pH測定用のpHrodo™ Indicator

Molecular Probes®独自のpH感受性pHrodo™色素は、中性pHではほとんど蛍光を発さず、酸性環境下では明るい蛍光を発するため、様々なアプリケーションにおけるpHインジケーターとして最適です。赤色および緑色のpHrodo™色素が選択できますので、他の細胞測定と合わせてpH測定のマルチプレックス化が可能です。

pHrodo™色素を使用し、細胞質または細胞内コンパートメントにおける細胞内pHを測定することができます。 また、中性pHでは最小限の蛍光しか発さないため、細胞に取り込まれなかった色素は培養液中では基本的に非蛍光性であり、洗浄ステップおよびクエンチャー色素が不要です。

pHrodo™色素は以下の用途にご使用いただけます:

pHrodo™ indicatorセレクションガイド

pHrodo™ indicatorによる細胞内pHの測定

pHrodo indicators

マウスJ774A.1マクロファージをpHrodo™ Green AM Intracellular pH IndicatorおよびpHrodo™ Red 10,000 MW Dextranでラベルした。pHiはIntracellular pH Calibration Buffer Kitを用いて示された値で固定されている。


acidification of the pHrodo™ E.coli BioParticles® conjugateマウスJ774A.1細胞のファゴサイトーシス中に起こったpHrodo™ E.coli BioParticles®コンジュゲートのインターナリゼーションおよび酸性化を示すタイムラプス画像。
561 nmレーザーを励起に使用し、蛍光イメージは蛍光波長域570~699 nmで記録、白色光のDIC画像は別個のPMTで記録した。各画像は、30秒毎に83.8分間にわたって (すべての画像は未表示) ライカ TCS SP5レーザー共焦点顕微鏡で63× (NA 1.4)油浸対物レンズおよび共鳴ガルバノスキャナーモード (8000 Hz) にて取得。画像提供: Lucy Deriy and Deborah Nelson, University of Chicago.

pHrodo™ dyes in flow cytometry

フローサイトメトリーにおける pHrodo™ 色素
pHrodo™ 標識済み菌体は、プレート リーダーおよびイメージング プラットフォームのみならずをフローサイトメトリーでもよく用いられている。ここでは、pHrodo™ 色素標識済み E. coli で処理された顆粒球の蛍光増加をフローサイトメトリーで解析したデータを示す。全血検体を回収し、ヘパリンで処理後、 100 µlに分注したサンプルを2つ調製した。両方のサンプルは、pHrodo™ 色素標識済み E. coli で処理され、ボルテックスを行った。片方のサンプルは 37°Cのウォーターバスに置き、もうひとつ(ネガティブコントロール)は氷中に移した。赤血球の溶解およびサンプルの遠心分離処理後、サンプルは FACSCalibur™ サイトメーター (BD Biosciences 製) にて488 nmのアルゴン レーザーおよび 564〜606 nmの蛍光検出フィルターを用いて測定した。(左) 顆粒球は前方散乱および側方散乱を使用して検出した。(右) 37℃でインキュベートされたサンプルは、細胞内 pHrodo™ 色素標識済み E. coli (赤色) 由来の蛍光強度の増加を示した。比較対象には氷上で静置し食作用を阻害したネガティブコントロールサンプル (青色) を用いた。

 pHrodo™ Red Zymosan Bioparticles®

pHrodo™ Red Zymosan Bioparticles®を用いた、RAW細胞におけるファゴサイトーシス阻害剤サイトカラシンDの用量反応および固定の効果。
pHrodo™ Red Zymosan Bioparticles®を用いた、RAW細胞におけるファゴサイトーシス阻害剤サイトカラシンDの用量反応および固定の効果。完全培地にRAWマクロファージ細胞をまき、一晩培養した。翌日、細胞をLive Cell Imaging Solution で1回リンスした後、ファゴサイトーシス阻害剤であるサイトカラシンDを10 uMから3 pMまで8点の濃度で含むLive Cell Imaging Solution 20 uLに置換した。37°Cで15分間インキュベートし、実験はトリプリケートで行った。BioparticleはE. coliおよびブドウ球菌に関しては2 mg/mL、zymosanは1 mg/mLの2X最終濃度になるようLive Cell Imaging Solutionで懸濁して細胞に添加し、その後プレートを37°Cに戻して90分間インキュベートし、ファゴサイトーシスを誘導した。プレートの読み取りはMolecular Devices FlexStation マイクロプレートリーダーで行い、pHrodo Greenパーティクルには490Ex/525Em、カットオフ515、pHrodo Redパーティクルには560Ex/600Em、カットオフ590の設定を用いた。パラホルムアルデヒドの最終濃度が4%になるよう等量の8% PFAを加え、固定した。

acidification of the pHrodo™ E.coli BioParticles® conjugateマウスJ774A.1細胞のファゴサイトーシス中に起こったpHrodo™ E.coli BioParticles®コンジュゲートのインターナリゼーションおよび酸性化を示すタイムラプス画像。
561 nmレーザーを励起に使用し、蛍光イメージは蛍光波長域570~699 nmで記録、白色光のDIC画像は別個のPMTで記録した。各画像は、30秒毎に83.8分間にわたって (すべての画像は未表示) ライカ TCS SP5レーザー共焦点顕微鏡で63× (NA 1.4)油浸対物レンズおよび共鳴ガルバノスキャナーモード (8000 Hz) にて取得。画像提供: Lucy Deriy and Deborah Nelson, University of Chicago.

pHrodo™ dyes in flow cytometry

フローサイトメトリーにおける pHrodo™ 色素
pHrodo™ 標識済み菌体は、プレート リーダーおよびイメージング プラットフォームのみならずをフローサイトメトリーでもよく用いられている。ここでは、pHrodo™ 色素標識済み E. coli で処理された顆粒球の蛍光増加をフローサイトメトリーで解析したデータを示す。全血検体を回収し、ヘパリンで処理後、 100 µlに分注したサンプルを2つ調製した。両方のサンプルは、pHrodo™ 色素標識済み E. coli で処理され、ボルテックスを行った。片方のサンプルは 37°Cのウォーターバスに置き、もうひとつ(ネガティブコントロール)は氷中に移した。赤血球の溶解およびサンプルの遠心分離処理後、サンプルは FACSCalibur™ サイトメーター (BD Biosciences 製) にて488 nmのアルゴン レーザーおよび 564〜606 nmの蛍光検出フィルターを用いて測定した。(左) 顆粒球は前方散乱および側方散乱を使用して検出した。(右) 37℃でインキュベートされたサンプルは、細胞内 pHrodo™ 色素標識済み E. coli (赤色) 由来の蛍光強度の増加を示した。比較対象には氷上で静置し食作用を阻害したネガティブコントロールサンプル (青色) を用いた。

 pHrodo™ Red Zymosan Bioparticles®

pHrodo™ Red Zymosan Bioparticles®を用いた、RAW細胞におけるファゴサイトーシス阻害剤サイトカラシンDの用量反応および固定の効果。
pHrodo™ Red Zymosan Bioparticles®を用いた、RAW細胞におけるファゴサイトーシス阻害剤サイトカラシンDの用量反応および固定の効果。完全培地にRAWマクロファージ細胞をまき、一晩培養した。翌日、細胞をLive Cell Imaging Solution で1回リンスした後、ファゴサイトーシス阻害剤であるサイトカラシンDを10 uMから3 pMまで8点の濃度で含むLive Cell Imaging Solution 20 uLに置換した。37°Cで15分間インキュベートし、実験はトリプリケートで行った。BioparticleはE. coliおよびブドウ球菌に関しては2 mg/mL、zymosanは1 mg/mLの2X最終濃度になるようLive Cell Imaging Solutionで懸濁して細胞に添加し、その後プレートを37°Cに戻して90分間インキュベートし、ファゴサイトーシスを誘導した。プレートの読み取りはMolecular Devices FlexStation マイクロプレートリーダーで行い、pHrodo Greenパーティクルには490Ex/525Em、カットオフ515、pHrodo Redパーティクルには560Ex/600Em、カットオフ590の設定を用いた。パラホルムアルデヒドの最終濃度が4%になるよう等量の8% PFAを加え、固定した。

pHrodo™ indicatorとは

pHrodo™ 色素 は、その周囲の pH がより酸性化することで劇的に蛍光を増加させる新規の蛍光色素です。

pHrodo™ Green色素およびそのコンジュゲートの最大吸収波長および最大蛍光波長はそれぞれおよそ509 nmおよび533 nmであり、一方pHrodo™ Redは560 nmで励起し、585 nmの蛍光を発します。またpHrodo™ GreenおよびpHrodo™ Redは、多くのフローサイトメーター、顕微鏡、およびマイクロプレートリーダーに搭載されている488 nmアルゴンイオンレーザーで励起することができます。

pHrodo™ red and pHrodo™ Green dye fluorescence emission spectrapHrodo™ Red(左)およびpHrodo™ Green(右)色素の蛍光発光スペクトル
pHrodo™ Red(左)およびpHrodo™ Green(右)色素の蛍光発光スペクトルpHrodo™ 色素標識済み E. coli の蛍光スペクトルは、一連の50 mM リン酸カリウム バッファーで pH が4から10の範囲で測定される。E. coli の濃度は0.1 mg/mLで、読み取りは日立F4500フルオロメーター上で励起波長532 nmを使用して行った。

ポスター:

 

Annual Meeting of American Society for Cell Biology、ASCB 2013™で発表された最新のポスターをご覧ください。

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A New Application for pHrodo™ Dextrans