Schematic of cell structure with expanded view of a lysosome

リソソームは膜結合小器官で、生体分子の分解、アポトーシス、細胞シグナル伝達、代謝、および細胞膜修復などのいくつかの細胞プロセスに関与しています。リソソームマーカーはリソソームの同定および追跡に効果的なツールです。LysoTrackerマーカーは酸性の内容物を標的とし、リソソーム内に局在します。一方、CellLight蛍光融合タンパク質はリソソーム膜を標的としており、リソソームの位置を特定したり追跡します。

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リソソームの紹介

リソソームは膜結合小器官で、糖質、脂質、核酸、およびペプチドなどの生体分子を分解する酵素を含有しています[1–3]。細胞内分子はオートファジーと呼ばれるプロセスによって消化され、エンドサイトーシスによって取り込まれた細胞外物質は食作用と呼ばれるプロセスによって消化されます[1, 2]。 リソソームはまた、食作用によるウイルス粒子や細菌の消化にも関与しています。リソソームは、細胞内外の物質の輸送、増殖および成長を調節するシグナル伝達、細胞代謝などの他の細胞プロセスに関与していることが示されています[3]。

リソソームマーカーの選択ガイド

 
ターゲット酸性のオルガネラが標的
リードアウト蛍光イメージングによるリソソームの局在
一般的なフィルターセットDAPIFITCTRITCCy5
標識LysoTracker BlueLysoTracker GreenLysoTracker RedLysoTracker Deep Red
励起/発光(nm)373/422504/511577/590647/668
シグナル対ノイズ比
光安定性
マルチプレックス解析
生細胞
固定細胞不可不可不可不可
固定可能不可不可不可
フォーマット20 x 50 uL20 x 50 uL20 x 50 uL5 x 50 uL
カタログ番号L7525L7526L7528L12492
 
ターゲットリソソーム膜
リードアウト蛍光タンパク質イメージングによるリソソームの局在
蛍光標識FITCTRITC
標準フィルターセットGFPRFP
励起/発光(nm)485/520555/584
シグナル対ノイズ比
光安定性
マルチプレックス解析
生細胞
固定細胞不可
固定可能
フォーマット1キット1キット
カタログ番号C10507C10504
 
ターゲット酸性のオルガネラが標的
リードアウト蛍光イメージングによるリソソームの局在
一般的なフィルターセットDAPIFITCTRITCCy5
標識LysoTracker BlueLysoTracker GreenLysoTracker RedLysoTracker Deep Red
励起/発光(nm)373/422504/511577/590647/668
シグナル対ノイズ比
光安定性
マルチプレックス解析
生細胞
固定細胞不可不可不可不可
固定可能不可不可不可
フォーマット20 x 50 uL20 x 50 uL20 x 50 uL5 x 50 uL
カタログ番号L7525L7526L7528L12492
 
ターゲットリソソーム膜
リードアウト蛍光タンパク質イメージングによるリソソームの局在
蛍光標識FITCTRITC
標準フィルターセットGFPRFP
励起/発光(nm)485/520555/584
シグナル対ノイズ比
光安定性
マルチプレックス解析
生細胞
固定細胞不可
固定可能
フォーマット1キット1キット
カタログ番号C10507C10504

LysoTrackerリソソームマーカー

LysoTrackersは細胞透過性リソソームマーカーで、生細胞中の酸性オルガネラを標的にし、追跡します。LysoTrackerマーカーは、弱塩基性アミンに結合したフルオロフォアで構成されています。LysoTracker保持のメカニズムは比較的不明ですが、オルガネラの膜に保持された状態でプロトン化するためと考えられます。これらのリソソームマーカーは、pHが低く、中性pHでは部分的にしかプロトン化されていないオルガネラに蓄積します。LysoTrackerリソソームマーカーは、他の蛍光マーカーとのマルチプレックス化を可能にするよう、さまざまな色で提供されています(図1および2)。

Microscopic image of cells stained with red lysosomes and green mitochondria
図1.リソソームとミトコンドリアのマルチカラーイメージング。ウシ肺動脈内皮細胞(BPAEC)を50 nMのLysoTracker Red DND-99および75 nMのMitoTracker Green FMとともに、37℃で30分間同時にインキュベートしました。両色素は、細胞を3%のグルタルアルデヒドで30分間固定した後でも、優れた細胞保持性を示しました。画像をHuygensソフトエウアを使用してデコンボリューションしました。
Microscopic image of cells stained with red lysosomes, green endocytosis, and blue nuclei
図2.リソソームとエンドサイトーシスのマルチカラーイメージング。A549細胞を完全培地中でHoechst 33342および50 nMのLysoTracker Deep Redで15分間標識しました。その後、細胞を温かいDPBSで洗浄し、40 µg/mLのpHrodo Green 10k-dextran含有DPBSで37℃にて90分間インキュベートしました。標準的なDAPI/FITC/Cy5フィルターセットを使用してイメージングしました。画像をHoechst 33342(青)、LysoTracker Deep Red(赤)、およびpHrodo Green 10k-dextran(緑)で疑似着色しました。

CellLightリソソーム融合タンパク質

CellLight蛍光融合タンパク質はリソソーム膜コンストラクトで、生細胞内のリソソームを標識して細胞内挙動のダイナミクスを追跡します。CellLight蛍光タンパク質は、emGFP(図3)またはTagRFP(図4)に融合したLamp1(リソソーム関連膜タンパク質1)コンストラクトを使用します。 CellLightリソソーム膜マーカーは緑色または赤色の蛍光融合タンパク質で提供されており、他の蛍光色素やタンパク質とのマルチプレックスが可能です。さらに、蛍光染色は固定および透過処理後も維持されます。

リソソーム膜マーカーは、オートリソソームの分解前にオートファゴソームとの融合を追跡するためのツールとしても機能します。

その他のオートファジーマーカーの詳細を見る

Microscopic image of cells stained with green lysosomes, orange oxidation, and blue nuclei
図3.CellLight Lysosome-GFPによる生細胞イメージング。CellLight Lysosomes-GFPを発現しているヒト骨肉腫(U2-OS)細胞を、200 µMのtert-Butyl hydroperoxideで2時間処理しました。5 µMのCellROX Orangeと1 mL当たり2滴のNucBlue Live Cell Stainを含有する染色液を37℃で30分間適用しました。細胞を洗浄し、Live Cell Imaging Solutionでイメージングしました。
Microscopic image of cell stained with red lysosomes, green microtubules, and blue nucleus

図4.CellLight蛍光融合タンパク質による生細胞イメージング。Cascade Biologics社のヒト大動脈平滑筋細胞(HASMC)をCellLight Lysosomes-RFP、CellLight MAP4-GFP、およびHoechst 33342で形質導入しました。生細胞をDeltaVision Core顕微鏡と標準的なDAPI/FITC/TRITCフィルターセットを使用してイメージングしました。

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