細胞生存率測定用マイクロプレートアッセイ

マイクロプレートアッセイは、個々の細胞の挙動をトラッキングすることよりもむしろ全細胞集団に関する情報を提供します。Life Technologiesは、全細胞用のマイクロプレートアッセイと崩壊細胞または細胞ライセートに対して行われるアッセイを提供します。代謝活性は生存率指標として一般的に用いられますが、いくつかのアプリケーションでは代謝状態に依存せずに生存率を評価することが重要となります。目的に適したアッセイを以下に挙げます。場合によっては、細胞をダウンストリームアプリケーションに用いる場合がありますが、この場合にalamarBlue®は生存率を調べる上で非毒性の優れたインジケーターとなります。

細胞還元電位の測定

生細胞固有の還元力は代謝活性の指標となるので、細胞生存率の指標にもなります。細胞還元電位を集団で測定した場合、シグナルは生細胞の数に比例します。いくつかの確立されたアッセイ、例えばMTTを用いるアッセイは、その還元力を用いて強く着色されたリポーター(ホルマザン)を生成します。同様に、alamarBlue®およびPrestoBlue® といった細胞生存率アッセイの酸化還元指示薬(レサズリン)は、代謝的に活性な細胞の蛍光および比色法のリポーター分子レゾルフィンに変換され、非常に信頼性が高く高感度の生存率/細胞毒性指標として用いられます。

単一ウェルから高スケーリング(HTS)まで計測可能である「混合、インキュベート、およびリード」プロトコールにより独自の配合で安定化された試薬を提供することで簡単かつ簡便になるこれらのalamarBlue® およびPrestoBlue®アッセイを、開発しました。

膜透過性の測定

細胞膜完全性の損失は、生存率と細胞毒性を測定するツールでしばしば利用される細胞死の重要なマーカーです。細胞膜が損なわれた細胞では、DNAに結合した場合のみ蛍光を発する細胞不透過性のDNA結合性蛍光色素の流入が可能になります。したがって、代謝状態とは無関係な細胞毒性指標としてDNA染色を用いることができます。細胞毒性化合物は、一連のメカニズムにより細胞に障害を与えます。細胞生存率、膜完全性、およびDNA含有量は、細胞毒性を測定するパラメータのなかでも最も特異的かつ高感度なパラメータであり、それらの試薬は優れた感度と精度を提供します。

DNA結合を他のパラメータの測定と組み合わせることで、より貴重な結果が得られることです。エステラーゼ活性または細胞還電位用のプローブは生細胞を染色するので、生存率の測定手段になります。細胞透過性DNA染色試薬も、細胞膜が無傷の細胞を染色して生細胞用のマーカーとして用いることが可能です。

微生物用のアッセイ

膜透過性を測定するイメージングアッセイを用いて微生物生存率を決定することができます。膜透過性のDNA染色試薬と不透過性のDNA染色試薬を組み合わせて用い、生細胞を緑色に染色し、死細胞を赤色に染色することができます。細菌では、生細胞の同定を蛍光によるグラム染色と組み合わせることができます。

酵母細胞では、膜染色試薬を用いることで、生細胞および死細胞の両方が青色シグナルより検出されます。生細胞では、小胞が橙色と赤色に染色される二色アッセイが提供されます。

CellEvent™ and PrestoBlue® reagents
ハイスループットスクリーニング(HTS)を用いてCellEvent™ およびPrestoBlue® 試薬のマルチプレキシング。 CHO-K1細胞を 384ウェルプレートに5,000細胞/ウェルで、スタウロスポリンの希釈系列存在下、フェノールレッドを含まない完全培地に播種しました。 プレートを19時間、37℃/5%CO2でインキュベートしました。 PrestoBlue® 試薬およびCellEvent™試薬をウェルに直接添加し、蛍光測定に先だってプレートを30分間、37℃/5%CO2 でインキュベートしました。 蛍光シグナルの検出は、CellEvent™ 試薬用のEx/Em=500/530 nm(バンド幅7 nm)とPrestoBlue®試薬用のEx/Em=560/590 nm(バンド幅10 nm)の設定で、Tecan Safire2(ボトムリード)を用いて行いました。

選択ガイド
 alamarBlue® PrestoBlue® Cell Viability Reagent
ターゲット代謝活性代謝活性
レポーターalamarBlue® (レサズリン)レサズリン
励起/蛍光 (nm)571/585535(-560):590-615.
サンプル全細胞またはライセート全細胞
用法細胞還元電位の測定細胞還元電位の測定
成分バルクサイズバルクサイズ
フォーマット25 mL25 mL
プロトコールの概要
  1. 細胞に試薬を添加。
  2. 37°Cで1~4時間、インキュベート。
  3. 蛍光測定。
  4. データ解析
  1. 細胞に試薬を添加。
  2. 37°C、10分間インキュベート。
  3. 蛍光測定。
  4. データ解析
カタログ 番号DAL1025A13261
 LIVE/DEAD® Viability/Cytotoxicity Kit *for mammalian cells*Vybrant® Cytotoxicity Assay Kit (G6PD release Assay)Image-IT® DEAD Green™ Viability StainHCS LIVE/DEAD® Greenキット
ターゲット哺乳類細胞生存率哺乳類細胞生存率哺乳類細胞生存率哺乳類細胞生存率
レポーターCalcein AM/ethidium homodimer-1レサズリンImage-IT® DEAD Green™Image-IT® DEAD Green™、NuclearMask™ Deep Red またはHoechst 33342
励起/蛍光 (nm)488/535 & 528/617540/590488/515488/515、638/686、または350/461
サンプル接着細胞または懸濁細胞細胞懸濁および周辺培養液接着細胞または懸濁細胞接着細胞
仕様細胞膜完全性とエステラーゼ活性に基づく迅速かつ容易な2色アッセイ障害細胞から放出されるG6PDに基づく迅速かつ容易なアッセイ細胞膜完全性に基づく迅速かつ容易なアッセイ細胞膜完全性に基づく2色アッセイ
構成品バルクサイズの蛍光試薬完全なアッセイバルクサイズの蛍光試薬完全なアッセイ
フォーマット1キット、マイクロプレート10枚1キット、マイクロプレート10枚1バイアル、プレート25枚1キット、プレート2枚
プロトコルの概要
  1. 細胞を任意の密度まで増殖。
  2. 試験化合物で細胞を処理し、インキュベート。
  3. 染色試薬を添加してインキュベート。
  4. スタンダードカーブの作成。
  5. 2つの波長で蛍光を測定。
  6. スタンダードカーブを用いて生存率を算出。
  1. 細胞を任意の密度まで増殖。
  2. 試験化合物で細胞を処理し、インキュベート。
  3. 染色試薬を添加し、インキュベート。
  4. スタンダードカーブの作成。
  5. 蛍光測定。
  6. スタンダードカーブを用いて生存率を算出。
  1. 細胞を播種。
  2. 試験化合物の添加または薬物処理。
  3. 細胞に染色試薬を添加。
  4. 37°C、30分間インキュベート。
  5. 細胞の固定および透過処理。
  6. 洗浄。
  7. イメージングおよび解析。
  1. 細胞を播種。
  2. 試験化合物の添加または薬物処理。
  3. 細胞に染色試薬を添加。
  4. 37°C、30分間インキュベート。
  5. 細胞の固定および透過処理。
  6. 洗浄。
  7. イメージングおよび解析。
カタログ 番号L3224V23111I10291H10290
 LIVE/DEAD® BacLight™ Bacterial Viability Kit, for microscopy and quantitative assaysLIVE/DEAD® Yeast Viability Kit
ターゲット細菌細胞生存率酵母細胞生存率
レポーターPropidium iodide/SYTO® 9FUN® 1/Calcofluor White
励起/蛍光 (nm)485, 530, 630485, 530, 620
サンプル細菌懸濁液純培養または混合培養、体液または環境サンプル
仕様膜完全性に基づく迅速かつ容易な2色アッセイ膜完全性に基づく迅速かつ容易な2色アッセイ
成分バルクサイズの蛍光試薬バルクサイズの蛍光試薬
フォーマット1キット、マイクロプレート10枚1キット、マイクロプレート10枚
プロトコルの概要
  1. 対数増殖後期に向かう細胞を、適切なバッファーに再懸濁。
  2. 再懸濁された細菌を複数のサンプルに分け、そのうちの1つを70%イソプロピル処理により死菌とする。
  3. 生菌と死菌を混ぜて蛍光比率のスタンダードカーブを作成。
  4. 任意の密度で細菌をマイクロプレートに添加。
  5. マイクロプレート内の細菌に実験処理を施してインキュベート。
  6. 染色試薬を添加してインキュベート。
  7. 蛍光測定。
  8. スタンダードカーブから生菌率を決定。
  1. 酵母培地の取り扱い
  2. 酵母をマイクロプレートに添加。
  3. FUN® 1およびCalcofluor Whiteを添加してインキュベート。
  4. 両方の発光波長を測定。
  5. 蛍光比率を計算して代謝活性を算出。
カタログ 番号L7012L7009
 alamarBlue® PrestoBlue® Cell Viability Reagent
ターゲット代謝活性代謝活性
レポーターalamarBlue® (レサズリン)レサズリン
励起/蛍光 (nm)571/585535(-560):590-615.
サンプル全細胞またはライセート全細胞
用法細胞還元電位の測定細胞還元電位の測定
成分バルクサイズバルクサイズ
フォーマット25 mL25 mL
プロトコールの概要
  1. 細胞に試薬を添加。
  2. 37°Cで1~4時間、インキュベート。
  3. 蛍光測定。
  4. データ解析
  1. 細胞に試薬を添加。
  2. 37°C、10分間インキュベート。
  3. 蛍光測定。
  4. データ解析
カタログ 番号DAL1025A13261
 LIVE/DEAD® Viability/Cytotoxicity Kit *for mammalian cells*Vybrant® Cytotoxicity Assay Kit (G6PD release Assay)Image-IT® DEAD Green™ Viability StainHCS LIVE/DEAD® Greenキット
ターゲット哺乳類細胞生存率哺乳類細胞生存率哺乳類細胞生存率哺乳類細胞生存率
レポーターCalcein AM/ethidium homodimer-1レサズリンImage-IT® DEAD Green™Image-IT® DEAD Green™、NuclearMask™ Deep Red またはHoechst 33342
励起/蛍光 (nm)488/535 & 528/617540/590488/515488/515、638/686、または350/461
サンプル接着細胞または懸濁細胞細胞懸濁および周辺培養液接着細胞または懸濁細胞接着細胞
仕様細胞膜完全性とエステラーゼ活性に基づく迅速かつ容易な2色アッセイ障害細胞から放出されるG6PDに基づく迅速かつ容易なアッセイ細胞膜完全性に基づく迅速かつ容易なアッセイ細胞膜完全性に基づく2色アッセイ
構成品バルクサイズの蛍光試薬完全なアッセイバルクサイズの蛍光試薬完全なアッセイ
フォーマット1キット、マイクロプレート10枚1キット、マイクロプレート10枚1バイアル、プレート25枚1キット、プレート2枚
プロトコルの概要
  1. 細胞を任意の密度まで増殖。
  2. 試験化合物で細胞を処理し、インキュベート。
  3. 染色試薬を添加してインキュベート。
  4. スタンダードカーブの作成。
  5. 2つの波長で蛍光を測定。
  6. スタンダードカーブを用いて生存率を算出。
  1. 細胞を任意の密度まで増殖。
  2. 試験化合物で細胞を処理し、インキュベート。
  3. 染色試薬を添加し、インキュベート。
  4. スタンダードカーブの作成。
  5. 蛍光測定。
  6. スタンダードカーブを用いて生存率を算出。
  1. 細胞を播種。
  2. 試験化合物の添加または薬物処理。
  3. 細胞に染色試薬を添加。
  4. 37°C、30分間インキュベート。
  5. 細胞の固定および透過処理。
  6. 洗浄。
  7. イメージングおよび解析。
  1. 細胞を播種。
  2. 試験化合物の添加または薬物処理。
  3. 細胞に染色試薬を添加。
  4. 37°C、30分間インキュベート。
  5. 細胞の固定および透過処理。
  6. 洗浄。
  7. イメージングおよび解析。
カタログ 番号L3224V23111I10291H10290
 LIVE/DEAD® BacLight™ Bacterial Viability Kit, for microscopy and quantitative assaysLIVE/DEAD® Yeast Viability Kit
ターゲット細菌細胞生存率酵母細胞生存率
レポーターPropidium iodide/SYTO® 9FUN® 1/Calcofluor White
励起/蛍光 (nm)485, 530, 630485, 530, 620
サンプル細菌懸濁液純培養または混合培養、体液または環境サンプル
仕様膜完全性に基づく迅速かつ容易な2色アッセイ膜完全性に基づく迅速かつ容易な2色アッセイ
成分バルクサイズの蛍光試薬バルクサイズの蛍光試薬
フォーマット1キット、マイクロプレート10枚1キット、マイクロプレート10枚
プロトコルの概要
  1. 対数増殖後期に向かう細胞を、適切なバッファーに再懸濁。
  2. 再懸濁された細菌を複数のサンプルに分け、そのうちの1つを70%イソプロピル処理により死菌とする。
  3. 生菌と死菌を混ぜて蛍光比率のスタンダードカーブを作成。
  4. 任意の密度で細菌をマイクロプレートに添加。
  5. マイクロプレート内の細菌に実験処理を施してインキュベート。
  6. 染色試薬を添加してインキュベート。
  7. 蛍光測定。
  8. スタンダードカーブから生菌率を決定。
  1. 酵母培地の取り扱い
  2. 酵母をマイクロプレートに添加。
  3. FUN® 1およびCalcofluor Whiteを添加してインキュベート。
  4. 両方の発光波長を測定。
  5. 蛍光比率を計算して代謝活性を算出。
カタログ 番号L7012L7009

リソース

より詳しくはMolecular Probes®ハンドブックをご覧ください。
BioProbes®
関連製品

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.