イオンクロマトグラフィーによる生体アミンの分析

ヒスタミン、セロトニン、その他の生体アミンを測定

生体アミンは植物および動物に広く含まれ、成長を調整し、血圧を制御し、神経伝達を促進する働きをします。食品飲料中では、微生物活性によるアミノ酸脱炭酸化により、生体アミンが生成されることがあります。また、魚、肉、乳製品、果物、野菜、チョコレート中に自然に存在します。生体アミンの摂取は、低濃度であれば危険はありませんが、高濃度で摂取した場合には高血圧、偏頭痛、心拍出数の上昇など、好ましくない症状が発生することがあります。

生体アミンの分析

生体アミンは通常疎水性で、発色団が少なく、複合マトリクス内に低濃度しか含まれないため、その測定は極めて困難なことがあります。弱酸性陽イオン交換カラムを使ったイオンクロマトグラフィーは、高濃度の酸性溶離液や有機溶媒を使わずに生体アミンを分離でき、ほぼ溶出ピークの分解能を実現します。緩やかな分離条件により、抑制導電率を使って多くの非誘導化生体アミンを検出できます。


主な生体アミン一覧

  • ドーパミン
  • セロトニン
  • チラミン
  • プトレシン
  • カダベリン
  • ヒスタミン
  • アグマチン
  • フェニルエチルアミン
  • スペルミジン
  • スペルミン
以下などのカテコラミン:
  • ノルエピネフリン
  • エピネフリン
  • ドーパミン

規制情報

米国および他国では、生体アミンの上限はほとんど規定されていません。

  • 欧州連合では、マグロおよびその他のサバ科およびサンマ科の魚類で、最大平均ヒスタミン含有量を 10 mg/100g(100 ppm)と規定しています。
  • スイスでは、ワイン中のヒスタミン許容値を 10 mg/L と規定していますが、この規制は現在効力が留保されています。
  • FDA が公表した研究では、1 回の食事で摂取するヒスタミン量に関して以下の影響が示唆されています。
    • ヒスタミン 8 ~ 40 mg、軽度の中毒
    • ヒスタミン 70 ~ 1,000 mg、中等度の障害
    • ヒスタミン 1,500 ~ 4,000 mg、重度のインシデント

アプリケーションノート例

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