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マルチプレックス蛍光ウェスタンブロッティングでは、正確で定量的な結果と安定したシグナルが得られ、単一のブロットで複数のタンパク質ターゲットを鮮明に測定できるため、より広範に使用されるテクニックになっています。マルチプレックスウェスタンブロッティングでは、新しいイメージングシステムや、ウェスタンブロット検出用の広範な蛍光色素や抗体を用いることで、時間の節約やコストの削減、およびデータの作成と収集での効率改善がもたらされます。
ここでは、お客様による最高の結果の取得を可能にし、各ステップの最適化と失敗を回避するためのサポートを、マルチプレックス蛍光ウェスタンブロッティングでのサンプル調製からデータ収集までの5つのステップに分けて解説しています。
ウェスタンブロッティングに用いるタンパク質サンプルは、組織、細胞、細胞分画などの多くの材料から取得されます。これらの材料からタンパク質を分離し精製するメソッドは多数存在しています。
蛍光ウェスタンブロッティング実験用のタンパク質サンプルの調製では、バックグラウンド蛍光に影響するコンタミの混入を回避することが重要です。ブロモフェノールブルーは、イメージング時のバックグラウンド蛍光に影響します。
ウェスタンブロッティングに適合した抽出液を提供する全タンパク質抽出試薬・キットは以下の通りです:
サンプルタイプ | 目的 | 推奨されるThermo Scientificの試薬・キット |
---|---|---|
初代培養または哺乳類の細胞または組織 | 全タンパク質の抽出 | M-PER Reagent T-PER Reagent N-PER Reagent RIPA Lysis and Extraction Buffer Pierce IP Lysis Buffer |
培養された哺乳類細胞または組織 | 細胞成分の分画または細胞小器官の分離 | NE-PER Reagent Subcellular Fractionation Kits Mitochondria Isolation Kits Pierce Cell Surface Protein Isolation Kit Syn-PER Reagent Lysosomes Enrichment Kit |
細菌細胞 | 全タンパク質の抽出 | B-PER Reagent |
酵母細胞 | 全タンパク質の抽出 | Y-PER Reagent Y-PER Plus Reagent |
昆虫細胞(バキュロウイルス) | 全タンパク質の抽出 | I-PER Reagent |
植物組織(葉、幹、根、花) | 全タンパク質の抽出 | P-PER Reagent |
タンパク質サンプルの濃度の把握は、電気泳動ステップでゲルにロードするべき適正量の決定に役立ちます。サンプルのタンパク質濃度の測定には、さまざまなタンパク質アッセイが利用できます。タンパク質アッセイ選択ガイドを活用して、各自のニーズに適したタンパク質アッセイの選択にお役立てください。
Thermo Scientific Multiskan Sky吸光マイクロプレートリーダーを使用することで、信頼性の高いタンパク質の定量と解析、およびDNAやRNAの解析、ELISAなどのUV-Vis吸光度測定アプリケーションを実施できます。Multiskan Skyリーダーは、幅広い波長領域(200~1,000 nm)、光路長補正、高速測定を特長としています。オプションのµDropプレートで可能となる超微量分析は、最高16回分の測定をNanoDropで同時実施することに相当します。直感的な操作をもたらすタッチスクリーン式ユーザーインターフェース、およびオンボードソフトウェアと内蔵プロトコルにより、装置での直接測定が迅速に実施できます。また、いずれかの装置を購入したカスタマーには、操作性に優れたThermo Scientific SkanItソフトウェアを無制限に利用できるライセンスが提供され、広範な既製プロトコルを収集した当社のオンラインライブラリにアクセスできます。
マルチプレックス蛍光ウェスタンブロッティングの2番目のステップは、調製したタンパク質サンプルをゲル電気泳動で分離することです。ターゲットタンパク質は、タンパク質ゲルの化学的性質とポリアクリルアミド濃度を慎重に選択することで、他のタンパク質から適切に分離できます。よりシャープなバンドパターンを得るには、ポリアクリルアミドのグラジエントゲルの使用をご検討ください。
ターゲットタンパク質の最適な分離能は、個々のタンパク質に適したタンパク質ゲルを選択することで得られます。当社からは4種類のプレキャストされたタンパク質ゲルが提供されています。どの種類のゲルを選択すべきかは、分離するタンパク質量とサイズによります。
目的タンパク質の最適な分離を実現するタンパク質ゲルおよびバッファーをお選びください。
タンパク質サンプルのタイプ | ゲルの種類 | プレキャストゲル | サンプルバッファー* | タンパク質ラダー | 泳動バッファー | 転写バッファー |
---|---|---|---|---|---|---|
少量/翻訳後修飾 広範囲分子量(6~400 kDa) | Bis-Tris | Bolt Bis-Tris Plus(60 µLまでロード可) | Fluorescent Compatible Sample Buffer | iBright Prestained Protein Ladder | Bolt MOPS SDS Buffer(15~260 kDa)、Bolt MES SDS Buffer(3.5~160 kDa)、少量サンプルにはBolt Antioxidantを添加 | Bolt Transfer Buffer |
NuPAGE Bis-Tris | NuPAGE MOPS SDS Buffer(15~260 kDa)、Bolt MES SDS Buffer(3.5~160 kDa)、少量サンプルにはBolt Antioxidantを添加 | NuPAGE Transfer Buffer | ||||
多量 広範囲分子量(6~400 kDa) | Tris-Glycine | Novex Tris-Glycine WedgeWell format | Novex Tris-Glycine SDS Running Buffer | Novex Tris-Glycine Transfer Buffer | ||
高分子量(40~500 kDa) | Tris-Acetate | NuPAGE Tris-Acetate Gels | Spectra Multicolor High Range Protein Ladder | NuPAGE Tris-Acetate SDS Running Buffer | NuPAGE Transfer Buffer | |
低分子量(2.5~40 kDa) | Tricine | Novex Tricine Mini Gels | Spectra Multicolor Low Range Protein Ladder | Novex Tricing SDS Running Buffer | Novex Tris-Glycine Transfer Buffer | |
*サンプルを70℃で10分間加熱。 |
ブロモフェノールブルーを含むサンプルバッファーは蛍光を発し、バックグランドを上昇させる場合があります。ブロモフェノールブルーを含むサンプルバッファーを使用する場合は、バックグラウンドの蛍光シグナルを抑えるために、転写前に色素フロントをゲルから流し出したり、転写後に色素を含む部分をメンブレンから切除してください。
ブロモフェノールブルー非含有の蛍光適合サンプルバッファーとして、Invitrogen Fluorescent Compatible Sample Bufferなどの使用を検討してください(カタログ番号LC2570)。
中分子量タンパク質のマルチプレックス蛍光ウェスタンブロッティングには、iBright Prestained Protein Ladder を分子量マーカーとして使用することをお奨めします。 このマーカーは、電気泳動中にタンパク質バンドを直接可視化し、以下の特長を備えています。
標準的な染色済み分子量マーカーも使用できますが、マーカーに蛍光バンドが含まれている場合、過剰なロードはバックグラウンド蛍光を増加させたり隣接レーンにシグナルを漏出させる可能性があるため、ロードする量を最適化する必要があります。iBright Prestained Protein Ladderではゲルにロードする分子量マーカーは少量で済み、可視化および蛍光検出であれば通常は2~4 µLで十分です。
タンパク質ゲルウェルカムパックは、Invitrogenプレキャストタンパク質ゲルを用いたマルチプレックス蛍光ウェスタンブロッティング実験を始める際の、コスト効率に優れた選択肢です。タンパク質ゲルウェルカムパックは、各種類のタンパク質ゲルが用意されており、プレキャストタンパク質ミニゲル、バッファー、ラダー、および Mini Gel Tank を含んでいるため、個々に購入するよりも大幅にコストを節約できます。iBright Prestained Protein Ladder および Invitrogen Fluorescent Compatible Sample Buffer(カタログ番号LC2570)は、タンパク質ゲルウェルカムパックには含まれていないため、別途注文する必要があります。
電気泳動後にタンパク質をポリアクリルアミドゲルからニトロセルロースまたはポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)メンブレンへ効率的に転写することは、ウェスタンブロッティングの重要なステップであり、これにより特定タンパク質の免疫検出技術を用いた検出が可能になります。
ゲル転写の電気泳動メソッドは、ウェット転写、セミドライ転写、ドライ転写に分類できます。
以下の選択表を参照して、転写のメソッドおよび必要な装置、バッファー、所要時間を比較してください。
ウェット転写 | セミドライ転写 | ドライ転写 | |||
---|---|---|---|---|---|
XCell II Blot Module | SureLock Tandem Midi Blot Module | Power Blotter Systems | iBlot 3 Western Blot Transfer System | ||
キャパシティー | ブロットモジュール1つにつきミニゲル1枚、タンク1台にブロットモジュール1~2つ | 最大2ミニブロット | ブロットモジュール1つにつきミディゲル1枚、タンク1台にブロットモジュール1~2つ | ミニゲル1~4枚、またはミディゲル1~2枚 | ミディゲル1~2枚またはミニゲル1~4枚 |
転写時間 | 60分 | 60~120分 | 30分 | 7~10分 | 最短3分 |
ブロッティング領域(cm) | 9 x 9 | 9 x 9 | 9.2 x 14.4 | 10 x 18または 21 x 22.5 | 8.5 x 13.5 |
転写バッファー容量 | ブロットモジュール1つあたり220 mL | 200 mL | ブロットモジュール1つあたり300 mL | プレカットメンブレン&フィルター:50~100 mL、 専用の転写スタック:バッファー不要 | バッファー不要 |
電源 | 外部 | 外部 | 外部 | 内部 | 内部 |
必要な装置 | Mini Gel Tank:最大2つのミニブロットモジュールに対応 | XCell SureLock Mini-Cell | SureLock Tandem Midi Gel Tank | — | — |
詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
動画:iBlot 3ウェスタンブロット転写システムを用いたタンパク質ゲル転写がいかに簡単であるかをご確認ください。
バックグラウンド蛍光となる主要な要因を排除するには、ニトロセルロースおよび特殊な低蛍光PVDFメンブレンなど自己蛍光の少ないメンブレンとして、Thermo Scientificニトロセルロースメンブレン(カタログ番号88018)および低蛍光PVDF転写メンブレン(カタログ番号22860)などを使用します。メンブレンの取り扱い時は、手袋とメンブレン用の清潔なピンセットを使用し、バックグラウンド蛍光やアーチファクトの原因となるメンブレンの汚染やひっかき傷を最小限に抑えてください。
ヒント:多くのインクは蛍光を発するため、メンブレンに対してペンは使用しないでください。これらの代わりに鉛筆を使用してください。
以下の表を参照して、お客さまのタンパク質ゲルに適した転写バッファーを選択してください。
タンパク質サンプルのタイプ | ゲルの種類 | プレキャストゲル | 転写バッファー |
---|---|---|---|
少量/翻訳後修飾 広範囲の分子量(6~400 kDa) | Bis-Tris | Bolt Bis-Tris Plus(60 µLまでロード可) | Bolt Transfer Buffer |
NuPAGE Bis-Tris | NuPAGE Transfer Buffer | ||
多量 広範囲の分子量(6~400 kDa) | Tris-Glycine | Novex Tris-Glycine WedgeWell format | Novex Tris-Glycine Transfer Buffer |
高分子量(40~500 kDa) | Tris-Acetate | NuPAGE Tris-Acetate Gels | NuPAGE Transfer Buffer |
低分子量(2.5~40 kDa) | Tricine | Novex Tricine Mini Gels | Novex Tris-Glycine Transfer Buffer |
抗体および蛍光標識の慎重な選択は、マルチプレックス蛍光ウェスタンブロッティングの成功に不可欠です。Download our application note: Fluorescent western blotting - a guide to multiplexingでは、抗体および蛍光標識の選択について詳細に解説しています。
光学的に異なるスペクトルを有する蛍光色素を選択することで、クロスチャンネル蛍光を回避できます。マルチプレックス実験で選択すべき、特徴的な励起スペクトルおよび発光スペクトルを有する蛍光色素の例を、以下の図1および2に示します。1~4プローブのマルチプレックスウェスタン実験でのiBright FL1500 Imaging Systemに使用可能なマルチプレックス蛍光色素の組み合わせの例については、表1をご覧ください。
表1.iBright FL Imaging Systemでのマルチプレックスを成功させるための蛍光色素の組み合わせ例。
ターゲットの数 | コンジュゲート1 | コンジュゲート2 | コンジュゲート3 | コンジュゲート4 |
---|---|---|---|---|
1 | Alexa Fluor Plus 647 | |||
2 | Alexa Fluor Plus 647 | Alexa Fluor 546 | ||
3 | Alexa Fluor Plus 647 | Alexa Fluor 546 | Alexa Fluor Plus 488 | |
4 | Alexa Fluor Plus 647 | Alexa Fluor 546 | Alexa Fluor Plus 488 | Alexa Fluor Plus 800 |
図1.特徴的な励起スペクトルを有する蛍光色素を慎重に選択したマルチプレックス実験の例。この例はFluorescence SpectraViewerで作成したものですが、Alexa Fluor Plus 488とAlexa Fluor 546の蛍光色素の特徴的励起スペクトル(点線)のオーバーラップについては、励起フィルターのレンジ内で最小限になっています。どちらの蛍光色素も発光フィルターの領域内に発光スペクトル(実線)の一部を有していますが、Alexa Fluor 546 は Alexa Fluor Plus 488 用に選択された励起フィルターによって励起されないため、Alexa Fluor 546 からの蛍光は出現せず発光フィルターを通り抜けることはありません。
図2.特徴的な発光スペクトルを有する蛍光色素を慎重に選択したマルチプレックス試験の例。この例はFluorescence SpectraViewerで作成したものですが、Alexa Fluor Plus 680とAlexa Fluor 790の発光スペクトル(実線)は、両者の発光フィルターのレンジ内でオーバーラップしていません。どちらの蛍光色素も励起フィルター1のレンジ内に励起スペクトル(点線)の一部を有していますが、この励起レンジで生成されるAlexa Fluor 790の蛍光は発光フィルター1を通り抜けられる波長外のため、Alexa Fluor 790からの蛍光は当該チャンネルのカメラ検出器には到達しません。
希少または貴重なサンプル中の少量ターゲットを蛍光ウェスタンブロットで検出し可視化する必要がありますか?
下記の検索ツールを使用して、目的の抗体を検索します。次にターゲット種または宿主種、モノクローナルまたはポリクローナル抗体、アプリケーション、およびその他の基準で検索結果を絞むことができます。
当社のInvitrogen iBindおよびiBind Flexウェスタンデバイスを使用すると、ブロッキング、抗体反応、洗浄のすべてのステップをハンズフリーで行えます。詳細はthermofisher.com/ibindでご確認ください。
問題 | 考えられる原因 | 解決方法 |
---|---|---|
シグナルが弱い、またはない | 一次抗体量が不十分 |
|
抗体の失活 |
| |
露光時間が短すぎる |
| |
不適切な装置設定 |
| |
界面活性剤の使用 |
| |
ブロッキングバッファーによる抗原のブロック |
| |
ゲルにロードするサンプル量の不足 |
| |
タンパク質の転写が不十分ないし転写後のタンパク質の損失 |
| |
非特異バンド | 目的のターゲットに対する抗体の特異性が不十分 |
|
サンプルの完全性が不十分 |
| |
マルチプレックス検出における抗体の交差反応 |
| |
マルチプレックス時に他のチャンネルからの蛍光の流出(予期しないバンドの出現) |
| |
バックグラウンド関連の問題(高い、不均一化、斑点の発生) | メンブレンの汚染によるバックグラウンドの上昇 |
|
タンパク質マーカーやラダーの過剰ロードによるアーチファクト発生 |
| |
洗浄または希釈液が不適切 |
| |
過剰な量の二次抗体によるバックグラウンドの上昇 |
| |
メンブレンの乾燥による、まだらで不均一なバックグランド |
| |
不適切なメンブレンの選択 |
| |
メンブレン上の斑点および指紋 |
|
昨今のイメージングソフトウェアの進化や装置の感度向上により、蛍光画像の取得および定量的なウェスタンブロット解析は、より簡単なものとなりました。それでも利用する装置については、検出したい数の蛍光色素を捕らえることができるかどうか、イメージャーが蛍光色素に適したフィルターを備えているかどうかを確認する必要があります。
当社の提供するパワフルで操作性に優れたiBright FL1500イメージングシステムは、高感度かつ効率的なマルチモードでの画像取得を実現します(下のイメージ2を参照)。iBright FL1500では、簡単に4プレックス画像を取得できます。このシステムは大型容量タッチスクリーンインターフェースと高性能デザインのソフトウェアを備えています。
iBright FL1500イメージングシステムの製品詳細を見る
iBright FL1500イメージングシステムのパンフレットをダウンロード
タンパク質の標準化は、定量的ウェスタンブロッティングの信頼性と再現性を確保するための重要なステップであり、具体的な方法としてはハウスキーピングタンパク質または総タンパク質の標準化が挙げられます。最適な条件下であれば標準化は不要な場合もありますが、サンプルローディングや転写効率などの要素が関与するため、ウェスタンブロットの標準化は不可欠です。ハウスキーピングタンパク質は実験条件の影響を受ける可能性があるため、総タンパク質の標準化のほうが信頼性の高い方法です。ウェスタンブロッティングデータで総タンパク質の標準化を行う場合、Invitrogen No-Stain Protein Labeling Reagentは操作性と手軽さに優れた試薬であり、転写後のメンブレンに適用することで感度の高い線形検出が行えます。
iBright FL1500イメージングシステムには、No-Stain Protein Labeling Reagentやその他多くのメソッドで標準化を簡単に行うためのソフトウェアが付属しています。
No-Stain Protein Labeling Reagentの詳細を見る
以下のアプリケーションノートは、内部ローティングコントロールを使用した標準化の基本原理や、再現性のある有意義なデータを取得するためにウェスタンブロットを正確に標準化する方法を説明しています。ダウンロードしてご覧ください。
アプリケーションノート:Normalization in western blotting to achieve relative quantitation
別の抗体でブロットをリプローブするには、Restore Fluorescent Western Blot Stripping Bufferを使用してください。Restore Fluorescent Western Blot Stripping Bufferは、PVDF膜の再使用を可能にします。これによりウェスタンブロットの最適化プロセスが簡素化され、同じブロットを異なる一次抗体でリプローブして別のターゲットを検出できるようになります。Restore Fluorescent Western Blot Stripping Bufferは、低蛍光PVDFメンブレンにのみ使用可能です。
ウェスタンブロッティングの開始から完了までを網羅したソリューションが必要ですか?
それともメインとなるブロッティングの特定ステップのみのパフォーマンス向上をお求めですか?
ウェスタンブロッティングに用いるタンパク質サンプルは、組織、細胞、細胞分画などの多くの材料から取得されます。これらの材料からタンパク質を分離し精製するメソッドは多数存在しています。
蛍光ウェスタンブロッティング実験用のタンパク質サンプルの調製では、バックグラウンド蛍光に影響するコンタミの混入を回避することが重要です。ブロモフェノールブルーは、イメージング時のバックグラウンド蛍光に影響します。
ウェスタンブロッティングに適合した抽出液を提供する全タンパク質抽出試薬・キットは以下の通りです:
サンプルタイプ | 目的 | 推奨されるThermo Scientificの試薬・キット |
---|---|---|
初代培養または哺乳類の細胞または組織 | 全タンパク質の抽出 | M-PER Reagent T-PER Reagent N-PER Reagent RIPA Lysis and Extraction Buffer Pierce IP Lysis Buffer |
培養された哺乳類細胞または組織 | 細胞成分の分画または細胞小器官の分離 | NE-PER Reagent Subcellular Fractionation Kits Mitochondria Isolation Kits Pierce Cell Surface Protein Isolation Kit Syn-PER Reagent Lysosomes Enrichment Kit |
細菌細胞 | 全タンパク質の抽出 | B-PER Reagent |
酵母細胞 | 全タンパク質の抽出 | Y-PER Reagent Y-PER Plus Reagent |
昆虫細胞(バキュロウイルス) | 全タンパク質の抽出 | I-PER Reagent |
植物組織(葉、幹、根、花) | 全タンパク質の抽出 | P-PER Reagent |
タンパク質サンプルの濃度の把握は、電気泳動ステップでゲルにロードするべき適正量の決定に役立ちます。サンプルのタンパク質濃度の測定には、さまざまなタンパク質アッセイが利用できます。タンパク質アッセイ選択ガイドを活用して、各自のニーズに適したタンパク質アッセイの選択にお役立てください。
Thermo Scientific Multiskan Sky吸光マイクロプレートリーダーを使用することで、信頼性の高いタンパク質の定量と解析、およびDNAやRNAの解析、ELISAなどのUV-Vis吸光度測定アプリケーションを実施できます。Multiskan Skyリーダーは、幅広い波長領域(200~1,000 nm)、光路長補正、高速測定を特長としています。オプションのµDropプレートで可能となる超微量分析は、最高16回分の測定をNanoDropで同時実施することに相当します。直感的な操作をもたらすタッチスクリーン式ユーザーインターフェース、およびオンボードソフトウェアと内蔵プロトコルにより、装置での直接測定が迅速に実施できます。また、いずれかの装置を購入したカスタマーには、操作性に優れたThermo Scientific SkanItソフトウェアを無制限に利用できるライセンスが提供され、広範な既製プロトコルを収集した当社のオンラインライブラリにアクセスできます。
マルチプレックス蛍光ウェスタンブロッティングの2番目のステップは、調製したタンパク質サンプルをゲル電気泳動で分離することです。ターゲットタンパク質は、タンパク質ゲルの化学的性質とポリアクリルアミド濃度を慎重に選択することで、他のタンパク質から適切に分離できます。よりシャープなバンドパターンを得るには、ポリアクリルアミドのグラジエントゲルの使用をご検討ください。
ターゲットタンパク質の最適な分離能は、個々のタンパク質に適したタンパク質ゲルを選択することで得られます。当社からは4種類のプレキャストされたタンパク質ゲルが提供されています。どの種類のゲルを選択すべきかは、分離するタンパク質量とサイズによります。
目的タンパク質の最適な分離を実現するタンパク質ゲルおよびバッファーをお選びください。
タンパク質サンプルのタイプ | ゲルの種類 | プレキャストゲル | サンプルバッファー* | タンパク質ラダー | 泳動バッファー | 転写バッファー |
---|---|---|---|---|---|---|
少量/翻訳後修飾 広範囲分子量(6~400 kDa) | Bis-Tris | Bolt Bis-Tris Plus(60 µLまでロード可) | Fluorescent Compatible Sample Buffer | iBright Prestained Protein Ladder | Bolt MOPS SDS Buffer(15~260 kDa)、Bolt MES SDS Buffer(3.5~160 kDa)、少量サンプルにはBolt Antioxidantを添加 | Bolt Transfer Buffer |
NuPAGE Bis-Tris | NuPAGE MOPS SDS Buffer(15~260 kDa)、Bolt MES SDS Buffer(3.5~160 kDa)、少量サンプルにはBolt Antioxidantを添加 | NuPAGE Transfer Buffer | ||||
多量 広範囲分子量(6~400 kDa) | Tris-Glycine | Novex Tris-Glycine WedgeWell format | Novex Tris-Glycine SDS Running Buffer | Novex Tris-Glycine Transfer Buffer | ||
高分子量(40~500 kDa) | Tris-Acetate | NuPAGE Tris-Acetate Gels | Spectra Multicolor High Range Protein Ladder | NuPAGE Tris-Acetate SDS Running Buffer | NuPAGE Transfer Buffer | |
低分子量(2.5~40 kDa) | Tricine | Novex Tricine Mini Gels | Spectra Multicolor Low Range Protein Ladder | Novex Tricing SDS Running Buffer | Novex Tris-Glycine Transfer Buffer | |
*サンプルを70℃で10分間加熱。 |
ブロモフェノールブルーを含むサンプルバッファーは蛍光を発し、バックグランドを上昇させる場合があります。ブロモフェノールブルーを含むサンプルバッファーを使用する場合は、バックグラウンドの蛍光シグナルを抑えるために、転写前に色素フロントをゲルから流し出したり、転写後に色素を含む部分をメンブレンから切除してください。
ブロモフェノールブルー非含有の蛍光適合サンプルバッファーとして、Invitrogen Fluorescent Compatible Sample Bufferなどの使用を検討してください(カタログ番号LC2570)。
中分子量タンパク質のマルチプレックス蛍光ウェスタンブロッティングには、iBright Prestained Protein Ladder を分子量マーカーとして使用することをお奨めします。 このマーカーは、電気泳動中にタンパク質バンドを直接可視化し、以下の特長を備えています。
標準的な染色済み分子量マーカーも使用できますが、マーカーに蛍光バンドが含まれている場合、過剰なロードはバックグラウンド蛍光を増加させたり隣接レーンにシグナルを漏出させる可能性があるため、ロードする量を最適化する必要があります。iBright Prestained Protein Ladderではゲルにロードする分子量マーカーは少量で済み、可視化および蛍光検出であれば通常は2~4 µLで十分です。
タンパク質ゲルウェルカムパックは、Invitrogenプレキャストタンパク質ゲルを用いたマルチプレックス蛍光ウェスタンブロッティング実験を始める際の、コスト効率に優れた選択肢です。タンパク質ゲルウェルカムパックは、各種類のタンパク質ゲルが用意されており、プレキャストタンパク質ミニゲル、バッファー、ラダー、および Mini Gel Tank を含んでいるため、個々に購入するよりも大幅にコストを節約できます。iBright Prestained Protein Ladder および Invitrogen Fluorescent Compatible Sample Buffer(カタログ番号LC2570)は、タンパク質ゲルウェルカムパックには含まれていないため、別途注文する必要があります。
電気泳動後にタンパク質をポリアクリルアミドゲルからニトロセルロースまたはポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)メンブレンへ効率的に転写することは、ウェスタンブロッティングの重要なステップであり、これにより特定タンパク質の免疫検出技術を用いた検出が可能になります。
ゲル転写の電気泳動メソッドは、ウェット転写、セミドライ転写、ドライ転写に分類できます。
以下の選択表を参照して、転写のメソッドおよび必要な装置、バッファー、所要時間を比較してください。
ウェット転写 | セミドライ転写 | ドライ転写 | |||
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XCell II Blot Module | SureLock Tandem Midi Blot Module | Power Blotter Systems | iBlot 3 Western Blot Transfer System | ||
キャパシティー | ブロットモジュール1つにつきミニゲル1枚、タンク1台にブロットモジュール1~2つ | 最大2ミニブロット | ブロットモジュール1つにつきミディゲル1枚、タンク1台にブロットモジュール1~2つ | ミニゲル1~4枚、またはミディゲル1~2枚 | ミディゲル1~2枚またはミニゲル1~4枚 |
転写時間 | 60分 | 60~120分 | 30分 | 7~10分 | 最短3分 |
ブロッティング領域(cm) | 9 x 9 | 9 x 9 | 9.2 x 14.4 | 10 x 18または 21 x 22.5 | 8.5 x 13.5 |
転写バッファー容量 | ブロットモジュール1つあたり220 mL | 200 mL | ブロットモジュール1つあたり300 mL | プレカットメンブレン&フィルター:50~100 mL、 専用の転写スタック:バッファー不要 | バッファー不要 |
電源 | 外部 | 外部 | 外部 | 内部 | 内部 |
必要な装置 | Mini Gel Tank:最大2つのミニブロットモジュールに対応 | XCell SureLock Mini-Cell | SureLock Tandem Midi Gel Tank | — | — |
詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
動画:iBlot 3ウェスタンブロット転写システムを用いたタンパク質ゲル転写がいかに簡単であるかをご確認ください。
バックグラウンド蛍光となる主要な要因を排除するには、ニトロセルロースおよび特殊な低蛍光PVDFメンブレンなど自己蛍光の少ないメンブレンとして、Thermo Scientificニトロセルロースメンブレン(カタログ番号88018)および低蛍光PVDF転写メンブレン(カタログ番号22860)などを使用します。メンブレンの取り扱い時は、手袋とメンブレン用の清潔なピンセットを使用し、バックグラウンド蛍光やアーチファクトの原因となるメンブレンの汚染やひっかき傷を最小限に抑えてください。
ヒント:多くのインクは蛍光を発するため、メンブレンに対してペンは使用しないでください。これらの代わりに鉛筆を使用してください。
以下の表を参照して、お客さまのタンパク質ゲルに適した転写バッファーを選択してください。
タンパク質サンプルのタイプ | ゲルの種類 | プレキャストゲル | 転写バッファー |
---|---|---|---|
少量/翻訳後修飾 広範囲の分子量(6~400 kDa) | Bis-Tris | Bolt Bis-Tris Plus(60 µLまでロード可) | Bolt Transfer Buffer |
NuPAGE Bis-Tris | NuPAGE Transfer Buffer | ||
多量 広範囲の分子量(6~400 kDa) | Tris-Glycine | Novex Tris-Glycine WedgeWell format | Novex Tris-Glycine Transfer Buffer |
高分子量(40~500 kDa) | Tris-Acetate | NuPAGE Tris-Acetate Gels | NuPAGE Transfer Buffer |
低分子量(2.5~40 kDa) | Tricine | Novex Tricine Mini Gels | Novex Tris-Glycine Transfer Buffer |
抗体および蛍光標識の慎重な選択は、マルチプレックス蛍光ウェスタンブロッティングの成功に不可欠です。Download our application note: Fluorescent western blotting - a guide to multiplexingでは、抗体および蛍光標識の選択について詳細に解説しています。
光学的に異なるスペクトルを有する蛍光色素を選択することで、クロスチャンネル蛍光を回避できます。マルチプレックス実験で選択すべき、特徴的な励起スペクトルおよび発光スペクトルを有する蛍光色素の例を、以下の図1および2に示します。1~4プローブのマルチプレックスウェスタン実験でのiBright FL1500 Imaging Systemに使用可能なマルチプレックス蛍光色素の組み合わせの例については、表1をご覧ください。
表1.iBright FL Imaging Systemでのマルチプレックスを成功させるための蛍光色素の組み合わせ例。
ターゲットの数 | コンジュゲート1 | コンジュゲート2 | コンジュゲート3 | コンジュゲート4 |
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1 | Alexa Fluor Plus 647 | |||
2 | Alexa Fluor Plus 647 | Alexa Fluor 546 | ||
3 | Alexa Fluor Plus 647 | Alexa Fluor 546 | Alexa Fluor Plus 488 | |
4 | Alexa Fluor Plus 647 | Alexa Fluor 546 | Alexa Fluor Plus 488 | Alexa Fluor Plus 800 |
図1.特徴的な励起スペクトルを有する蛍光色素を慎重に選択したマルチプレックス実験の例。この例はFluorescence SpectraViewerで作成したものですが、Alexa Fluor Plus 488とAlexa Fluor 546の蛍光色素の特徴的励起スペクトル(点線)のオーバーラップについては、励起フィルターのレンジ内で最小限になっています。どちらの蛍光色素も発光フィルターの領域内に発光スペクトル(実線)の一部を有していますが、Alexa Fluor 546 は Alexa Fluor Plus 488 用に選択された励起フィルターによって励起されないため、Alexa Fluor 546 からの蛍光は出現せず発光フィルターを通り抜けることはありません。
図2.特徴的な発光スペクトルを有する蛍光色素を慎重に選択したマルチプレックス試験の例。この例はFluorescence SpectraViewerで作成したものですが、Alexa Fluor Plus 680とAlexa Fluor 790の発光スペクトル(実線)は、両者の発光フィルターのレンジ内でオーバーラップしていません。どちらの蛍光色素も励起フィルター1のレンジ内に励起スペクトル(点線)の一部を有していますが、この励起レンジで生成されるAlexa Fluor 790の蛍光は発光フィルター1を通り抜けられる波長外のため、Alexa Fluor 790からの蛍光は当該チャンネルのカメラ検出器には到達しません。
希少または貴重なサンプル中の少量ターゲットを蛍光ウェスタンブロットで検出し可視化する必要がありますか?
下記の検索ツールを使用して、目的の抗体を検索します。次にターゲット種または宿主種、モノクローナルまたはポリクローナル抗体、アプリケーション、およびその他の基準で検索結果を絞むことができます。
当社のInvitrogen iBindおよびiBind Flexウェスタンデバイスを使用すると、ブロッキング、抗体反応、洗浄のすべてのステップをハンズフリーで行えます。詳細はthermofisher.com/ibindでご確認ください。
問題 | 考えられる原因 | 解決方法 |
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シグナルが弱い、またはない | 一次抗体量が不十分 |
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抗体の失活 |
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露光時間が短すぎる |
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不適切な装置設定 |
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界面活性剤の使用 |
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ブロッキングバッファーによる抗原のブロック |
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ゲルにロードするサンプル量の不足 |
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タンパク質の転写が不十分ないし転写後のタンパク質の損失 |
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非特異バンド | 目的のターゲットに対する抗体の特異性が不十分 |
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サンプルの完全性が不十分 |
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マルチプレックス検出における抗体の交差反応 |
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マルチプレックス時に他のチャンネルからの蛍光の流出(予期しないバンドの出現) |
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バックグラウンド関連の問題(高い、不均一化、斑点の発生) | メンブレンの汚染によるバックグラウンドの上昇 |
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タンパク質マーカーやラダーの過剰ロードによるアーチファクト発生 |
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洗浄または希釈液が不適切 |
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過剰な量の二次抗体によるバックグラウンドの上昇 |
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メンブレンの乾燥による、まだらで不均一なバックグランド |
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不適切なメンブレンの選択 |
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メンブレン上の斑点および指紋 |
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昨今のイメージングソフトウェアの進化や装置の感度向上により、蛍光画像の取得および定量的なウェスタンブロット解析は、より簡単なものとなりました。それでも利用する装置については、検出したい数の蛍光色素を捕らえることができるかどうか、イメージャーが蛍光色素に適したフィルターを備えているかどうかを確認する必要があります。
当社の提供するパワフルで操作性に優れたiBright FL1500イメージングシステムは、高感度かつ効率的なマルチモードでの画像取得を実現します(下のイメージ2を参照)。iBright FL1500では、簡単に4プレックス画像を取得できます。このシステムは大型容量タッチスクリーンインターフェースと高性能デザインのソフトウェアを備えています。
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タンパク質の標準化は、定量的ウェスタンブロッティングの信頼性と再現性を確保するための重要なステップであり、具体的な方法としてはハウスキーピングタンパク質または総タンパク質の標準化が挙げられます。最適な条件下であれば標準化は不要な場合もありますが、サンプルローディングや転写効率などの要素が関与するため、ウェスタンブロットの標準化は不可欠です。ハウスキーピングタンパク質は実験条件の影響を受ける可能性があるため、総タンパク質の標準化のほうが信頼性の高い方法です。ウェスタンブロッティングデータで総タンパク質の標準化を行う場合、Invitrogen No-Stain Protein Labeling Reagentは操作性と手軽さに優れた試薬であり、転写後のメンブレンに適用することで感度の高い線形検出が行えます。
iBright FL1500イメージングシステムには、No-Stain Protein Labeling Reagentやその他多くのメソッドで標準化を簡単に行うためのソフトウェアが付属しています。
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以下のアプリケーションノートは、内部ローティングコントロールを使用した標準化の基本原理や、再現性のある有意義なデータを取得するためにウェスタンブロットを正確に標準化する方法を説明しています。ダウンロードしてご覧ください。
アプリケーションノート:Normalization in western blotting to achieve relative quantitation
別の抗体でブロットをリプローブするには、Restore Fluorescent Western Blot Stripping Bufferを使用してください。Restore Fluorescent Western Blot Stripping Bufferは、PVDF膜の再使用を可能にします。これによりウェスタンブロットの最適化プロセスが簡素化され、同じブロットを異なる一次抗体でリプローブして別のターゲットを検出できるようになります。Restore Fluorescent Western Blot Stripping Bufferは、低蛍光PVDFメンブレンにのみ使用可能です。
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For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.