イオンインジケーターを用いたマイクロプレートアッセイ

無機陽イオンと無機陰イオンの濃度が非対称な状態で維持されているのは生細胞の特徴です。こうしたイオン勾配を制御することは、ほとんどの細胞機能にとって必須であり、空間的および時間的な分解能でイオン濃度を測定することは、創薬からニューロン機能の研究にわたる幅広い研究においてきわめて重要になっています。

当社は数多くのMolecular Probes®イオンインジケーターを開発し、カルシウムやその他のイオンの濃度を強い蛍光シグナルと幅広い選択肢の波長で追跡することを可能にしました。

細胞内マグネシウムアッセイ

カルシウムフラックスアッセイは、創薬において意味のある大きくて活性を有するターゲットクラスであるGタンパク質共役受容体(GPCR)を介したアゴニスト刺激性シグナル伝達およびアンタゴニスト阻害性シグナル伝達の細胞内測定に広く使用されています。fluoシリーズのカルシウムインジケーターは、休止状態のCa2+レベルで最小限の蛍光を放出し、Ca2+ 濃度の上昇に伴ってその蛍光強度を最大>100倍に増大させます。細胞透過性組成の試薬は、細胞培養の培地中にローディングすることができ、HTSを含むイメージングやマイクロプレートアッセイと両立します。

細胞内マグネシウムアッセイ

細胞内Mg2+ は、酵素反応、DNA合成、ホルモン分泌および筋収縮の仲介に重要な役割を果たします。これらや他の細胞機能におけるマグネシウムの役割の研究を容易にするために、Molecular Probes® 蛍光インジケーターは、UVまたは可視光によって励起し、レシオメトリックベースまたは強度ベースのシグナルによりMg2+ 濃度を解析できるようデザインされています。

細胞内pH測定

細胞内pHは一般的には、細胞質中では約6.8~7.4の範囲にあり、細胞の酸性オルガネラにおいては約4.5~6.0の範囲にあります。生理的条件下で、細胞内pHはほんの少しだけ変わり、そのような変化は非常にゆっくり起こることもあります。当社は、細胞質または特定のオルガネラの細胞内pHを追跡する幅広いMolecular Probes®インジケーターを提供します。

Fluo-4 Direct™ assay
ムスカリン1(M1)受容体アゴニストに対して用量依存的なカルシウム応答。 CHO M1細胞をポリD-リジンコーティング384ウェルプレートに播種し、一晩インキュベートした。 翌日、 Fluo-4 Direct™アッセイを用い、カルバコールに対する細胞のカルシウム応答アッセイを実施した。 細胞は、アゴニストカルバコール、MCN-A-343、ベタネコール、オキソトレモリンおよびピロカルピンで刺激された。 測定値は、最大応答から最小応答を引いたものを最小応答で除算して得られた相対蛍光単位で表記。 アゴニスト力価の順位序列は、既報の結果と一致した。

選択ガイド
 Fluo-4 Direct™ Calcium Assay Kit, Starter packFluo-4 NW Calcium Assay Kit, starter pack with bufferFluo-4, AM, cell permeant, Special PackagingFluo-3, AM, cell permeant, Special PackagingFura-2, AM, cell permeant
ターゲットカルシウムフラックスカルシウムフラックスカルシウムフラックスカルシウムフラックスカルシウムフラックス
レポーターFluo-4 Fluo-4Fluo-4Fluo-3Fura-2
励起/蛍光 (nm)488/530488/530488/530506/526350,380/510(レシオメトリック励起)
アッセイ完全培地の存在下で、細胞内カルシウムの最も容易なアッセイ洗浄ステップ不要な細胞内カルシウムの簡便なアッセイ細胞内カルシウムのアッセイ細胞内カルシウムの従来のアッセイ細胞内カルシウムのレシオメトリック測定およびUV励起測定
使用方法添加のみのアッセイフォーマットで、細胞の洗浄や培地の除去が不要。培地の除去が必要だが、細胞の洗浄は不要。培地の除去や細胞の洗浄または消光ステップが必要です。培地の除去や細胞の洗浄または消光ステップが必要です。細胞へのローディングが必要です。
構成試薬、PowerLoad™試薬およびバッファー試薬、PowerLoad™試薬およびバッファーバルク試薬バルク試薬バルク試薬
フォーマット1 kit, 20 plates1 kit, 10 plates20 x 50 µg10 x 50 µg20 x 50 µg
プロトコール概要
  1. 細胞をマイクロプレートウェルに播種。
  2. Fluo-4 Direct™ローディング溶液を調製。
  3. ウェルにローディング溶液を添加。
  4. 30分間37°Cでインキュベート。
  5. 細胞を処理。
  6. 蛍光を測定。
  1. 色素ローディング溶液を調製。
  2. 細胞から培地を除去。
  3. 色素ローディング溶液を添加。
  4. 30分間37°Cでインキュベート。
  5. 細胞を処理。
  6. 蛍光を測定。
  1. 色素使用液を調製。
  2. この色素使用液を細胞に加え、30分間37°Cでインキュベート。
  3. 細胞を洗浄して色素を除去。
  4. 30分間37°Cでインキュベート。
  5. 細胞を処理。
  6. 蛍光を測定。
  1. 色素使用液を調製。
  2. この色素使用液を細胞に加え、30分間37°Cでインキュベート。
  3. 細胞を洗浄して色素を除去。
  4. 30分間37°Cでインキュベート。
  5. 細胞を処理。
  6. 蛍光を測定。
  1. ストック溶液を調製。
  2. ワーキング溶液を細胞に加え、30分間37°Cでインキュベート。
  3. 細胞を洗浄し、培地を加え、30分間37°Cでインキュベート。
  4. ローディング終了後、処理を実施。
  5. 蛍光を約510 nmで測定。
  6. 蛍光強度比を算出。
カタログ 番号F10471F36206F14201F1242F1221
 Mag-Fura-2、AM(細胞透過性)Magnesium Green™、AM(細胞透過性)
ターゲットMg2+Mg2+
レポーターMag-Fura-2Magnesium Green™
励起/蛍光 (nm)330/491~369/511506/531 nm
サンプル中位のMg2+ 濃度最も低いMg2+ 濃度
使用方法Mg2+に対する親和性がMagnesium Green™よりも低いアッセイ比(Kd約1.9 mM)Mg2+に対する親和性がMag-Fura-2(Kd約1.9 mM)よりも高いMg2+(Kd約1.0 mM)のアッセイ強度
構成バルク試薬バルク試薬
フォーマット20 x 50 µg20 x 50 µg
プロトコール概要
  1. ワーキング溶液を調製。
  2. 細胞に添加。
  3. 30分間37°Cでインキュベート。
  4. 細胞を3回洗浄。
  5. 30分間37°Cでインキュベート。
  6. 細胞を処理。
  7. 蛍光を測定。
  1. ワーキング溶液を調製。
  2. 細胞に添加。
  3. 30分間37°Cでインキュベート。
  4. 細胞を3回洗浄。
  5. 30分間37°Cでインキュベート。
  6. 細胞を処理。
  7. 蛍光を測定。
カタログ 番号M1292M3735
 pHrodo™ Green AM細胞内pHインジケーターpHrodo™ Red AM細胞内pHインジケーターBis-(2-Carboxyethyl)-5-(and-6)-Carboxyfluorescein, Acetoxymethyl Ester (BCECF, AM)
ターゲット細胞内pH細胞内pH細胞内pH
レポーターpHrodo™ GreenpHrodo™ RedBCECF
励起/蛍光 (nm)509/533560/585440/490,535
サンプル細胞を培地にロード細胞を培地にロード細胞を培地にロード
用法pH 8からpH 4になるにつれて緑色蛍光が増大。pH 8からpH 4になるにつれて赤色蛍光が増大。発光強度は、pH 6.2からpH 9.5までpH依存的。
構成バルク試薬バルク試薬バルク試薬
フォーマット50 µL of 5 mM (1,000x)50 µL of 5 mM (1,000x)20 x 50 µg
プロトコール概要
  1. pHrodo™色素溶液を調製。
  2. 培地を除去し、細胞を洗浄。
  3. pHrodo™色素溶液を添加。
  4. 30分間37°Cでインキュベート。
  5. 細胞を処理。
  6. 細胞を解析。
  1. pHrodo™色素溶液を調製。
  2. 培地を除去し、細胞を洗浄。
  3. pHrodo™色素溶液を添加。
  4. 30分間37°Cでインキュベート。
  5. 細胞を処理。
  6. 細胞を解析。
  1. 色素ローディング溶液を調製。
  2. 培地を除去し、細胞を洗浄。
  3. 色素ローディング溶液を加。
  4. 30分間37°Cでインキュベート。
  5. ローディング溶液を除去し、細胞を洗浄。
  6. 培地を交換。
  7. 細胞を処理。
  8. 細胞を解析。
カタログ 番号P35373P35372B1170
 Fluo-4 Direct™ Calcium Assay Kit, Starter packFluo-4 NW Calcium Assay Kit, starter pack with bufferFluo-4, AM, cell permeant, Special PackagingFluo-3, AM, cell permeant, Special PackagingFura-2, AM, cell permeant
ターゲットカルシウムフラックスカルシウムフラックスカルシウムフラックスカルシウムフラックスカルシウムフラックス
レポーターFluo-4 Fluo-4Fluo-4Fluo-3Fura-2
励起/蛍光 (nm)488/530488/530488/530506/526350,380/510(レシオメトリック励起)
アッセイ完全培地の存在下で、細胞内カルシウムの最も容易なアッセイ洗浄ステップ不要な細胞内カルシウムの簡便なアッセイ細胞内カルシウムのアッセイ細胞内カルシウムの従来のアッセイ細胞内カルシウムのレシオメトリック測定およびUV励起測定
使用方法添加のみのアッセイフォーマットで、細胞の洗浄や培地の除去が不要。培地の除去が必要だが、細胞の洗浄は不要。培地の除去や細胞の洗浄または消光ステップが必要です。培地の除去や細胞の洗浄または消光ステップが必要です。細胞へのローディングが必要です。
構成試薬、PowerLoad™試薬およびバッファー試薬、PowerLoad™試薬およびバッファーバルク試薬バルク試薬バルク試薬
フォーマット1 kit, 20 plates1 kit, 10 plates20 x 50 µg10 x 50 µg20 x 50 µg
プロトコール概要
  1. 細胞をマイクロプレートウェルに播種。
  2. Fluo-4 Direct™ローディング溶液を調製。
  3. ウェルにローディング溶液を添加。
  4. 30分間37°Cでインキュベート。
  5. 細胞を処理。
  6. 蛍光を測定。
  1. 色素ローディング溶液を調製。
  2. 細胞から培地を除去。
  3. 色素ローディング溶液を添加。
  4. 30分間37°Cでインキュベート。
  5. 細胞を処理。
  6. 蛍光を測定。
  1. 色素使用液を調製。
  2. この色素使用液を細胞に加え、30分間37°Cでインキュベート。
  3. 細胞を洗浄して色素を除去。
  4. 30分間37°Cでインキュベート。
  5. 細胞を処理。
  6. 蛍光を測定。
  1. 色素使用液を調製。
  2. この色素使用液を細胞に加え、30分間37°Cでインキュベート。
  3. 細胞を洗浄して色素を除去。
  4. 30分間37°Cでインキュベート。
  5. 細胞を処理。
  6. 蛍光を測定。
  1. ストック溶液を調製。
  2. ワーキング溶液を細胞に加え、30分間37°Cでインキュベート。
  3. 細胞を洗浄し、培地を加え、30分間37°Cでインキュベート。
  4. ローディング終了後、処理を実施。
  5. 蛍光を約510 nmで測定。
  6. 蛍光強度比を算出。
カタログ 番号F10471F36206F14201F1242F1221
 Mag-Fura-2、AM(細胞透過性)Magnesium Green™、AM(細胞透過性)
ターゲットMg2+Mg2+
レポーターMag-Fura-2Magnesium Green™
励起/蛍光 (nm)330/491~369/511506/531 nm
サンプル中位のMg2+ 濃度最も低いMg2+ 濃度
使用方法Mg2+に対する親和性がMagnesium Green™よりも低いアッセイ比(Kd約1.9 mM)Mg2+に対する親和性がMag-Fura-2(Kd約1.9 mM)よりも高いMg2+(Kd約1.0 mM)のアッセイ強度
構成バルク試薬バルク試薬
フォーマット20 x 50 µg20 x 50 µg
プロトコール概要
  1. ワーキング溶液を調製。
  2. 細胞に添加。
  3. 30分間37°Cでインキュベート。
  4. 細胞を3回洗浄。
  5. 30分間37°Cでインキュベート。
  6. 細胞を処理。
  7. 蛍光を測定。
  1. ワーキング溶液を調製。
  2. 細胞に添加。
  3. 30分間37°Cでインキュベート。
  4. 細胞を3回洗浄。
  5. 30分間37°Cでインキュベート。
  6. 細胞を処理。
  7. 蛍光を測定。
カタログ 番号M1292M3735
 pHrodo™ Green AM細胞内pHインジケーターpHrodo™ Red AM細胞内pHインジケーターBis-(2-Carboxyethyl)-5-(and-6)-Carboxyfluorescein, Acetoxymethyl Ester (BCECF, AM)
ターゲット細胞内pH細胞内pH細胞内pH
レポーターpHrodo™ GreenpHrodo™ RedBCECF
励起/蛍光 (nm)509/533560/585440/490,535
サンプル細胞を培地にロード細胞を培地にロード細胞を培地にロード
用法pH 8からpH 4になるにつれて緑色蛍光が増大。pH 8からpH 4になるにつれて赤色蛍光が増大。発光強度は、pH 6.2からpH 9.5までpH依存的。
構成バルク試薬バルク試薬バルク試薬
フォーマット50 µL of 5 mM (1,000x)50 µL of 5 mM (1,000x)20 x 50 µg
プロトコール概要
  1. pHrodo™色素溶液を調製。
  2. 培地を除去し、細胞を洗浄。
  3. pHrodo™色素溶液を添加。
  4. 30分間37°Cでインキュベート。
  5. 細胞を処理。
  6. 細胞を解析。
  1. pHrodo™色素溶液を調製。
  2. 培地を除去し、細胞を洗浄。
  3. pHrodo™色素溶液を添加。
  4. 30分間37°Cでインキュベート。
  5. 細胞を処理。
  6. 細胞を解析。
  1. 色素ローディング溶液を調製。
  2. 培地を除去し、細胞を洗浄。
  3. 色素ローディング溶液を加。
  4. 30分間37°Cでインキュベート。
  5. ローディング溶液を除去し、細胞を洗浄。
  6. 培地を交換。
  7. 細胞を処理。
  8. 細胞を解析。
カタログ 番号P35373P35372B1170

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.