Search Thermo Fisher Scientific
新型コロナウイルス SARS-CoV-2（COVID-19）用ワクチン開発研究ソリューション
ヒト間の呼吸器感染を予防するための承認されたコロナウイルスワクチンはありませんが、調査中または開発のさまざまな段階にある多数のものがあります。SARS-CoV-2 の場合、一部の抗ウイルス薬または生物学に基づくアプローチは、緊急またはコンパッショネート使用が承認されていますが、最終的にワクチンは、免疫システムを迅速かつ効果的に反応させることで、感染リスクを低減する長期的なソリューションを提供します。ワクチン開発は、感染の抑制、集団免疫の向上、さらに SARS-CoV-2 の再流行防止に必要です。
ワクチン開発へのさまざまなアプローチは、タンパク質サブユニット、プラスミド DNA、mRNA、またはウイルスワクチンのいずれかに大きく分類できます。当社の製品およびサービスは、大規模な cGMP 生産を可能にする、拡張性が高く堅牢なワクチンの開発をサポートします。
ワクチン研究
ワクチン由来の免疫は、人間の生命を守る最も効果的な方法の一つですが、ウイルスは常に進化しています。 そのため、ワクチンのアプローチを選択し、免疫応答を引き起こす可能性のある病原体および抗原候補を特定するための基礎的なラボ研究から始めることが重要です。
当社は、さまざまなアプローチに対応する、ワクチン研究をサポートする幅広い製品を提供しており、開発期間の短縮を実現します。 詳細は、ワクチン研究開発ツールをご覧ください。
SARS-CoV-2 用核酸単離製品
MagMAX Viral/Pathogen Nucleic Acid Isolation Kit を用いて、迅速かつ効率的に SARS-CoV-2 RNA を精製できます。ハイスループット核酸単離を実現する KingFisher システムをはじめ、ハイスループット核酸単離製品の詳細については、SARS-CoV-2 研究用ウイルス核酸単離をご覧ください。
Ion Torrent NGS によるワクチン研究用のエンドツーエンドの免疫学ソリューション
適応免疫系を深く理解することは、免疫応答を含むワクチン研究におけるその役割に対するより良い洞察をもたらします。Ion Torrent 免疫学的研究ポートフォリオにより、レパートリーシーケンシングおよび免疫応答に対して多次元研究アプローチを取ることが可能になります。Ion Torrent テクノロジーの精度と感度によって、次世代シーケンシング（NGS）アッセイは貴重なサンプルからより多くのウイルスの探索を可能にします。
- クローン性と拘束性に対する洞察を深める TCR ベータアッセイ
- 体細胞変異を定量しアイソタイプを調べる BCR IgH アッセイ
- 低発現遺伝子を検出する免疫応答アッセイ
ワクチン開発候補に対する遺伝子発現や微生物といった因子が、免疫応答にどのように影響するかの研究が必要です。
Ion GeneStudio S5 System は、幅広いアプリケーションに対応した拡張性の高いターゲット NGS 主力製品であり、免疫応答研究アッセイの包括的なポートフォリオに対応しています。
Ion GeneStudio S5 System の詳細を見る
Ion Torrent NGS によるワクチン研究ソリューション
適応免疫系を深く理解することは、免疫反応やワクチン開発を含むワクチン研究におけるその役割への良い洞察をもたらします。 Ion Torrent ターゲット NGS ポートフォリオは、これらの研究に対する多次元的なアプローチを提供します。Ion Torrent および AmpliSeq テクノロジーの精度と感度によって、各ターゲット NGS アッセイは、貴重なサンプルからより多くのウイルスの探索を可能にします。
Invitrogen SuperScript 逆転写酵素は、熱安定性、処理能力、 cDNA 収量を改善するために開発され、最も困難な RNA サンプルでも性能を発揮します。50,000 件を超える引用、レビュー、出版物を含む SuperScript 逆転写酵素は、ワクチン開発において優れた選択肢であることが実証されています。
thermofisher.com/ssiv にて研究者の方たちのコメントをご確認いただけます。
Illumina システム用 Invitrogen Collibri ライブラリ調製キットを使用すると、短時間でより高い精度で、ホスト遺伝子発現の仮説のないターゲットの同定と評価が可能になります。
Invitrogen Qubit 4 は、次世代シーケンシングライブラリの正確な定量や適切な品質のチェックを可能にします。これはシーケンス実行の成功の鍵となります。
サーモフィッシャーサイエンティフィックは、ワクチン研究をサポートする幅広い細胞培養試薬、装置、消耗品を提供しています。以下の表で製品をご覧いただくか、thermofisher.com/cellculture で詳細をご覧ください。
GeneArt 遺伝子合成は、最先端の半導体技術が使用されています。フェムトモル量を使用する当社のプロセスは、高スループット遺伝子合成に伴うエラーの低減に役立ちます。GeneOptimizer アルゴリズムは、mRNA を安定させ翻訳効果を最大化する因子の組み合わせによりタンパク質収量を大幅に増加させる、実際のマルチパラメーターアプローチの一部として、発現システムに最適な遺伝子配列を決定します。
GeneArt 遺伝子合成サービスを利用した最近の出版物：
- SARS-CoV-2 Cell Entry Depends on ACE2 and TMPRSS2 and Is Blocked by a Clinically Proven Protease Inhibitor (Hoffmann, et. al., 2020)
- Structure, Function, and Antigenicity of the SARS-CoV-2 Spike Glycoprotein (Walls, et. al., 2020)
詳細は thermofisher.com/genesynthesis をご確認ください。
| in vitro 転写 | 転写後修飾 | テンプレートの劣化 |
|---|---|---|
| T7 RNA ポリメラーゼ、TheraPure グレード | キャッピング酵素、TheraPure グレード | DNase I、TheraPure グレード |
| RNase 阻害剤、TheraPure グレード | 2'-O-メチルトランスフェラーゼ、TheraPure グレード | |
| 無機ピロホスファターゼ、TheraPure グレード | ポリ（A）ポリメラーゼ、TheraPure グレード | |
| ATP、GTP、CTP、UTP、TheraPure グレード | ||
| 修飾ヌクレオチド、TheraPure グレード | ||
| Arca（抗リバースキャップアナログ） |
GeneArt Gene-to Protein
GeneArt 遺伝子合成から最適化された真核生物／哺乳類発現システムまで、サーモフィッシャーサイエンティフィックの幅広い製品ポートフォリオは、研究者に遺伝子発現を完成させる機会を提供します。当社独自のシーケンス最適化アルゴリズム（Invitrogen GeneArt GeneOptimizer テクノロジー）は、並列マルチパラメーターアプローチによりシーケンスを強化します。また、タンパク質収量を最大化するために、無血清 の Gibco Expi293、Gibco ExpiCHO、昆虫発現システムがあります。
電子的な遺伝子配列やアクセッション番号からタンパク質精製までの包括的なアプローチは、遺伝子からタンパク質へのワークフローを高性能で活用するための効率的な方法です。研究用に弊社の試薬をご利用いただく以外にも、 高度にカスタマイズされた受託サービスとしてワークフロー全体をアウトソーシングすることができます。この方法は、医薬品開発の初期段階の迅速なタンパク質生産に最適で、R&D からバイオプロダクションへの移行時に観察されるタンパク質の品質／機能の変化を最小限に抑えることができます。
詳細は タンパク質発現受託サービス をご確認ください。
QuantiGene 遺伝子発現アッセイは、分岐 DNA（bDNA）技術に基づいており、RNA を単離することなく、サンプルからの直接転写プロファイリングを可能にします。QuantiGene アッセイは単一およびマルチプレックスフォーマット（96および 384ウェル）で提供され、ウェルあたり最大 80 RNA ターゲットを解析できます。
これらのアッセイは、ワクチン QC および安全性のためのより信頼性が高く堅牢なパラメータの開発に使用されています。QuantiGene テクノロジーは、mRNA ワクチンなどの核酸ワクチンの登場により、デリバリーシステムの安全性を評価し、さまざまな経路で投与後の核酸の生体分布をモニタリングするために使用されています。これは、RNA ワクチンの安全性が従来のワクチンと同等であることを実証するために重要です。
ワクチン開発は一刻を争います。ワクチンの迅速な開発と導入は、病原体のさらなる拡散から人類を守るために不可欠です。
Gibco Expi 一過性発現システムは、信頼性が高く一貫して、ワクチン候補の優れた収量を最短時間で得られます。当社の最適化されたタンパク質発現システムには、細胞、培地、トランスフェクション試薬、エンハンサー／フィード、および DNA ベクターが含まれ、以下を可能にするソリューションを提供します。
- ワクチン候補を迅速に生産し、実用化までの時間を効率的に短縮
- ワクチン候補の高収量
- 費用対効果が高く、大規模な製造能力
注目のストーリー：University of Slandensland でのワクチン開発の取り組み
クイーンズランド大学の Paul Young 教授と Keith Chappell 博士は、感染症流行対策イノベーション連合（CEPI）の後援の下で SARS-CoV-2 ワクチン開発のために早期に動員されたグループを率いています。同教授らは独自の「分子クランプ」テクノロジーを Gibco ExpiCHO 発現システムとともに用いて、ターゲットワクチンの開発に向けた迅速な取り組みを行っています。ExpiCHO システムは収量と品質が高くワクチン候補をすばやく発現させることから、このプロジェクトにきわめて適しています。また、一過性発現を用いる初期の前臨床研究からクローン選択された高発現安定細胞株を用いた本格的な製造まで、製造プロセス全体に同じ cGMP-bankedExpiCHO-S 細胞を使用することができます。
この研究に焦点を当てた GEN（Genetic Engineering & Biotechnology News）の記事を読む
構造研究
ウイルスのスパイクタンパク質はウイルスの表面に局在し、宿主細胞への結合に使用され、ウイルス感染を可能にします。これらのタンパク質の 3D 構造を正確に理解することは、特異的で効果的な治療薬やワクチンの作成に不可欠です。また、これにより、ウイルスがどのようにして免疫系を逃れるかに関する一般的な洞察を得られます。
分子生物科学部（テキサス大学オースティン校）およびワクチン研究センター（米国国立衛生研究所）の研究者は、Thermo Scientific Krios G4 クライオ 透過型電子顕微鏡（Cryo-TEM）を使用して、SARS-CoV-2 スパイクタンパク質の 3D 構造を特定しました。この Cryo-TEM はパワフルなライフサイエンスアプリケーション用のクライオ電子顕微鏡です。
この構造はまちがいなく、潜在的なワクチンや治療法の開発や評価を促進するでしょう。もっとも重要なことは、スパイクタンパク質の精製後、数週間で構造が決定されたことです。この迅速性は、ワクチンや抗ウイルス薬の開発における改革の先駆となります。
関連するリンク：
単粒子解析法
Thermo Scientific Krios G4 Cryo-TEM
GeneArt Gene-to Protein サービス
構造生物学用の Expi293 発現システム
注目のストーリー：SARS-CoV-2 スパイクタンパク質の 3D 構造の特定
分子生物科学部（テキサス大学オースティン校）およびワクチン研究センター（米国国立衛生研究所）の研究者は、Thermo Scientific Krios G4 クライオ透過型電子顕微鏡（Cryo-TEM）を使用して SARS-CoV-2 スパイクタンパク質の 3D 構造 を特定しました。この Cryo-TEM は、パワフルなライフサイエンスアプリケーション用のクライオ電子顕微鏡です。
この構造はまちがいなく、潜在的なワクチンや治療法の開発や評価を促進するでしょう。もっとも重要なことは、スパイクタンパク質の精製後、数週間で構造が決定されたことです。この迅速性は、ワクチンや抗ウイルス薬の開発における改革の先駆となります。
プロセス開発および製造
SARS-CoV-2 ウイルスに対するワクチン開発では、次の 4 つの異なるアプローチが主流となっています。
- タンパク質サブユニットワクチン
ウイルスの主要な部分、通常はウイルスのスパイクタンパク質または受容体結合ドメインの一部を使用して免疫応答を発生させることが含まれます。 これらのタンパク質は、哺乳類、微生物、または酵母細胞で組換えにより生成されます。 - mRNA ワクチン
ウイルスのスパイクタンパク質をエンコードするmRNAを、合成、パッケージ化して注入することが含まれます。
- プラスミド DNA ワクチン
スパイクタンパク質や複数のウイルス構造をエンコードする、裸のプラスミド DNA を使用します。このウイルス構造は、いったんヒト細胞に取り込まれると、ウイルスタンパク質に翻訳され、免疫応答を引き起こすのに役立ちます。 - ウイルスワクチン
完全なウイルスを増殖させ、死滅または弱毒化したウイルスをワクチンとして使用することが含まれます。
当社のバイオプロセスワクチン製造技術およびウイルス学ポートフォリオは、プロセス開発および生産に実績あるソリューションを提供します。これらの製品の詳細については、以下をご覧ください。
- バイオプロセシング用 Gibco 細胞培養：一貫性と拡張性のある細胞増殖、力価、および製品品質を実現します
- シングルユースバイオプロセシング：生産工程へのアップストリームスケールアップを簡素化します
- クロマトグラフィーおよび精製ソリューション：非常に複雑な分子やプロセスにも対応する精製ソリューションを設計します
- 汚染物質および不純物 QC：迅速な分析メソッドにより、プロセスと製品の安全性を確保します
- 生産用化学薬品およびサービス：作業フローを簡素化して、生産性を高め、コストを削減します
| 製品名 | 詳細 |
|---|---|
| カスタム細胞培養用培地およびバイオプロダクションサービス | thermofisher.com/custommedia |
| Low-Endotoxin Plasmid DNA Isolation Kit | 詳細を見る |
ワクチンの QA／QC
組み換えワクチンが安全かつ効果的で、規制当局により許可されていることを確保するために、サーモフィッシャーサイエンティフィックは、重要で詳細な分析特性評価、品質保証（QA）および品質管理（QC）のための機器を提供しています。多くのワクチン抗体は複合糖タンパク質で、以下を含むさまざまな技術を QC 分析試験に使用できます：
- 不純物およびグリカン試験用高速液体クロマトグラフィー（HPLC）
- 製造プロセスおよび保存中の抗原の構造を特性評価するためのサイズ排除クロマトグラフィー（SEC）
- 糖類、放出グリカンおよび単糖の分析用イオンクロマトグラフィー（IC）
- 微量不純物分析、グリカン部位プロファイリング、グリカン同定、および宿主細胞の同定とモニタリング用液体クロマトグラフィー質量分析計（LC-MS）
ワクチン QA／QC 用クロマトグラフィーおよび質量分析テクノロジー
Chromeleon CDS
Thermo Scientific Chromeleon クロマトグラフィーデータソフトウェア（CDS）は、研究からルーチンの GMP 品質検査まで、クロマトグラフィーおよび質量分析の稼動をサポートします。追跡、報告、および QA／QC 用にデザインされた、規制順守にすぐに対応できる企業ソリューションです。
Vanquish Core HPLC
新しいThermo Scientific Vanquish Core HPLC システムは、製薬の品質管理（QC）などの厳しい GxP 環境に対応できるように作成されています。
精密分注：Thermo Scientific ClipTip ピペッティングシステム
当社のインターロックピペット技術で、違いを実感してください。画期的な Thermo Scientific ClipTip 技術により、日常のピペット操作がまったく新しい体験となります。このピペッティングシステムはチップを所定位置に確実にロックします。そのため、加える力に関係なく、緩んだり漏れることがありません。
純水装置
お客様のアプリケーションに合わせて設計された柔軟なラボシステム。Thermo Scientific ラボ用純水装置システムは、科学と産業のための信頼できるリソースとして 130 年以上の実績があります。当社の純水装置技術の包括的ラインには、電気脱イオン化から逆浸透および蒸留まで、非常に重要なアプリケーションや日常的なアプリケーションのニーズに対応するソリューションがあります。
リソース、資料ダウンロード
アプリケーションノート
ホワイトペーパー
Smart Note
関連ページ
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.