設置環境/緊急時の装置停止方法

エラーメッセージ

コミュニケーション

キャリブレーション

イオンソース/ESI・APCIプローブ

ロータリーポンプ/チラー


設置環境/緊急時の装置停止方法

電源容量および設置環境について

LC-MS 必要電源一覧表

MS本体
対応機種必要電源※注1トランス容量※注2
Orbitrap Fusion Lumos/Orbitrap Eclipse三相200V 30A 10 kVA
Exploris480
TSQ Altis(Plus) /TSQ Quantiva
Orbitrap Elite / Orbitrap Elite
Orbitrap Elite with ETD / LTQ Orbitrap XL with ETD三相200V 30A 
単相200V 30A
10 kVA
5 kVA 
Orbitrap Fusion/Orbitrap ID-X/Orbitrap IQ-X単相200V 30A5 kVA 
Exploris240/Exploris120
Exactiveシリーズ
TSQ Quantis (Plus)/TSQ Fortis (Plus)/TSQ Endura
TSQ Quantum Access Max 
LTQ シリーズ
HPLC
対応機種必要電源※注1トランス容量※注2
Vanquishシリーズ単相100V 15A以上 
Ultimate 3000シリーズ
Easy-nLC単相100V 5A 

<注意事項>
注1:電源投入時などにトランス容量に近い電力消費をする場合があるため、必ず表記の電源を確保していただくようお願いします。
注2:実際に装置が稼動するための電圧はノイズカットトランスを利用して昇圧(または降圧)して調整されています。
注3:制御PC用に別電源(100V)をご用意ください。

LC-MSの稼動に必要な実験室環境

MS本体
対応機種推奨室温(℃)最大許容範囲(℃)湿度(%)発熱量(単位W)※注1
MS本体チラー
Orbitrap Fusion Lumos/Orbitrap Eclipse18~2115~2640~805300 
Orbitrap Fusion/Orbitrap ID-X/Orbitrap IQ-X18~2115~2640~803800-
Exploris48018~2418~2720~803250 
Exploris240/Exploris12018~2418~2720~802250 
Orbitrap Elite / LTQ Orbitrap XL18~2115~2750~8028001600
Orbitrap Elite with ETD / LTQ Orbitrap XL with ETD18~2115~2750~8035001600
Exactiveシリーズ18~2115~2640~703000-
LTQシリーズ18~2115~2740~802300-
TSQ Alits(Plus)/TSQ Quantiva18~2115~2740~804550-
TSQ Quantis(Plus)/ TSQ Fortis(Plus) /TSQ Endura18~2115~2740~803050 
TSQ Quantum Access Max 18~2115~2740~802300-
HPLC
対応機種 推奨室温(℃)最大許容範囲(℃)湿度(%)発熱量(単位W)※注1
Vanquish シリーズPump18~215~3520~80525
Autosampler18~215~3520~80520
Charger Module18~215~3520~80305
Column Compartment18~215~3520~80203
DAD18~215~3520~80150
Ultimate3000 シリーズPump18~2110~305~80100~150※注3
Autosampler18~2110~305~80100~125※注3
Thermostated Autosampler18~2110~305~80300~400※注3
Column Compartment18~2110~305~80175
Detector18~2110~305~80225~300※注3
Easy-nLC 18~215~3020~80250

<注意事項>
注1:装置が稼動することによる発熱量は空調に必要な電力の目安です。安心してご使用いただくため実験室は推奨温度に近く調整していただくことをお勧めいたします。
また特定の箇所に熱を集中させたり大きく温度変化をしないようにご注意ください。
注2 :PC、モニタ、プリンタの発熱量は合計で最大900W、窒素発生装置をご使用の場合の発熱量は825Wとなります。
注3 :型式により発熱量が異なります。

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緊急時の装置停止方法

  1. 質量分析装置のシャットダウン方法について
    質量分析装置は真空に保ったまま稼働しているためその状態で停電が発生すると装置が故障する可能性が高くなります。故障の可能性を最小限にするため各装置のマニュアルの完全停止の項目を参照し、停電前に装置をシャットダウンしてください。通常シャットダウン操作後、数分間でベントバルブが開放し真空が解除されます。
  2. 予期せぬ停電があった場合
    装置の稼働中に停電が起こった場合、スイッチは入ったままの状態になっております。計画停電同様完全停止の手順に従いスイッチを切ってください。停電回復後は起動の項目に沿って立ち上げ操作を行って下さい。

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窒素発生装置のメンテナンスをします。装置はシャットダウンした方がいいですか?

窒素は主に測定時にスプレーガスとして使用しています。測定をしていない状態であれば、窒素発生装置を止めていただいても問題ありません。
ただし、Orbitrapシリーズ、Exactiveシリーズでは、常に一定量C-trapおよびHCDセルへ窒素を充填していますので窒素発生装置は常時稼働させている必要があります。
また、窒素発生装置のメンテナンス時に質量分析装置をシャットダウンする必要はありませんが、窒素が充填されて安定するまでにしばらく時間(30分~1時間程度)が必要です。

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イオンソースでの窒素ガスの使用量を教えてください。

イオンソースで使用する窒素ガスの流量は、使用するプローブやメソッドによって異なります。スプレーを行うSheath Gas、脱溶媒を補助するAux(Auxiliary) Gas、バックグランドを軽減するためにSpray shieldの内側に流すSweep Gasの3種類があり設定値の組み合わせによって流量は変わります。
窒素発生装置を使用される場合は、一般的な分析条件において24L/min~30L/minの最大流量が確保できれば十分です。また圧力はOrbitrap Explorisシリーズは0.6MPs、LTQシリーズ /LTQ Orbitrapシリーズ/TSQ Quantumシリーズにおいては0.7Mpa、Exactiveシリーズにおいては0.8MPa必要です。

窒素ガス使用量の目安

 LTQシリーズ/
LTQ Orbitrapシリーズ/
TSQ Quantumシリーズ
ExactiveシリーズOrbitrap Fusionシリーズ/
TSQⅡシリーズ/
Orbitrap Explorisシリーズ
設定値窒素使用量設定値窒素使用量設定値窒素使用量
(units)(L/min)(units)(L/min)(units)(L/min)
Sheath Gas Flow Rate0 - 1000-50 – 800-50 – 800-1.5
Aux Gas Flow Rate0 - 600-180 – 400-170 – 250-15
Sweep Gas Flow Rate0-100-110-100-130-140-15

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MSから異常音がします。

MSから異常音がする場合は以下の可能性があります。

  1. ロータリポンプからの異常音
    いつもより大きなボボボという異常音が生じている場合は、リークしている可能性があります。ロータリポンプとMS本体をつなぐホースが折れたり、亀裂が 入っていないか確認してください。また、メンテナンス作業を行った場合は、イオンソースの組み立てに問題があった可能性もありますので、再確認してくださ い。
    ロータリポンプの回転軸に問題が生じると、ガリガリという異常音が生じる音があります。周りのデスクなどと共鳴していないか、ロータリポンプのオイル量が 正常か(ゲージの半分以上)か、本体が異常に熱くなっていないか確認してください。音が小さくならない場合は、ポンプ自体が停止してしまう可能性があるの で交換をお勧めします。
  2. ターボポンプからの異常音
    ターボポンプの回転翼に問題が生じると、キーンという高い金属音が生じる場合があります。交換をお勧めします。
  3. FANからの異常音
    MS本体内の温度を下げるために、空冷用のFANが取り付けられています。FANの回転翼に問題が生じた場合は、ガリガリという異常音が生じます。TSQ Quantum、Vantageシリーズでは本体右上部付近より、LTQでは右奥より、LTQ Orbitrapシリーズでは本体背面パネル下部より音がします。FANの故障の可能性が高いですので、交換が必要です。

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イオントラップ型質量分析計でヘリウム以外のガスを使用できますか?必要なヘリウムガスの純度はいくつですか?

ヘリウムガスはイオン源から導かれたイオンをトラップの中心に集めるだけでなくイオンと衝突させることによりフラグメント化する役割もあります。そのためOrbitrap Tribridシリーズ、Orbitrapシリーズ、LTQシリーズの装置では必須のガスとなり他のガスでは代用できません。

機種純度(推奨)2次圧使用量
Orbitrap Tribridシリーズ、Orbitrapシリーズ、LTQシリーズ
99.999%275±70kPa10mL/min

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イオントラップ型質量分析計で測定しない時はヘリウムを止めてもいいですか?

イオントラップ型質量分析計では、通常測定しない場合でもヘリウムを消費しています。スタンバイ状態でヘリウムを止めても装置が止まることはありませんが、その間はトラップ内部やラインに空気の他にゴミが混入する可能性があります。スプリッタにゴミが混入すると修理が必要になる場合もございます。また、ヘリウムを止めた場合には、再度流してからラインが安定するまではしばらく時間(15分~20分程度)が必要です。そのためできる限りヘリウムは流した状態にしていただくことをお勧めしています。

レギュレーター

レギュレータの2次圧を0.12MPa程度まで下げていただくことにより、消費量を抑えることが可能です。

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MSがエラーになった際にLC Pumpを停止する方法はありますか?

Xcalibur/home/tools/Configration/Intelligent Shoutdown(Error Handring)にてAttempt to turn off the devices and pause the sequenceにチェックを入れてください。
Xcalibur制御のU3000、Vanquishシリーズにて設定が可能です。

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エラーメッセージ

Vacuum is not OKというメッセージが出て分析ができません。(装置の真空値の目安)

真空度が正常値に達していないか、イオンゲージがOFFになっている可能性があります。それぞれの機種のstatus > Vacuumの項目を確認していただき、ロータリポンプ、ターボポンプが正常に稼動していない場合は、リークがないか確認をしてください。
正常に稼動して いる場合は、TSQ Quantumシリーズをご使用のお客様はMS本体のリセットを、LTQシリーズ、LTQ Orbitrapシリーズをご使用のお客様はTune画面のVacuumのIon Gaugeを手動でONしてください。それでもOFFになる場合は、イオンゲージかソースボードの交換が必要になりますので弊社カスタマーサポートセンターへお問い合わせください。

真空度の目安

真空度は機種および状態によって正常な範囲が異なります。
目安値はトランスファーチューブの温度が300℃程度の場合の値になります。

TSQⅡシリーズ
   真空度 (単位)  備考
TSQ Altis(Plus) TSQ Qunativa TSQ Quantis(Plus)TSQ Fortis(Plus)、TSQ Endura  
Source Pressure 4.0 以下(Torr)4.5以下(Torr)2.0以下(Torr) 
0.5 以下(Torr)0.5 以下(Torr)0.5 以下(Torr)トランスファーチューブに栓をしているもしくは抜いている場合
Analyzer Pressure8.0E-06(Torr) 以下9.0E-06(Torr) 以下 6.0E-06(Torr) 以下  
Orbitrap Tribridシリーズ
   真空度 (単位) 備考
Orbitrap Eclipse
Orbitrap Fusion Lumos
Orbitrap IQ-X
Orbitrap ID-X
Orbitrap Fusion 
Source Pressure 2.0 - 3.0 (Torr)1.5 - 2.0 (Torr)1.5 - 2.0 (Torr) 
0.5 以下(Torr)0.5 以下(Torr)0.5 以下(Torr)トランスファーチューブに栓をしているもしくは抜いている場合
Ion Gauge Pressure3.0E-05 (Torr) 以下1.5E-05(Torr) 以下1.5E-04(Torr) 以下 
UHV Pressure5.0E-10(Torr) 以下5.0E-10(Torr) 以下5.0E-10(Torr) 以下 
Orbitrap Explorisシリーズ
  真空度 (単位) 備考
Exploris480Exploris240Exploris120 
Source Pressure 3.0 - 4.0 (mbar)1.5 - 2.7 (mbar)1.5 - 2.7 (mbar) 
0.5 以下(mbar)0.5 以下(mbar)0.5 以下(mbar)トランスファーチューブに栓をしているもしくは抜いている場合
HCD Cell Pressure1.1E-02 (mbar)1.1E-02 (mbar)1.1E-02 (mbar) 
UHV Pressure5.0E-10(mbar) 以下6.0E-10(mbar) 以下7.5E-10(mbar) 以下 
Exactive シリーズ
 真空度 (単位)備考
Fore Vacuum  1.00E+00 - 2.50E+00 (mbar) 
2.50E+00 - 4.00E+00 (mbar)QExactiveHFXのみ
0.00E+00 - 0.30E+00 (mbar)トランスファーチューブに栓をしているもしくは抜いている場合
High Vacuum Turned off通常OFF
5.00E-05  (mbar) 以下真空起動立ち上げ時にONして確認
UHV(Ultra High Vacuum)8.00E-10 (mbar) 以下 
LTQ Orbitrapシリーズ
 真空度 (単位)備考
Convectron Pressure 0.8-2.0 (Torr) 
0-0.3 (Torr)トランスファーチューブに栓をしているもしくは抜いている場合
Ion Gauge Pressure1.00-3.00(E-5 Torr) 
FT Penning Gauge0.5-2.0 (E-10 Torr) 
FT Pirani Gauge 10.7-1.5 (Torr) 
FT Pirani Gauge 20 
LTQ シリーズ
 真空度 (単位)備考
Convectron Pressure0.8-2.0 (Torr) 
0-0.3 (Torr)トランスファーチューブに栓をしているもしくは抜いている場合
Ion Gauge Pressure0.70-2.50(E-5 Torr) 
TSQ QuantumシリーズIon Gauge Pressure
 真空度 (単位)備考
Fore Pump Pressure 1.2-2.0 (Torr) 
0-0.3(Torr)トランスファーチューブに栓をしているもしくは抜いている場合
Ion Gauge Pressure 1.0E-05 – 2.0E-05 (Torr)CIDガスONの場合
8.0E-07 – 6.0E-06 (Torr)CIDガスOFFの場合

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Source is Openというメッセージが出て、スキャンが開始されません。(IonMAXハウジング)

イオンソースが正しく本体に装着されていない場合にメッセージが表示されます。
IonMaxハウジングと本体の接続がガタついてないか、ハウジング前面の 蓋がきっちりしまっているか、プローブのガイドピンがハウジングにあたっているか、ケーブルのコネクタに緩みがないかどうかの確認をしてください。


TSQ Quantumシリーズの場合

“Source is OPEN” 確認ポイント

ポイント1:ハウジングはガタついてないか

隙間がありロックがかかっていない

ポイント2:プローブのガイドピンとケーブル

ガイドピンがハウジングに接触していない

ポイント3:ハウジングの蓋

マイクロスイッチが入らない

ポイント3:ハウジングの蓋

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Quantumシリーズを使用しています。HV Protect tripped! のエラーが出て分析ができません。(Quantumシリーズ)

メンテナンスなどで真空を解除した場合は、起動してアナライザーの真空度が6.0e-6 Torr以下に到達するまでにスキャンを開始しようとすると、以下のメッセージが表示されます。Status>Vacuum>Ion Gauge Pressureが6.0e-6 Torr以下になるまでお待ちください。また、通常MS/MS Scan測定モードの場合はCIDガスがコリジョンセルに入りますのでIon Gauge Pressureの値は1.5e-5程度になりますが、エラー表示は出ない仕組みになっています。
CIDガス圧が高く、Full ScanモードとMS/MS モードを切り替えるようなメソッドを走らせた場合には、切り替えのタイミングによってエラーが出て分析がストップすることがありますのでアルゴンガスのレ ギュレーターの2次圧(135±70kPa:おおよそ0.1MPa)を確認してください。

真空の悪い状態でエレクトロニクス ONにした場合

インターロック(Ion Gauge:6e-6Torr)のかかる値を超えた場合

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Orbitrapを使用しています。FT HV-PS or CE-PS overload.のエラーが出て分析ができません。(LTQOrbitrapシリーズ)

FTMSスキャンモードで極性を切り替えた場合に、エラーメッセージが表示される場合があります。お手数ですが、FTの電気系のリセットを行ってください。
リセット後にFTMSスキャンモードでスキャンを開始同じメッセージが表示された場合は、お手数ですが弊社カスタマーサポートセンターへお問い合わせください。 

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装置のログはどこに保存されていますか?

Orbitrap Tribridシリーズ、Orbitrap Explorisシリーズ、Exactiveシリーズ、TSQⅡシリーズの装置は下記フォルダにログが保存されています。弊社カスタマーサポートセンターにお問い合わせいただいた際に、装置の状態確認のためご送付を依頼する場合がございます。 

装置名装置ログの保存先
Orbitrap TribridシリーズC:\Thermo\Instrument\TNG\装置名\ソフトウエアVer.\system\log\TNGConsoleLog _日付
ソフトウエアバージョン3.3以降は下記の通り
C:\Thermo\Instrument\TNG\装置名\ソフトウエアVer.\system\log\Firmware-日付 
C:\Thermo\Instrument\TNG\装置名\ソフトウエアVer.\system\log\DataSystem-日付
Orbitrap ExplorisシリーズC:\ProgramData\Thermo\Exploris\Log\InstrumentTemperature--日付
C:\ProgramData\Thermo\Exploris\Log\MS-Log-日付
ExactiveシリーズC:\Xcalibur\system\Exactive\Log\Instrument Temperature_日付
C:\Xcalibur\system\Exactive\Log\Thermo Exactive_日付
(ExactiveはThermo Exactive_日付のログのみ)
TSQⅡシリーズC:\Thermo\Instrument\TNG\装置名\ソフトウエアVer.\system\log\TNGConsoleLog _日付
ソフトウエアバージョン3.4以降は下記の通り
C:\Thermo\Instrument\TNG\装置名\ソフトウエアVer.\system\log\Firmware-日付 
C:\Thermo\Instrument\TNG\装置名\ソフトウエアVer.\system\log\DataSystem-日付

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コミュニケーション

PCとMSのコミュニケーションが取れず、つながりません。

PCと質量分析計(MS)とはイーサネット通信によってコミュニケーションを行なっています。PC、質量分析計(MS)のそれぞれがLANカードをもち、固定IPアドレスが設定されています。LANカード間には通常HUBを設置していますので、まずHUBの電源が入っていること、HUBのランプが点灯しているかどうかの確認をして下さい。ランプが点灯していない場合は、LANケーブルのコネクタに緩みがないか等を確認して下さい。
ランプが点灯している場合は、PCのStartメニューからAll Programs>Accessories>Command Prompt画面を起動しpingコマンドで通信の応答があるかどうかを確認して下さい。PC側の応答がない場合は、PCのLANカードの不良か設定が正しくない可能性があります。質量分析計(MS)の応答がない場合は、MS本体の故障の可能性があります。
また、通信の応答があるのにコミュニケーションが取れない場合は、Firewallの設定がONになっているか、制御用のプログラムが正常にスタートしていない可能性があります。

固定IPアドレス一覧
機種MS側IPアドレス PC側IPアドレス
Orbitrap Tribridシリーズ172.16.0.222172.16.0.101 
(Subnet mask: 255.255.0.0)
Orbitrap Explorisシリーズ172.16.0.200
Exactiveシリーズ172.16.0.200
LTQ OrbitrapシリーズLTQ:172.16.0.211
FT:172.16.0.212 
LTQシリーズ172.16.0.211
TSQⅡシリーズ172.16.0.221
Quantumシリーズ172.16.0.201

 

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HPLCからのスタート信号が入らず、分析が始まりません。

HPLCからのスタート信号ケーブルは質量分析計(MS)の電源パネル部に接続されており、その2本のケーブルが接触(Contact Close)することで、分析がスタートする仕組みになっています。
まず、Run Sequenceの画面が正しく設定されているかどうかを確認します。Sequence Setup画面でボタンを押しRun Sequence画面を開きます。以下のポイントを確認します。

  1. 使用するデバイスがInstrumentに表示されている。(Change Instruments…で変更)
  2. スタート信号を出すデバイスのStart InstrumentにYesが入っている。(Change Instruments…で変更)
  3. Start When Readyにチェックが入っている。
  4. Programsなどに不要なメソッドは入っていない。
  5. After Sequence Set System:がOnかStandbyが選択されている。
Run Sequenceの画面

OKボタンを押すと、シークエンスが実行されます。MSのStatusの表示がReady to Download > Downloading > Waiting for contact Closureに変わります。これは、HPLCのスタート信号を待っている状態です。ご使用のHPLCのオートサンプラーがInjectionすれば、Runningに表示が変わりスタートします。Waiting for contact Closureのまま分析がスタートしない場合は、スタート信号ケーブルが正しい場所に接続されているか、接続にゆるみがないかなどをご確認ください。接続に問題がない場合には、スタート信号ケーブルが接続されている端子を、物理的に接触させてクローズ状態にして分析がスタートするか確認してください。

スタート信号ケーブルが接続されている端子を物理的に接触させてクローズ状態にする

物理的に接触でスタートする場合は、信号ケーブルの接触不良か、HPLC側のスタート信号の設定に不具合が考えられます。物理的に接触でもスタートしない場合は、MS本体の電気系のリセットを行ってください。解消しない場合は、弊社カスタマーサポートセンターへお問い合わせください。


キャリブレーション

キャリブレーションファイルとチューンファイルの違いとキャリブレーションファイルの保存先について

TSQ QuantumシリーズやLTQシリーズ、Exactiveシリーズでは測定するためにキャリブレーションファイルとチューンファイルが必要となります。
キャリブレーションファイルは質量軸を校正するためのもので、装置毎にマスターファイルが保存されています。キャリブレーションを実施し正常に終了すると、マスターファイルが更新されます。下記の場所に格納されておりますので、定期的にマスターキャリブレーションファイルをバックアップしていただくことをお勧めします。
バックアップをロードする場合、マスターファイルを戻していただき、装置のリセットを実施してください。

装置名マスターキャリブレーションファイル保存先
Orbitrap Tribridシリーズ※1C:\Thermo\Instrument\TNG\system\msi\TNGCaliFile.xmb
C:\Thermo\Instrument\TNG\装置名\ソフトウエアVer.\system\msi\TNGCaliFile.xmb
Orbitrap ExplorisシリーズC:\ProgramData\Thermo\Exploris\instruments\msx_instrument\master_cal.mscal
ExactiveシリーズC:\Xcalibur\system\Exactive\instrument\msx_instrument_files\mastercal.mscal
LTQ、LTQ OrbitrapシリーズC:\Thermo\Instrument\LTQ\system\msx\master.LTQcal
TSQ II シリーズ※1C:\Thermo\Instrument\TNG\system\msi\TNGCaliFile.xmb
C:\Thermo\Instrument\TNG\装置名\ソフトウエアVer.\system\msi\TNGCaliFile.xmb
TSQ Quantum※2/VantageC:\Thermo\Instrument\TSQ\system\methods\Default_Current.TSQCalib

※1 ソフトウェアのVersionによって異なります
※2 TSQ 2.1.0以降のVersionの場合に適応

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QExactiveシリーズのモード(Role)の変更方法について

QExactiveシリーズのtuneには制御モードがStandard、Advanced、Serviceの3種類があります。

Role役割
Standard通常のモードです。
Advancedcustomized calibrationの実施、HV gaugeを点灯させる際に使用します。
Serviceエンジニアの使用するモード、装置の状態確認などの際に依頼する場合がございます。serviceモードは通常は表示されません。

 

Advancedモードへの変更方法

tune画面の右上RoleをStandardからAdvancedに変更してください。

Serviceモードへの変更方法

  1. 通常、Tune画面の右上端のモード変更には下図のようにStandardとAdvancedのモードしか選択技が現れません。

  2. 弊社にて3日間Serviceモードが使用可能になる一時ライセンスを発行いたします。テキストファイルに貼り付けた文字列をお送りいたします。

  3. 弊社にて3日間Serviceモードが使用可能になる一時ライセンスを発行いたします。テキストファイルに貼り付けた文字列をお送りいたします。

  4. About画面のAdd licenseのボタンから入力して下さい。Serviceモードが使用できるようになります。

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ESIを使用しています。スプレーを安定させるにはどうしたらよいですか?

ESIで測定する場合、各装置のイオンソース設定画面では、設定したスプレー電圧値(Spray Voltage)に対し必ずスプレー電流値(Spray Current)のリードバック値を読み取っています。電流値が安定していない場合は、スプレーは不安定であると考えられます。スプレーがまっすぐに噴霧 されているかを確認し(下図)、スプレーガスの量(Sheath Gas Flow Rate)を調整して下さい。電流値が0の場合は、送液がなされているか、流路に詰りがないか、フューズドシリカキャピラリをご使用の場合は先端が飛び出 したりしていないかどうかを確認して下さい。また、電流値が80µAを超えて、電圧値が設定よりも下がっている場合は、放電を起こしています。電圧値を下 げるか、プローブの位置を調整して下さい。メタルニードルをご使用の場合は放電しやすくなりますのでご注意ください。


プローブの位置はどのように調整すればよいですか?

IonMaxハウジングでは、プローブの先端からイオントランスファーチューブまでの距離を、前後位置、左右位置、プローブの深さの3方向で調節すること が可能です。IonMaxハウジングおよびプローブは全機種共通ですが、先端からの位置やトランスファーチューブの内径が各機種によって異なります。ま た、プローブや測定条件によっても最適位置は異なりますので、それぞれのマニュアルに沿って調整をして下さい。
ESIやHESIの場合は、距離が近すぎる場合は放電を起こす可能性がありますのでご注意ください。また、プローブには高電圧がかかりますので、プローブ位置を調整する場合は、必ずスキャンを停止した状態で行なって下さい。

Ion MAX ハウジング

深さ方向の調整

lc041-01

奥行き、左右方向の調整

lc041-02

Ion MAX NG, Opta MAX NGハウジング

奥行き方向の調整

Ion MAX ハウジング 深さ方向の調整
Ion MAX ハウジング 奥行き、左右方向の調整

横位置の調整

Ion MAX NG, Opta MAX NGハウジング 横位置の調整

プローブの深さ調整

Ion MAX NG, Opta MAX NGハウジング プローブの深さ調整

真空を落とさずにIon Transfer tubeが交換できますか。

感度が低下した場合、詰まりが考えられる場合にはIon Transfer Tubeを取り外して洗浄していただく必要があります。
弊社のLCMSシステムでは、Ion Transfer Tubeを取り外すと、Vent prevent ballが落ちて真空を保護する仕組みになっています。真空を引いたままIon Transfer Tubeを取り外す場合は、操作マニュアルに従い必ず温度を下げてから行って下さい。洗浄によっても改善しない場合は、新品と交換していただくことをお勧めいたします。 また、取り付けの際にはボールが押し上がるように、回転しながら挿入してください。


Ion Maxハウジングとプローブのデザイン変更について

2017年中旬にIon Maxハウジングとプローブ(HESI Ⅱ,APCI)のデザイン変更されました。
Heaterのケーブルのコネクタが変更されていますので、新タイプ、旧タイプのハウジング、プローブ組み合わせての使用は出来ません。


HESI IIプローブを使用していますが、ESIと認識されます。HESIと認識させるにはどうしたらよいですか?

HESI IIプローブのVaporizer Cable socketにVaporizer cable(①)が接続されているかご確認ください。Vaporizer cableがハウジング側ソケット(②)に接続されているとESIとして認識され、プローブ側ソケット(③)に接続されているとHESIとして認識されます。

HESI IIプローブを使用していますが、ESIと認識されます。HESIと認識させるにはどうしたらよいですか?

ロータリーポンプ/チラー

ロータリポンプ、ターボポンプの寿命と交換時期について。

ロータリポンプもターボポンプも構造は異なりますが、高速で回転する回転翼を持っています。回転による磨耗などで部品は消耗し、品質を保つためには2-4 年程度が交換を推奨する時期となります。異音がする場合や、回転が停止した場合には、期間にかかわらず交換が必要ですので弊社カスタマーサポートセンターへお問い合わせください。
またロータリポンプの場合は、オイル漏れが激しい場合にも交換が必要です。

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オイルミストトラップにオイルが溜まっています。

ロータリポンプには排気に含まれる油分をトラップするオイルミストトラップと、トラップに溜まったオイルを本体に戻すためのオイルリターンキットが設置されています。1カ月に1回程度、ポンプ稼働中にバラストバルブを開放してオイルを戻して下さい。また、定期的にオイルミストトラップ内のミストフィルタも交換が必要です。

エドワーズ社製 E2M28/E2M30 の場合
測定は停止してください。真空を解除する必要はありません。バラストバルブを半時計回りに回転させると、開放されます。5分程度開放したら閉めてください

エリコンライボルト社製 SOGEVAC SV45B/SV65B/SV120 の場合
測定は停止してください。真空を解除する必要はありません。バラストバルブを半時計回りに回転させると、開放されます。5分程度開放したら閉めてください。

ファイファーバキューム社製 Duo11の場合
測定は停止してください。真空を解除する必要はありません。バラストバルブを半時計回りに回転させると、開放されます。5分程度開放したら閉めてください。

(ファイファーバキューム社 Duo11 Sperating instructionsより抜粋)

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チラーのエラー(サービスコード)表示について(ThermoFlex900)

チラーがアラーム音を出している場合は、チラー本体のパネルの表示を確認して下さい。メンテナンスアラームの場合はEnterキーを2回押してアラームを解除できます。エラーの場合は、チラーのフィルタが詰まっていないかどうかの確認の上、弊社カスタマーサポートセンターへお問い合わせください。

よく表示されるサービスコード一覧

メンテナンスアラーム
FLtrsフィルタのメンテナンスアラーム
SEr 1ステッパーバルブの累計カウントが60,000,000ステップに到達
SEr 2ポンプの累計稼働時間が10,000時間に到達
SEr 3P1ポンプモーターの累計稼働時間が35,000時間に到達
SEr 4圧力トランスデューサーの累計稼働時間が10,000時間に到達
SEr 5フロートランスデューサーの累計稼働時間が64,000時間に到達
SEr 6ファンモーターの累計稼働時間が20,000時間に到達
エラー
oFLoOver Flow、水があふれてリークセンサーが稼動している可能性があります
Lo P1Low Pressure、水が流れていないか、ポンプが故障している可能があります
Hi tHigh Temperature 、水温が下がらなくなっている可能性があります
Hi P1High Pressure、ラインが詰まってポンプ圧が上がっている可能性があります

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チラーの循環水は水道水で大丈夫?また添加剤は必要ですか(ThermoFlex900)

チラーの循環水は水道水をご使用いただいて問題ありません。Orbitrapシリーズでは、ターボポンプおよびアナライザー、ボード類を冷却しているため常時チラーは稼動し、水が循環し続けています。また、添加剤の使用は推奨されておりませんので、定期的にフィルタの洗浄および循環水の交換をお願いします。

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チラーのフィルタが詰まっているようです。どのように洗浄すればよいですか (ThermoFlex900)

ThermoFlex900シリーズの場合、内部に循環している冷却水用のフィルタがあります。このフィルタが目詰まりするとオーバーフローを起こしエ ラーが出て、ポンプが停止する可能性があります。定期的に確認していただき、フィルタに水が溜まっている場合は洗浄をしてください。

ThermoFlex900 チラーのフィルタ洗浄方法
チラーの内部に冷却水用のフィルタがあります。定期的に洗浄してください。フィルタが詰まるとチラーがエラーで停止することがあります。稼働している状態でも作業できます。

  1. 水の注水口の蓋を外します

  2. 左側のカバーを外します

  3. フィルタを外して水道水で水洗いしてください

交換用フィルタ
P/N:598000000002 35MICRON FILTER KIT/GROLL(2個セット)

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装置起動後、すぐにロータリーポンプが停止してしまいます。

ロータリーポンプの負荷を減らして起動させます。
Ion Transfer Tube(左の形状)にAPCIのコロナニードルまたはアルミホイルで栓をして下さい。
Ion Transfer Tubeの穴が楕円形(右の形状)の装置ではコロナニードルは使用できません。sweep coneをはずし、アルミホイルにて塞いでください。

ロータリーポンプを2台使用している装置はロータリーポンプを1台づつ起動させることも有効です。
Ion Transfer Tubeは装置がstandbyの状態になると高温になりますので栓をはずす際など注意してください。
それでも起動しない場合は、弊社カスタマーサポートセンターにお問い合わせください。

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ロータリーポンプのオイルが泡立っています。

ロータリーポンプオイルと親和性のない極性溶媒がオイルボックスに入ることで泡立ちの原因になると考えられます。
オイルの泡立ち自体が排気性能に影響を与えることはございません。
一方で水分や酸などがオイルボックスに貯まることで内部部品の腐食に繋がることは考えられますので、メンテナンス周期でオイル交換を推奨します。

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