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CRISPRノックイン編集および遺伝子タグ付け |
Invitrogenのデザインツールおよび試薬は、蛍光タグ、エピトープタグ、またはCRISPR-Cas9やTALEN技術を用いた正確なゲノム編集実験用のドナーDNAを迅速かつ容易に作製することができます。Invitrogen TrueTag Donor DNA kitsはクローニングステップが不要なため、編集効率を最大化できるだけでなく、他社製品と比較してプロトコル時間を大幅に短縮します。キットにはドナーDNAの調製に必要なすべての試薬が含まれており、初心者でも簡単に実施できるプロトコルが用意されているため、ご自身のラボでノックインを成功させることができます。
小さな挿入/欠失(30塩基まで)については、Invitrogen TrueDesign Genome Editorの使用をお勧めします。この無料オンラインソフトウェアでは、30塩基までの挿入、欠失、置換のためのCRISPR gRNAおよびssDNAドナーのデザインと注文が可能です。
ゲノム編集のタイプ | TrueDesign Genome Editor | TrueTag Donor DNA Kits |
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30 nt以下のSNP編集またはその他の置換 | ||
30 nt以下の欠失または挿入 | ||
機能ノックアウトのための終止コドンの挿入 | ||
ノックアウトのための終止コドン、蛍光タグ、選択マーカーの挿入+編集細胞の濃縮 | ||
蛍光またはエピトープ遺伝子タグ |
蛍光キット | エピトープキット | ステムキット | ノックアウト濃縮キット | |
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キットの用途 | 発現タンパク質の蛍光タグ付け | 発現タンパク質のエピトープタグ付け | 発現遺伝子または非発現遺伝子の蛍光タグ付け | ターゲット遺伝子の機能的ノックアウト 終止コドン&蛍光タグのノックイン |
利用可能なタグ | GFP、RFP、BFP、YFP | Myc, HA, 6xHis, DDK (DYKDDDDK; FLAG® Tag) | GFPまたはRFP | GFP & RFP |
編集細胞の濃縮用の抗生物質耐性 | ピューロマイシンまたはブラストサイジン | |||
濃縮後の耐性マーカーのCre/Lox除去 | ||||
融合タグの発現 | ||||
蛍光タグの共発現 | ||||
タグ/編集の抗体検出 | ||||
編集細胞のFACS分析/濃縮 | ||||
注文情報 | 注文情報 | 注文情報 | 注文情報 |
The TrueTag Donor DNA kitの蛍光タグには4つの選択肢(EmGFP、tagRFP、tagBFP、tagYFP)が用意されています。これらを利用することで、タンパク質の局在を解明するためのレポーター細胞株を簡単に作製できます。これらのタグは、内因性遺伝子のN末端またはC末端に追加でき、編集細胞の濃縮のための選択マーカーが含まれます。
図1.U2OS細胞へのTrueTagノックインU2OS細胞へのトランスフェクションには、TrueCut Cas9 v2、TrueTag dsDNA donor(ACTB遺伝子座のN末端またはC末端にGFPを挿入するための相同性修復用)、およびTrueGuide gRNA(ACTBのN末端またはC末端用)を使用しました。トランスフェクションはLipofectamine CRISPRMAX reagentで行ないました。トランスフェクションから7日後、NucBlue Live ReadyProbes Reagentを用いて細胞を対比染色し、EVOS Cell Imaging Systemで画像を取得しました。
エピトープタグは、エピトープタグに特異的なモノクローナル抗体を用いた検出および精製に使用されます。エピトープによるタグ付けは、信頼性の高い抗体を利用できない新規タンパク質やターゲットを扱う場合に有用です。TrueTag Donor DNA kitには、ヒトインフルエンザ赤血球凝集素(HA)、c-Myc由来タンパク質(Myc)、ポリヒスチジン(6xHis)、FLAGオクトペプチドDYKDDDDK(DDK)で発現するタグが用意されています。
図2.U2OS細胞におけるACTBのエピトープタグ付けヒトβ-アクチン遺伝子のC末端タグ付け用のgRNAおよびアダプタープライマーをTrueDesign Genome Editor で設計し、TrueTag Donor DNAKit, HAを使用してドナーDNAを調製しました。ドナーDNAは、ピューロマイシンまたはブラストサイジンのいずれかの選択マーカーを含むC-3xHAドナーDNAテンプレートを使用して、ワンステップPCRにより調製しました。得られたPCR産物(500 ng)は、TrueCut Cas9 Protein v2/gRNA(RNP)複合体(500 ng Cas9/125 ng sgRNA)とともに、Lipofectamine CRISPRMAX Cas9 Transfection Reagentを用いて、24ウェルプレート内の2 x 105 U2OS細胞に同時に導入しました。トランスフェクションの48時間後、細胞群を1:4に分割し、ピューロマイシン(濃度は0、0.75、1 µg/mlのいずれか)またはブラストサイジン(濃度は0、0.8、12 µg/mlのいずれか)で5~7日間勝利しました。(A)抗生物質の選択時、細胞アリコートをカバースリップに播種して4%パラホルムアルデヒドで固定し、0.1% Triton X-100で透過処理し、HAタグ モノクローナル抗体(2-2.2.14)および DyLight 488で染色しました。Texas Red-X PhalloidinおよびNucBlue Live ReadyProbes Reagentを使用して、細胞の細胞骨格と核を標識しました。その後、Thermo Scientific CellInsight CX7 High Content Analysis (HCA) Platformを使用して細胞のイメージングを実施しました。(B)6ウェルプレートで増殖させた細胞を回収し、プロテアーゼ阻害剤カクテルを添加した約100 µLのPierce IP Lysis Bufferで溶解しました。上清のアリコート20 µlをNuPAGE 4-12% Bis-Tris Protein Gelで分析しました。トランスフェクションされていない細胞ライセートをネガティブコントロールとして使用しました。分画されたタンパク質は、iBlot 2 Gel Transfer Deviceを使用してニトロセルロース膜に転写されました。メンブレンを30~60分間ブロックした後、1:1,000希釈のHAタグ モノクローナル抗体(2-2.2.14)で一晩インキュベートしました。洗浄後、メンブレンを1:2,000希釈のHRP結合ヤギ抗マウス二次抗体で30~60分間インキュベートしました。充分に洗浄した後、SuperSignal West Dura Extended Duration Substrateを用いてメンブレンを処理し、iBrightで画像を取得しました。GAPDHに対する抗体をローディングコントロールとして使用しました。
図3.GFPとRFPを用いたHEK293細胞でのデュアルタグ付け293FT細胞に、 TrueCut Cas9 protein v2、TrueTag dsDNA donor(GFP-ピューロマイシンによるHIST1H4C遺伝子座のC末端での相同性修復(HDR)用)、2番目のTrueTag dsDNA donor(ブラストサイジン-RFPによるACTB遺伝子座のN末端でのHDR用に)、および各ゲノム遺伝子座をターゲットとするTrueGuide Synthetic gRNAをトランスフェクションしました。トランスフェクションには、Lipofectamine CRISPRMAX reagentを使用しました。293FT細胞に選択圧を加えて安定したプールを生成しました。最初に5日間のブラストサイジンでの選択を行ない、続いて5日間のピューロマイシンでの選択を実施しました。細胞はNucBlue Live ReadyProbes reagentで対比染色し、EVOS FL Imaging Systemで画像を取得しました。
図4.TrueTag Donor DNA Kitワークフローと他社の相同組換えノックインワークフローの比較。TrueTag Donor DNAワークフローは数時間で終了するシンプルなものであり、1回のPCR、二本鎖DNA生産物のカラム精製、ドナーのトランスフェクション(適切なCRISPR-Cas9またはTALエフェクターヌクレアーゼを使用)で、タグを目的の遺伝子にノックインします。これと対照的に、他社製品のキットでは、ドナー分子をバックボーンベクターに組み入れるために、複数のプライマー設計とPCRステップ、およびその後のサブクローニングが必要です。これには、大腸菌コロニーの追加スクリーニングと配列検証が必要です。プロセス全体の完了には数日を要します。TrueTagシステムであれば、わずか数時間でドナー分子を生成できます。
図5.TrueTag Donor DNA Kitを用いたC末端遺伝子タグ付けワークフローの概要
すべてのTrueTag Donor DNAテンプレートに含まれる選択マーカーにより、安定したタグ付き細胞株の作成が容易になります。ブラストサイジンまたはピューロマイシンで選択圧をかけることにより(図6)、99%以上の細胞がGFPタグを発現する細胞集団の生成に成功することを示しています。
図6.10日間で生成された安定細胞株。1日目に、293FT細胞、Lipofectamine CRISPRMAX reagentを用いて、TrueCut Cas9 v2、TrueTag dsDNA donor(ACTB遺伝子座のC末端での相同性修復によるGFP-ピューロマイシンの挿入用)、TrueGuide gRNA(ACTBのC末端用)をトランスフェクションしました。TrueTagドナーの生成は、完了までに3時間以内の迅速なプロセスです。3日目または4日目には、相同組み換え修復が完了し、ネイティブ遺伝子座から融合タグが発現されました。この例では、細胞の約25%がGFP陽性でした。選択は、トランスフェクションの72~96時間後に開始できます。10日目までに、ピューロマイシンで選択された細胞集団の安定性は、GFP陽性率が>99%でした。データはAttune NxTフローサイトメーターにより収集しました。
グリア繊維性酸性タンパク質(GFAP)は、中枢神経系の発生過程でアストロサイトを含む多くの細胞タイプで発現するIII型中間径フィラメントタンパク質です。TrueTag GFP Stem kitを用いて、iPS細胞のGFAP遺伝子にタグ付けし、選択マーカーを使用して濃縮し、アストロサイトに分化させました。分化後、TrueTagノックインはGFAPタンパク質GFPタグを発現しました。
図7.GFAPの安定的なGFPタグ付けとiPSCのアストロサイトへの分化内因性GFAP遺伝子を、TrueTag Donor DNA Kit, GFP Stemを使用して、iPSCのC末端にEmGFPでタグ付けしました。得られたGFAP-EmGFP iPSCレポーター細胞株を、PSC Neural Induction Mediumを使用してPSC神経誘導を行ないました。次に、このPSCを、アストロサイト分化培地を使用してアストロサイトに分化させました。(A)少数のGFP+細胞は分化開始から18日目前後に検出されましたが、大部分の細胞は45日目にGFP陽性でした。(B)GFPシグナルがGFAP遺伝子発現に由来することを確認するため、anti-GFAP antibody conjugated to eFluor 570を用いて細胞を染色しました。赤色の染色により、GFAP発現がGFPと重なっていることが確認され、これは、GFPシグナルがアストロサイトにおけるGFAPタンパク質の発現によるものであることが確認されました。
図8.FACSソーティングとデュアルセレクションによるHPRTノックアウト細胞の効率的な濃縮(上)HEK293FT細胞に、Cas9 RNPと、ヒトHPRT遺伝子をターゲットとするGFP-BsdおよびRFP-PuroドナーDNそれぞれ250 ngをトランスフェクションしました。ドナーはTrueTag Knockout Enrichment Donor DNA Kitを使用して調製しました。トランスフェクションから48時間で、トランスフェクションされた細胞を0.5 µg/mLのピューロマイシンおよび16 µg/mLのブラストサイジンを用いて10日間選択し、非統合の細胞集団を除去しました。GFP+およびRFP+陽性細胞の割合は、フローサイトメトリー分析によって特定しました。GFP/RFPの二重陽性細胞は、セルソーターを用いて濃縮しました。親細胞コントロールと比較したところ、選択された細胞の>80%がGFP+およびRFP+細胞を示しました。(下)ウェスタンブロッティングの結果は、さまざまなピューロマイシン/ブラストサイジン処理およびソーティング済み/未ソーティングの細胞集団におけるHPRTノックダウンを示しています。3セットの条件下において、親細胞コントロール(Neg)と比較した場合、濃縮細胞は100%のHPRTノックアウトを達成しました。
図9.TrueTag Knockout Enrichment Donor DNA Kitを用いたノックアウト濃縮ワークフローの概要
The TrueTag Donor DNA kitの蛍光タグには4つの選択肢(EmGFP、tagRFP、tagBFP、tagYFP)が用意されています。これらを利用することで、タンパク質の局在を解明するためのレポーター細胞株を簡単に作製できます。これらのタグは、内因性遺伝子のN末端またはC末端に追加でき、編集細胞の濃縮のための選択マーカーが含まれます。
図1.U2OS細胞へのTrueTagノックインU2OS細胞へのトランスフェクションには、TrueCut Cas9 v2、TrueTag dsDNA donor(ACTB遺伝子座のN末端またはC末端にGFPを挿入するための相同性修復用)、およびTrueGuide gRNA(ACTBのN末端またはC末端用)を使用しました。トランスフェクションはLipofectamine CRISPRMAX reagentで行ないました。トランスフェクションから7日後、NucBlue Live ReadyProbes Reagentを用いて細胞を対比染色し、EVOS Cell Imaging Systemで画像を取得しました。
エピトープタグは、エピトープタグに特異的なモノクローナル抗体を用いた検出および精製に使用されます。エピトープによるタグ付けは、信頼性の高い抗体を利用できない新規タンパク質やターゲットを扱う場合に有用です。TrueTag Donor DNA kitには、ヒトインフルエンザ赤血球凝集素(HA)、c-Myc由来タンパク質(Myc)、ポリヒスチジン(6xHis)、FLAGオクトペプチドDYKDDDDK(DDK)で発現するタグが用意されています。
図2.U2OS細胞におけるACTBのエピトープタグ付けヒトβ-アクチン遺伝子のC末端タグ付け用のgRNAおよびアダプタープライマーをTrueDesign Genome Editor で設計し、TrueTag Donor DNAKit, HAを使用してドナーDNAを調製しました。ドナーDNAは、ピューロマイシンまたはブラストサイジンのいずれかの選択マーカーを含むC-3xHAドナーDNAテンプレートを使用して、ワンステップPCRにより調製しました。得られたPCR産物(500 ng)は、TrueCut Cas9 Protein v2/gRNA(RNP)複合体(500 ng Cas9/125 ng sgRNA)とともに、Lipofectamine CRISPRMAX Cas9 Transfection Reagentを用いて、24ウェルプレート内の2 x 105 U2OS細胞に同時に導入しました。トランスフェクションの48時間後、細胞群を1:4に分割し、ピューロマイシン(濃度は0、0.75、1 µg/mlのいずれか)またはブラストサイジン(濃度は0、0.8、12 µg/mlのいずれか)で5~7日間勝利しました。(A)抗生物質の選択時、細胞アリコートをカバースリップに播種して4%パラホルムアルデヒドで固定し、0.1% Triton X-100で透過処理し、HAタグ モノクローナル抗体(2-2.2.14)および DyLight 488で染色しました。Texas Red-X PhalloidinおよびNucBlue Live ReadyProbes Reagentを使用して、細胞の細胞骨格と核を標識しました。その後、Thermo Scientific CellInsight CX7 High Content Analysis (HCA) Platformを使用して細胞のイメージングを実施しました。(B)6ウェルプレートで増殖させた細胞を回収し、プロテアーゼ阻害剤カクテルを添加した約100 µLのPierce IP Lysis Bufferで溶解しました。上清のアリコート20 µlをNuPAGE 4-12% Bis-Tris Protein Gelで分析しました。トランスフェクションされていない細胞ライセートをネガティブコントロールとして使用しました。分画されたタンパク質は、iBlot 2 Gel Transfer Deviceを使用してニトロセルロース膜に転写されました。メンブレンを30~60分間ブロックした後、1:1,000希釈のHAタグ モノクローナル抗体(2-2.2.14)で一晩インキュベートしました。洗浄後、メンブレンを1:2,000希釈のHRP結合ヤギ抗マウス二次抗体で30~60分間インキュベートしました。充分に洗浄した後、SuperSignal West Dura Extended Duration Substrateを用いてメンブレンを処理し、iBrightで画像を取得しました。GAPDHに対する抗体をローディングコントロールとして使用しました。
図3.GFPとRFPを用いたHEK293細胞でのデュアルタグ付け293FT細胞に、 TrueCut Cas9 protein v2、TrueTag dsDNA donor(GFP-ピューロマイシンによるHIST1H4C遺伝子座のC末端での相同性修復(HDR)用)、2番目のTrueTag dsDNA donor(ブラストサイジン-RFPによるACTB遺伝子座のN末端でのHDR用に)、および各ゲノム遺伝子座をターゲットとするTrueGuide Synthetic gRNAをトランスフェクションしました。トランスフェクションには、Lipofectamine CRISPRMAX reagentを使用しました。293FT細胞に選択圧を加えて安定したプールを生成しました。最初に5日間のブラストサイジンでの選択を行ない、続いて5日間のピューロマイシンでの選択を実施しました。細胞はNucBlue Live ReadyProbes reagentで対比染色し、EVOS FL Imaging Systemで画像を取得しました。
図4.TrueTag Donor DNA Kitワークフローと他社の相同組換えノックインワークフローの比較。TrueTag Donor DNAワークフローは数時間で終了するシンプルなものであり、1回のPCR、二本鎖DNA生産物のカラム精製、ドナーのトランスフェクション(適切なCRISPR-Cas9またはTALエフェクターヌクレアーゼを使用)で、タグを目的の遺伝子にノックインします。これと対照的に、他社製品のキットでは、ドナー分子をバックボーンベクターに組み入れるために、複数のプライマー設計とPCRステップ、およびその後のサブクローニングが必要です。これには、大腸菌コロニーの追加スクリーニングと配列検証が必要です。プロセス全体の完了には数日を要します。TrueTagシステムであれば、わずか数時間でドナー分子を生成できます。
図5.TrueTag Donor DNA Kitを用いたC末端遺伝子タグ付けワークフローの概要
すべてのTrueTag Donor DNAテンプレートに含まれる選択マーカーにより、安定したタグ付き細胞株の作成が容易になります。ブラストサイジンまたはピューロマイシンで選択圧をかけることにより(図6)、99%以上の細胞がGFPタグを発現する細胞集団の生成に成功することを示しています。
図6.10日間で生成された安定細胞株。1日目に、293FT細胞、Lipofectamine CRISPRMAX reagentを用いて、TrueCut Cas9 v2、TrueTag dsDNA donor(ACTB遺伝子座のC末端での相同性修復によるGFP-ピューロマイシンの挿入用)、TrueGuide gRNA(ACTBのC末端用)をトランスフェクションしました。TrueTagドナーの生成は、完了までに3時間以内の迅速なプロセスです。3日目または4日目には、相同組み換え修復が完了し、ネイティブ遺伝子座から融合タグが発現されました。この例では、細胞の約25%がGFP陽性でした。選択は、トランスフェクションの72~96時間後に開始できます。10日目までに、ピューロマイシンで選択された細胞集団の安定性は、GFP陽性率が>99%でした。データはAttune NxTフローサイトメーターにより収集しました。
グリア繊維性酸性タンパク質(GFAP)は、中枢神経系の発生過程でアストロサイトを含む多くの細胞タイプで発現するIII型中間径フィラメントタンパク質です。TrueTag GFP Stem kitを用いて、iPS細胞のGFAP遺伝子にタグ付けし、選択マーカーを使用して濃縮し、アストロサイトに分化させました。分化後、TrueTagノックインはGFAPタンパク質GFPタグを発現しました。
図7.GFAPの安定的なGFPタグ付けとiPSCのアストロサイトへの分化内因性GFAP遺伝子を、TrueTag Donor DNA Kit, GFP Stemを使用して、iPSCのC末端にEmGFPでタグ付けしました。得られたGFAP-EmGFP iPSCレポーター細胞株を、PSC Neural Induction Mediumを使用してPSC神経誘導を行ないました。次に、このPSCを、アストロサイト分化培地を使用してアストロサイトに分化させました。(A)少数のGFP+細胞は分化開始から18日目前後に検出されましたが、大部分の細胞は45日目にGFP陽性でした。(B)GFPシグナルがGFAP遺伝子発現に由来することを確認するため、anti-GFAP antibody conjugated to eFluor 570を用いて細胞を染色しました。赤色の染色により、GFAP発現がGFPと重なっていることが確認され、これは、GFPシグナルがアストロサイトにおけるGFAPタンパク質の発現によるものであることが確認されました。
図8.FACSソーティングとデュアルセレクションによるHPRTノックアウト細胞の効率的な濃縮(上)HEK293FT細胞に、Cas9 RNPと、ヒトHPRT遺伝子をターゲットとするGFP-BsdおよびRFP-PuroドナーDNそれぞれ250 ngをトランスフェクションしました。ドナーはTrueTag Knockout Enrichment Donor DNA Kitを使用して調製しました。トランスフェクションから48時間で、トランスフェクションされた細胞を0.5 µg/mLのピューロマイシンおよび16 µg/mLのブラストサイジンを用いて10日間選択し、非統合の細胞集団を除去しました。GFP+およびRFP+陽性細胞の割合は、フローサイトメトリー分析によって特定しました。GFP/RFPの二重陽性細胞は、セルソーターを用いて濃縮しました。親細胞コントロールと比較したところ、選択された細胞の>80%がGFP+およびRFP+細胞を示しました。(下)ウェスタンブロッティングの結果は、さまざまなピューロマイシン/ブラストサイジン処理およびソーティング済み/未ソーティングの細胞集団におけるHPRTノックダウンを示しています。3セットの条件下において、親細胞コントロール(Neg)と比較した場合、濃縮細胞は100%のHPRTノックアウトを達成しました。
図9.TrueTag Knockout Enrichment Donor DNA Kitを用いたノックアウト濃縮ワークフローの概要
ドナーDNAコンストラクトの生成には、分子生物学の技術に関する専門知識はほとんど必要ありません。テンプレート、PCRの必需品、およびクリーンアップ試薬を提供するTrueTagキットに加えて、TrueDesign Genome Editorソフトウェアが、シンプルでわかりやすいインターフェースで、設計の各ステップを順を追って説明します。必要なCRISPRガイドRNA、ホモロジーアーム付き増幅プライマー、検証プライマーを、わずか数分で設計・確認できます。
可能です。TrueTagシステムには4種類の蛍光マーカー(GFP、RFP、BFP、YFP)があり、蛍光検出に対応した顕微鏡の最も一般的なフィルターセットで利用できます。これにより、異なるタンパク質の同時タグ付けと可視化も可能です。
The TrueTag Stem kitは、このタイプの実験用に設計されています。選択マーカーは独自のプロモーターによって動作するため、内因性遺伝子が発現しない場合にも濃縮でき、蛍光タグの発現も促進されます。
これは、実験の目的に応じて決定する必要があります。既知のすべてのアレルをノックアウトしたい場合は、すべてのスプライスバリアントで共有される転写産物の領域を選択する必要があります。特定のバリアントのみをノックアウトしたい場合は、その転写産物に固有の領域を選択する必要があります。TrueDesignソフトウェアはNCBIに直接リンクしており、最新の転写物トポロジーに簡単にアクセスできるため、このような決定を下すのに役立ちます。
KO enrichment kitは、この質問に答えるように設計されています。2種類の蛍光色素と耐性マーカーを組み合わせて用いることで(例;GFP:BlastとRFP:Puro)、デュアルエンリッチメントを行って各コンストラクトの一方を含む細胞を分離することができ、その際には各アレルに1つのKOカセットを使用することになります。
TrueTag Stem kitには、内因性遺伝子プロモーターとは独立して抗生物質耐性マーカーの発現を促進するCMVプロモーターが含まれています。このように、濃縮はすぐに行うことができ、蛍光色素の発現は目的のタンパク質が発現している時にのみ誘導されます。
すべてのTrueTagコンストラクトの耐性マーカーは、Cre/Loxシステムを使用して除去することができます。
一般的には、ネイティブタンパク質の翻訳への干渉を防ぐために、C末端を推奨しています。TrueTag Stem kitの場合はC末端のみが選択可能です。
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.