当社の次世代インターナリゼーションおよび分解アッセイにより、抗体薬物複合体の探索ワークフローを合理化します

抗体が細胞表面受容体に結合するとエンドサイトーシスを誘発し、受容体と抗体が細胞内にインターナリゼーションされます。このプロセスは、特に抗体薬物複合体(antibody-drug conjugate:ADC)を用いた、がん細胞への標的薬物送達の研究に不可欠です。ADCは、強力な細胞毒性分子に結合した改変抗体で、薬物放出や腫瘍細胞死のためにリソソームに輸送されるか、エンドソーム経路を通じてリサイクルされます。

細胞内輸送経路を理解することは、創薬を進めるために不可欠です。ADCまたは抗体を当社のpH感受性pHrodo色素に結合させてインターナリゼーションをモニタリングしたり、当社のLysoLight色素に結合させてリソソーム分解を確認したりすることで、効果的な新薬発見のための使いやすいツールを提供します。

pHrodo色素またはLysoLight色素ベースのアッセイ製品をご覧ください:


インターナリゼーションおよび分解アッセイの選択ガイド

 pHrodo GreenpHrodo RedpHrodo Deep Red
オルガネラ初期エンドソームからリソソーム後期エンドソームおよびリソソーム
一般的なフィルターセットFITC/GFPTRITC/RFPCy5
励起/蛍光(nm)509/533560/585640/655
シグナル対ノイズ比
光安定性
輝度
pKa*6.56.55
マルチプレックス解析
生細胞/固定細胞生細胞
アプリケーションイメージング、ハイコンテント解析、フローサイトメトリー
SiteClick部位特異的C20034S10914
Zenon FabフラグメントZ25609(マウス)
Z25611(ヒト)
Z25613(ヒト5x)
Z25610(マウス)
Z25612(ヒト)
Z25614(ヒト5x)

Z25622(マウス)
Z25618(ヒト)

アミン反応性抗体ラベリングキットP36015(20 μg)
P36022(100 μg)
P36023(1 mg)
P36014(20 μg) 
P36020(100 μg)
P36021(1 mg)
P35355(100 μg)  
P35356(1 mg)
アミン反応性試薬P36013P36011P35359

*周囲のpHがpKaに達する前にシグナルを発します。

 

LysoLight Deep Red

範囲リソソーム
一般的なフィルターセットCy5
励起/蛍光(nm)650/668
シグナル対ノイズ比
光安定性
輝度
pKaN/A
マルチプレックス解析
生細胞
固定細胞不可
プラットフォームイメージング、ハイコンテント解析、フローサイトメトリー
Zenon FabフラグメントN/A
SiteClick部位特異的N/A
アミン反応性抗体ラベリングキットL36001(100 µg)
L36002(1 mg)
アミン反応性試薬

L36003 (100 µg)
L36004 (500 µg)

 pHrodo GreenpHrodo RedpHrodo Deep Red
オルガネラ初期エンドソームからリソソーム後期エンドソームおよびリソソーム
一般的なフィルターセットFITC/GFPTRITC/RFPCy5
励起/蛍光(nm)509/533560/585640/655
シグナル対ノイズ比
光安定性
輝度
pKa*6.56.55
マルチプレックス解析
生細胞/固定細胞生細胞
アプリケーションイメージング、ハイコンテント解析、フローサイトメトリー
SiteClick部位特異的C20034S10914
Zenon FabフラグメントZ25609(マウス)
Z25611(ヒト)
Z25613(ヒト5x)
Z25610(マウス)
Z25612(ヒト)
Z25614(ヒト5x)

Z25622(マウス)
Z25618(ヒト)

アミン反応性抗体ラベリングキットP36015(20 μg)
P36022(100 μg)
P36023(1 mg)
P36014(20 μg) 
P36020(100 μg)
P36021(1 mg)
P35355(100 μg)  
P35356(1 mg)
アミン反応性試薬P36013P36011P35359

*周囲のpHがpKaに達する前にシグナルを発します。

 

LysoLight Deep Red

範囲リソソーム
一般的なフィルターセットCy5
励起/蛍光(nm)650/668
シグナル対ノイズ比
光安定性
輝度
pKaN/A
マルチプレックス解析
生細胞
固定細胞不可
プラットフォームイメージング、ハイコンテント解析、フローサイトメトリー
Zenon FabフラグメントN/A
SiteClick部位特異的N/A
アミン反応性抗体ラベリングキットL36001(100 µg)
L36002(1 mg)
アミン反応性試薬

L36003 (100 µg)
L36004 (500 µg)

pHrodo色素ベースのアッセイを用いたインターナリゼーションアッセイ

Invitrogen pHrodoキットおよび試薬はpH感受性テクノロジーを利用しているため、研究者はエンドサイトーシスやファゴサイトーシスを高い特異性で研究できます。pHrodo色素はRed、Green、Deep Redで提供されており、細胞外環境の中性pHでは蛍光を発しません。pH感受性色素は、エンドソームまたはリソソームの酸性環境にインターナリゼーションした時にのみ、明るく蛍光します。これにより、バックグラウンド蛍光を最小限に抑えたり、インターナリゼーションアッセイにおいて消光剤や洗浄ステップが不要な検出が可能です。

Invitrogen pHrodo色素のpH感受性テクノロジーは、他のラベリングテクノロジーと組み合わせることができます。これらには、SiteClick抗体ラベリングの部位特異的テクノロジーや迅速なZenon抗体ラベリング法が含まれ、お客様固有のインターナリゼーションアッセイニーズに適合します。

pHrodo Deep RedのpKaはpHrodo RedおよびGreenよりも低く、そのためエンドサイトーシス経路の後期まで蛍光しません。これにより、エンドサイトーシス経路内のさまざまな段階のモニタリングが可能で、インターナリゼーションプロセスに関する貴重な洞察を得られます。

Fluorescent images of SKBR3 cells treated with fluorescent dyes

図1.pKaが低いpHrodo Deep Redは後期エンドソームおよびリソソーム用に最適化されています。ハーセプチン(乳がんおよび胃がんの治療に使用されるモノクローナル抗体)をpHrodo Deep Redで標識しました。SKBR3細胞をpHrodo Deep Red標識ハーセプチン、およびCellLight Early Endosome-RFP(左)、CellLight Late Endosome-RFP(中央)、 CellLight Lysosomes-RFP(右)で処理しました。一晩インキュベーションした後、サンプルをNucBlue Live核染色試薬により37℃で30分間染色しました。EVOS M7000細胞イメージングシステムを使用して蛍光画像を取得し、オーバーレイしました。オーバーラップしている蛍光シグナル(白色で表示)により、pHrodo Deep Red(マゼンタ)でラベリングされたインターナリゼーションハーセプチン抗体は後期エンドソームやリソソームでは蛍光するが、初期エンドソームでは蛍光しないことが示されています。これらのデータは、pHrodo Deep Redを非蛍光状態からDeep Red蛍光に活性化させるためには、後期エンドソームとリソソームで見られる、より酸性のpH 5.5~6.0が必要であることを示唆しています。

SiteClick pHrodoラベリングシステムは、pHrodo色素を抗体に部位特異的に結合させるために銅フリーのクリックケミストリーを利用しており、抗体インターナリゼーション研究に利用できます。pHrodo色素の部位特異的結合は抗体の機能性を維持しながら、バックグラウンドノイズを最小限に抑えるため、より正確な研究を実現します。

SiteClick Azido Modification Kitsは、アジド部分をIgG抗体の重鎖の糖鎖ドメインに結合させます。この修飾は、SiteClick sDIBO Alkyneを使用した、pHrodo色素や他のラベリングによる特異的かつ再現性のある抗体ラベリングを可能にします。その後、結果として得られる複合体を使用することで、抗体薬物複合体の開発において細胞内輸送の詳細なモニタリングが可能になります。

Illustration
図2.SiteClick抗体ラベリングの概要。SiteClick抗体ラベリングプロセスの最初のステップは、β-ガラクトシダーゼを使用して抗体の重鎖N結合グリカンから末端ガラクトース残基を除去し、基本的に修飾可能なすべてのGlcNAc残基を露出させることです。次に、GalT(Y289L)酵素を使用してGalNAzを末端GlcNAc残基に酵素的に結合させることにより、遊離末端GlcNAc残基をアジドタグで活性化します。3番目のステップでは、アジド残基を、選択したジベンゾシクロオクチン(DIBO)官能化プローブ(pHrodo RedまたはDeep Red sDIBO Alkyneなど)と反応させます。平均的なDOL(Degree of Labeling)は抗体あたり3~3.5標識です。

Invitrogen Zenon pHrodo IgG Labeling試薬は 、効率的なZenon抗体ラベリングテクノロジーとpH感受性pHrodo色素テクノロジーを利用して、抗体のインターナリゼーションを迅速にスクリーニングします。Zenonは、pHrodo色素またはAlexa Fluor色素を結合させたFabフラグメントを用いた、非共有結合ラベリング法です。これらのFabフラグメントはヒトまたはマウスIgG抗体のFc部分に結合し、5分以内にラベリング複合体を形成します。

Zenon pHrodoラベリングFabフラグメントは、標的細胞内の抗体の取り込みと輸送を明るい蛍光で示します。pHがより酸性になると、pHrodo色素の蛍光が増加します。そのため、Zenon pHrodoラベリング試薬は、細胞によって取り込まれたラベリング抗体の酸性化に基づいたエンドサイトーシス活性の測定に最適です。

Multi-panel view of stained cells
図3.SKBR3細胞におけるインターナリゼーションの研究。抗トランスフェリン受容体を5倍連続希釈で10 ng/mL~0.64 pg/mLに調製しました。Zenon pHrodo Deep Red Mouse IgGラベリング試薬は最終アッセイ濃度である200 nMで一定に保ちました。5分間標識した後、SKBR3細胞をラベリング抗体で処理しました。37℃および5% CO2で16時間インターナリゼーションした後 細胞をCellInsight CX7 LZR Pro HCSイメージングシステムでイメージングおよび定量しました。


pHrodo色素ベースアッセイのご注文情報

製品名Labeling scale製品番号
Zenon pHrodo iFL Green Mouse IgG Labeling Reagent最大で96ウェルプレート4枚分Z25609
Zenon pHrodo iFL Red Mouse IgG Labeling Reagent最大で96ウェルプレート4枚分Z25610
Zenon pHrodo iFL Green Human IgG Labeling Reagent最大で96ウェルプレート4枚分Z25611
Zenon pHrodo iFL Red Human IgG Labeling Reagent最大で96ウェルプレート4枚分Z25612
Zenon pHrodo iFL Green Human IgG Labeling Reagent 5x最大で96ウェルプレート20枚分Z25613
Zenon pHrodo iFL Red Human IgG Labeling Reagent 5x最大で96ウェルプレート20枚分Z25614
Zenon pHrodo iFL Deep Red Mouse IgG Labeling reagent最大で96ウェルプレート20枚分Z25622
Zenon pHrodo iFL Deep Red Human IgG Labeling reagent最大で96ウェルプレート20枚分Z25618
製品名Labeling scale製品番号
Zenon pHrodo iFL Green Mouse IgG Labeling Reagent最大で96ウェルプレート4枚分Z25609
Zenon pHrodo iFL Red Mouse IgG Labeling Reagent最大で96ウェルプレート4枚分Z25610
Zenon pHrodo iFL Green Human IgG Labeling Reagent最大で96ウェルプレート4枚分Z25611
Zenon pHrodo iFL Red Human IgG Labeling Reagent最大で96ウェルプレート4枚分Z25612
Zenon pHrodo iFL Green Human IgG Labeling Reagent 5x最大で96ウェルプレート20枚分Z25613
Zenon pHrodo iFL Red Human IgG Labeling Reagent 5x最大で96ウェルプレート20枚分Z25614
Zenon pHrodo iFL Deep Red Mouse IgG Labeling reagent最大で96ウェルプレート20枚分Z25622
Zenon pHrodo iFL Deep Red Human IgG Labeling reagent最大で96ウェルプレート20枚分Z25618

LysoLight色素ベースの試薬およびキットを使用した分解アッセイ

Invitrogen LysoLight抗体ラベリングキットおよび反応性色素は、抗体、タンパク質、または抗体薬物複合体(ADC)の異化作用リソソーム分解をモニタリングするための強力なツールです。pHグラジエントに依存する当社のpHrodoテクノロジーとは異なり、LysoLight結合抗体またはタンパク質は、後期エンドソームでも非蛍光性を維持します。LysoLight色素は、リソソームのプロテアーゼが豊富な環境に到達すると特異的に蛍光し、これはタンパク質分解を示唆します。

このメカニズムは、タンパク質やADCのインターナリゼーションと輸送を理解するために必要な、優れた感度と特異性を提供します。LysoLightテクノロジーを使用することで、標的タンパク質の分解経路が異化経路に向かうのか、それともリサイクル経路に向かうのかの傾向を評価することもできます。これにより、標的タンパク質分解分野の研究者は、候補を微調整して治療の可能性を最大限に高めることができます。LysoLightキットおよび試薬は、フローサイトメトリー、ハイコンテントイメージング、IncuCyte® Live-Cell Analysis Systemsなどの幅広いプラットフォームに適合します。

詳細はタンパク質分解のメカニズムの記事をお読みください。

LysoLight Deep Redは、標的タンパク質のリソソーム分解を直接モニタリングするように設計された優れたセンサーです。LysoLight Deep Redは、切断されていない形態ではバックグラウンド蛍光を発しません。この色素は、リソソームによって局在化するプロテアーゼであるカテプシンBによって分解した時にのみ、Cy5チャンネルで明るく蛍光します。このセンサーはSDPエステルを含有しているため、抗体や他の目的タンパク質のリジン残基に結合させて、タンパク質分解を効果的にモニターできます。

Diagram

LysoLight色素ベースの抗体ラベリングキットおよび試薬のご注文情報

教育コンテンツ
ADC Webセミナーカバー

Webセミナー:Learn about next-gen reagents for your ADC discovery workflows

オンデマンドで視聴する

ADCラベリング試薬ポスターカバー

ADC labeling reagents 2024 AACR poster

ポスターのダウンロード

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For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.