間に入れることで外すことができます。

  2. ヒューズケースからヒューズを取り出し、納品時のContinuum備品箱に同封されている交換用ヒューズと交換します。
    交換用ヒューズがない場合は、弊社テクニカルサポートへご連絡下さい。

  3. ヒューズを元の位置に設置して、交換完了です。

2012.5.24更新

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測定中に「タイムアウト」と表示され、スペクトルが表示されません。何が原因でしょうか。

測定中に画面にスペクトルが表示されない、画面左下に「タイムアウト」と表示される場合は、装置の動作が正常にできていないために発生します。 考えられる原因は複数ありますが、下記の対処方法の実行で復旧する場合があります。ご確認をお願い致します。

  1. 装置及びコンピュータの“電源 再起動”をお願いします。電源を切った後、数秒間おいてから電源投入をします。
  2. FT-IR装置本体に搭載されているアクセサリ(ATRアクセサリや透過アクセサリなど)を装置から取り外します。(Nicolet iN10は、ステージの円形プレートを取り外します。)
  3. ソフトウェア“OMNIC”(Nicolet iN10は“OMNIC Picta”)を起動します。
  4. OMNICの場合
    「測定の設定」メニュー → 「診断機能」タブ から 「アライメント」 を実行します。
    OMNIC Pictaの場合
    画面左上の「システムステータス」タブ から 「アライメント」(もしくは「位置合わせ」)を実行します。
  5. 正常に終了した場合は、測定を試して下さい。
  6. もし、上記の操作を実行しても「アライメント失敗」と表示されたり、症状が改善しなかった場合は、弊社テクニカルサポートへご連絡をお願い致します。

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MCT検出器で測定した際にバックグラウンドに不明なピーク(3300~3200cm-1付近)が見られるのですが、どこかおかしいのでしょうか?

MCT検出器素子が氷結したことによる氷のピークが見られる状況です。検出器内の液体窒素がなくなり、氷が溶けて乾燥すれば(1日程度)ピークは消失しますが、再発する可能性があります。氷結が起こる原因としては検出器デュワーの真空度が落ちてきていることが考えられます。テクニカルカスタマーサポートへご相談下さい。

2022.03.31更新

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FT-IRの消耗品交換方法を教えてください。

FT-IRの消耗品のうち、「赤外光源」、「乾燥剤」はお客さま自身で交換が可能です。詳細については納品時にお渡ししているハードウェアマニュアルを参照、またはテクニカルサポートまでご連絡ください。

2022.03.31更新

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FT-IR装置に入っている乾燥剤について教えてください(交換時期、再生方法)。

FT-IR装置には、装置内部の吸湿のために乾燥剤が入っています。
乾燥剤の交換時期・頻度としては湿度インジケーターが白またはピンクに変色したときです。インジケーターが変色していない場合でも少なくとも1回/年以上の交換を推奨します。
iS50の乾燥剤は再生不可ですが、iN10,iS20,iS10,iS5,Summitの乾燥剤は再生が可能です。再生した場合、100%性能が戻るわけではありませんので、再生できる回数は3回程度までです。
再生方法は缶に入った乾燥剤をそのまま150℃のオーブンで3時間焼成し、その後デシケーター内などで冷まします。装置に入れる際には室温まで戻してから入れてください。高温のまま装置内に入れるとKBrが潮解してしまいます。
乾燥剤のパーツナンバーについてはアクセサリガイドを参照、またはテクニカルサポートまでご連絡ください。

2022.03.31更新

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Continuumの観察用透過、反射、アパーチャーランプの交換方法

使用中、使用直後のランプ、その周辺は非常に熱くなっています。ハロゲンランプの交換は、感電ややけどを防止するため、必ず電源をOFFにし、ランプが充分冷えてから行ってください。
ランプハウスのカバーのネジを緩めて(手で緩められます)、カバーを外します。使用済みのランプを上方向に引き抜いて、取り外します。新しいランプは素手では触らず、キムワイプやガーゼなどでランプを包んで持ち、端子をランプソケットのピン穴に真っ直ぐに端子の両足がしっかり突き当たるまで押込みます。
予備のランプはContinuum納品時の備品箱に入っていますが、予備が無いようでしたらテクニカルサポートまでご連絡ください。

2023.03.31更新

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