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残留農薬検査は、食品中の残留基準値(MRL)や農薬許容レベルに関する法令を順守して実施する必要があります。分析ラボは、数百種もの農薬を検出、定量、同定するよう求められています。多数のサンプルにはそれぞれに異なる物理化学的特性があり、分析が非常に困難なこともあります。
さらに、世界各地の農薬規制は常に改定されています。最も広く認識されている法規制は米国、ヨーロッパ、日本、中国などのものですが、その他の各国でも政策が施行されています。
QuEChERS 法や固相抽出法の最初のサンプル調製手法から、数百種の農薬および代謝物の分析、GC-MS/MS または LC-MS/MS によるターゲット/ノンターゲット分析までの完結型ワークフローソリューションは、サーモフィッシャーサイエンティフィックのソリューションがいかに高い信頼性と効率で、残留農薬検査結果を提供するとともに、規制要件に順守できるかを実証しています。
LIMS を使うと、サンプルデータのトレーサビリティを完全に確保し、規制された環境で監査基準を順守できるため、食品製造業者は汚染のおそれのある食品をすばやく同定し、排除することができます。LIMS を使うと、効率、生産性、サンプルの完全性が改善されます。以下のリンクをクリックして、LIMS を食品安全環境で利用する方法に関するポスターをお読みください。
サンプル調製とは一般に、検査のためにオリジナルのサンプルを分析サンプルに変換することを指す用語として使われています。オリジナルのサンプルを分析サンプルに変換するには、複数の段階があります。特にごく少量のサンプルをスモールスケールの抽出法で分析する際には、多くの段階を経ることになります。
初回のサンプル収集、移送、保管では、二次汚染や残留物の劣化の防止を考慮する必要があります。サンプル調製そのものは、土壌、石、骨の断片など、分析に不要な部分を分析対象のオリジナルサンプルから除去することです。
次に、サンプル処理または粉砕の手順が続きます。この段階には、切断、粉砕、製粉、浸潤、混合などの多数の手順があり、分析対象部分を取り除く前に、分析サンプルを十分に均質化します。サンプルの調製が済むと、分析種の抽出が必要です。
抽出とは、サンプルから分析種を取り出し、抽出相(通常は溶媒)とすることです。残留農薬分析で最も広く使われている抽出技術は、QuEChERS(Quick(高速)、Easy(簡単)、Cheap(低価格)、Effective(効果的)、Rugged(堅牢)、Safe(安全))法および自動溶媒抽出(ASE)法です。
最後の手順はクリーンナップで、これも QuEChERS 技術に組み込まれています。クリーンナップでは、非特異的マトリックス共抽出物をサンプルから除去します。
QuEChERS(Quick(高速)、Easy(簡単)、Cheap(低価格)、Effective(効果的)、Rugged(堅牢)、Safe(安全))法は、現在ラボで最も広く利用されている技術の一つで、果物、野菜などの食品サンプル、肉や魚などの複合マトリックス中の農薬および除草剤の多成分残留物分析のための抽出とクリーンナップに便利で効果的なアプローチです。
QuEChERS 法は、抽出後にクリーンナップする、二段階プロセスです。
現在使用されている QuEChERS 法には、次の 4 種類があります。
抽出では塩と有機溶媒を使って、食品マトリックスから分析種を分離します。Thermo Scientific HyperSep Dispersive SPE 抽出製品は、抽出を促すために硫酸マグネシウム(MgSO4)を使用しており、塩基性化合物(フォルペットやキャプタンなど)の抽出には、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、または無水酢酸ナトリウムのいずれかを硫酸マグネシウムと併せて使用します。各キットには、各種調製済み吸着剤が用意されており、QuEChERS 法を使用して分析種を最適に抽出するのに必要な吸着剤が同梱されています。その後、有機層をクリーンナップして、脂質や有機酸などのその他の干渉物を除去します。
HyperSep Dispersive SPE クリーンナップ製品には、他の化合物中の有機酸および極性色素を除去するため PSA(一級および二級アミン)が含まれています。ほとんどの脂質およびステロールを除去するためエンドキャッピングされた C18 を、またはステロールやクロロフィルなどの色素を除去するために GCB(グラファイトカーボンブラック)を PSA と組み合わせている製品もあります。さらに、さまざまな調製済み吸着剤と組み合わせて使用できます。各製品には、QuEChERS 法を使用して分析種を最適にクリーンナップするのに必要な吸着剤が含まれています。抽出サンプルが「クリーン」になると、ガスクロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィー/質量分析により分析されます。
下表に、クリーンナップ用吸着剤をマトリックスタイプ別に示しました。
マトリックスタイプ | 例 | クリーンナップ用吸着剤の要件 |
---|---|---|
一般マトリックス |
| MgSO4、PSA 水、有機酸、脂肪酸、糖 の除去 |
脂質マトリックス |
| MgSO4、PSA、C18 脂質とステロールの除去 |
色素マトリックス |
| MgSO4、PSA、C18、GCB 色素およびステロールの除去 |
高色素マトリックス |
| MgSO4、PSA、C18、GCB、Chlorofiltr™ クロロフィルの除去 |
QuEChERS 法のトラブルシューティング:
問題点 | 原因 | 推奨される解決策 |
---|---|---|
平面状構造農薬のロス | GCB の存在が、平面状構造化合物のロスの原因になる場合がある |
|
開始マトリックスから 2,4-D などの酸性化合物のロス | PSA の存在下で、マトリックスから酸性化合物が抽出される |
|
以降の分析における化合物のロス | 不安定で分析中に分解する化合物がある |
|
吸着剤を含む QuEChERS 抽出チューブにサンプルを加えると発熱反応が発生する | サンプル中の水分と硫酸マグネシウムとの発熱反応 |
|
農薬の回収率が低い | サンプルが適切にホモジナイズされていない |
|
自動サンプル抽出技術には、高速溶媒抽出、自動固相抽出、および 自動蒸発があります。
高速溶媒抽出は、水分含有量の少ないサンプル(茶葉や穀物など)や脂肪含有量の高いサンプル(カキの組織など)を取り扱う際によく使用されます。また、Dionex™ ASE™ Prep MAP などのポリマーを使うと、すばやく、効果的に水分を除去できるため、果物や野菜の分析にも適用できます。
この技術はハイスループットのラボに最適で、有機酸および含水溶媒、または酸や塩基を高温で使用して、検体の抽出効率を向上させることができます。また、高圧をかけて溶媒を液体状態に維持して、固体または半固体のサンプルから化合物をすばやく抽出できます。少量の溶媒を使うため、時間、溶媒、費用の節約につながり、ソックスレーまたは超音波処理などの従来の技術に比べると、ごく短時間で結果を得られます。
US EPA メソッド 3545a に記載されているように、ASE 法では 1 サンプルあたり 15 ~ 30 分しか要さないほか、平均で 10 ~ 30 mL 未満の溶媒しか必要なく、マトリックスへの浸透性も高く、特定の種類の発生残留物が効果的に抽出されることから、より正確な結果を得ることができます。
アプリケーションノート 食品中の残留農薬の高速溶媒抽出でも取り上げているとおり、残留農薬分析では、サンプル表面、または抽出物内に農薬をスパイク添加することにより、一般に回収率をチェックします。
次に、お客様の残留農薬アプリケーションに適した分析機器ソリューションに応じて、ステップ 2、3 および/またはステップ 4 をクリックしてください。
クロマトグラフィーのサンプル調製の詳細については、ここをクリックしてください。
このペーパーでは、分析ワークフローの最初のステップを中心に取り上げています。サンプル調製、最も広く使われる溶媒抽出法およびクリーンナップ法など、知っておくべき情報がすべて網羅されています。
食品安全性に対する懸念が高まるなか、世界的に農薬に対する規制が厳しくなっています。食品安全規制では、通常 ppb-ppm 範囲で設定される農薬残留基準(MRL)で食品中の多数の農薬をスクリーニングおよび定量して、人間の健康に悪影響を及ぼす可能性を最低限に抑えるよう義務付けています。
このような規制強化により、EU ガイドライン SANTE/11945/2015 に規定されているように、クロマトグラフィーおよび質量分析による数百種類の農薬の分析に適用できる、汎用的で、信頼性の高い多成分残留農薬分析法の開発が促進されました。
LC-MS/MS により、1 回の分析で数百種の標的農薬を高い選択性と感度で定量し、確認できます。このメソッドでは、成分により異なる多数のパラメータを最適化することが必要なため、非標的農薬のスクリーニングには使えません。
フルスキャン、MS/MS、またはその両方で、高分解能精密質量分析(HRAM)技術を使用すると、非標的農薬や、残留農薬検査ラボが直面するその他の課題に対処できます。HRAM を使ったフルスキャンアプローチと超高圧力 LC(UHPLC)の組み合わせは、LC が適用可能な標的および非標的残留農薬をすばやく、高い感度でスクリーニングし、検出するのに最適です。
HPLC および UHPLC 分析カラムは、困難な多成分残留農薬分析に対応するソリューションで、標準の C18 逆相カラムがこの目的に最適です。ただし、極性分析種を分析する場合には、LC-MS を使って残留農薬を分析する際と同様、通常 Accucore aQ などの水性 C18 カラムを使います。
LC-MS/MS を用いた残留農薬の測定(アプリケーションノート)をお読みください。
ステップ 5(データ処理)をクリックし、データ分析方法をご覧ください。
Pesticide Explorer Collection は、サンプル調製からデータ分析までに対応する完結型 LC-MS/MS ワークフローで、食品ラボの準備時間と費用を節約できるようにカスタマイズされています。
この e-learning では、国際基準に準じた定量/定性メソッドの検証など、食品の QuEChERS 抽出物内の残留農薬分析に適用した LC-HRAM 技術の性能を独立系機関により全面的に評価した結果より得られた新情報を、残留農薬分析に携わる方に提供します。
食品ラボのターゲット/ノンターゲット農薬定量の重要な課題に対処します。このプレゼンテーションでは、LC-MS/MS および LC-HRAM-MS/MS をベースとする包括的ワークフローソリューションの開発と導入について説明します。
イオンクロマトグラフィー(IC)は標的分析に適用でき、グリホセート、グルホシネート、塩素酸塩などのイオン性農薬および極性の高い農薬分析で優れた能力を発揮します。ただし、一般的な多成分残留ガスおよび液体クロマトグラフィー法には適用できません。
技術開発を通じて、特に極性の高い農薬、熱的に不安定な化合物、低揮発性の化合物など、GC-MS 技術では解決できない農薬分析に、IC-MS/MS を利用できるようになりました。
対象の分析種は通常、QuPPe(Quick Polar Pesticide)法を使って抽出されます。IC-MS/MS の主な利点の一つに、分析前に誘導体化や複数の抽出手順が不要なことがあります。
世界で最も広く使われている除草剤のグリホサートなどの 極性の高い農薬の分析の詳細については、ブログをご覧ください。
十分なクロマトグラフィー保持期間と適切なピーク形状を得るため、異なるクロマトグラフィー条件を使って個々の抽出物を複数回分析します。ただし、これによりサンプル分析コストがかさむことになります。全体的に、サプレッサー型イオンクロマトグラフィーを MS/MS と組み合わせて使うと、極性の高い残留農薬分析により効果的なソリューションとなります。
ステップ 5(データ処理)をクリックし、データ分析方法をご覧ください。
Fera Science Ltd の経験、課題、このアプローチの開発、検証、導入の成功について解説しています。農薬分析の IC-MS/MS 法最適化の重要な側面をご覧ください。
グリホサートは、世界中で最も広く利用されている農薬です。しかし最近、その毒性が大きく報道されました。さらに、グリホサートは最も分析が難しい物質の一つです。この物質は両性である(異なるイオン型で存在できる)ため、分析に IC を適用できないか、その可能性を探ることにしました。
現在のところ、GC-MS/MS は最も広く利用されている残留農薬分析アプローチです。残留農薬分析の最大の課題の一つは、単純な果物からハーブ、スパイス、茶などの複合マトリックスまで、多数のマトリックス中の多様な農薬を分析する能力です。これと同時に、高いスループット、短い所要時間、低い分析コストも求められます。
GC-MS/MS を使う利点は、幅広い多成分残留農薬分析種を評価できる点で、標的定量分析で良好な分離を実現できます。
現在この技術により、300 種を超える規制農薬を分析することができます。食品中の農薬残留基準値(MRL)に関する国際規制では、数百もの標的化合物に 10 ppb 以下の非常に低レベルの残留上限を課していますが、この分析は GC-MS/MS で可能です。一例を挙げると、乳児は化学物質から健康への悪影響を受けやすいため、ベビーフードは特に重要です。アプリケーションノートをお読みください。
GC-MS/MS HRAM は、フルスキャンで標的および非標的データの取得が可能で、ルーチンの農薬スクリーニングと定量で、複合マトリックスで求められる感度と選択性を実現します。そのため、未知の化合物の検出と同定が可能です。GC と HRAM を組み合わせて使うと、ハイスループットで ベビーフード中の残留農薬サンプルなどをフルスキャン取得によりほぼ無制限に分析できます。定量性能は GC-MS/MS と同等で、SANTE/11945/2015 ガイドラインに準拠しています。
GC カラムは農薬分析専用に設計されており、対象の化合物を高い性能、感度、再現性で分離できます。
ステップ 5(データ処理)をクリックし、データ分析方法をご覧ください。
標的スクリーニング法では、化合物取得パラメータの最適化が必要です。高分解能フルスキャン質量分析計を使うと、分析範囲を改善できます。
現行のガイドラインに準じて、最新技術が農薬同定にどのように使われているかお読みください。
全自動のクロマトグラフィーデータシステム(CDS)ソフトウェアは、現在ルーチン農薬分析ラボで広く利用されています。このソフトウェアを使うと、機器の管理、自動化、データ処理などが可能になります。
CDS には、クロマトグラフィーとルーチンの定量 MS 分析のワークフローが統合されています。さらに、GC-MS/MS、LC-MS/MS、および IC-MS/MS 機器も完全に統合でき、メソッドの作成から最終レポート作成まで分析を実行できます。
ブログを読む: 農薬分析に最適なメソッドを見つける方法
残留農薬分析のデータ処理により、全化合物種の標的スクリーニングおよび定量の合理化が可能になります。残留農薬検査の定量および定性目的のデータ処理ソフトウェアの例が アプリケーションノートに掲載されています。
数百種の化合物に関する必要な情報すべてに数秒で簡単にアクセスでき、どこからでもデータを変換して、メソッドに入力できます。さらに、食品安全アプリケーション用にカスタマイズでき、世界各地の規制に準じて調整も可能です。
Compound Discovery ソフトウェアを使うと、小分子を同定するためのデータ分析が可能です。高分解能の標的および非標的分析の両方に対応しており、研究者の解析目的に応じてデータを収集、整理、保管、報告できます。
SRM および HRAM ワークフローに対応する化合物データベースと Method Forge™ により、数百種の分子に数秒で簡単にアクセスできます。新しい TraceFinder 4.0 ソフトウェアの無料試用版をダウンロードできます。
Compound Discoverer ソフトウェア – 高分解能精密質量(HRAM)データを最大限活用できる唯一の低分子解析ソリューションです。
サンプル調製とは一般に、検査のためにオリジナルのサンプルを分析サンプルに変換することを指す用語として使われています。オリジナルのサンプルを分析サンプルに変換するには、複数の段階があります。特にごく少量のサンプルをスモールスケールの抽出法で分析する際には、多くの段階を経ることになります。
初回のサンプル収集、移送、保管では、二次汚染や残留物の劣化の防止を考慮する必要があります。サンプル調製そのものは、土壌、石、骨の断片など、分析に不要な部分を分析対象のオリジナルサンプルから除去することです。
次に、サンプル処理または粉砕の手順が続きます。この段階には、切断、粉砕、製粉、浸潤、混合などの多数の手順があり、分析対象部分を取り除く前に、分析サンプルを十分に均質化します。サンプルの調製が済むと、分析種の抽出が必要です。
抽出とは、サンプルから分析種を取り出し、抽出相(通常は溶媒)とすることです。残留農薬分析で最も広く使われている抽出技術は、QuEChERS(Quick(高速)、Easy(簡単)、Cheap(低価格)、Effective(効果的)、Rugged(堅牢)、Safe(安全))法および自動溶媒抽出(ASE)法です。
最後の手順はクリーンナップで、これも QuEChERS 技術に組み込まれています。クリーンナップでは、非特異的マトリックス共抽出物をサンプルから除去します。
QuEChERS(Quick(高速)、Easy(簡単)、Cheap(低価格)、Effective(効果的)、Rugged(堅牢)、Safe(安全))法は、現在ラボで最も広く利用されている技術の一つで、果物、野菜などの食品サンプル、肉や魚などの複合マトリックス中の農薬および除草剤の多成分残留物分析のための抽出とクリーンナップに便利で効果的なアプローチです。
QuEChERS 法は、抽出後にクリーンナップする、二段階プロセスです。
現在使用されている QuEChERS 法には、次の 4 種類があります。
抽出では塩と有機溶媒を使って、食品マトリックスから分析種を分離します。Thermo Scientific HyperSep Dispersive SPE 抽出製品は、抽出を促すために硫酸マグネシウム(MgSO4)を使用しており、塩基性化合物(フォルペットやキャプタンなど)の抽出には、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、または無水酢酸ナトリウムのいずれかを硫酸マグネシウムと併せて使用します。各キットには、各種調製済み吸着剤が用意されており、QuEChERS 法を使用して分析種を最適に抽出するのに必要な吸着剤が同梱されています。その後、有機層をクリーンナップして、脂質や有機酸などのその他の干渉物を除去します。
HyperSep Dispersive SPE クリーンナップ製品には、他の化合物中の有機酸および極性色素を除去するため PSA(一級および二級アミン)が含まれています。ほとんどの脂質およびステロールを除去するためエンドキャッピングされた C18 を、またはステロールやクロロフィルなどの色素を除去するために GCB(グラファイトカーボンブラック)を PSA と組み合わせている製品もあります。さらに、さまざまな調製済み吸着剤と組み合わせて使用できます。各製品には、QuEChERS 法を使用して分析種を最適にクリーンナップするのに必要な吸着剤が含まれています。抽出サンプルが「クリーン」になると、ガスクロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィー/質量分析により分析されます。
下表に、クリーンナップ用吸着剤をマトリックスタイプ別に示しました。
マトリックスタイプ | 例 | クリーンナップ用吸着剤の要件 |
---|---|---|
一般マトリックス |
| MgSO4、PSA 水、有機酸、脂肪酸、糖 の除去 |
脂質マトリックス |
| MgSO4、PSA、C18 脂質とステロールの除去 |
色素マトリックス |
| MgSO4、PSA、C18、GCB 色素およびステロールの除去 |
高色素マトリックス |
| MgSO4、PSA、C18、GCB、Chlorofiltr™ クロロフィルの除去 |
QuEChERS 法のトラブルシューティング:
問題点 | 原因 | 推奨される解決策 |
---|---|---|
平面状構造農薬のロス | GCB の存在が、平面状構造化合物のロスの原因になる場合がある |
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開始マトリックスから 2,4-D などの酸性化合物のロス | PSA の存在下で、マトリックスから酸性化合物が抽出される |
|
以降の分析における化合物のロス | 不安定で分析中に分解する化合物がある |
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吸着剤を含む QuEChERS 抽出チューブにサンプルを加えると発熱反応が発生する | サンプル中の水分と硫酸マグネシウムとの発熱反応 |
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農薬の回収率が低い | サンプルが適切にホモジナイズされていない |
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自動サンプル抽出技術には、高速溶媒抽出、自動固相抽出、および 自動蒸発があります。
高速溶媒抽出は、水分含有量の少ないサンプル(茶葉や穀物など)や脂肪含有量の高いサンプル(カキの組織など)を取り扱う際によく使用されます。また、Dionex™ ASE™ Prep MAP などのポリマーを使うと、すばやく、効果的に水分を除去できるため、果物や野菜の分析にも適用できます。
この技術はハイスループットのラボに最適で、有機酸および含水溶媒、または酸や塩基を高温で使用して、検体の抽出効率を向上させることができます。また、高圧をかけて溶媒を液体状態に維持して、固体または半固体のサンプルから化合物をすばやく抽出できます。少量の溶媒を使うため、時間、溶媒、費用の節約につながり、ソックスレーまたは超音波処理などの従来の技術に比べると、ごく短時間で結果を得られます。
US EPA メソッド 3545a に記載されているように、ASE 法では 1 サンプルあたり 15 ~ 30 分しか要さないほか、平均で 10 ~ 30 mL 未満の溶媒しか必要なく、マトリックスへの浸透性も高く、特定の種類の発生残留物が効果的に抽出されることから、より正確な結果を得ることができます。
アプリケーションノート 食品中の残留農薬の高速溶媒抽出でも取り上げているとおり、残留農薬分析では、サンプル表面、または抽出物内に農薬をスパイク添加することにより、一般に回収率をチェックします。
次に、お客様の残留農薬アプリケーションに適した分析機器ソリューションに応じて、ステップ 2、3 および/またはステップ 4 をクリックしてください。
クロマトグラフィーのサンプル調製の詳細については、ここをクリックしてください。
このペーパーでは、分析ワークフローの最初のステップを中心に取り上げています。サンプル調製、最も広く使われる溶媒抽出法およびクリーンナップ法など、知っておくべき情報がすべて網羅されています。
食品安全性に対する懸念が高まるなか、世界的に農薬に対する規制が厳しくなっています。食品安全規制では、通常 ppb-ppm 範囲で設定される農薬残留基準(MRL)で食品中の多数の農薬をスクリーニングおよび定量して、人間の健康に悪影響を及ぼす可能性を最低限に抑えるよう義務付けています。
このような規制強化により、EU ガイドライン SANTE/11945/2015 に規定されているように、クロマトグラフィーおよび質量分析による数百種類の農薬の分析に適用できる、汎用的で、信頼性の高い多成分残留農薬分析法の開発が促進されました。
LC-MS/MS により、1 回の分析で数百種の標的農薬を高い選択性と感度で定量し、確認できます。このメソッドでは、成分により異なる多数のパラメータを最適化することが必要なため、非標的農薬のスクリーニングには使えません。
フルスキャン、MS/MS、またはその両方で、高分解能精密質量分析(HRAM)技術を使用すると、非標的農薬や、残留農薬検査ラボが直面するその他の課題に対処できます。HRAM を使ったフルスキャンアプローチと超高圧力 LC(UHPLC)の組み合わせは、LC が適用可能な標的および非標的残留農薬をすばやく、高い感度でスクリーニングし、検出するのに最適です。
HPLC および UHPLC 分析カラムは、困難な多成分残留農薬分析に対応するソリューションで、標準の C18 逆相カラムがこの目的に最適です。ただし、極性分析種を分析する場合には、LC-MS を使って残留農薬を分析する際と同様、通常 Accucore aQ などの水性 C18 カラムを使います。
LC-MS/MS を用いた残留農薬の測定(アプリケーションノート)をお読みください。
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Pesticide Explorer Collection は、サンプル調製からデータ分析までに対応する完結型 LC-MS/MS ワークフローで、食品ラボの準備時間と費用を節約できるようにカスタマイズされています。
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食品ラボのターゲット/ノンターゲット農薬定量の重要な課題に対処します。このプレゼンテーションでは、LC-MS/MS および LC-HRAM-MS/MS をベースとする包括的ワークフローソリューションの開発と導入について説明します。
イオンクロマトグラフィー(IC)は標的分析に適用でき、グリホセート、グルホシネート、塩素酸塩などのイオン性農薬および極性の高い農薬分析で優れた能力を発揮します。ただし、一般的な多成分残留ガスおよび液体クロマトグラフィー法には適用できません。
技術開発を通じて、特に極性の高い農薬、熱的に不安定な化合物、低揮発性の化合物など、GC-MS 技術では解決できない農薬分析に、IC-MS/MS を利用できるようになりました。
対象の分析種は通常、QuPPe(Quick Polar Pesticide)法を使って抽出されます。IC-MS/MS の主な利点の一つに、分析前に誘導体化や複数の抽出手順が不要なことがあります。
世界で最も広く使われている除草剤のグリホサートなどの 極性の高い農薬の分析の詳細については、ブログをご覧ください。
十分なクロマトグラフィー保持期間と適切なピーク形状を得るため、異なるクロマトグラフィー条件を使って個々の抽出物を複数回分析します。ただし、これによりサンプル分析コストがかさむことになります。全体的に、サプレッサー型イオンクロマトグラフィーを MS/MS と組み合わせて使うと、極性の高い残留農薬分析により効果的なソリューションとなります。
ステップ 5(データ処理)をクリックし、データ分析方法をご覧ください。
Fera Science Ltd の経験、課題、このアプローチの開発、検証、導入の成功について解説しています。農薬分析の IC-MS/MS 法最適化の重要な側面をご覧ください。
グリホサートは、世界中で最も広く利用されている農薬です。しかし最近、その毒性が大きく報道されました。さらに、グリホサートは最も分析が難しい物質の一つです。この物質は両性である(異なるイオン型で存在できる)ため、分析に IC を適用できないか、その可能性を探ることにしました。
現在のところ、GC-MS/MS は最も広く利用されている残留農薬分析アプローチです。残留農薬分析の最大の課題の一つは、単純な果物からハーブ、スパイス、茶などの複合マトリックスまで、多数のマトリックス中の多様な農薬を分析する能力です。これと同時に、高いスループット、短い所要時間、低い分析コストも求められます。
GC-MS/MS を使う利点は、幅広い多成分残留農薬分析種を評価できる点で、標的定量分析で良好な分離を実現できます。
現在この技術により、300 種を超える規制農薬を分析することができます。食品中の農薬残留基準値(MRL)に関する国際規制では、数百もの標的化合物に 10 ppb 以下の非常に低レベルの残留上限を課していますが、この分析は GC-MS/MS で可能です。一例を挙げると、乳児は化学物質から健康への悪影響を受けやすいため、ベビーフードは特に重要です。アプリケーションノートをお読みください。
GC-MS/MS HRAM は、フルスキャンで標的および非標的データの取得が可能で、ルーチンの農薬スクリーニングと定量で、複合マトリックスで求められる感度と選択性を実現します。そのため、未知の化合物の検出と同定が可能です。GC と HRAM を組み合わせて使うと、ハイスループットで ベビーフード中の残留農薬サンプルなどをフルスキャン取得によりほぼ無制限に分析できます。定量性能は GC-MS/MS と同等で、SANTE/11945/2015 ガイドラインに準拠しています。
GC カラムは農薬分析専用に設計されており、対象の化合物を高い性能、感度、再現性で分離できます。
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標的スクリーニング法では、化合物取得パラメータの最適化が必要です。高分解能フルスキャン質量分析計を使うと、分析範囲を改善できます。
現行のガイドラインに準じて、最新技術が農薬同定にどのように使われているかお読みください。
全自動のクロマトグラフィーデータシステム(CDS)ソフトウェアは、現在ルーチン農薬分析ラボで広く利用されています。このソフトウェアを使うと、機器の管理、自動化、データ処理などが可能になります。
CDS には、クロマトグラフィーとルーチンの定量 MS 分析のワークフローが統合されています。さらに、GC-MS/MS、LC-MS/MS、および IC-MS/MS 機器も完全に統合でき、メソッドの作成から最終レポート作成まで分析を実行できます。
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残留農薬分析のデータ処理により、全化合物種の標的スクリーニングおよび定量の合理化が可能になります。残留農薬検査の定量および定性目的のデータ処理ソフトウェアの例が アプリケーションノートに掲載されています。
数百種の化合物に関する必要な情報すべてに数秒で簡単にアクセスでき、どこからでもデータを変換して、メソッドに入力できます。さらに、食品安全アプリケーション用にカスタマイズでき、世界各地の規制に準じて調整も可能です。
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