Novex® NuPAGE® SDS-PAGE Gel system は、従来のLaemmliシステムの変性条件をシミュレートした画期的な高性能ポリアクリルアミドゲル電気泳動システムです(Tris-Glycine SDS-PAGE GelNuPAGE® SDS-PAGE Gel には、電気泳動中に有効pHを低く保つ当社独自のバッファー組成を使用しています。この方法はTris-Glycine SDS-PAGE Gelで見られるような「スマイリング」および分解能の不足が生じません。

Novex® NuPAGE® SDS-PAGE Gel Systemには次のような特長があります。

NuPAGE Bis-Tris Pre-Cast Gels

低~中分子量のタンパク質の分離に最適

nupage-bis-tris
NuPAGE Tris-Acetate Pre-Cast Gels

大きいサイズのタンパク質の分離に最適

nupage-tris-acetate

当社のすべてのミニゲルに、 XCell SureLock® ミニセル のほか、新しいミニゲルタンクも使用できます。

NuPAGE® SDS-PAGE Gel泳動試薬

NuPAGE® SDS-PAGEゲル はBis-Tris/HCl バッファー(pH 6.4)を用いて調製するポリアクリルアミドゲルです。分離中のゲルpHは7付近です。NuPAGE® Bis-TrisゲルにはSDSは含まれていませんが、変性ゲルの電気泳動用に作製されています。Laemmliシステムでは、アルカリ性(約pH9.5)です。そのため残存する非重合アクリルアミドがタンパク質のシステイン残基およびリジン残基と反応する可能性があります。この反応は、ブロッティングなどダウンストリームの解析に影響を及ぼすことがあります。NuPAGE®タンパク質ゲルは中性pH であるため、アルカリ性pHの Tris-Glycineゲルに比べこのような反応の速度数桁遅くなり、よりシャープなバンドとより高い分解能が得られます(図1)。

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図1 (A) Novex® NuPAGE® ゲルおよび (B)従来のTris-Glycineゲルを使用したタンパク質分離。 ここに示す例は、(A)NuPAGE® 4–12% Bis-Trisゲル上でMES-SDS Running Buffer を用いて電気泳動させたもの、(B)は他社の4–20% Tris-Glycineゲルで電気泳動させたものです。NuPAGE®  タンパク質用ゲルではサンプルの分解能が高いことを示しています。他社のゲルで見られる分離能が低い「ぼやけた」バンドは、サンプル中のジスルフィド結合の一部が再酸化されて、泳動速度がわずかに変化した結果です。レーン1、6、7、10: Mark12™未染色タンパク質標準物質 ;レーン2:タンパク質ロード量が多い(4通りのタンパク質、6 µg/タンパク質);レーン3:ブロードレンジ標準物質;レーン4、5: E. coli 抽出物;レーン8: SeeBlue® 染色済みタンパク質標準物質;レーン9:MultiMark多色タンパク質標準物質。

NuPAGE® タンパク質ゲルにはバッファーシステムが異なる次の2通りの製品があります:NuPAGE® Bis-TrisゲルおよびNuPAGE® Tris-Acetate ゲル。NuPAGE® Bis-Tris Gelは、タンパク質の修飾を最小限に抑える中性のpH環境を採用しており、低~中分子量のタンパク質の分離に最適です。 NuPAGE® Tris-Acetateゲルは、大きいサイズのタンパク質をpH 8.1で最適に分離できるように設計されています。

サンプル調製は、タンパク質解析の成功にとって極めて重要なステップです。従来のLaemmli型のサンプルバッファーのpHは、100°Cに加熱すると6.8 から5.2に変化します。  このpHの低下はアスパルチル-プロリル(Asp-Pro)ペプチド結合の開裂を引き起こすことが知られており、これはタンパク質の分解につながります。NuPAGE® LDS Sample Buffer は、>pH 7.0の環境を維持することで、Asp-Pro切断を最小限に抑えてタンパク質の完全性を保持します。図3に、NuPAGE®システムを用いた電気泳動においてサンプルの完全性が維持されていることを示します。Laemmli (Tris-Glycine)サンプルバッファーで調製したサンプルでは、タンパク質の分解が見られます。 NuPAGE®Antioxidant 泳動用バッファー添加剤を使用することで、電気泳動中のタンパク質の酸化が最小限に抑えられ、還元タンパク質のバンドがシャープでクリアに保たれます。

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図3Novex® NuPAGE® SDS-PAGE Gel System(左)を使用することで、Laemmli(Tris-glycine)サンプルバッファーで調製したサンプル(右)と比較して、電気泳動中のサンプルの完全性が維持されます。

高いゲル安定性

NuPAGE®タンパク質用ゲルは、従来のTris-glycineシステムと同じ不連続SDS-PAGEゲルシステムですが、より低いpHで調製されます。この中性pH環境により、はるかに長い製品有効期間が可能になります(NuPAGE® Bis-Tris Gelでは1年、NuPAGE® Tris-Acetate Gelでは8ヵ月)。

効率的なブロッティング

NuPAGE®Transfer Bufferは中性pHを維持し、タンパク質をメンブレンに転写する際に、還元されたのサンプルの再酸化を防ぎます。そのため、従来のアルカリ性pHの転写バッファーで生じうるサンプルの修飾が回避され、サンプルの抗原性が維持されます。NuPAGE® Bis-Tris Gelは、Tris-glycineゲルで必要とされるアクリルアミド濃度よりも低濃度でタンパク質を分離できます。よりオープンなゲルマトリックスにより、ウェスタンブロッティングでタンパク質のメンブレンへの転写をより効率的に行えます。

広範なアプリケーションで最高の性能を示します。

通常のタンパク質分離にNuPAGE® SDS-PAGE Gel Systemを使用することで、極めて優れた性能が得られます。さらに、このゲルシステムの高分離能および還元状態の維持・ゲル分解の防止は、もっとも難しいアプリケーションにも適しています。NuPAGE® Bis-Tris Gelを使用するとTris-glycineゲルよりも低いアクリルアミド濃度で同等のタンパク質分離を行え、またブロッティングもより効率的に行えます。

NuPAGE® SDS-PAGEゲル はBis-Tris/HCl バッファー(pH 6.4)を用いて調製するポリアクリルアミドゲルです。分離中のゲルpHは7付近です。NuPAGE® Bis-TrisゲルにはSDSは含まれていませんが、変性ゲルの電気泳動用に作製されています。Laemmliシステムでは、アルカリ性(約pH9.5)です。そのため残存する非重合アクリルアミドがタンパク質のシステイン残基およびリジン残基と反応する可能性があります。この反応は、ブロッティングなどダウンストリームの解析に影響を及ぼすことがあります。NuPAGE®タンパク質ゲルは中性pH であるため、アルカリ性pHの Tris-Glycineゲルに比べこのような反応の速度数桁遅くなり、よりシャープなバンドとより高い分解能が得られます(図1)。

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図1 (A) Novex® NuPAGE® ゲルおよび (B)従来のTris-Glycineゲルを使用したタンパク質分離。 ここに示す例は、(A)NuPAGE® 4–12% Bis-Trisゲル上でMES-SDS Running Buffer を用いて電気泳動させたもの、(B)は他社の4–20% Tris-Glycineゲルで電気泳動させたものです。NuPAGE®  タンパク質用ゲルではサンプルの分解能が高いことを示しています。他社のゲルで見られる分離能が低い「ぼやけた」バンドは、サンプル中のジスルフィド結合の一部が再酸化されて、泳動速度がわずかに変化した結果です。レーン1、6、7、10: Mark12™未染色タンパク質標準物質 ;レーン2:タンパク質ロード量が多い(4通りのタンパク質、6 µg/タンパク質);レーン3:ブロードレンジ標準物質;レーン4、5: E. coli 抽出物;レーン8: SeeBlue® 染色済みタンパク質標準物質;レーン9:MultiMark多色タンパク質標準物質。

NuPAGE® タンパク質ゲルにはバッファーシステムが異なる次の2通りの製品があります:NuPAGE® Bis-TrisゲルおよびNuPAGE® Tris-Acetate ゲル。NuPAGE® Bis-Tris Gelは、タンパク質の修飾を最小限に抑える中性のpH環境を採用しており、低~中分子量のタンパク質の分離に最適です。 NuPAGE® Tris-Acetateゲルは、大きいサイズのタンパク質をpH 8.1で最適に分離できるように設計されています。

サンプル調製は、タンパク質解析の成功にとって極めて重要なステップです。従来のLaemmli型のサンプルバッファーのpHは、100°Cに加熱すると6.8 から5.2に変化します。  このpHの低下はアスパルチル-プロリル(Asp-Pro)ペプチド結合の開裂を引き起こすことが知られており、これはタンパク質の分解につながります。NuPAGE® LDS Sample Buffer は、>pH 7.0の環境を維持することで、Asp-Pro切断を最小限に抑えてタンパク質の完全性を保持します。図3に、NuPAGE®システムを用いた電気泳動においてサンプルの完全性が維持されていることを示します。Laemmli (Tris-Glycine)サンプルバッファーで調製したサンプルでは、タンパク質の分解が見られます。 NuPAGE®Antioxidant 泳動用バッファー添加剤を使用することで、電気泳動中のタンパク質の酸化が最小限に抑えられ、還元タンパク質のバンドがシャープでクリアに保たれます。

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図3Novex® NuPAGE® SDS-PAGE Gel System(左)を使用することで、Laemmli(Tris-glycine)サンプルバッファーで調製したサンプル(右)と比較して、電気泳動中のサンプルの完全性が維持されます。

高いゲル安定性

NuPAGE®タンパク質用ゲルは、従来のTris-glycineシステムと同じ不連続SDS-PAGEゲルシステムですが、より低いpHで調製されます。この中性pH環境により、はるかに長い製品有効期間が可能になります(NuPAGE® Bis-Tris Gelでは1年、NuPAGE® Tris-Acetate Gelでは8ヵ月)。

効率的なブロッティング

NuPAGE®Transfer Bufferは中性pHを維持し、タンパク質をメンブレンに転写する際に、還元されたのサンプルの再酸化を防ぎます。そのため、従来のアルカリ性pHの転写バッファーで生じうるサンプルの修飾が回避され、サンプルの抗原性が維持されます。NuPAGE® Bis-Tris Gelは、Tris-glycineゲルで必要とされるアクリルアミド濃度よりも低濃度でタンパク質を分離できます。よりオープンなゲルマトリックスにより、ウェスタンブロッティングでタンパク質のメンブレンへの転写をより効率的に行えます。

広範なアプリケーションで最高の性能を示します。

通常のタンパク質分離にNuPAGE® SDS-PAGE Gel Systemを使用することで、極めて優れた性能が得られます。さらに、このゲルシステムの高分離能および還元状態の維持・ゲル分解の防止は、もっとも難しいアプリケーションにも適しています。NuPAGE® Bis-Tris Gelを使用するとTris-glycineゲルよりも低いアクリルアミド濃度で同等のタンパク質分離を行え、またブロッティングもより効率的に行えます。

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.