TOPO®クローニングの鍵は、制限酵素とリガーゼの機能を合わせ持った酵素、DNAトポイソメラーゼIにあります。その生物学的役割は、DNA複製の際に、DNAを切断し、再結合することにあります。ワクシニアウイルス由来トポイソメラーゼIは、5´-(C/T)CCTT-3´という5塩基からなる配列を特異的に認識し、3´-Tのリン酸基と共有結合を形成します。この酵素は、1本のDNA鎖を切断し、DNAの巻き戻しを可能にします。その後、酵素が切断されたDNA鎖の末端を再結合し、DNAから離れます。このトポイソメラーゼのライゲーション活性を利用するために、TOPO®ベクターは線状化され、それぞれの末端の3´リン酸基にトポイソメラーゼIが共有結合されています。これにより、末端にDNA配列をいつでもライゲーションすることができます(図1、2、3)。ライゲーションは、室温で、わずか5分間で完了します。

図1Taqにより増幅されたDNAのTOPO® TA Cloning®



図2 平滑末端DNAのZero Blunt® TOPO®クローニング



図3 平滑末端DNAのDirectional TOPO®クローニング

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