Biotinylation_reagents_and_kits-230

ビオチン標識試薬およびキット

ビオチンとアビジンの相互作用は、その互いに対する特異性の高さから、タンパク質の検出や精製に活用されることがよくあります。ビオチン標識とは、タンパク質などの高分子にビオチンが結合するプロセスです。ビオチン標識試薬は、第一級アミン、スルフヒドリル、カルボキシル、炭水化物など、特定の官能基や残基を標的としたものを利用することができます。また、紫外線(UV)光に暴露されることで非特異的に反応する、光反応性のビオチン化合物も存在します。このような光反応性の加工物によって、ビオチン標識可能な分子の適用範囲が広がります。

極めて有用なことに、官能基ごとの特異性に基づいた多様なビオチン標識試薬が存在することで、標的高分子を不活化しない試薬の選択が可能です。

  • 第一アミノ基(–NH2)は、リジン側鎖上および各ポリペプチド鎖のアミノ末端に存在します。
  • スルフヒドリル基(–SH)は、ヒンジ領域におけるジスルフィド結合の還元によって生成される場合があります。
  • シスジオールなどの炭水化物残基は、酸化によって活性アルデヒド(–CHO)を生成する場合があります。

タンパク質および抗体標識用のビオチン標識試薬、キット

抗体などのタンパク質やペプチドを特異的にビオチン標識する試薬およびキットです。タンパク質表面に最も多い反応基である第一アミノ基(ε―リジンおよび N 末端)を標識して、ストレプトアビジンで検出します。

マレイミド、ヨードアセチル、開裂性ピリジルジチオールで活性化されたビオチン標識試薬およびキットです。抗体などのタンパク質やペプチドのスルフヒドリル基(システイン残基における還元型遊離チオールなど)を特異的にビオチン標識します。

ポリクローナル抗体などの糖タンパク質をビオチン標識する、ヒドラジドで活性化された標識試薬です。 酸化糖、炭水化物基を標識して、ストレプトアビジンで検出および精製します。

カルボジイミド架橋剤 EDC(または EDAC)を用いて、ペプチド(C 末端)、カルボキシル基コート表面などのカルボン酸基を特異的に標識する、アミンで修飾されたビオチン標識です。

アジド、ソラレンなど光反応性(UV 活性)のビオチン標識化合物です。タンパク質、核酸、または有機分子をビオチン標識して、ストレプトアビジンコンジュゲートとともに分子プローブとして使用します。

タンパク質などの分子を化学的に標識するデスチオビオチン試薬です。デスチオビオチンはビオチンの一種であり、ストレプトアビジンから緩やかに解離して溶出するため、精製用途に適しています。

シンプルかつ正確な HABA 染色アッセイおよび蛍光検出キットによって、タンパク質などの生体分子に結合したビオチンの量を測定し、ビオチン標識分子に対する遊離ビオチンのモル分率を判定します。

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.